高坂大介

登録日:2010/11/19 Fri 23:56:43
更新日:2023/01/14 Sat 20:56:29
所要時間:約 5 分で読めます




高坂 大介(こうさか だいすけ)は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の登場人物。

声優立木文彦
性別:男

高坂京介高坂桐乃の父親。
厳格で頑固な、古き良き日本の父親像をそのまま形にしたような男性。

極道面だが、現職の警察官。
風呂上がりは着流し姿でいるので一層強面になってしまう。

真面目且つ一本気な性格で、誠実さを重んじ、一度言ったことは守る。
こういった性格や眼光の鋭さなどは桐乃とよく似ており、度々京介に「桐乃は父親似」と指摘されている。
また、責任感の強さは京介にも受け継いでいるとも言える。

「うちで親父の雷ほど恐いものはない」という京介の言葉どおり、京介はおろか桐乃も逆らえない。
だが、亭主関白と言われればそうでもなく、自宅を建てるに当たって夫婦の寝室を和室にしたかったが、
妻の要望で洋室にするなど、実は妻・高坂佳乃には頭が上がらない。
クリスマスにはデートに出掛けていたりするなど、夫婦仲は円満なようだ。
ちなみに、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル』で語られた昔話によれば、
一応は恋愛結婚らしいが、交際から結婚まで、アプローチをかけるのは全て佳乃からだったらしく、
佳乃は「本当にこの人あたしのこと好きなのかしら」と不安に思っていたとか。

桐乃のモデル活動や軽薄な服装のことは良く思っていないが、
娘と妻の説得に負けて、学業の成績を落とさないことを条件に渋々許可した。
しかし、娘の掲載雑誌を全て集めて写真をスクラップブックに纏めており、桐乃の活躍自体は喜んでいる節がある。
娘の写真を眺めてにやにやしている極道面を想像するとちょっとキモい。

名前は本編中で明かされていなかったが、アニメのクレジットにて判明した。


オタクに対しては強い偏見を抱いており、「ニュースで悪影響を及ぼすと言っていた」程度の認識しか持っていないが、
「ニュースの言葉を鵜呑みにするわけではないが、決していいものではないだろう」というスタンスで見ている。

桐乃の趣味を知った際は「くだらない趣味」と一蹴し、
娘の良くない趣味を矯正すべく、桐乃のアニメ・エロゲーコレクションを捨てようとする。
が、対峙した京介の説得により考え直した。

……かに見えたが、やはりエロゲーだけは認めず、「R-18表記の意味を考えろ」と正論で京介を追い詰める。

最終的には京介の屁理屈に負け、黙認する形で一件落着となった。

その後は、「勝手にしろ」と言っておきながら、
息子と娘が悪い道に進まないようオタクやサブカルチャーについてこっそり調べるなど、
恐いながら良き父親としての顔も覗かせている。


『ポータブル』の桐乃ルートでは、最近(原作1巻~)の記憶のみ失った桐乃のフォローについては「桐乃のことはお前(京介)が一番よくわかっている」と京介に一任した。
一方の桐乃は、仲が悪い頃までの記憶しかないこともあって抗議したが、大介は『俺は京介を信頼している』と一蹴している。

桐乃と実は義理の兄妹だったことが発覚する義妹ルートでは、とあるきっかけで京介が「本当に自分は高坂家の子なのか」と疑問を抱いたことを知ると、
隠すことなく京介が自分たち夫妻の養子(=義理の息子)であると明かした上で、「お前は血が繋がっていなくとも俺の息子だ」と佳乃と二人で宣言した他、
『続くわけがない』(PSP版の続編)の桐乃ルート*1で、桐乃と男女交際していることを京介から明かされた際にも、
てっきり猛反対されると思っていた京介の予想に反し、「(京介と結婚したら桐乃も家を出なくて済むし)いいんじゃないか?」とあっさり認めている*2
また、京介のために桐乃が作った『クソまずい煮込み料理(京介談)』が食卓に並んだ際には、「こんなもん食えるか!」と早々に吹き出した京介と違い、
後で京介に味について聞かれた際には「マズい」と一刀両断したが、聞かれるまでは文句一つ言わず黙々と食べる男らしさを見せている。
曰く、桐乃の料理下手は佳乃譲りだそうで(当人は「ここまでひどくなかったわよ」と抗議していたが)、
桐乃のクソまずい料理の味に「結婚当初を思い出す」と当時を懐かしむ一方で、京介には「味を認識する前に飲み込め」とアドバイスを送った。

加奈子ルートでは当初猫かぶり全開の加奈子にニコリともしなかったが、
京介の彼女(嫁候補)として認められるべく、必死に努力した加奈子の手料理が高坂家の食卓に上がった際には、
味の感想については「普通」と身も蓋もない評価をしつつ、佳乃の態度から『加奈子の手料理』であることを察したようで、
上述の『結婚当初は佳乃は料理下手であった』ことを話し(て佳乃から「喧嘩売ってるの?(意訳)」と詰められ)た後に、
「こんな料理を最初から食べられるお前は運が良い」と京介に告げ、二人の交際を事実上認めた。
尤も、挨拶の際の仏頂面から加奈子には「息子の交際相手とは認めん」と言われたものと勘違いされていたが、
実際には「京介が選んだ娘なら大丈夫だろう」と判断し、最初から交際を認めていたとのこと。

と、このように、ゲームでも総じて『厳格ではあるが、息子、娘想いの良い父親』として描かれていると言えよう。


























と、ここまで聞けば、ちょっと頭は固いが普通にいい親父である。
だがしかし、彼の真髄は別のところにあった……

親父殿は作中随一の萌えキャラだったのだ。

親父萌えキャラ化の始まりは、京介が新垣あやせを説得する材料を集めるため、彼に頼ったことだった。
嫌そうな顔をしながら必要な情報と資料を京介に提供するのだが、その際、
「勘違いしないでよね! 資料があるのはたまたまなんだから! 別にアンタたちのために調べてたわけじゃないんだからっ!」(意訳)
と、見事なまでのツンデレっぷりを披露。
これには息子も苦笑い。
高坂兄妹のツンデレ気質は父親からの遺伝であった。

その後も、
  • 娘の仕事を見に行くが、強面のせいで不審者として通報されかける。
  • 一緒にいた妻に助けを求めるが、面白いから放置される。
  • 娘がアメリカに留学した件について、息子に愚痴る。
  • 娘がアメリカで弱っていることを知ると、海外が嫌いであるにも拘らず、今にも飛んで行きそうな勢いで旅行の準備をする。
  • 息子に妹を連れ戻したいと相談されると、「よし、行ってこい!」(太字)と二つ返事で了承。
  • 娘の友達が海外からホームステイしに来ることが決まったら、苦手な英会話を勉強。
  • しかし日本語ペラペラだったことを知ってがっかり。
  • 娘が彼氏を連れてくると、ヘタレて部屋に引き籠もり、独り酒をかっくらう。
  • 娘が彼氏を作ることに反対し、目を><(バッテン)にして息子に駄々をこねる。
  • 娘の彼氏が実は偽者だったことを知ると上機嫌になる。

と、着実に駄目親z……もとい、萌えキャラとしての道を歩んでいる。
『ポータブル』の限定版付属冊子に掲載された、とあるヒロインルートの後日談小説でも、
かつての仏頂面で厳格な態度はどこへやら、息子夫婦の間に生まれた孫娘にメロメロで、頼まれごとは全力で叶える、まるでダメなおじいちゃんになっていた。




「こういうものは、おまえたちに悪影響を与えるからだ。ニュースなどでもよくやっているだろう、ゲームとやらをやっていると頭が悪くなる。
 犯罪者の家から、いかがわしい漫画やゲームが見付かったと――もちろんテレビの話を鵜呑みにしているわけではないがな……」
「真偽はともかくだ。悪影響を及ぼすと言われていて。しかも、そんなものばかりやっている者どもは……なんだ?
 オタクだのなんだのと……蔑視されているのだろう? であれば、持っていて良い影響などあるまい。そんなものを、おまえたちに買ってやるわけにはいかん」

「……ほ、ほほう。……お、おま、おまえは妹の部屋で、妹のパソコン使って、妹にいかがわしいことをするゲームをやっていたというんだな?」

「親父……実は俺……この前、18禁のグッズを路上にぶちまけちゃってさあ。仲良くしてた女子中学生に嫌われちゃったんだけど、どうしたらいいかな?」
「ブッ――!? ゲフッゲフッゴフッゴフッ……!?」
「このバカ息子が!! よりにもよって親に何を相談するつもりだ貴様!?」

『それを、よりにもよって俺に相談するのか……? その度胸だけは大した物だな』
『だが偶然だな……その事件については――知らないこともない。美少女アダルトアニメ云々の請願についてもそうだ。
 少なくともその娘よりは、俺の方が事情に詳しいだろう。……ふん、むろん、偶然その記事が目にとまったせいで、知っていただけだがな……』
『母親がPTA会長をやっているという話だが……恐らく新垣議員の奥さんのことだろう。
 とすると、その娘が参加した会合とやらにも、偶然心当たりがある。確か……』
『そのジャーナリストのことはよく知っている。偶然、最近、調べたことがあってな』

「え〜? だぁって恥ずかしいもの〜、『ち、違う、これは、娘を……! か、母さん! どこにいる!? 来てくれ……っ!』」
「真似するんじゃないッ!?」

「とにかく俺は反対だっ! 反対っ! 反対っ! 反対っ! 反対っ!」




バカ息子が!! 勝手に追記・修正しろ!! 俺はもう知らん!!

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最終更新:2023年01月14日 20:56

*1 『ポータブル』の桐乃ルートには実妹ルートと義妹ルートがあったが、基本的に『続くわけがない』は京介とヒロインが付き合った後の話を描くためか、桐乃ルートは義妹ルートが前提となっている。

*2 もちろん、現在では京介が家族内では桐乃の一番の理解者であること、京介ならば実の娘である桐乃を任せられるという信頼を念頭に置いての結論である。