ガンダムアストレイ アウトフレーム

登録日:2012/02/14(火) 22:34:18
更新日:2024/03/18 Mon 15:55:50
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オレはアンタの全てが見たい!



『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』などに登場するモビルスーツ(MS)。




ガンダムアストレイ アウトフレーム


■基礎データ

型式番号:ZGMF-X12
全高:17.71m
重量:46.40t
装甲材質:発泡金属

装備:
ガンカメラ
ビームサイン×3
ワイヤーアンカー×4
ビームライフル

特殊装備:
ミラージュコロイドデテクター
ストライカーコネクタ

ストライカーパック装備:
バックジョイント
作業用ナイフ「アーマーシュナイダー」×2
バックホーム
シューティングコート
Gフライト
マルチパック



■機体解説

『DESTINY ASTRAY』の主人公で、フォト・ジャーナリストのジェス・リブルが搭乗するMS。
基本的には取材で用いられるため、戦闘用の装備(武装)を持たない非戦闘用の機体である。

ジェネシスα内にフレームのみの状態で放置されていた謎のMSをロウ・ギュールが発見し、彼の手で(MSとして)完成させた。
元々は戦闘用MSだったようだが、組み上げたロウの手で独自のアレンジが加えられ、作業用の機能・装備を盛り込まれて様々な状況に対応可能な汎用機となった。
作業用という点に重きを置かれたため、戦闘力に関しては攻撃・妨害「にも」使える程度の武装しか持たない一方、
基本的に戦闘用に開発された他のMSにはまず見られない、ユニークな装備を持っている。

その正体は、ザフトが開発し、連合に強奪された試作MS『テスタメント』の予備機である。
テスタメントは、連合が最初に開発した5機のMS、通称『G』の中で唯一ザフトが奪取し損ね、
換装能力等の頭一つ抜けた汎用性を以て、一機だけで他の4機に対抗してみせたストライクを参考に開発されたMSであり、
その予備機である本機も、背部にストライカーパックを装着可能(ただし、肩に装着するパーツについては補助パーツを必要とする)。
この機能はアウトフレームに改造された後も維持されており、通常はアームやライトを備える「バックジョイント」と、居住空間としての機能を持つ「バックホーム」を装着している。

ロウが発見した時には上述の通りフレームしかなかったため、外観は似ているがテスタメントとは相違点がいくつかある。
まず、動力は核エンジンではなくバッテリーとなっており、当然Nジャマーキャンセラーもない。
装甲も、PS装甲のテスタメントとは違って発泡金属装甲となっており、形状も異なっている。
PS装甲よりも強度が下がる反面、機体重量は軽くなっており、機動性という面ではテスタメントを上回る。
センサー系統はかなり高性能で、ミラージュコロイドそのものを探知するミラージュコロイドデテクターも搭載されており、
これによってミラージュコロイドを散布しているMSが近くにいれば、(詳しい位置までは無理だが)存在を感知することが出来る。


「アストレイ アウトフレーム」という名称は、上記の通り発見時に「装甲類が無くフレームが剥き出しだった」ことに由来する。
また、本機が地球連合とザフトのMSの特徴を併せ持ち、故に両陣営のどちらの規格にも合わない「規格外のMS」であることから命名された。
なお、「アストレイ」と付いているが、これは上述の理由からロウが命名した際についでに付けられたもので、当然これも(開発者による)正式名称ではない。
開発元もオーブではなくザフトなので、オーブの主力MSやその試作機であるアストレイシリーズとの関連性はない*1

ジェスの手に渡ったのは、ロウが火星へ向かう直前、ジェネシスαをザフトが運用していたジェネシスと勘違いして勝手に取材していた彼の乗機(レイスタカスタム)を、
ロウ達が出立するまでの護衛を引き受けていた、傭兵部隊「サーペントテール」の隊長である叢雲劾が発見し、破壊したことを受け、
自身の依頼が元で(ジェスにまったく落ち度がなかったというわけでもないが)乗機を失ったことの詫びという形で、ロウがジェスに譲渡したことによる。
レンタルするだけでもかなり値が張るMSを、元手はさほど掛かっておらず、ロウ自身が運用する予定も(おそらく)ないとはいえ、無償で譲るという大盤振る舞いである。気前が良すぎる
さらには、火星行きを嫌がって地球圏に残りたがっていた、MSの操縦補佐なども(機体に繋ぐことで)可能なAI「8(ハチ)」も、ちょうどいいということで付いてきた。
そのあまりの気前の良さにジェスが気後れしているのを見て取ったロウは、「気が引けるのなら譲るんじゃなく貸すことにする」として改めてジェスに貸与したが、
元々譲るつもりだったところから察するに、貸与の形になったとはいえロウ自身は後で返してもらうつもりはあまりなかったと思われ、
実際、物語中盤にロウは火星から地球圏に帰ってくるが、ジェスに返還を求めようとする様子はなかった*2

後に8の提案・設計を元にバックパックがマルチパックになり、ストライカーパック以外にウィザードやシルエットも装着可能になっている。
但し弊害として換装時にOSが書き換えられてしまうので、使用には8のサポートが必要になってしまった。



■装備

非戦闘用なので、基本的に武装はほとんど装備されていない。

  • ガンカメラ
MS用の携行式カメラ。
大型の望遠レンズと映写装置を内蔵しており、映像の録画はもちろん空中投影による再生も可能。
映写装置は光を放つこともでき、出力を上げた光を当てて相手のセンサー系を一時的にダウンさせる事も出来る。
元はマティスからの贈り物でレイスタと共に使われていたが、ロウからアウトフレームを譲り受けた際に引き継いだ。

  • ワイヤーアンカー
腰部アーマーと両膝に内蔵。
壁などに打ち込んで機体を固定したり、崖を上る時に使う。
腰部の物は丸い先端部に鉤が付いており、伸ばした状態でマニピュレーターを使って振り回し目標に向けて投擲し引っ掛ける。
膝の物は高速射出出来、鋭利な先端部を目標に突き刺すことで転落時など咄嗟の時に機体を支える。また、隠し武装としても役立つ。

  • ビームサイン
腰アーマー内に2本装備。
円筒形のグリップからビームを出力し、その名の通りビームを使ってサインを出す。
搭載されたミラージュコロイド技術によって、出力されるビームは曲がりくねったり扇形になったりと変幻自在。
腰のワイヤーアンカーに接続することで振り回したりもできる。
通常は只のサイン用の光源だが、出力を上げればビームサーベルやビームシールドとしても使える。
ただし直接的な攻撃力を発揮させられる程の出力を出せるのは数分程度と極端に短い。

  • ビームライフル
マディガンが設計した専用武器。カートリッジからエネルギー供給する。
護身用だが威力は高く、本機のセンサーと連動させれば精密射撃も行える。
グレネードランチャーも内蔵。

これらの他にも肩には装備懸架用のベルトなども内蔵されている。


ストライカーパック装備

  • バックジョイント
背面ストライカーコネクタに装着された二本の多関節アームクレーンを備えるストライカー。
ジェスがロウから譲り受けた時から装備されており、以降も基本装備となっている。
アーム先端は二本指の簡易マニピュレーターとなっており、作業時の補助や装備の一時的な懸架など、第三、第四の腕として使える。
後述の装備を持ち上げたり、戦闘用MSの腕部を拘束してしまえる程度のパワーと器用さも有している。

  • 作業用ナイフ「アーマーシュナイダー」
バックジョイントの上部に2本ずつ装備。
主に作業用として使われるが、戦闘にも充分耐えられる。

  • バックホーム
長期取材用に8が設計した居住ユニットで、文字通り『家』としての機能を有する。
ぱっと見では分かり難いが、バックジョイントのアームを使って背面に背負っており、コネクターは無く、これ自体はストライカーパックではない。
内部は三階建てで、一階がベッドルーム、二階がキッチン。
三階は空きスペースだったが、後にユン・セファンに開発してもらったユニットバス(8設計)が組み込まれ、バスルームとなっている。
出入口として下部のハッチと上部の露天シャッターがあり、更に機体本体のコクピットから直接出入りも可能。
大容量バッテリー内蔵なので、長旅を伴う長期取材でも安心。
但し、バッテリー残量が少なくなると真っ先に風呂の電源がカットされ、湯がぬるくなるらしい。これは調整でお湯優先にも出来るとのこと。その機能いる?
背面下部にはガンカメラ用三脚兼用のスパイク付き小型シールドを装着。
また、正面上部にはライトと煙幕散布装置が取り付けられている。

  • シューティング・コート
バックホームから展開される高性能光学ステルス装備。
ミラージュコロイドとは全く異なる理論によって作成され、展開することによるバッテリーの消耗増加や防御力の低下を一切引き起こさないのが特徴。
展開したまま各種装備を併用することもでき、作中では切り裂きエドと“白鯨”ジェーンの戦い(痴話喧嘩)を至近距離からジェーンに気づかれることなく撮影した(エドには事前に許可を取った)。
…………そんな高性能装備があるわけないって?ご明察通り。この装備の実態は「色つきの布を機体前面に吊り下げる」もの。要するに創作物で忍者がよくやるアレである。
濃霧、砂塵などの各シチュエーションに対応するため、展開する布には何種類かのカラーバリエーションがある。
原始的な設計で、状況に応じたカラーリングの布を適時選択する必要があるが、的確な色・ポジションを選択出来た際には割と馬鹿に出来ないステルス性能を発揮する。

  • Gフライト
8が設計した、飛行形態への変形機構を与え航続距離と巡航速度を飛躍的に伸ばすストライカーパック。
機首とブースター・スタビライザーから成るバック部分、ブースターとスタビライザーからなる手持ちユニット、そして両膝下側面に装着するブーストで構成される。
飛行形態時はバックパックと手持ちユニットを接続し、うつ伏せ状態のアウトフレームを挟み込む。外見上はほぼ飛行機のような形状。
この飛行形態では1G重力下・無重力下を問わず単独飛行が可能となるうえ、両腕がフリーになるので高速飛行する取材対象に追随・並走しながらのガンカメラ撮影が可能になる。
手持ちユニットは大型のシールドとしても使用可能だが、内蔵されたウイング部分を損傷すれば当然飛行はできなくなる。

  • マルチパック
8が設計した、アウトフレームの背部にあるストライカーパック用コネクタに、ザクのウィザードやインパルスのシルエットを装備できるようになるマルチアダプタ。
8曰く「以前接触した機体からデータを吸い上げておいた」とのこと。
ザフト最新鋭のウィザードシステムはまだいいとして、公表前であったインパルスのシルエットシステムにまで対応しているとか、
8はどうやってそのデータを手に入れたのだろうか。


■劇中の活躍

主にジェスが搭乗。
前述の通り、ジェネシスαの取材時、破損したレイスタの代わりとしてロウから渡される。
その後は8と共に南米を始めギガフロートやアーモリーワンなど、地球・宇宙を問わず世界各地に赴き、取材を行った。
取材現場の都合上、やむを得ず戦闘に巻き込まれることも多かったが、アウトフレーム自体の機体ポテンシャルや、
搭乗するジェス(と8)の機転や護衛として同行していた傭兵のカイト・マディガンの助けでなんとか切り抜けている。

ブレイク・ザ・ワールドが起こると地球に落下するユニウスセブンをジェネシスαで破壊するために出撃して照準役を務めるがテスタメントに妨害され、
カイトの搭乗するゴールドフレーム天ミナの介入によってジェスは死なずに済むが、元々戦闘向きのMSでなくジェスも戦闘に不慣れであったこともあり、中破させられてしまった。




『真実』を教えてくれ

ガンダムアストレイ アウトフレームD


■基礎データ

型式番号:ZGMF-X12D
全高:17.71m
重量:46.40t
装甲材質:発泡金属

装備:
ガンカメラ
ビームサイン
作業用ナイフ「アーマーシュナイダー」
ワイヤーアンカー
ビームライフル
マディガン専用複合銃

特殊装備:ミラージュコロイドデテクター

パイロット:
ジェス・リブル
カイト・マディガン


■機体解説

火星から帰還したロウによって、修復と同時に戦闘にも耐えうるように改修されたアウトフレーム。
元々テスタメントの予備機(=戦闘用MS)であったということを考えると、元の仕様に戻したという側面もある。

腕や下半身の装甲がテスタメントと同じ形状の物に交換されており、ワイヤーアンカーなどはオミットされた。
しかしこの装甲も発泡金属製なので、テスタメントと比べて防御力が劣っている反面、機動性では勝っている。
また、ストライカーコネクタに変更は無いため、各種ストライカーも継続して使用可能(肩への補助パーツも依然必要だが)。

大きな特徴として、テスタメントが用いるウィルスによるジャミングを防ぐため、頭部のメインカメラ部分をサブコクピットに換装できるようになり、
ここに『目』となるジェスが乗り込み、メインコクピットにカイトが搭乗して戦闘を行う、所謂複座式の機体としても運用できる。もちろん、センサーへの再換装も可能。
コクピット換装時にどこかの誰かに武装解除の一環でカメラを狙われたら洒落にならない事態になる。

名称の「D」はロウ曰く「ダブル」や「ダッシュ」など、様々な意味が込められているらしい。
実際には、当初は戦闘用という意味で「デュエル」から付けていたが、カイトに「既にその名の機体が存在する」と指摘され、
それならと「デスティニー」に変えたら、今度はジェスから「インパルスにそんな名前の装備案がある」と指摘されてしまい、
最終的にセトナが提案した「ダブル」「ダッシュ」に落ち着くというグダグダなやりとりの末に命名された。


■装備(改修前と同じ物は割愛)

  • マディガン専用複合銃
カイトが愛用している武器。
ビームと実弾の撃ち分けが可能で、銃身の下部にはブレードが装備されている。
イルドとの戦闘の際にはジェスが使用した。

  • カレトヴルッフ
ロウが製作した多目的ツール。ロウが調整してガンカメラとして機能するようになっている。
武器として使えることもあってジェスは当初受け取りを渋ったが、百聞は一見にしかずということで装備された。
ガンカメラの機能も以前よりよくなっているらしい。


■劇中の活躍

以前と同様、ジェスが主に搭乗する。
テスタメントとの再戦で頭部にジェス、通常コクピットにカイトと8が乗り込み、ソードストライカー装備で出撃。
PS装甲やウィルスによるジャマーに苦しめられるも、切り裂きエドと同じ「装甲の継ぎ目を狙う」という戦法でテスタメントに勝利した。
その後は以前のように世界中を周り、様々な人物達を取材していた。

なお、本編後、8がロウの下に戻ってからはジェスが一人で操縦している。



ゲームでの活躍


◇GENERATION OF C.E.

アウトフレームが参戦。Dは出ない。
ビームサインとガンカメラで攻撃するが、間合いが狭い為扱い難い。


SDガンダムGジェネレーションシリーズ

アウトフレームDのみ参戦。
やろうと思えば序盤に入手可能だが、何故か長距離偵察用複座型ジンから開発できる。「センサー系が強い」繋がりかもしれないが少々無理があるのでは……



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最終更新:2024年03月18日 15:55

*1 一応、本機もアストレイシリーズも、オーブの工廠が秘密裡に連合の依頼で開発した『G』を参考にしたという意味では、間接的な関係性があるとは言えなくもないが。

*2 ついでに言えばこの時、テスタメントに襲われたことでアウトフレームは中破していたが、一応貸している形にもかかわらずロウはジェスに損傷させた責任を問うこともなく、「マシンは壊れても直せばいいが、人はそう簡単にいかない」として、ジェスが襲撃から生還できたことを喜んでいる。