メタルスラッグ

登録日:2011/05/10(火) 16:04:42
更新日:2024/04/19 Fri 20:30:18
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メタルスラッグは、SNKからリリースされている2Dアクションシューティングゲームシリーズ、およびその主役機である小型戦車のこと。

1作目から6作目(『2』のリメイク版である『X』を含む)までは同社の基板MVS(いわゆる業務用ネオジオ)で開発・展開されており、駄菓子屋の店頭や旅館のゲームコーナー等の定番ゲームとして人気を博した。
正規軍の特殊部隊員であるプレイヤーを操作して、捕虜の救出や敵に奪われた乗り物(スラッグ)の奪回をしながら、ステージ最奥で待ち構えるボス兵器の破壊をすることが目的。ちなみにエクステンドの概念は無い。
シリーズによって操作に微妙な差異こそあるものの、Aボタンで銃の発射、Bボタンでジャンプ、Cボタンでボムというシンプルな基本操作は一貫している。


そしてなんといっても、特筆すべきは細部まで緻密に描かれたドット絵
プレイアブルキャラクターから敵キャラ、捕虜や民間人といったNPC、はては得点アイテムに至るまで、これまた細部まで描き込まれた町並みや大自然を背景に、秒間30フレームのドットアニメーションでとにかくヌルヌルと動きまくるのである。
プレイヤーは一定時間何も操作をしないでいると水を飲んだり居眠りしたり戦場の真っ只中で唐突に敷物を敷いてサンドイッチ食い始めたりするし、敵兵士も談笑したり野外炊飯したりこちらに驚いて逃げ惑ったりと、負けじとさまざまな表情を見せてくれる。
「キャラクターが生きている感じを出したかった」という当時のスタッフの発言は、決して伊達ではないのだ。
ただし丁寧に描き込まれている分、敵の死亡パターンも多種多様。デフォルメこそされてはいるものの派手に血を流したり焼死したりとなかなかにエゲツないので、苦手な人は注意が必要。

鮮やかなドットグラフィックに加え絶妙なゲームバランスや重厚なBGMも相まって、当時餓狼伝説やKOF、サムライスピリッツといった格ゲー一辺倒になりかかっていた同社の看板タイトルの一角を占めるほどにヒットした。
今作の人気はネオジオのラインナップにも影響をもたらし、以後『ショックトゥルーパーズ』(トップビューのミリタリーアクション。『2』の乗り物を奪うシステムが共通)や『原始島2』(救出した民間人がボーナスになる仕様で共通)といったフォロワー的な作品を何作か生み出している。


ちなみに今作にはアーケード事業撤退に伴い退職した旧アイレム(現アビエス)のスタッフが多数携わっており、よく見比べてみると共通点が散見される。

  • 基本的なゲーム進行、操作方法→『ジオストーム』
  • 職人芸的なドット絵で描かれた、どこか生物的な動きのメカ→『海底大戦争』
  • 一部のボイスの流用→『ジオストーム』『野球格闘リーグマン』
  • 食べ物から動物まで何でもかんでもアイテムになる仕様、カラオケ映像っぽい2P専用エンディング→『アンダーカバーコップス』

ファンからは特に『1』、『2』、『X(2のアレンジ版)』、『3』の4作が評価が高い。
『4』、『5』は旧SNK倒産に伴いスタッフのほとんどが入れ替わった結果、いろいろと難が生じ多くのユーザーを落胆させる結果に終わった。
だがこの時代の積み重ねは後のスマートフォンアプリ『ディフェンス』『アタック』にて活かされており、この2作の功績も決して軽視できない。
プラットフォームをアトミスウェイブに移した『6』ではシステム面に大がかりなテコ入れがなされ、歯ごたえのあるアクションゲーとしての側面が強くなった。以後DSで発売された『7』、およびそのリメイク作でPSP等で展開された『XX』も同作のシステムを踏襲している。
なお、『6』には『KOFシリーズ』(古くは『怒』)からクラークとラルフが、『XX』には同様にレオナが参戦し、話題を呼んだ。

ちなみに『1』は割と普通の戦争物だったが、『2』からはミイラやバイオ兵士、宇宙人等のSF、ファンタジー要素が積極的に取り入れられるようになり、色々とブッ飛んだ作品となった。
これは『2』リリース当時の開発者インタビューによると、初代が海外ユーザーをメインターゲットに据えたのに対し、以降は国内回帰を図ったためだとのこと。


【シリーズ紹介】


◇ナンバリングタイトル


メタルスラッグ

1996年リリース。開発はナスカ。
三つのボタンを使った基本操作はこの時点で確立されており、以降『5』までほとんど変更されていない。
だが実は開発初期はまったく操作方法が異なっており、自機も戦車メタルスラッグそのものだったとか。
実際にそのプロトタイプ版はほぼ完成まで漕ぎ着けており、ロケテストまで実施されたが、ユーザーからの評価が今一つだったため現在の人間が主人公のスタイルに作り変えられたらしい。

そんな難産の1作目の特色は、シリーズでも随一の細部まで描き込まれたグラフィックと破壊できるギミックの多さ。
プレイヤーの銃撃を受けて崩れ落ちる家屋や際限なく弾を撃ち込める大時計、水たまりに映るキャラクターなど、遊び心満点の画面は見ているだけでも楽しく、デモ画面の時点で多くのアーケードゲーマーを虜にした。
『バーチャファイター』や『鉄拳』といったポリゴンゲーがゲーセンを席巻し始めていた時代に「あえて」ドット絵で勝負をかけたスタッフの目論見は、見事に成功したと言えよう。
さらに良好なゲームバランスやHIYA!氏(アイレム作品を多数手がけた名ゲーム音楽作曲家)による迫力溢れるBGMも好評を博し、この初代こそ原点にして頂点と讃えるファンは少なくない。

ちなみにシリーズで唯一マルチエンディングを採用しており(一応『4』や『6』でもプレイによっては最終演出が変わるが)、プレイヤー数によってスタッフロールの内容が大きく変わる。
特に戦争の虚しさや命の儚さを謳い上げた哀愁漂う1P用エンディングは、多くのプレイヤーの胸を打った。
また、出荷数の限られたネオジオロムの例に漏れず、中古の家庭用ソフトはとんでもない高額で取引されている模様。


メタルスラッグ2

1998年リリース。今作からナスカを吸収合併したSNKが開発も担当する。
上述の通り国内回帰を図って開発された今作は、まさに正統進化と呼ぶに相応しい名作に仕上がった。

まず、新規プレイアブルキャラクター2名の追加。
クールなエリと天然メガネっ子フィオの2人はどちらも好評であり、男臭い硬派なシリーズに新風を巻き起こした。
特にフィオ人気は凄まじく、のちにKOF参戦や立体化もなされたほど。
さらにこの新キャラの追加に伴いキャラクターセレクトの概念も生まれ、好きなキャラで遊べるようになったのも嬉しいところ。*1

肝心なゲーム内容の方も、新武器レーザーショットや戦闘機やラクダ等の新乗り物、新要素の状態異常(下記参照)等ユニークなアイデアが盛り込まれ、もともと深かったゲーム性をさらに発展させた。
売りのグラフィックも砂漠や香港風の市街地、ニューヨーク風の地下等バラエティが増し、「今度は世界中が戦場だ!」のキャッチコピーに恥じない内容。
さらに、ラスボス戦のとある展開も胸熱。

反面、当時の基盤の限界による凄まじい処理落ちや武器アイテムの偏り、無限に発生する敵弾に撃ち込み点が入ってしまう(これによりスコアアタックが作業と化してしまった)等、前作と比べると若干だが粗も目立った。
そうした問題点はほぼ次回作の『X』で解決されたが、荒削りなこちらの方が好きという声も根強い。
特に処理落ちに関しては、「処理落ちのおかげで弾をじっくり見極められる」「映画的な演出に見えて熱い」等と好意的な声も上がっており、後に移植版で改善された際にはかえって落胆の声が上がったほど。


メタルスラッグX

1999年リリース。前作『2』のアッパーバージョン。
ストーリーや面構成自体は前作を踏襲しているものの、基盤のグレードアップも手伝って上記『2』の問題点はほぼ解決されている。
加えてさまざまな新要素が追加されているため、その趣はほとんど別ゲー。

特筆すべきは一新されたナレーションボイス。
やや淡白だった前作までのものから一転、やたら力強くノリのいいものに変更された。

例を挙げると、
  • エビマシンガン! → ヘヴィー! マスィンガァン!(ヘビーマシンガン)
  • シャッガン! → ショォットガァン!(ショットガン)
  • ミッションコンプリッ! → ンンムィッショォン! コォンプリィイッ‼︎ (ミッションコンプリート)
……等々。文字では十分に伝わらないので、是非一聴してみてほしいところ。
今作からのボイスがあまりにも人気だったため、『6』で変更された際には少なからぬプレイヤーを落胆させた。

倍以上に増えた武器も見逃せない。
頼れる誘導弾・エネミーチェイサーや障害物にぶつかるまでひたすら走り続ける自走弾アイアンリザード、後に「武器の形をした罠」と揶揄されるバウンド弾ドロップショット、弾速の速い榴弾砲スーパーグレネード、小型UFOを一撃で破壊可能なグレネード(?)武器のストーンとユニークな新武器が五種類追加。
さらに前作までに登場した武器にはそれぞれ強力なBIG版が用意され、プレイの爽快感をさらに上乗せした。

リメイクに伴い難易度も再調整されており、もともと高かったゲームバランスがさらに改良された。
(具体例を挙げると、前作で容易に突破できた列車面は強力な中ボスの配置により軒並み難易度が上昇しており、反対に前作の最難関地帯だった最終面ウェーブ橋は、特定の手順を踏むと無傷で突破できるようになっている)
無限にスコアが稼げてしまうポイントもほぼ存在せず、そのバランスは歴代でも最高峰。
ゆえにこの『X』こそ至高と讃えるファンは少なくない。

余談だが、今作のデバッグ用のテストステージにはさまざまな没データが存在するのだが、それらの中にはのちに『3』で初お披露目される敵キャラや背景のグラフィックも数多く含まれていた。納期に間に合わなかったのだろうか?


メタルスラッグ3

2000年リリース。これが旧SNKが手がけた最後のメタスラとなった。
今作からルート分岐の概念が誕生。最終面を除くすべてのステージにワープゾーンが設けられており、ルートごとに全く異なるシチュエーションや敵キャラクター、ギミックが待ち受けている。
これによりワンプレーでクリアするだけでは遊び尽くせなくなり、ステージ数こそ前作までの6から5まで減ったものの、それを感じさせないほどの大ボリュームとなっている。
特に最終ステージは1~4ステージのプレイ時間の総数よりプレイ時間が長くなるほどの長丁場。

舞台となる戦場も海中や空中、果ては宇宙まで、前作までになかったさまざまなバリエーションが追加。
特に最終面の中盤でプレイヤーがロケットで飛び立つシーンからの展開は非常に熱く、ラスボスを撃破した後にはあたかも一本の映画を見終えたような満足感が得られるであろう。
ミッションのシチュエーションに合わせて用意された、それぞれまったく操作性の異なる6種類の新規乗り物も戦場に華を添えた。
新武器は2種。どちらもハンドガン固定になるもののカミナリ雲からの落雷攻撃でサポートするサンダークラウド、小型衛星から飛び道具を連射するモビルサテライト、と今までに無いパターン。

相変わらず良質なグラフィックやBGMも好評であり、「史上最大の戦場が待っている」というキャッチコピーに恥じない今作は多くのファンから今なおシリーズ最高傑作と讃えられている。

その反面、前々作にて加えられたSF風の味付けが今回はさらに強まっており、初代の硬派な戦争モノの雰囲気が好きだったファンからはその点に関しては惜しまれている。
さらに難易度の上昇も著しく、ミッション1からして
  • 拳銃一発で死なないミンコン蟹
  • 画面上部を不規則な動きで飛び回り、高速で襲いかかってくるヒュージイナゴ
  • 押し潰されればスラッグに乗っていても即死のウツボや高速で噴き出す火山岩等、初見殺し満載の海中ルート
  • 1面ボスながら変則的な戦い(落ちれば即ミスの穴がある地形&後退しながら戦うという今までになかったシチュエーション)を強いられるヒュージハーミット戦
……と、初心者には心折設定が山盛りであり、どうにもハードルが高くなってしまった感は否めない。
とはいえ相変わらずバランス調整は細部まで行き届いており(ただし4面ボスのとある攻撃は除く)、やり込めばノーミスクリアも夢ではない。

余談だがこの『3』がリリースされた当時のSNKは度重なる事業の失敗で業績が著しく悪化しており*2、今作もシリーズ最終作になる可能性があった。
そのためか今作は主人公たちが銃を捨てる場面で締めくくられている。*3
実際にはSNK倒産後もシリーズの存続は決定したのだが……。


メタルスラッグ4

2002年リリース。SNK倒産後初となるメタスラ。
SNKの版権を受け継いだプレイモアの許諾のもと、韓国企業メガ・エンタープライズ出資、ノイズファクトリー開発、サン・アミューズメント販売……という、非常にややこしい体制のもとリリースされた本作。
純粋にシリーズ存続を喜ぶ声が上がった一方、その出来を不安視する声は新作発表当時から上がっていた。
というのも今作が外注になっていることからもわかる通り、この時期のプレイモアは旧SNKを支えたスタッフのほとんどを失っており、実際に前年にリリースされた『KOF2001』もお世辞にも褒められた出来ではなかったからだ。

そしていざ情報が公開されると、ファンの不安は最悪の形で的中。
まず、一目でそれとわかるグラフィックの使い回しの多さ。
背景はもちろん、雑魚敵、ボスのパーツ、新規乗り物、挙げ句の果てにはストーリーの根幹に関わる重要人物のグラフィックに至るまでコピペの嵐。
むしろコピペでない部分を探す方が難しいという有様は、ロケテストの段階で多くのプレイヤーを絶望させた。

加えて、プレイアブルキャラクターの入れ替え。
今作では『1』から皆勤だったターマ、そしてクールなキャラクターで人気を博したエリがサブキャラクターに回され、代わりに二人の新キャラが追加されているのだが……。
サブに降格した二人が揃って日本国籍、代わりに追加されたキャラのうちの一人・トレバーが韓国国籍であったことがあらぬ邪推を招き、ただでさえ何かとセンシティブな問題を孕んでいる日韓間に余計な火種をまいてしまった。
当時の2chのスレッドでは行き過ぎた韓国バッシングが展開され、果ては「4の開発は韓国」「プレイモアは韓国企業」といったデマが飛び交う事態に。

念のために擁護しておくと、出資元のメガ社が韓国企業であること、そしてネオジオが旧SNK時代から韓国市場で有利に展開していたこと*4を考えれば、新キャラの一人が韓国人であることはまったくおかしなことではない。
旧キャラ二人を外してしまったことがあまりにも悪手だったのである。
結局この二人は性能の劣化(下記参照)も相まって総スカンを食ってしまい、次回作の『5』でリストラ。以後スマートフォン向けアプリでこそ出番はあるものの、本シリーズでは出場はおろか、ストーリーでさえ一度も触れられていない。

その他、旧作と比べると明らかに悪化しているゲームバランス、特定のポイントで高得点のアイテムを取るor安全地帯で敵を斬り続けるだけで最上級ボーナスを狙えてしまう杜撰な新システム「メタリッシュ」、序盤の伏線丸投げなストーリー展開も槍玉に挙がっており、あらゆる点において『3』までから大きく劣化している本作は多くのファンからシリーズ最駄作と見做されている。
唯一、ゲーム音楽の大御所でんちゅう氏が手がけたBGMだけは(旧作と毛色こそ違えど)好評を博した点は救いか。

そんなこんなで今なおコアなファンから蛇蝎の如く嫌われている今作だが、今作独自のステージ構成自体は決して悪いものではなく、むしろ今までにないアイデアを実現しようとしていた痕跡は認められて然るべきだろう。
映画のワンシーンのようにバイクでハイウェイを駆け抜けるステージ1や桃白白よろしく丸太に乗って雪山を滑り降りるステージ3、敵から奪った乗り物に乗るアイデアなどは、さらに作り込まれていれば純粋な評価点になり得たのではないだろうか。

何より、曲がりなりにもシリーズを継続させた功績は軽視できない。
もしも『3』でシリーズが打ち切られていたら、メタスラの評価は『月華の剣士』や『ショックトルーパーズ』同様、「知る人ぞ知る良作」止まりになっていたかもしれない。そうなれば全世界で1000万人がダウンロードした大ヒットアプリ『ディフェンス』の存在もなかっただろう。
新作を出すということは、それだけ重要な意味があるのだ。


メタルスラッグ5

2003年リリース。今作から開発・販売共にSNKプレイモアとなった。長年同社の屋台骨を支え続けた業務用/家庭用ネオジオでリリースされた最後のメタスラでもある。

『4』の不評をスタッフも承知していたようで、今作はトレバーとナディアの二人に新システムメタリッシュ、果てはリニューアルされた得点加算時の効果音に至るまで、前作の要素はほとんど全てがなかったことにされている。
数少ない継承された要素は武器「2H」とメタスラアタックのコマンドくらいのものであろうか。
その代わりに今作には、意欲的な新要素が数多く追加されている。

まず、新アクション「スライディング」の追加。
次に敵キャラクターの一新。今作の敵は「プトレマイック・アーミー」というテロ組織(以下PM)であり、なんとシリーズ皆勤のモーデンやアレンは全く登場しない。
このことに落胆するファンは少なくなかったが、しかしこのPM軍もモーデン兵に負けず劣らず多彩なアクションを見せてくれ、「敵キャラの一挙手一投足に至るまでコミカルで面白い」というシリーズの伝統は立派に継承されている。
この伝統を継承しているのはPMだけではなく、奇怪な仮面や声がユニークな「原住民」や久々の巨大クリーチャー「大イカ」も、『3』までのテイストが好きだったファンからは好評。

新メカの存在感も抜群。
しゃがみで戦車に変形するギミック、そしてリロードモーションまで描き込まれた近接攻撃のパイルバンカーが芸コマな今作の看板ロボット「スラグガンナー」、巨大な蜘蛛型マシン「アオゲンシュテルン」、ついに登場した黒い敵メタルスラッグ「ブラックハウンド」等、見ても使っても楽しい魅力的なメカが続々と登場。
この他、久しぶりに新しい得点アイテムが数多く追加されたのも嬉しいところ。

前作から引き続きコンポーザーを担当したでんちゅう氏によるメタルを前面に押し出したBGMも、賛否あるものの質は極上。
特に復活したラスボス戦テーマ「FINAL ATTACK」は必聴。
復帰を熱望されていたターマとエリも無事プレイアブルキャラクターとして復活。
新しくもオールドファンの心をくすぐる要素に満ち溢れた本作は『1』〜『3』に匹敵する名作に仕上がる……はずだった

結論を書くと、この『5』はまたしてもユーザーの不評を買ってしまい、今なお『4』ともどもシリーズの汚点扱いされてしまっているのである。
まず、擁護不可能なのが新アクションのスライディング。
コマンドが「レバー下+ジャンプボタン」とまんま某岩男……なのは、CAPCOMとSNKの歴史を思えば今に始まったことではないのでスルーするとしても、ジャンプしつつ下に撃つアクションが攻略の要となる本シリーズでは非常に暴発しやすく、基本的な操作感覚の時点でプレイヤーに無用のストレスを与えてしまった。特に3面ボス戦では嫌と言う程暴発に悩まされる事となる。テストプレイの段階で気づけよ。
使い道も限られているため上記のデメリットばかりが目立ってしまい、加えて家庭用でもコマンドの変更さえ不可能。
ユーザーからは当然ながら絶不評であり、次回作ではあえなくカットされた。

さらに整合性を放棄したようなストーリー展開も槍玉に。
「敵に奪われた最高機密のディスクの奪還」という当初の目的はどこへやら、ラスボス戦は何の脈絡もなく登場した巨大な死神のような生命体という超展開。
このラスボス、グラフィックの稚拙さや鬼畜すぎる弾幕、スラッグはおろか武器アイテムの補充がない仕様、倒してもカタルシスがない演出……と、あらゆる点においてシリーズ最低のラスボス戦と腐されている。その分他シリーズのラスボスと比べて非常にHPが少ないが。

ゲームバランスも良好とは言えず、画面いっぱいに破壊不能な弾をばら撒く2面ボスや4面ボスの理不尽さは多くのプレイヤーを絶望と憤怒のどん底に突き落とした。
特に4面ボスは一部のプレイヤーからロカ様の再来といわれるほどの鬼畜弾幕持ち。
さらにせっかくの新乗り物スラグガンナーも出番が乏しく、ボス戦でも使えないためどうにも影が薄い。4面ボス戦で使わせろよ!
おまけに元祖乗り物のメタルスラッグですら2面の序盤エリアを最後にそこから一切出番なし。
トドメに背景の使い回しやバグも健在。

そういうわけでまたしても不評の山を築き上げてしまった本作だが、一方でこの作品で登場した新キャラやメカに関してはある程度好評であり、『X』のようなリメイク版を期待する声は決して少なくない。
その後の解析により発見された大量の没データの存在も、リメイクを希望する声に拍車をかけている。(この没キャラに関しては、後にスマートフォン向けアプリ『MSD』および『MSA』にて正式に日の目を見た。)
……というかこの没データ、サポートキャラクターや得点アイテムはおろか、なんと本来ラスボスになるはずだった機体や重要人物まで含まれていたりする。作ったのなら使え!


メタルスラッグ6

2006年リリース。シリーズ10周年記念作品にしてアーケード最終作。

プラットフォームをアトミスウェイブに移した今作の特徴は、なんといっても一新されたグラフィックや効果音。
まず、背景グラフィックがドット絵でなくなり、高画質の一枚画になった。
古くからのファンにはこの時点で受け入れ難いかもしれないが、質自体は決して悪いものではない。(ただし、キャラクター自体は昔ながらのドット絵のため、「背景からキャラが浮いている」という批判は存在する)。
さらに、地上に映るキャラクターの影や特定の場面でのズームアウト等、従来作になかった演出も追加された。

効果音や敵の声、特徴的だったノリのいい武器取得時のボイスもリニューアル。BGMも従来より遥かに音質が向上した。
『虫姫さま』シリーズで名を馳せたSTG音楽の大御所・並木学氏と金田充弘氏による音楽は『初代』の大胆なアレンジが多くを占めており、懐かしくも新しい曲の数々はメタスラサウンドの新境地を開拓した。
一方で、一新されたボイスや軽くなったSEは否定よりの声が多め。

これだけでも十分な変化なのだが、さらに今作は画期的な新システムを次々に追加。
  • 使用するボタンが前作の4から5に増加。
  • 強化銃を最大二つまでストックできる「ウェポンストックシステム」。
  • キャラクターの性能差追加。スラッグの性能が大幅に向上するターマやトリッキーな動きでグレネードを遠投するエリ等、各キャラの性格を活かした特徴づけがなされた。
  • こちらの攻撃により最大16倍まで上昇し、撃ち込み点に補正がかかる「ラッシュブラスターメーター」。メーターがMAXまで溜まると、敵や敵弾の破壊時に一定時間コインアイテムが大量に発生する。
  • CボタンとDボタン同時押しで発動し、不要な強化銃を捨てることができる「ウェポンスロー」。
  • AボタンとDボタン同時押しでどこでも発動する近接攻撃。
  • イージーとハード、二つのモードが追加。イージーはミッション4までしか攻略できないが、その代わりに全ステージでノーマル攻撃がヘビーマシンガンとなる。
さらに新規プレイアブルキャラクターとして、『怒』『KOF』からラルフとクラークの二人がゲスト参戦。
キャラデザインやプロフィールはKOFシリーズのものを踏襲している。本家シリーズみたく戦車に乗り続けても爆発しないしフレンドリーファイアもないので安心しよう
この二人は特殊攻撃として『KOF』の必殺技を一つずつ継承しており、ラルフは機械敵にも有効な近接攻撃「バルカンパンチ」を、クラークは一定時間無敵になって生物系ザコを放り投げる「スーパーアルゼンチンバックブリーカー」を使用可能。
投げてるだけであれはバックブリーカーじゃない?言うな。

そんな今作は、シリーズでも最も評価の分かれやすい作品である。
露骨なグラフィックの使い回しや理不尽すぎる敵の弾幕といった前作までの問題点こそ解消されたものの、一方で複雑化したシステムはとっつき易さを損ね、新規プレイヤーの反応は芳しいものではなかった。
家庭用から逆輸入された特殊操作「バルカンフィックス」の知識なしには突破困難な3面ボス戦で心折れたプレイヤーは少なくないのではなかろうか。

では古くからのファンの評価はどうかというと、こちらも(時代の推移を思えば仕方のないこととはいえ)背景の非ドット化や効果音の改悪、新システムの練り込み不足といった要因により、やはり諸手を挙げて歓迎されたとは言い難い。
特に不興を買ったのは、強化銃の弾数が半分以下になってしまうハードモードの仕様*5。これによりプレイヤーは弾数の乏しい強化銃を保持するためハンドガンでチマチマ撃ちながら少しずつ進む戦闘を余儀なくされ、爽快感を損ねてしまった感は否めない。
この他、ボス戦で無双できる代わりに道中があまりに過酷なターマ、生身で敵弾を一発だけ耐えられる代わりに強化銃の弾が従来作の4分の1まで減ってしまう、初心者向けにしてはデメリットが大きすぎるラルフ等、キャラクターバランスもあまりよろしくない。

とはいえ色眼鏡で見ずに今作単体で評価すると、そのクォリティは決して低いものではない。
ズームアウトを効果的に使った大迫力の2面ボス戦や4面分岐ルート、グロテスクなデザインながらどこか愛嬌のある3面ボス等は純粋に評価されて然るべきだろう。久しぶりにメタスラに乗って戦えるラスボス戦も好評。
「新たに侵略してきたエイリアンから地球を守るために正規軍とモーデン軍、マーズピープルの連合軍が共闘する」というストーリー展開もシンプルながら熱く、今作が一番好きとまで語るファンも少なくない。

余談だが、今作のアーケード版は血の色が白に設定されている。*6
残虐表現とその規制問題で物議を醸した『サムライスピリッツ零SPECIAL』以後のリリースという時代背景を思えばやむを得ない措置なのだろうが、「牛乳吹いてるみたいでかえってグロい」「リアルじゃない」と反応は散々。
幸い家庭用移植版では、従来の赤色に設定できるので安心されたし。


メタルスラッグ7

2008年リリース。
ナンバリングタイトルでは初となる家庭用ハード、それも携帯機のニンテンドーDSでリリースされた本作。
DSの二画面を活かしたまったく新しいメタスラ像を期待する声も上がっていたが、蓋を開けてみればオーソドックスないつも通りのメタスラであった。

DSのボタン数を存分に活用した本作では、前作で追加された新システムがさらにブラッシュアップされ、若干だがややこしさが軽減。
ウェポンスローはボタン一つで発動するようになり、さらに弾数による制限もなくなったため、いつでもどこでも手軽に使えるようになった。
さらに強化銃が従来作の弾数に戻った「ノーマルモード」も追加。ハンドガン一辺倒になりがちだった道中も改善された。
一部のキャラクターには、特定のコマンドを入力することで発動する専用アクションも追加。

そして特筆すべきは、シリーズで初となる全7ミッションという大ボリューム。
相変わらず難易度自体は高いものの、前作や前々作で散見された「武器を持っているのに攻撃してこず、ただ撃たれるためだけに画面に登場したような雑魚敵」はほぼいなくなった。つまり良くも悪くも、どいつもこいつも本気で倒しにかかってくるので緊張感は抜群。
再びコンポーザーを勤めたでんちゅう氏によるBGMも相変わらず良質。特に久しぶりに復活した「Assault Theme」をバックに、これまた久しぶりに登場したアレン軍曹と巨大ロボットに乗ってタイマン勝負を繰り広げるミッション6のボス戦は、今作のハイライトと呼ぶべき名場面だろう。
この他、不評だったSEやキャラクターボイスも従来のものに戻ったのも嬉しいところ。

……と、ここまで書けばいいことずくめのように思えるが、実際にプレイしてみると難点も目立つ。
まず、なんといっても背景グラフィックの単調さ。
舞台がスクラップアイランドなる島に限定されているせいか、そのバリエーションの乏しさはシリーズでもワーストレベル。
加えてDSのスクリーンに合わせたためか、キャラクターのドットが一部欠けてたり潰れてたりしていて少々見苦しい。
乗り物の出番が減少したせいでターマは不遇っぷりにますます磨きがかかり、ワイヤレス通信機能の備わっているDSなのに二人プレイもできない。トドメに看板戦車たるメタルスラッグがミッション1でしか使えない。

総括するとこの『7』は、「オールドファンには受け入れ難い要素が多々あるものの、シリーズにこだわりのないゲーマーにとっては良作」といったところだろうか。
だが一番の難点は、やはりアーケードで遊べないことだろう。DSの小さな画面で、十字スティックであの小さなキャラを操作するのはあまりに目にも指にも優しくなかった。NESiCAxLiveに対応してくれれば……。


メタルスラッグXX

2009年リリース。パッケージ裏で「Xを超えた!」と豪語する7のリメイクバージョン。
『2』をほとんど別物のように昇華させた『X』とは異なり、今作は『7』の微調整版といった趣である。

ハードをPSPに移した今作(後にPS4やSteamにも登場)は、まず前作で不評だったキャラクタードットの欠落問題を解消。
さらに『6』以来となるルート分岐も追加され、二人同時プレイも可能に。メタスラの出番も増加。
背景グラフィックはベースが前作なので相変わらず地味だが、よく見ると若干だが変更されている箇所もあるため見比べてみよう。
ミッション中の画面切り替え時に若干のロードこそ入るものの、プレイの支障にならないレベルなのでそこも安心。
武器取得時のボイスも、抑え気味だった前作から一転、今作独自のノリのいいものに変更された。
だが攻撃のヒット音はまたしても不評だった『6』のものに変更されてしまった。何がしたいねん。つーかそんくらい設定で切り替えられるようにしとけ。

特筆すべきは『KOF』からの客演となる新規追加キャラクター・レオナ*7
性能面でかなり優遇されている上に、チームメイト同様ムーンスラッシャーやイヤリング爆弾といったKOFシリーズにおける必殺技も使用可能。
ミッション終了時のポーズも原典を忠実に再現しているため、彼女のファンは是非とも一見されたし。

ちなみに、プレイしただけでは今ひとつわかりづらい今作、そしてリメイク元の『7』のストーリーだが、その内容は「元帥の助太刀をするべく未来からタイムスリップしたモーデン軍が、現在の正規軍に戦いを挑む」というもの。
そんな技術があるなら、さらに過去に遡って某殺人機械よろしくマルコ達を抹殺した方が早くね?
ミッション6から登場する、制服や兵器の色が異なる兵士たちが未来のモーデン兵である。……未来から来たわりに兵器が既存の戦車やヘリのコンパチばかりなのは何故なのか。
つーか『5』のPMのが武装すごくね? 4面で謎にマンイーターとか復活してるけど、そんな奴らよりレベルアーマーを出せ!

今作を最後に十年以上新作が出ていない(スマートフォン向けアプリを除く)本シリーズだが、もし次回作があるならば過去や未来を縦横無尽にトリップしながら激闘を繰り広げるマルコ達とモーデンの姿が見られるかもしれない。
プレイモアからの商号変更以来、新作リリースの気運も高まっているので今後の展開に期待したいところ。
初期スタッフたちによる精神的続編『Black Finger JET(仮)』も発売が予定されている。


◇外伝作品


メタルスラッグ ファーストミッション

ネオジオポケット用タイトル第一弾。以下外伝シリーズは従来作とは異なり、一撃死のないライフ制となっている。
グラフィックこそハードに合わせて大きくデフォルメされているものの、アクションゲームとしての手応えは十分。
プレイヤーの行動によりミッションが分岐するシステムも面白い。本家のような空中戦や銃がいっさい使えない捕虜収容所からの脱走劇まで、バリエーションは豊富。
『5』のブラックハウンドに先駆けて登場した敵スラッグと死闘を繰り広げるラスボス戦も熱い。
難点を上げるならば、パラシュート降下ミッションの難易度の極悪ぶりだろうか。

ちなみに時系列的には初代の一年前の出来事となっているが、そのわりにはいろいろと矛盾点が多い*8ので、パラレルワールドと割り切るのが吉。

メタルスラッグ セカンドミッション

ネオポケ用タイトル第二弾にして携帯機向けメタスラの最高傑作
基本システムや操作性は前作を踏襲しているものの、演出面はほとんど別ゲーの趣。前作からわずか一年で恐ろしいほどに進化している。

主な改良点を挙げると、
  • 武器取得ボイスの追加。
  • 強化銃の弾数の改善。至る所で銃弾補充アイテムが取得できるため、弾切れを起こしにくくなった。
  • 見やすくなったステータス。残りライフがよりわかりやすくなった他、強化銃とグレネードの残り弾数が同じ画面内に表示されるようになった。
  • プレイアブルキャラクターは男性のPF隊員「ギムレット」と女性特殊工作員「レッドアイ」の二人。ただ外見が違うだけでなく、使用する武器の性能やミッションの展開も大きく異なる。
  • 各ミッション間の幕間劇の追加。前作ではほぼ無個性だった主人公に明確なキャラ付けがなされた上、上官とのコントめいたやり取りも面白い。
  • 状態異常(デブ化)の追加。
  • 救出した捕虜のギャラリーモード。一人ひとりに独自の顔グラフィックとセリフが用意されており(さすがにフィールド上は皆同じ見た目だが)、コレクション要素として純粋に楽しい。さらにプレイヤーの階級によってコメントが変わるのも芸コマ。
  • 『3』に先駆けて用意された海中戦。
  • 隠しキャラとして使用できる、モーデン兵に化けた正規軍兵士「テキーラ」。
  • 隠しボスとして登場する本家のサポートキャラ・百太郎。
唯一にして最大の難点はハードだろうか。
ネオポケ自体が前世紀のマイナーな携帯機の上に電池を二種類も消費するため、今からソフトごと揃えるのは金銭的にも手間的にも非常にしんどい。
よほどのコアなファン以外には容易に手が出せない、知る人ぞ知る名作……だったのは過去の話。
なんと2021年9月16日、上記ファーストミッション共々Nintendo Switchにて配信が開始された。


メタルスラッグアドバンス

最初の情報発表から二年くらい発売延期を繰り返した末に、やっとこさリリースされたGBA用タイトル。
たび重なる延期に加え『4』『5』と本シリーズが二度もコケたこと、そして同じくGBAで販売された同社の『KOF EX』が惨憺たる出来栄えだった(ただし『EX2』は普通に良作)背景もあり、ファンからの期待値はどん底だった今作。
しかし蓋を開けてみれば、当時のプレイモアのソフトに付き物だった目立ったバグもなく、まずまず遊べる普通のアクションゲームに仕上がっていた。

本家シリーズのビジュアルを再現するだけで精一杯だった『KOF EX』とは異なり、キャラクターの挙動に不自然な点もなく、操作性も本家と比べても遜色ない。
さらにBGMも本家に負けず劣らず良質で、勇壮なミッション1テーマや久しぶりに復活したボステーマ「STEEL BEAST 6BEETS」などはファンなら必聴。

今作は久しぶりにメインの敵がモーデン軍に絞られており、サブの敵も原住民とジャポネス兵のみ。
(スタッフが意図してそうしたかは定かではないが)初代のミリタリー調が好きだったファンからは、この点は諸手を挙げて歓迎された。
本家ではシリーズを重ねるごとに影が薄くなっていった主役戦車・メタルスラッグがダンジョンを除く全ミッションに登場するのも嬉しいところ。

……なのだが、やはり携帯機ゆえの容量の制約から逃れることはかなわず、今作はモーションやボイスのカットが夥しい。
たとえばモーデン兵の死にパターンは二つに絞られてしまい、やられた際のボイスに至ってはわずか一つ。
流血を伴うモーションはレイティングにもかかわるためカットも致し方ないのだろうが、やはりあと何種類か欲しかったところ。
ロケットランチャーなどはこのアニメーション削減の煽りをモロに受けており、最大の強みたる爆風がカット。これにより押しも押されもしない最弱武器として君臨してしまった。
というか今作、ミサイル系の武器が軒並み劣化しており、たとえばエネミーチェイサーなどは画面内に敵が一体しか存在しなくてもあさっての方向に飛んで行く有様。
他、背景も同じパターンが延々ループされるだけなので、やはり本家と比べると少々寂しい。

だが今作最大の難点はアニメパターンの削減ではなく、新システム『メタスラカード』だろう。
特定の条件を満たすことで自動的に収集(解放)されるこのカードシステム。
隠しマップの開放やプレイヤーの強化等、さまざまな恩恵が得られるのだが、問題なのはプレイヤー強化系のカード。
この系統のカードは一度もゲームオーバーにならずに各ミッションのボスを倒すと解放されるのだが、ひとたび向上した強化銃の威力や体力は元に戻すことはできない。
つまりどういうことかというと、やり込めばやり込むほど難易度が反比例してヌルくなっていく
このチグハグぶりは他のカードも同様で、たとえば洞窟エリアの毒ガストラップをなくしてしまう「運命の扉」や武器の弾数を2倍にするカートリッジ系のカードなど、どう見ても初心者救済措置のカードがやり込んだプレイヤー向けの特典になっていたりする。つーか今作、デフォルトの強化銃の球数が従来作の半分になってるのが腹立つ。本来あるべき弾数なんかをカードの特典にするな。

他、スラッグがダメージを受けなくなる代わりに乗り続けているとエネルギーがじわじわ減っていく「マーズニウム」や、バルカン砲が進行方向とは反対側に向いてしまうため*9スラッグが無駄に使いづらくなる「TYPE-R」等、なんの使い道もないク〇カードも多い。

幸いオートセーブもないので、歯応えのある難易度のまま何度も遊びたいプレイヤーは、武器カートリッジ系のカードと純粋なコレクション用カードだけを回収したら、あとはいっさいセーブをしないのが吉。
それが本来あるべき遊び方なのかと訊かれると何とも言えないが……。

余談だが、初代から『3』までをGBAに移植する案があったらしいが、結局その話はなくなった模様。今作のモーションカット地獄ぶりを見るに、やめておいてよかった気がする。

メタルスラッグ(3D)

メタスラをポリゴンで3Dアクション化。
……という、コンセプトの時点で何かがズレているPS2用タイトル。
当然ながら当時のファンからは、企画発表の段階でネガキャンの嵐。シリーズをよく知らないユーザーへの訴求力も乏しく、いったいどんな層を対象にしたのかさっぱりわからないゲームが仕上がってしまった。

……なのだが、いざ遊んでみるとそこまで酷いゲームというわけでもなく、アクションゲームとしての体裁は十分に整っている。
さすがに本家のスピード感、なんでも破壊できる爽快感には遠く及ばないものの、多彩な武器を駆使して進んでいく楽しさは保証されている。
巨大なボス兵器の威圧感もたっぷり。特に某ジブリ映画で見たような7面ボスのデザインは秀逸であり、本家2Dでも是非戦ってみたかったところ。(実は『7』の1面背景で朽ちていたりする)

ミッション間の幕間劇も楽しく、メタルスラッグの改造というやり込み要素もあるため、ドット絵至上主義のファンにも是非食わず嫌いをせず、一度はプレイしてみてほしい。


【戦士達】


マルコ・ロッシ

本名、マルクリウス・デニス・ロッシ。
アメリカ合衆国アイダホ州出身のイタリア系アメリカ人。
正規軍特殊部隊「ペルグリンファルコンズ」(通称PF隊)隊長。
階級は少佐(初代は少尉)でラーメンが好物。
叩き上げの軍人かつ一見脳筋っぽい外見とは裏腹に、趣味はプログラミングとインテリ。
遊びで作ったウイルスが軍のコンピューターに侵入し、核を撃ちかけたことは永遠の秘密。
『6』以降ではハンドガンの威力が2倍になり、立ち撃ちでもしゃがみ撃ちと同じ弾速になる。
強化武器ストックシステムと非常にかみ合っており初心者に最もおススメ。
名前の由来は母をたずねて三千里(アニメ)の主人公から。

ターマ・ロビング

本名、ターマイクル・ロビング三世。
欧米風の名前だが北海道出身。納豆が好物。マルコの良き相棒。
階級は初代だと少尉で、以降は大尉。
機械いじり大好き。除隊後はバイク屋を開くのが夢だが、上層部から必死に説得されるためなかなか実現しないらしい。
『6』以降では乗り物のバルカンの威力と耐久力等がアップし、さらにショットボタン長押しでバルカンの向きを固定(バルカンフィックス)することが出来る。
反面、乗り物に乗らない限りは恩恵を受ける事はない。

エリ・カサモト

名前を日本式に書くと「笠本英里」。階級は二等軍曹(『2』では軍曹)。
人呼んで「メンフィスの爆弾娘」。でも生まれは日本の広島。メンフィス(アメリカ・テネシー州)とどう関係があるのかは未だに謎。
設定では教会に引き取られた孤児だったりストリートチルドレンだったりと結構悲しい過去があるので、生まれは日本でも育ちはアメリカなのだろう。
ターマに対して、淡い恋心を持つツンデレッ娘。フィオとは出自も境遇も正反対だが関係性は良好。
名前を反対から読むと……?
『6』以降では爆弾の所持数と補給数が倍になり、ボムを上下左右の四方向に投げることが出来る。
身長168cm、体重50kg、スリーサイズは80・57・86。
スレンダー体型気味だが貧乳というわけではない。お尻がちょっと大きめか。だがそれが良い。

フィオ・ジェルミ

本名、フィオリーナ・ジェルミ。階級は上級曹長(『2』では一等軍曹)。
そのおっとりさ、あどけなさとポニーテール&メガネっ子で知名度がとてつもなく高い。
マルコに思いを寄せている。
ニュートラルで放っておくと敷物を広げサンドイッチを食べ始める。食べとる場合かーッ!
その天然っぷりは会話でのやり取りがある『3D』で顕著。
『6』以降では特殊銃の装填数が1.5倍になり、最初からヘビーマシンガン(イージーモードではビッグヘビーマシンガン)をストックしている。
身長158cm、体重42kg、スリーサイズはなんと88・58・89!
彼女の身長でこのスタイルは、そこらのモデル顔負け。バリバリのトランジスタグラマーちゃんである。
その人気の高さから外部出典も多く、KOFへのゲスト参戦やSNKヒロインが多数出演する恋愛ゲーム「Days Of Memories」では攻略対象の1人にも抜擢されている。

トレバー・スペイシー

ハッカー的な意味でマルコに憧れる青年。
『4』限定登場組。
近接攻撃が蹴りになり、移動しながらの近接攻撃が出来ない。キャラに罪はないが色々不遇。

ナディア・カッセル

ダイエット目的で参戦したモデル志望の娘。
近接攻撃でスタンガンを用いるので、戦車にもダメージを与えられるが、得点が100点。
『4』限定登場組の片割れ。出た作品が駄作扱いされてる煽りを受けてか二人とも出番に恵まれない。

ラルフ・ジョーンズ

KOF』から参戦。
戦車をナイフで攻撃可能、ナイフモーションが半分、そして戦車を一瞬で破壊できるバルカンパンチが使える。
反面、特殊銃の装填数が半分。ただでさえ弾数が少ないハードモードだとあっという間に撃ち尽くしてしまう。
攻撃を受けても一回だけ耐えることが出来る。(※一部例外あり)

クラーク・スティル

同じく『KOF』から参戦。
歩兵を含む生物系(一部除く)の敵を一撃で倒せるスーパーアルゼンチンバックブリーカー(略してSAB)が使える。
特に硬い雑魚敵ばかりの『6』のミッション3以降はこれがそこそこに役立つ。
その際、スコアボーナスとして1000点が入り、一定時間内に連続*10で決め続ければ16000点まで上昇し、その上ラッシュブラスターシステムというスコア倍率が16倍にまで上昇するシステムが存在するため、破壊的なスコアを叩き出せる。
そのことからスコアランキング上位はほぼクラークで埋まる。
……実際には上に放り投げるだけの投げっぱなしSABなのだが名義はあくまでSABである。某笑顔動画風に言うと「他界他界(たかいたかい)」。相手は死ぬ。
ちなみに階級は『怒』では少尉、『KOF』では中尉、そしてメタスラシリーズでは少佐となっている。マルコやターマより下の階級じゃ体裁が悪いと判断されたんだろう、たぶん。

レオナ・ハイデルン

『XX』のアンロック商法……ではなく、DLCにより参戦。
グレネードがKOFでも使っていたイヤリング型爆弾になっている。
ラルフと同じく戦車に直接攻撃が可能な「ムーンスラッシャー」という必殺技持ち。
ハンドガンの威力が高い、グレネードの補充数が1.2倍、ミスしても特殊銃を手放さない。DLCということもあってめっちゃ高性能。


◇敵キャラ達


モーデン元帥

本名、ドナルド・モーデン。また(「悪魔の生まれ変わり」という意味で)デビルリバース・モーデンという通称でも呼ばれる。
モーデン軍のボスであり、元正規軍元帥。
最愛の妻と娘を爆破テロで失った悲しい過去を持ち、腐敗した政府と軍部の断罪のためにクーデターを起こした。
『1』ではラスボスらしく終始シリアスだったが、『2』以降はマーズピープルにヒドイ目に逢わされる等、散々な役回りに。
ヘリから落とされて血が飛散するほど地面に叩きつけられても、生身で宇宙空間を漂流してもピンピンしている超人。っていうか果たして人間か? ギャグ補正かもしれないけど。

アレン・オニール軍曹

別名「屍の階段を登った男」。
『5』と『6』を除く全ての作品に登場する中ボス(一部ボスとして登場したりする)。
上半身裸の見た目にもかかわらず、戦車並みの耐久力を誇る難敵。そして何故かやたら寒い所に縁がある。
動きも機敏でナイフやグレネード捌きも脅威、頭上が取れないと辛い。
『2』並びに『X』では、に食われた……と見せかけて、実はアレンが鯱を狩っていた。凄ェ。
ちなみに『4』のアレンは黒幕が作ったロボット(ただし実力は同等)。

兵士

モーデン軍所属の一般兵士。やられ役なのだがこいつらもほっとくとコミカルな動きをしてくれる。
遠くにはグレネード、近くにはナイフで戦う通常兵から、前衛になる盾持ち、パラシュートで現れたりするバズーカ持ち、接近戦時の銃床攻撃の速さに定評があるライフル持ち、生身にはナイフで飛び掛かり、乗り物にはとりついて色々悪さをするビースツ……等様々。
特にビースツ兵はナイフの判定が大きく、回避が難しい。

アジラビア兵

『2』より登場。
中近東を拠点に活躍する敵兵で、普通に斬ってくるタイプと、突進しながら切り刻んでくるタイプがいる。
突進してくるタイプは耐久力が高いので連射しないとこっちが殺られる。倒すとたまにバラバラに裂け、首から下がマンガ肉になってしまうことも。
『4』に出てくる海賊はコイツらのコンパチ。ただし突進タイプのHPは1固定と弱体化している。ついでにバラバラにならないしマンガ肉にもならない

ミイラ

『2』より登場。
通常のものに加えて、コロコロ爆弾を吐く白色、甲虫を吐く緑色、ミイラ犬の四種類がいる。
アートギャラリー曰く「マミーポイズン」を伴うブレス攻撃をしてきて、当たるとミイラ化する(ミイラ中に当たると死亡)。
緑色ミイラの吐き出す甲虫を喰らうと、ミイラ化せずにアウト。

チュウミンコンガニ オオミンコンガニ

『3』より登場。
巨大化したカニ、というかヤドカリじみた怪物であり、近づくとハサミで、遠くだと有害な液体入りの泡を吐いて攻撃してくる。
オオミンコンガニはかなりデカい。跳ね飛ばされても死ぬことはない(デブ時に跳ね飛ばされると耐えられずに死ぬ)が、強化銃は手放す。

ゾンビ

『3』より登場。
男A、男B、男C、女、医者の他、ゲロのばらまき範囲が広い強化種のタールマン、自爆特攻をしてくるモーデン軍兵士がいる。
ゲロを飛ばしてきて当たるとゾンビ化する。たとえそれが背景の一般人でも。
高台にいるタールマンは範囲の広いゲロ撒き攻撃の他に垂直に飛び降りて自爆特攻することも。
医者ゾンビを倒すとゾンビから人間に戻れる治療薬を落とすことがある。
余談となるがメタスラシリーズのゾンビは他のゲームや映画みたいに集団で人を食べる事はない。

ジャポネス兵

『3』の特定ルートに登場。
旧・日本軍の兵士っぽいが、あくまでも名前はジャポネス兵。正式には旧・正規軍兵士である。彼らの中では戦いはまだ終わっていないのだろうか……。
こいつらが出て来るルートは難易度が高い上にスコア面でも美味しくない為、誰も行きたがらない。途中までのルートが同じの樹海ルートはスコアラーや初級者御用達ルートなのに。
赤色の帽子とパンツを着用している兵は殺害した直後に自爆攻撃をしてくる。しかも最後のラッシュでこの赤色の兵士が大量に出てくる。
上から特攻機で銃撃してくるなどギリギリアウト。男塾臭さえある。カミカゼ!
不用心に近づくと刀の錆にされます。

ヒュージクラブ(小・大)

(小)は『3』、『5』、『7』、『アドバンス』に登場。
自らの体液(『3』では溶解液、『5』は発火性の液体、『7』では有毒な液体)を噴出する自爆技を繰り出す。『アドバンス』のみ自爆しない代わりにガスを噴出する。
アニメーションが凝っていてうねうねと動く。何匹ものヒュージークラブが集まっている塊もいる。正直気持ち悪い。
(大)は『3』の特定ルートに登場。
小とは比べものにならない程にバカでかい。でかすぎてスラッグで轢き殺す事も不可。
触手を出すタイプと出さずに突進するタイプが居る。
前者は触手(実は接近攻撃可能)から酸の胞子を出し、破壊すると突進を再開する。
触手が出る前に突進中のコイツにぶつかると跳ね飛ばされる。が、触手を破壊した後や触手を持たないタイプだと跳ね飛ばされない。なんでだろう……?
余談となるが「ドリルスラッグ」をある意味初見殺しにしてくれる張本人(虫?)でもある。

エスカルゴ

『3』の特定ルートに登場。
兵というより生物兵器だが例の溶解液を吐き出して攻撃するカタツムリ。
溶解液の軌道上、近づくのは危険。生物系の敵であるにもかかわらず接近攻撃も不可。
ドリルスラッグのドリルでトドメを刺すと見られる専用のやられモーションは必見。
女性キャラで溶解液を浴びると……?

マーズピープル

見た目はタコ・ソ・ノモノな火星人。
手にした銃で攻撃してくる。
『2』、『3』でモーデン軍と組むが、裏切った結果、モーデン兵と協力した主人公に倒される。
『6』ではついに狩られる側に……。『7』では再びモーデン軍と手を組んだ。
何気に格闘ゲームへの出張歴アリ。しかもマルコ達より多い。
何故かクラークのSABが通用しない。マーピーを捕食してきたエイリアン達は投げれるのに

プトレマイック兵

『5』に登場した謎の集団「プトレマイックアーミー」の兵士。
マスクとゴーグル装備の「ゲリラ兵」とガスマスクを付けた黒ずくめな「エリート兵」の2種類存在。軍隊というよりかはテロリストな見た目。
ナイフ攻撃の動作が速かったり、いきなり隠し持っていたマシンガンを乱射してきたりとモーデン兵よりは強い。
……所でコイツらは何がしたかったんだろうね……。
メタルスラッグアタックによるとモーデン兵とは敵対関係にあるらしい。

中華兵

『6』に登場。
兵と言うよりはマーズピープルと敵対する宇宙生命体に取り付かれ操られている一般兵。
取り憑かれることで手榴弾と触手伸ばしで攻撃してくる。人道的に撃っていいんだろうか。

ソル・デ・ロカ

『3』に登場した歴代最凶最悪のボス。
詳しくは項目にて。


◇他のキャラクター


捕虜

ステージで捕まっている捕虜たちで、全員変装の一環からか髭面もじゃもじゃで素顔はうかがえない。
助けると懐にしまっていたアイテムでこちらをサポートしてくれるし、助けた数だけクリアボーナスに+1万点(『初代』のみ1000点)。
10人以上助ければ「GREAT!」で+10万点の大ボーナス。2人プレイでは救出数の多い方へボーナスが得られる。
スコア要素に関わるだけあって変なところに隠れていたりする。
シリーズによってはモーデン軍兵士やマーズピープルも対象になったりする。
なお、捕虜を前線に放置しているのは「人の壁作戦」として利用している設定があったりするのだが……実際の効果の程はご存じの通りである。
フレイムショットだろうが爆発系武器だろうが乗り物で轢こうが、綺麗に縄だけを斬り落とすマルコ達が化け物な気がするが、まぁ気にするな。

一文字百太郎

誘導性能を持つ気弾を出せる、捕虜に見せかけた格闘家。クリアボーナスに+3万点。
前線でマルコ達を支援するため、わざと敵に捕まったという設定。
ちなみに気弾の威力はハンドガンと同じ。一部シチュエーションでは特別な強化がされることも。
敵との距離が近い場合は気弾ではなく華麗な回し蹴りをキメる。
階級は少尉。外伝では「大魔王」と呼ばれる事も。
「ホイッ!」

相川留美(『2』以降) 相川まどか(『3』以降)

方向音痴という設定で、大きなリュックを背負って前線に迷い出る姉妹。クリアボーナス+3万点
ちなみに緑のリュックの方が相川留美、灰色の方が相川まどか。
リュックに穴を空けておくとアイテムが手に入るが、時間経過で離脱してしまうのでお早めに。

ウータン

『3』ミッション1の倉庫ルートとミッション2に登場するオランウータン(?)。気まぐれ全開で攻撃は滅多にしない。
連結ヘリ赤ヘリをウータンの弾で破壊され、15万点をパーにされて激怒したプレイヤーも数知れず。
クリアボーナス+3万点

大統領

『3』、『4』に出る捕虜扱いの大統領。VIP。国籍はアメリカか?
要人が戦地のど真ん中に放り込まれてる時点で色々洒落になってない気がするが、気にしてはいけない。
よくボディーガードにおいてけぼりにされる不遇の人(少しすると戻って来るが)。偉い人だけありアイテムを2種もくれる。
クリアボーナス+3万点

鈴木早智子

……誰かって?
初代エンディング(1P側)の終盤、墓の前で祈っていた女性。
ここで名前を知る人は何人いるのだろうか……。

ソフィア・グリーンヴィル(声:冨永みーな

プレステ版『1』のコンバットスクール(ミッションを特殊な条件下でクリアすることを目指すモード)に登場する女性教官。愛称はソフィー。階級は少佐。
こちらの階級(要はレベル)が低いと厳しい対応(ある意味ご褒美)だが、高くなればなるほどデレていく。自分の趣味嗜好やスリーサイズも教えてくれるようになる。
年齢は28歳。168cm、体重50kg、スリーサイズは82・57・90とのこと。良いしてる。

マーガレット・サウスウッド(声:半場友恵)

プレステ版『X』のコンバットスクールの女性教官。愛称はメグ。階級はソフィアと同じく少佐。
彼女もやはり階級に応じて対応がガラッと変わってくる。最早ギャルゲー。
年齢は29歳。バツイチの子持ち。身長158cm、体重49kg、スリーサイズは89・57・82とフィオに負けず劣らずのグラマー体型。


◇主な乗り物

詳しい性能はこちらも参照。
どうもこの世界では人が乗り込む兵器なら何でも「スラッグ」と呼ぶようである。

メタルスラッグ

高性能を誇る万能戦車。『1』と『2』以降で地味に開発番号が違う。
ジャンプやしゃがみもできる。
『X』以降では機動性能が強化されたオレンジカラーの「TYPE-R」が登場。

スラグノイド

二足歩行のカニ歩きメカ。
被弾する度にバルカン砲が取れる。

スラグフライヤー

空中戦に持って来いの戦闘機。(モチーフはAV-8ハリアー)
但しバルカン砲の向きは90度までしか回せない。
初登場の『2』のみ、着陸時のキャノピーが開いている状態で被弾すると2回分のダメージを受けてしまう。

スラグマリナー

要するに一人乗りの潜水艦。
バルカン砲の軌道が放射状となる事から「ションベンバルカン」の異名がついた。

ドリルスラッグ

先端にドリルが装備されたスラッグ。某ドリルゲーとは関係ない?
ジャンプが出来ないが代わりにジャッキアップが可能。
ボディに当たり判定がありキャタピラに当たり判定はない。

スラグチョッパー

軍用ヘリコプター。
スラグフライヤーとは異なりバルカン砲の射程360度まで回せる。
反面スラグフライヤーよりも扱いにくい。
ローター部分にも攻撃判定があり、これで敵を倒すと近接攻撃で倒した時の点数が入る。

キャメルスラッグ

通称「アニマルスラッグ」の一種。
ラクダにバルカン砲を取り付けたスラッグ。それもうスラッグ(ナメクジ)じゃなくてただのラクダじゃん。
耐久力の概念がなく弾が当たるとプレイヤーが死ぬ(プレイヤーがむき出しなのは他のアニマルスラッグも同様)が、当たり判定はプレイヤー自身のみでラクダには判定がないのでメタスラアタックしない限り何度でも使える。
やっつけ感が漂う割には機動力が高く扱いやすい。

エレファントスラッグ

同じく「アニマルスラッグ」の一種。
象さんにバルカン砲を取り付けたスラッグ。ただの戦象では。
当然だが移動速度が遅い。一応、乗象(?)中はもう一方(象に乗ってない方)が足場として利用可能。

オストリッチスラッグ

こちらも「アニマルスラッグ」の一種。
ダチョウにバルカン砲を取り付けたスラッグ。一番乗り難そう。
脚が速くジャンプ力も優秀だが方向転換が曲者。


◇主な武器一覧

詳しくはこちらへ。


◇状態異常

『2』~『5』まで取り入れられたシステム。
ミイラ化、デブ化、ゾンビ化、猿化の4種類があり、それぞれの異常を治すアイテムを取れば治る。
デブ化を除いてこれら3種類の状態異常になると、デフォルト武器のハンドガンとボムしか使えなくなる。

  • デブ化→食べ物系アイテムを短時間で大量に取ると変化。
自機の当たり判定変化、移動モーションの速度変化に加え、使える武器の性能が変化する(ハンドガン→連射性能ダウン、ヘビーマシンガン→攻撃判定アップ)。
食べ物系アイテムも暫く取らず時間経過か、アイテム「痩せ薬」(ダイエットと英語で書かれた大きな瓶のような物)を取ると一瞬で治る。
ヒットボックスの拡大や移動速度の低下というデメリットはあるが、全体的に武器の当たり判定等の性能がやや向上するメリットの方が大きい。
但し一部の特殊武器は産廃化するので注意。

  • ミイラ化→ミイラが吐いたり遺跡の噴出口から出る紫色のガス、コウモリが落とす壺入りの液体等を受けると変化。
ジャンプ・移動速度低下、武器の性能ダウン、さらにボムを投げる時にランダムで……。
アイテム「秘薬」(中身が虹色に輝く小瓶)を取ると一瞬で治る。
こちらは完全にデメリットの固まり、グラフィックやモーションは面白いがなるべく変化しないように注意したい。

  • ゾンビ化→ゾンビが吐き出したり投げ付けてくる液体、ゾンビモーデン兵の自爆攻撃等を受けると変化。
ジャンプ・移動速度低下、しゃがみ不可、手榴弾が高威力の吐血ビームに変わる。一部の攻撃に対し無敵。
アイテム「治療薬」(時々白と緑のカプセルが飛び出す救急箱)を取ると一種で治る。
ミイラ化と似たような症状になるがこちらは前方180度を薙ぎ払う強烈な吐血レーザーが使えるのが大きなメリット。
戦車やヘリも1~2発で破壊する程の威力に加えて銃弾やナイフ程度の攻撃は一切受け付けないので、蜂の巣にされながらも吐血レーザーで無理矢理薙ぎ払う様なゾンビらしいゴリ押しプレイも可能。
流石に戦車の砲撃等の強力な攻撃、電撃弾等の非物理的な攻撃は無理なので、回避能力が低下している事もありなるべくやられる前にやるを心掛けるか、さっさと人間に戻ってしまおう。

  • 猿化→研究者の様な敵が持つライフル銃の弾丸や注射攻撃を受けると変化。
標準武器が小型マシンガン化、ジャンプ強化、移動速度低下、自機の当たり判定変化、手摺りにぶら下がる事が出来るようになる。
アイテム「アンプル」(怪しげな注射器)を取ると一瞬で治る。
時折助ける事が出来る猿の様なサポートキャラ「ウーキー」のような見た目になり、移動速度やジャンプの高さが強化される。
しかし武器のマシンガンの性能がイマイチ頼りなく、姿勢こそ低くなるが移動速度が落ちる為どちらかと言えばミイラに次ぐデメリット枠。
慣れない内はさっさと治療した方が良いかもしれない。
なお研究者の接近攻撃である注射攻撃を避けると、研究者が自滅して自身に猿化薬を撃ってしまってそのまま猿になり2000点の得点アイテムになってしまう。

基本的にデメリット要素だが、ゾンビ化は吐血レーザーの見た目や性能から人気だった。


◇余談&小ネタ

スコアの稼ぎ方は捕虜を全員助けてノーミスでクリアかつ乗り物に乗ってクリアが基本パターンとなる。
敵撃破時のスコアは『6』以外では存在せず撃ち込み点がスコアとなる。
稼ぐ際には強い武器の使用を縛られることが多く、その点で難易度が上がる。

☆撃ち込み点
攻撃全般1ヒット100点
近接攻撃1ヒット500点
そのために威力の低い武器で攻略することがポイントになる。
武器威力も例をあげてみると、ヘヴィマシンガンとハンドガンは威力1で近接攻撃のナイフは威力3である。
レーザーは威力0.5。
仮に相手の耐久力2なら、威力1の攻撃で削り、ナイフで倒すことにより600点入る計算となる。
このように細かい部分からみっちり稼ぐと後半に差が出てくる。

  • 残機潰し
いわゆる敵が無限湧きする場所で残機を潰して稼ぐ方法。
これはステージクリア時の捕虜ボーナスより残機潰しが高いと行われるが非常に時間がかかる。
『6』だとラスボスで錬金術が無限にできるためザンテツソードを持ち越す人もいる。

  • 高得点アイテム
メタスラシリーズ共通で隠し捕虜や取るのに複雑な手順、または難易度の高いアイテムは非常に配点が高い。
有名なのは『2』、『X』のランプの魔神。
出現してからしばらく経つと大量のコインに変化する。取る際は「落ちる」ので命がけ。

  • 乗り降り避け
別名「鬼避け」。
乗り物に乗った瞬間と降りた瞬間の少しの間、無敵状態になるのを利用した回避方法。
ボス戦は特に弾幕が厳しいので乗り物を温存しつつ生還するには重要なテク。
ただし無敵状態は少しの間だけな上に、ミスるとメタスラアタックが発動するので慌てすぎに注意。
また場所によっては乗り降りできない所もあるので注意。
『X』の乗り降り無敵は永久無敵を作り出せ、出てしまえばラグネームを完封可能な程強力(この作品のみ、乗車時、降りた後共にそこそこの無敵時間がつくため)。
ちなみに『6』のラスボス戦では、これを駆使しないと回避出来ない攻撃が存在する。

  • フレイムショットの違い
初代では、ほぼ画面端から端まで届く、あらゆる敵を貫通する擬似レーザーみたいなもの(代わりに威力は低い)。
『2』以降は、射程は短くなったものの、密着して放てば戦車系を瞬殺可能な程の破壊力を持つ(毎フレームごとに攻撃判定が存在するため)。
デブ時のビッグフレイムショットは、超巨大な火球を放つ。軌道は初代とほぼ同じ。
(毎フレーム3の攻撃力はデブ時でも変わらず)

  • 近接攻撃の点の違い
『1』は300点。『2』以降は500点となる。

  • ビッグ版に関するトリビア
ビッグ版のある強化銃は『2』以前に登場した武器(ヘビィマシンガン、ロケットランチャー、フレイムショット、ショットガン、レーザーガン)が対象である。
レーザーガンのみ『2』が初登場で残りは『1』から登場となる。
『X』のみ弾の互換性がなく別の強化銃扱いとなる。



MISSION TSUIKI-SYUUSEI START!

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最終更新:2024年04月19日 20:30

*1 前作は1Pはマルコ、2Pはターマで固定だった。

*2 この煽りを受けて、同年リリースされたネオジオタイトルは今作と『KOF2000』のみ。『餓狼MOW』の続編に至っては開発がかなり進んでいたにも関わらず製作中止の憂き目にあっている。

*3 後年の開発者インタビューによると続編の構想自体は一応あったようで、スタッフロールの最後に登場するあるキャラクターはその伏線だったらしい。

*4 『餓狼伝説』で人気を博したキム・カッファンや怪作『ファイトフィーバー』が誕生したのも、こうした背景があればこそである。

*5 ヘビーマシンガン系統とレーザーガン系統が100発、それ以外は10発。

*6 これは旧作の海外移植版と同様の措置。

*7 厳密な初登場はケータイ向けアプリ版。

*8 一例を挙げると、『1』より前のストーリーにもかかわらず登場しているスラグフライヤー。

*9 『3』と同じ仕様だが、今作にバックしながら戦うシチュエーションはないためデメリットしかない。

*10 投げてる最中及び投げた後わずかに無敵時間がある。