ドラゴンクエストモンスターズ+

登録日:2009/08/05(水) 04:04:42
更新日:2024/04/18 Thu 21:15:47
所要時間:約 7 分で読めます






「お……俺は勇者になるんだ! なんだよ、モンスター・マスターって……」


『勇者よりかっこいい職業さ……!!』


月刊少年ガンガンで連載されていた漫画。全5巻。
作者はケロロ軍曹などで知られる吉崎観音。

ゲーム「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド」の少し後の世界が舞台となっている。
また、ドラゴンクエストⅠ〜Ⅲのロト三部作も絡んでくる。
ドラクエⅣのホイミンかと思われる魔物や、Ⅴの主人公らしき人物も登場する。


■あらすじ

47たびめの満月の夜『ほしふりの夜』でテリーは探していたお姉さんと無事に再開し、もとの世界に戻ることができた。
そしてその後もテリーはモンスターマスターの腕をあげるため度々タイジュの国を訪れ大活躍をしていた。
しかし、テリーは急に姿を消し、そしてわたぼうも何者かに封印され姿を消してしまう。
タイジュの国はわたぼうの加護を失い、モンスターたちは邪の波動に影響され急激に野生化してしまう。
そこでわたぼうは残された力で勇者に憧れる少年クリオをタイジュの国へ導く。


登場人物
【モンスター・マスターとその仲間】
◆クリオ
本作の主人公。
勇者に憧れる少年、勇者になるためにわたぼうについて行きタイジュの国へ導かれる。
が、お目当ての勇者ではなくモンスターマスターになると聞かされると、すぐに帰ろうとする最近の若者。
モンスターじいさんの活躍を見てモンスターマスターになることを決心する。
性格はテリーとは正反対で、熱血派。
スライム系をよく使うモンスターマスター。
物語完結時のパーティはスライム(スラお)、エンジェルスライム、ゴールデンスライム。

◆スラお(スライム)
テリーの元相棒で、血統一直線チャキチャキのまじりっけ無しのスライム。
ゲームで最初に仲間になるスラぼうの孫(ゲームの方でもSクラスクリア後に仲間にできた)。
星降りの大会優勝時のパーティメンバーでもある。
マダンテなどの高等呪文も覚えていたが、長くマスターを離れ野生に戻り忘れてしまっている。
代わりに必殺技「スラお・ジャスティスアッパー」(要するに体当たり)がある。
テリーに会いたい一心で邪の波動をこらえていた。
レベルは限界値の30で止まってしまっているが、経験値を計算するとレベル120程になるらしい。
ザラキによって命を落とすが、死後の世界でその限界を超えた能力を進化させ、
マダンテをも超越した究極の特技「エボルシャス」を身に着けた。
その正体は詳しくは語られないが、おそらくは全生命力と魔力を引き換えに勇者の力をその身に一時的に宿す技なのだと思われる。

◆ジュニア(ドラゴンキッズ)
正しくは「魔物大臣ジュニア」で、親である魔物大臣はゲームで図書館にいたヤマタノオロチ。
ゲームで登場した際にも言っていた「皆のもの 痙攣(けいれん)ー!」という言い回しは健在。
親であるオロチが野生化して蒸発したため、物語序盤の知恵袋役としてクリオのパーティに参加する。
Ⅰ世界の冒険の後、ライムと配合されてクリオの元を去る。
が、親の職務を引き継いでタイジュの国にそのまま居残った。

◆ライム(スライムベス)
Ⅰ世界でクリオ達の仲間になる。
通常のスライムと異なり、メラ系呪文を使う。
本来モンスターズにスライムベスは登場しないため、ジュニアは当初彼女のことを不思議がっていた。
ひそかな思いを寄せていたらしいスラおをフッてジュニアと配合される。

◆ドラム(ドラゴスライム)
ライムとジュニアの娘。
ライムから受け継いだメラ系呪文を独自強化した「メラゾーマ・ベス」を放つことができる。
また、古今東西のあらゆるドラゴンに変身できる「真ドラゴラム」を冥界で習得するが、打ち切りのため使用する機会はなかった。

◆ブーキー(ぶちキング)
動きが鈍く、本人の性格も気弱だったためぶちスライム達に虐められていた。
クリオに拾われてパーティの一員になる。
パーティの中では、巨体とパワーを活かしてアタッカーを務めていた。
ゲーム通りザキ耐性が高い。
Ⅱ世界でキングの名に恥じない勇気を持つようになる。

◆マルモ
物質系を使うモンスターマスターで賢者でヒロイン。(多分)掟とかは無い
パーティはメタルドラゴン、ばくだんいわ、のろいのランプ。
感情が希薄で、クリオに裸を見られても動じない。
凄まじい魔力の素質を持っているが、それ故に家族からも迫害され、心を閉ざしていた。
モンスターに名前を付けることもしなかったが、それが後に災いとなる。
モンスターを亡くしたまま異世界から帰還してしまったため、彼らの魂を呼び戻す事ができず、彼女は仲間を永遠に失ってしまったのだ。
しかし、突然現れた謎のタマゴ(ワンダーエッグ?)に懐かれてマスターになる。
彼女はそれに「クリオ」と名前を付けた。
実はⅢ女賢者の姉妹弟子。マルモの方が実力があったのだが、勇者に思いを寄せる彼女のために自ら身を引く。この賢者は後にⅢ勇者と寄り添っておりつまり…?

◆ディノ
獣系のモンスターを好んで使う、カレキの国のモンスターマスター。
呪いを受けて犬の耳と尻尾が生えている。犬耳ショタ。
パーティはキラースコップ(キーラ)、かまいたち(かまちー)、グリズリー(グリーズ)
最終巻ではかまいたちが二世に、グリズリーがキングレオになっているが、キーラは現役のまま。
キーラ自身は己の力に限界を感じているが、ディノはパーティから外すつもりは無いとの事。

◆スカラベ
虫系を使うモンスターマスターで、ダーマに忍者という職業を認めてもらうために旅をしている。
職業は忍者。拙者は超カッコイイでござる。
相手のモンスターをこっそり縛り上げたり、
神父に変装して疲弊したマスターを容赦なく叩きのめしたりする。流石忍者汚い。
パーティははさみくわがた、ホーンビートル、そして自分。
得意技は「甘〜い息」

余談だが2023年1月より、スマートフォンアプリ「ドラゴンクエストウォーク」にて、ドラクエ史上初となる職業「ニンジャ」が実装された。
20年もの苦節を経て、ようやく彼の努力が報われたと言えるだろう。

◆ヴィルト
鳥系を連れているモンスターマスター。
師匠はキラーパンサーを連れた、時を失った者(容姿から、恐らくⅤ主人公
パーティはひくいどり、ホークブリザード、サンダーバード。
邪配合ゾーマを瞬殺するなど、オリジナルキャラの中でもすさまじい実力を持っていたことが示唆されていたが、テリーに挑み戦闘シーンも無く敗北した。
ぶっちゃけ空気。

テリー
タイジュのかつての英雄。
配合によって生み出した魔神「デスタムーア」(第3形態)に洗脳され、闇落ちした。
パーティ(部下)はひとつめピエロ(ピューロ)、スカルスパイダー、竜王、ゾーマ、ムドー、ジェノシドー。
恐らく全て邪配合によって生み出したモンスターであり、名前の後ろに「≒」がつけられる。

◆ピューロ
テリーの部下として暗躍するひとつめピエロ。
独自の邪配合モンスター「バズズ」を自分のエサとして作成したが、力を上げすぎたバズズに一蹴され、後に他の部下に粛清された。
欲望に忠実な点においては、テリーから評価されていた。
こっちの死神とは関係ない。

◆竜王≒
邪配合によって生み出された紛い物の竜王。
モンじいの神竜を邪配合で吸収し竜王(DRAGON)≒になる。
Ⅰ世界にて小物っぷりを遺憾なく発揮し、本物の竜王によって粛清された。

ドラクエⅠの世界】
勇者
この世界における勇者。
一人孤独に戦い続けていたためか、少し慎重すぎる一面もある。
ややコメディ色の強い三枚目系。
だが、後に仲間と共に戦うことによって、常に会心の一撃を繰り出せるほどの実力を発揮した。
自称竜王のストーカー(使い方間違ってますよ)。

竜王
ドラクエⅠの世界の支配者。
紛い物である「竜王≒」に制裁を加えて去って行った。
抱いてほしい竜No.1。

ドラクエⅡの世界】
ロラン
ローレシア王子で、この世界における勇者。
通称「破壊神を破壊した男
どでかい扉を正拳突きでぶち開けたり、腕を軽く振っただけでバズズの腕を吹き飛ばすほどの腕力を誇る。
だが、その人間離れした力のせいで人間達から迫害され、
かつての仲間であるサトリとルーナにさえ何も告げずに失踪していた。
素手でバズズを圧倒するほどの力を持つが、自分を普通の人間のように殺せないバズズの無力に怒り、嘆いた。
心のどこかで人としての死に場所を探し求めていたのかもしれない。
エビルシドーに殺されかかるも、駆けつけたサトリとルーナにより迷いを断ち切る。

サトリ
サマルトリア王子であり、彼もまた勇者。
名前の通り、自信家かつ軽口を言うような悟りを開いたような男で、原作の「いやあ、探しましたよ」とはまるで別人のようになっている。
ただし、戦闘の時以外は昔のままののんびり屋らしい。
その剣術は凄まじく、二度破壊の風を起こす。
要するに「はかぶさの剣」の再現……なのだが、ゲームだとサマルトリアの王子は破壊の剣を装備できない。

ルーナ
ムーンブルグ王女であり、やっぱりロトの血を引く勇者。
彼女とロラン、サトリ、3人合わせて最強の化け物(モンスターズ)となる。
感情が昂ぶると犬の声に戻る(昔の古傷)
マホトーンの詠唱がなんか凄い厨二スペル満載になってる。彼女もまほとーんは使えない。
これらに関してはコミックス版で「冒険が終わった後もお互いに切磋琢磨したため、使えるようになった」とフォローされている。

◆バズズ
ピューロによって復活した邪配合モンスター。
邪配合の力が暴走し、シドーのような翼と4本の腕を持つ化け物「エビルシドー」となり、
メラ・ギラ・バギ・ヒャドを同時に使いこなしてロランを圧倒した。
サトリ、ルーナの援護によってロランに倒されるも、今度はべリアル、アトラスの魂が暴走し、おぞましい姿となった。


■邪配合

デスタムーアの波動に魅せられたテリーが生み出した、配合とは似て非なる物。
これによって生み出されたモンスターは、名前の後ろに「≒」の記号が付く。
配合というより融合、吸収といった感じで、本体となる魔物の意思で、無理やり他のモンスターを取り込む事が可能。
なお、作中でドラクエⅣの「進化の秘法」を参考にしたかのような資料が見受けられる。


■余談
ドラクエⅠ、Ⅱの世界を攻略し、このまま以降の世界にも旅立つかと思われたのだが、その後打ち切り
正確には作者が当時人気絶頂のケロロ軍曹を連載していたため多忙すぎて打ち切ったというのが正しいらしい。
伏線も非常に多かったのだが、消化不良のまま諸々投げっぱなしで終わっている。
しかし、内容は少年漫画らしく大変わかりやすい展開となっており非常に読みやすい。上記のようにドラクエシリーズをやりこんでいないとわからないようなネタや展開をぶち込んでおりその点でも非常に好評。
勇者達がオリジナル設定で迫害されていたり、オリジナルキャラたちにも黒い経緯があったり一部のファンにとっては辛い展開も多く、痛々しい中2臭い描写や設定、セリフなども多く、その点では人を選ぶ一品。


その後、3DSリメイク版『テリワン3D』の発売に合わせ単行本の新装版も発売され、
ゲーム発売後には「月刊ガンガンJOKER」2012年8月号にて、3Dテリーを主役にした「特別編」も描き下ろされ、後に新装版5巻にも収録された。
この特別編は本編終了後の後日談ともパラレル展開とも取れるような内容になっている。
一方でテリーが3DS版風の顔になっていたり、同作での「すれ違い通信」を生かした内容になっているなど本編へのリスペクトは変わらずであった。

へへ……クリオ……オイラ達……待ってるぜ……追記・修正を…………ずっとずっと……いつだって……待ってるからな……!

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最終更新:2024年04月18日 21:15