ルナモード(ウルトラマンコスモス)

登録日:2012/09/10 Mon 03:09:21
更新日:2024/04/05 Fri 18:43:01
所要時間:約 5 分で読めます







愛ってなんなんだ?

正義ってなんなんだ?
力で勝つだけじゃ



何かが足りない



※以下、一部ネタバレあり



相手を倒さず事件を解決する、その斬新さから異彩を放つウルトラ戦士、慈愛の巨人ウルトラマンコスモス

ルナモードはある意味、そんなコスモスを象徴するモードである。


☆特徴

コスモスの基本形態であり、暴れる怪獣を大人しくさせるための姿。
名前の通り月をイメージしており、ウルトラマンの「慈愛」「優しさ」を体現している。
ECLIPSEの歌詞的には「青い夜」のイメージも入っているのかもしれない。

ボディーカラーはで、主役ウルトラマンの基本形態としては初の青色であり、
以降『ウルトラマンZ』まで単独主人公で基本形態が青色のウルトラマンは彼だけだった(『R/B』のブルはダブル主人公の片割れ)。

一方、頭部デザインはむしろM78星雲・光の国のウルトラマン(いわゆるシルバー族)のようにトサカのみのシンプルなもので、
「削減の発想」で切れ込みやモールドのあるデザインを採用した平成ウルトラマンの中ではむしろ珍しい。
コロナモード以降は対照的に削っている。

「シュアッ(↑)!」「ウ(↓)アッ(↑)!」等と勢いのある掛け声を、爽やかな高いボイスで言うのも特徴(主にTV本編のみ)。

太極拳のような動きを取り、怪獣を傷つけないために、押す、受け流す、避ける、たまに投げる。
極力こちらからはダメージを与えないようにしており、敵と対峙する際も、拳を握らず平手を向けて構える。
コロナモードにも言える事だが、何故か荒ぶる鷹のポーズをするのも特徴。

カオスヘッダーとの戦いが激化していくにつれ、コロナモードやエクリプスモードで戦わざるを得なくなり、徐々に影が薄くなっていった。
ただし、稀にコロナモードである程度怪獣を弱らせてからルナモードに戻って落ち着かせるという変則的な運用を行ったこともあった。
しかし最終話、一度分離していたムサシが『真の勇者』となって再びコスモスと合体、変身したその姿は光り輝くルナモードだった。

この形態は公式で『ミラクルナモード』と呼称されている。 


☆技

使う技も、「怪獣から悪い部分を取り除く」「大人しくさせる」等々、攻撃技でないものが多い。

◎フルムーンレクト
ルナモードの技の代表格で、多くの作品で使用。
怪獣の怒りを鎮める興奮抑制光線。虹色の幻想的な光をゆっくりと放つ。
無機物から生まれたカオスバグ等、心を持たない相手には効かない。

◎ルナエキストラクト
代表格その2。
怪獣に取りついたカオスヘッダーを切り離す浄化光線。
ポーズがほとんどフルムーンレクトと同じのため、時たま書籍等で混同されることも。
カオスが進化したせいで効かなくなり、第28話を最後に使わなくなった。

◎ルナファイナル
最終回でカオスダークネスの心に訴えかけて浄化した技。
泥沼の戦いに終止符を打ったのはルナモードだった。

◎ルナストラック
ルナモードの数少ない破壊光線。主に牽制に使ったり敵の攻撃を相殺するために使う。
本編では青白い光弾状のものを撃ち、『サーガ』では青白いビーム状を照射。
ハイパーゼットンの暗黒火球を殆ど相殺した。

◎バリア技
ムーンライトバリア、リバースパイク、リバースパイクバリア等、ルナモードはバリアが豊富。
単なる壁だったり、前進させたりと使い分ける。

◎マストアーム・プロテクター、マストフック・プロテクター
他のウルトラマンにはあまり見られない防御技。手足からウルトラ念力を放ちながら敵の攻撃を弾く。

◎エクリプスパンチ
ルナモードの技だがエクリプスとつく。
幻の右フックと呼ばれるパンチ技……らしい。

◎フルムーンフラッシャー
『サーガ』で初披露した技。ハイパーゼットン・ギガントにダメージを与えたが、実は邪気を祓うための浄化技。
相手が邪悪すぎたのだ。

◎ムーンライトスマッシュ
同じく『サーガ』で初披露。エクリプスモードのコズミューム光線みたいな構えで放つ必殺技。
もう一度言う、ルナモードの必殺技である(ルナモードで戦わざるを得ない事態があったため用意した新技説を挙げる人も)。

ゼロダイナの必殺技と共に撃ったが、相手がハイパーゼットン・イマーゴだったばかり吸収・逆に跳ね返され大ダメージを受けた。


他多数。多彩な技を持つウルトラマンと言えばウルトラマンエースだが、コスモスはルナモードの時点でかなりの数の技を持つ。
ミサイルを止めたり、イラストを実体化させたり、怪獣にエネルギーを与えたり、夢の中に入ったり、
受けたストレスエネルギーを送り返したり、猫だましだったり。

戦闘目的でない分、バラエティー豊かな技が設定されたのかもしれない。
ザランガ回のようなギャグ回がもっとあっても良かったかもしれない。



☆ルナモードの戦闘力

「慈しみの巨人」というコンセプトもあり、
ルナモードの状態でどのくらい戦えるかは正直なところ不明(敵を倒す決意を固めるとコロナモードやエクリプスモードへとチェンジするため)。

一応、映画『FIRST CONTACT』のバルタン星人戦を始めとした幾つかの戦いではルナモードのまま善戦している描写もあり、
またバルタン星人があまり強くないという前提でもフルムーンレクトや捕獲ネットで敵の光線を相殺したり、
エネルギーがほとんど残っていない状態で展開したバリアでエクリプスですら防げなかったカオスダークネスの光球を防ぐなど、
攻撃力はともかく防御面では優れていると思われる。

しかし、やはりTV版では「ルナモードは戦わず、相手をなだめるためのモード」という印象が強かったため、
劇場版『ウルトラマンサーガ』でハイパーゼットンに挑むコスモスが、
終始ルナモードであったことに関して「無謀」「違和感がある」という特にコスモスファンの視聴者からの声が上がっていた。

やはりTV版のイメージから、チェンジしたからといって勝てるとは限らないが、
戦うのであればコロナモードやエクリプスモードへモードチェンジする方が自然と思われたからだろう。

※映画の初期案~制作途中まではカオスヘッダーが連れ去られ、それを救う為にルナモードのままで戦うも奮闘空しくカオスヘッダーが死んでしまう流れだったが、
 カオスヘッダーが連れ去られる流れが御蔵入りとなったせいで、特に理由もないのに終始ルナモードで戦うコスモスという図式が残ってしまったのではないかという推察もある。

前述のとおり、決してルナモードは弱い形態というわけではないのだが、
やはり「敵と戦う」のであれば、コスモスファンからすればモードチェンジしてほしかったというのが正直なところだろう。

なお、公開から約半年後に発売されたDVDおよびブルーレイメモリアルボックスに付属の絵コンテ集に収録されていた初期稿では、フューチャーモード(ウルトラマンコスモス)に変身する展開があった。
これを一部採用して、全モードチェンジは無理でもせめてコロナモードくらいは登場させても良かったのではないだろうか……


また、ルナモード単体は非力ではあるが非力さをカバーする豊富な特殊能力を備えており、
それこそコスモスならでは、それもルナモードならではの技が沢山ある中、
サーガ劇中では怪獣を鎮める事しかしておらずルナモード特有の強バリアを張る等の演出も無く(使用したのはリバースパイクバリアのみ)、
戦闘力で目立った要素が無かったのもいろいろ言われてしまった原因なのかもしれない。

ゼットンギガントでの敗北の原因がゼットンのクローではなく、落ちてきた岩が原因に見えるのも理由の一つか?

(まぁ、その場合上述の「一時的に助けられたが、ゼットンギガントの攻撃でカオスヘッダーが死んでしまう」流れならば、
一瞬でも怒りに支配されてしまったコスモスが一瞬の隙をつかれて敗北するという道もありえたかもしれないが。)


とまあ、色々(サーガ関係で)議論が絶えないルナモードの戦闘力であるが、
元々ルナモードは『戦えない』のではなく『(基本的に)戦わない』モードであり、
そのモードで強敵に相対したのが議論を呼んでいるということだけはわかってもらいたい。

ファンサービスという面だけでなく、数々の作品群で作られてきたルナモードのイメージのためにも、
強敵、悪と戦うのであれば敵と戦うことを目的としたコロナモード等にモードチェンジすべきだったのではないか、という認識が大元にあるのだ。


後に公開された『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』では、久々にコロナモードやエクリプスモードも使用されている。
ギンガビクトリーと共に挑んだエタルガーとの決戦ではルナモードだったが、敵の攻撃を受け流す=空振りさせて一撃毎に仕切り直すスタイルは、
相方が隙を埋めてくれるタッグ戦との相性が非常に良く、コスモスならではの強さを見せ付けた。
防御技や回復技持ちということも含めてルナモードは共闘向けと考えれば、サーガでのルナモードでの戦いもある程度は違和感が薄れるかもしれない。


☆関連

ミラクルナモード
最終回で一瞬登場した、金色のルナモード。
一応、設定的にはこの一瞬だけがミラクルナモードということになっており、すぐにこっちに戻った。

ルナミラクルゼロ
ルナモードと、ウルトラマンダイナのミラクルタイプの力でウルトラマンゼロがチェンジした姿。
ミラクルの超能力の方が目立つが、取り込まれた怪獣の魂を解放、死んだ怪獣を蘇生、とルナモードを思わせる活躍も見せる。

ウルトラマンジードアクロスマッシャー
ウルトラマンヒカリとコスモスのウルトラカプセルでウルトラマンジードがフュージョンライズした姿。
ヒカリの剣技と襖を開けるかのごとき太極拳のような仕草に興奮抑制光線といったコスモスの特徴が融合された活躍を見せる。


☆余談

ゲーム『ウルトラマン Fighting Evolution 3』にて、コスモスはプレイヤーキャラとして登場。
ルナからエクリプス、さらにそこからフューチャーにチェンジする。コロナ「!?」

で、肝心のルナモードだが自分からは攻撃出来ない。
というかつかみかかることも不可能で、出来ることは移動とガードのみの仕様。

相手の攻撃が当たる瞬間相手がコマンドしたのと同じボタンを押すことで攻撃を捌き、
それを繰り返すとフルムーンレクトを発動する、というはっきり言って扱いづらいキャラ。

原作通りと言えば通りだが、上手く出来ないと一方的にフルボッコにされる

…のだが、このゲームは仕様上体力を0にするだけでは勝てず、ふらふらゲージを溜めた上でふっとばし攻撃を当てて必殺技を発動しなければならないため、
わざとボコられて体力を0にする(ふらふらゲージが常時MAXに)→相手のふっとばし攻撃を○ボタンで捌く
のパターンでこちらの体力が0になるとふっとばし攻撃しかしなくなるCPU相手には確実に勝てたりする。

なお、根気強く相手の攻撃を捌き続けていって相手のふらふらゲージをMAXにすると、
いきなりコスモスが相手を殴り飛ばしてフルムーンレクトを照射。

……何故一度殴るかって?そりゃ流石のコスモスも攻められっぱなしじゃストレスが溜ま……じゃなくてシステム上の都合である。
ちなみにこの一撃はカウンターのようなタイミングで放たれるので、ガードなどは(おそらく)不可。拳が飛んできたら諦めてコスモスと和解しよう。
もっとも、このフルムーンレクトはバリアで防げる。防がれたコスモス側の精神的ダメージは計り知れない……。

お互いがルナモードで戦った場合は千年戦争とでもいうべき、終わらない戦いが待っている。
……素直にとっととモードチェンジしたほうが精神的にいいかもしれない。



ちなみに、次回作の『Fighting Evolution Rebirth』では自発的に攻撃できるが、その威力は極小……という仕様に変更された。
まあ対戦ゲームなので、この変更は妥当と言えるだろう。
それでも、投げ技が相手のスタミナを多く減らすので、相手の戦意を減らして必殺技で
とどめを刺すというルナモードのやり方になってはいる。
(あくまでルナモードで戦い続ける場合)

ただ、フィニッシュ技その1であるフルムーンレクトがとんでもない汎用性を持つ技に変更。
ルナエキストラクトと効果が混合され、もはや浄化できれば何でもありの万能っぷりを見せてくれる。
近年のコスモスのフルムーンレクトも大分万能技になってきてはいるが、それと比べても異常である。

更に、フルムーンレクトを浴びたキャラクターによって浄化された後のリアクションが異なるという細かい仕様となっている。


今作のフルムーンレクトは一体……



追記・修正は限りない慈愛の心でお願いします。


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