エイリアン(映画)

登録日 :2012/09/29(土) 13:03:48
更新日 : 2017/08/11 Fri 20:55:03
所要時間 :約 8 分で読めます




宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。

エイリアンは1979年に公開されたアメリカ映画。
監督は「ブレードランナー」「グラディエイター」のリドリー・スコット。
宇宙船という逃げ場のない閉鎖空間に侵入した未知の生命体と宇宙船乗員との死闘が描かれる。

H.Rギーガーがデザインしたエイリアンのデザインや「危機に対して勇敢に立ち向かう女性」という従来にはない革新的な設定は後のSF映画やホラーに多大な影響を与えSF古典の代表作とされている。

既に30年以上が経過した作品ではあるが芸術ともいえる特殊効果は今見てもまったく色褪せることなく、同年のアカデミー視覚効果賞を受賞した。


■[STORY]■

この物語は、ある宇宙船の乗組員たちが体験した恐怖と絶望の記録である…。

ウェイランド湯谷社所有の恒星間宇宙貨物船ノストロモ号は、他恒星系から地球へ帰還する途中、救命信号と思われる謎の信号を受信しLV-426と呼称される名もなき未知の惑星に着陸することになる。

そこで彼らが発見したのは異文明のものと思われる宇宙船の残骸であった。
人類初となる異星人との遭遇のために惑星に降り立った乗組員たちは、その異様な形をした宇宙船の残骸の中で化石化した宇宙人と巨大な卵のような物体が無数に乱立する空間を発見することになる。

その頃、着陸船に残っていた二等航海士のエレン・リプリーは例の信号を解析し、宇宙人が発した何らかの警告であることを知るも、その直後に上陸した乗組員からの報告が届く。
それは上陸班の一人であるケインが未知の生命体に寄生され重体という報告であった。

ケインの顔に寄生した生命体を乗せたまま惑星を後にしたノストロモ号であったが、数時間後に生命体は死亡し、ケインも快方に向かう。
全ては終わったかに見えた…。

しかし、それが全ての始まりであった…。


■[登場人物]■

■ノストロモ号
ウェイランド湯谷社所有の恒星間宇宙貨物船。乗務員7名
工業用レアメタル5千万トンを積載した恒星から地球に帰還する途上であったが、会社からの指令によって進路を変更、LV426に調査のため立ち寄ることになる。
工業施設のような作業エリアと不気味なまでの白によって統一された居住エリアのデザインは、劇中の恐怖をより演出している。

●ダラス(トム・スケリット)
ノストロモ号船長。
会社の命令に従い、LV426惑星に着陸し、そこで発見した未知の宇宙船の探索を行う。

ノストロモ号に侵入した謎の生命体を駆除すべく対策を練るもすべて後手に回り犠牲者を増やす結果に終わる。
最終的に、生命体が潜むと考えられるダクトに自ら潜入し駆除しようとするが、背後から生命体に襲われ死亡。

船の最高責任者だったため、おそらく アッシュ以外で唯一極秘指令の詳細を知っていた人物 と思われる。

●ケイン(ジョン・ハート)
一等航海士。
LV-426で発見した異星人の宇宙船の残骸調査中に大量の卵のようなものが安置された空間を発見するが発見するが、その一つから飛び出た謎の生命体に寄生され、意識不明の重体に陥る。

その後、生命体が肉体から剥がれたことで体調を回復させるが、仲間との食事中に容体が急変。
最後は胸部を突き破って生まれた生命体によって殺される。遺体は宇宙葬に伏された。
仲間に見送られながら葬られたある意味で幸せな人物。
エレファント・マンではない。

●エレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)
二等航海士。本作の主人公。女性
謎の信号が 「救命信号」 ではなく 「警告」 であった事に気付く。
船の安全を第一に考え、終始生命体を駆除すべく進言するも事態は最悪の結果に突き進んでしまう。

ダラスが死亡し、極秘命令を知ったことで生命体の駆除を断念し船を爆破して生き残りと脱出を試みる。
それが次の悲劇を生むことになるとも知らずに…。

検疫は大事だよね。

●ランバート(ヴェロニカ・カートライト)
二等航海士。女性
他の乗組員にマザーの航路変更によって地球への帰還が9カ月延びた事を報告する。喫煙者。
脱出用シャトルの発進準備中に生命体に遭遇、パーカーと共に殺された。

リプリーとは対照的に異常事態に対してパニックを起こすという典型的なホラー映画の女性キャラクター。

●パーカー(ヤフェット・コットー)
機関士。黒人の男性。
自分とブレッドの給料が少ないことに不満を言っており、新任の科学主任であるアッシュに対しても不信の目を向けていた。
脱出シャトルの発進準備中にランバートと共にエイリアンに遭遇。ランバートをかばおうとするもエイリアンの怪力に押し負け殺された。

●ブレッド(ハリー・ディーン・スタントン)
機関士。パーカーの相棒で常に帽子をかぶっており、口調は「そのとおり」

ノストロモ号唯一の人間以外の生物である猫のジョーンズを捜している最中にエイリアンに襲われ死亡。
遺体はエイリアンに連れ去られてしまう。

●アッシュ(イアン・ホルム)
科学・医療主任。
ノストロモ号出港直前に会社の辞令によって急遽配属されたクルーであり、そのため他のクルーとは距離感がある。
常に規則・科学的見地から発言を行い、生命体に対しても終始標本として持ち帰ることを主張していた。

その正体はウェイランド社が派遣したアンドロイドである極秘命令を受けていた。
しかし、リプリーがその命令に気付き、また機能不全を起こしたことで彼女を殺そうとするが直後に駆けつけたランバートとパーカーによって破壊される。
その後、応急修理を施された状態でリプリー達から尋問を受けるが、その中で

「宇宙生命体を持ち帰ることが最優先であり乗務員の被害は顧慮する必要なし」

という会社の極秘命令を話し、生命体を「完全生物」と称え、リプリー達が生き残れないことを予測し同情の笑みを浮かべつつ機能を停止した。

「君たちの生き残るチャンスは無いが、私も、深く、同情はしている…。」

■マザー
ノストロモ号の中央コンピューター。
乗組員に代わりノストロモ号の全制御を行っている。
70年代のためか文字のみのモニターと機械的な音声のみであったがその演出が逆に静かな恐怖と狂気を漂わせている。

■ウェイランド湯谷社
ノストロモ号乗組員が所属する巨大コングロマリッド。
社名が登場するのは次回作からで本作では「会社」としか呼ばれない。
ノストロモ号が発見する以前からLV426に存在する異星人の宇宙船の存在を知っており
「生命体の回収を最優先事項」
とする極秘司令を指示し、アンドロイド・アッシュを派遣する。
全シリーズを通じて「人間の狂気」を象徴する存在。

エイリアン
ノストロモ号に侵入した謎の生命体。
人間の悪夢を具現化したかのような醜悪な外見に強靭な生命力と凶暴性を併せ持つ。そのため科学主任のアッシュからは「完全生物」と称えられた。

それがLV426の 「原生生物」 なのか異星人が作り出した 「生物兵器」 なのかすら不明であり全てが謎に包まれた存在。

ディレクターズカット版では繁殖のために捕獲された乗員が卵に変質させられる姿が描かれ、生命体という括りすら当てはまらない人智を超えた存在として描写されている。

○スペースジョッキー
LV426惑星で発見された宇宙船の残骸の中で化石化していたエイリアン。
巨大な体躯と人間に似た、それでいて生命体として全く異なる外見を持つ。

「何故彼等はそこにいたのか、何故そこで死んでいたのか、そして、宇宙船の中に無数に存在する卵は何だったのか」

その答えは33年後「プロメテウス」で明らかにされることになる
が、矛盾に見える点や謎も増えたので続編に期待しよう


■[トリビア]■
  • 本作のヒットによって本来「外国人」を意味する「ALIEN」という単語は「宇宙生物」という意味にとって代わられることになる。
そのため、空港窓口の「ALIEN」という表記が「Foreign Registration」に変更される事となる。

その甲斐あってか窓口にチンコ頭の宇宙生命体が列をなすという悪夢のような光景は回避されることになった。

  • エイリアンのスーツアクターは当時学生の身長が218cmのボラジ・バデジョ。
  • 本作でのエイリアンは 「宇宙生命体」 としてではなく 「人間の抱く恐怖の象徴」 として描写されている。
また、デザインを担当したH・R・ギーガーは「クトゥルフ神話」に強い影響を受けておりある意味でこの作品は 「宇宙版クトゥルフ神話」 とも取れる雰囲気を漂わせている。

「…宇宙船ノストロモ号より最終報告。報告者二等航海士。他の乗組員はダラス船長とも全員死亡。本船は爆発しました。私は6週間後に太陽系に達する予定です。回収される事を期待します。私はリプリー、ノストロモ号最後の生存者です。以上…。」


ノストロモ

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