棒術(武術)

登録日 :2012/07/03(火) 08:21:55
更新日 : 2017/06/01 Thu 21:42:05
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『棒術』とは、日本武術において長い棒を武器とする術のことである。
一応、日本以外にも『棒術』や、それに似た扱いをされる武術も存在するが、キリがない上に共通点も多いのでここに記載する。

【棒術とは】
平たく言えば『棒』を使った武術のことで、使用する棒の長さはだいたい6尺(約180cm)前後、直径は八分(約2.4cm)~一寸一分(約3.3cm)のものが多い。
ただし、これは流儀・流派によって違っていたりするので、統一されてるわけでもない。
そもそも、一口に『棒』と言っても『杖』(4尺・120cm前後のもの)があったり、中国武術では『棍』とも呼ばれていたりするので、定義はかなり曖昧である。
また短い棒を使用する『半棒術』『短棒術』も存在する。


【歴史】
歴史はかなり古いようだが、剣術に比べて資料は乏しい為、詳しい起源は不明……というか、
「棒で攻撃」さえしていれば『棒術』と呼べてしまうので、定義するまでもなかったのだろう。
武器として作られた棒を使用することはもちろん、槍先や薙刀先が折られた際に緊急用として使われる場合も多く、
それが発端となって編み出されたという説もある。
また、刀を持つことが許されなかった農民や町人等の護身術としても広まったとされる。
現在においては、警棒を使った『警杖術』が『逮捕術』の一部として、多くの警察官へ広まっている。
また農民に伝わった棒術が『棒の手』等の祭事として伝承されているケースもある。


【特徴】
最大の特徴といえば「得物を選ばない」という点にあるだろう。
硬くて長い棒状のもの// であれば武器になりえるので、入手が容易なうえ、身分や規律等による制限も少ない。
また、棒術の一派である『神道夢想流杖術』では 「突けば槍 払えば薙刀 持たば太刀」 という言葉が使われているように、
「全ての部分が、攻撃する部分にも持つ部分にもなりうる」という利点もある。
正に「 」という言葉を表すような戦い方ができるのである。
なお、日本における棒術は、日本自体が古くから剣術が主流であった為に、剣術を仮想敵として定めたものが多い。(他の武術の多くでも同じ点は見られる)
歴史の項で話したように、槍術・薙刀術、さらには剣術といった、武器を使った他の剣術との共通点も多く、長物を扱う際の基本として重要視される。
その為、他の武術でも「間合いの操作を学ぶ為」という理由で棒術を組み込む流派もある。
また、柔術の流派で多くの棒術を組み込んでいたり、中国武術には棒を扱う流派も多い。
空手と兼修されることが多い沖縄古武道のうちの一つに棒術があり、夫婦手の鍛練として棒術の稽古をする。



【棒術を得意とする実在、または架空の人物】


■夢想 権之助(むそう ごんのすけ)
棒術の派生系である『神道夢想流杖術』の流租。かの宮本武蔵と戦った人物として有名。
一度は武蔵に負けたものの、口伝では「後に再戦して勝利した」とも言われている。ただし真偽は不明。(武蔵本人は著書にて否定している)
吉川英治による小説『宮本武蔵』においても登場し、一度目は中断、二度目は武蔵のみね打ちにより失神させられてしまっている。
しかしこの時、武蔵は「負けた!」と叫んでおり、武蔵のみぞおちには赤い痣が残っていて、あと少し踏み込まれていれば死んでいたと武蔵が語っている。
この小説内でも武蔵は無敗の武者として書かれているので、権之助はかなりの強者として捉えられていたのだろう。

■孫悟空
言わずとしれた『西遊記』のお供の一人。
お気に入り武器である『如意金箍棒』も、『如意棒』として一度は聞いたことはあるだろう。漫画作品にもよく使われる。
その重さはなんと 一万三千五百斤(約8t) と言われており、長さは伸縮自在だが、いくら小さくしても 重さは少しも変わらない
それを悟空は、マッチ棒程度の長さにして 耳の中にしまっている
色々とおかしい気もするが、悟空自体がチート性能なので気にしない方がいいのかもしれない。
因みに如意棒は「洪水を止める為に海に沈められていた柱」であった。
しかもそれを強奪同然で持って行っている。

悟空ェ……

■林冲
かの大作『水滸伝』に登場し、同作を代表する棒術の達人。
かつて禁軍八十万の棒術師範だったが、上司のバカ息子に嫁を寝取られそうになり、そのせいで散々な目に遭い全てを失った不運な人。
何やかんやで粱山泊に落ち延びた後はその強さから粱山泊の最高幹部となり、数々の猛者・豪傑と激闘する。
が、実は彼のメイン武器は 蛇矛 。他にもを使っている場面の方が多く、槍の名手としての印象が強い

ツァオロン(金色のガッシュ!!)
棍を操る“エルド”系の呪文で戦う。巧みな棍さばきと軽やかな身のこなしを兼ね備えるが、
それ以上に本の持ち主の玄宗さんの戦闘力がキチガイじみて化け物過ぎるので、いまいち目立たない。
ある意味棒術の不遇さを具体化してしまった存在といえようか。

仮面ライダーX
ライドルが変形したライドルスティックとライドルロングポールを使用。
仮面ライダー初の自分専用武器持ちライダー。武器を巧みに使ったバトルシーンは、後のライダーに影響を与えた。
尚、ライドルロングポールは攻撃より防御に用いている。

仮面ライダークウガ・ドラゴンフォーム
ドラゴンロッドを使用。
ライジングフォームでは双刀の矛になってしまうが、基本的な使い方は変わらない。
「長き物」ならなんでもドラゴンロッドにできるという点で、正に得物を選ばない。

仮面ライダーレンゲル
醒杖レンゲルラウザーを使用。
杖ではあるが、一応は棒術の一種である。

仮面ライダー電王ロッドフォーム
デンガッシャー ロッドモードを使用。
棒というより釣竿だが戦闘はほぼ棒術と言ってもいいだろう。

仮面ライダーネガ電王
ネガデンガッシャー ロッドモードを使用。

仮面ライダーNEW電王・ベガフォーム
こちらは薙刀型のデンガッシャー ナギナタモードを使用
胸の顔はやっぱり飾りだぁ!

仮面ライダーWメタルサイド
メタルシャフトを使用。
ヒートメタルの炎を纏った重い打撃、サイクロンメタルのスピード感溢れる棒術、ルナメタルの鞭変化と3種類の棒術を使いこなす。

仮面ライダーメテオストーム
メテオストームシャフトを使用。
ベイブレードを装着したシャフトでホゥワチャ!

リブラ・ゾディアーツ(仮面ライダーフォーゼ)
錫杖ディケを使用。
初期は割と強かったが、超新星が覚醒してからは見てるだけ。
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■ブラックマスク(光戦隊マスクマン)
マスキーロッドを使用。
ロッドは五節棍状の形態にもなり、ヌンチャクのように振り回すことも可能。

■ブラックバイソン(超獣戦隊ライブマン)
バイソンロッドを使用。
槍のように見えるが、あくまで棒である。

五星戦隊ダイレンジャー
初期メンバーはダイレンロッドという棒を共通武器としている。
メンバーそれぞれがこの棒を振り回す個別アイキャッチもあるおかげでインパクトは抜群。
また、リュウレンジャーが乗る気伝武人・龍星王は飛龍棍という棒で戦う。

■メガブラック(電磁戦隊メガレンジャー)
メガロッドという棒を使う。
先端には刺叉(さすまた)に似た形状の二叉がついている。

■ガオシルバー(百獣戦隊ガオレンジャー)
ガオハスラーロッドという長剣やライフルにも変形する棒を使う。
必殺技はロッドモード時にレーザープールを生成し捕縛、ビリヤードの応用でガオの宝珠を敵にぶつけ玉砕する『破邪聖獣球』。

■アバレッド(爆竜戦隊アバレンジャー)
ティラノロッドという棒を使用。
先端部にティラノサウルスの顔がついており、それがバーミア兵をガブリンチョ!と食い尽くすシーンは何気にエグい。

■ゲキイエロー(獣拳戦隊ゲキレンジャー)
ゲキトンファーを連結させた伸縮自在のロングバトンモードを好んで使う。
…はずだが、五毒拳のカデムを倒した回以外は印象が薄い。

ジュウオウザワールド(動物戦隊ジュウオウジャー)
ジュウオウザガンロッドというライフルや釣竿にもなる棒で戦う。
クロコダイルモードに変身するとロッドモードとなり、リールを回転することでエネルギーチャージ。
「ジュウオウザフィニーッシュ!」の音声と共に必殺攻撃が発動する。

シンク・イズミ(DOG DAYS)
13歳の棒術使い。しかしやってることが超人的なので、殆ど棒術とは言い難い気がする……

■ガンビット/レミー・ルポー (X-MEN)
カードやらを手にしてエネルギーを注入し破壊爆弾にする戦法も目立つが、棒術による戦法も得意。

■ドナテロ(T.M.N.T.)
紫のハチマキがトレードマークの忍者亀。
彼の使う棒はピザ屋の看板の支柱を改造したもの。
その棒術での戦闘力は他の兄弟に引けをとらないが、発明家の部分が取り沙汰されがちである。

ビリー・カーン(餓狼伝説)
1では棒をすぐ投げつけるとガードしてブルブルしてばっかりだったが、2では三節棍にも変形するスタイルになり、後のシリーズでもこのスタイルを踏襲。
シリーズによってはジャバラ状に変形する超必殺技も見せている。
KOFマキシマムインパクトではなぜかリリィも棒術使いになっていた…ビリー、止めてやれよ。

■キム・スイル(風雲スーパータッグバトル)
餓狼伝説シリーズのキム・カッファンの子孫であり、基本的にはテコンドーの使い手だが棒術も得意。

ヴェノム(ギルティギアシリーズ)
ビリヤードのキューを棒に見立てて気を錬り込み、精製したボールを弾いたりキューを振り回したり突いたりして攻撃。
また、設定ではキュー以外にも気を錬り込むことで暗殺用具として使うこともできるらしい。

■フレイヤ(史上最強の弟子ケンイチ)
本名「久賀舘要」、久賀舘流杖術の継承者。
太古より人斬り包丁を相手に棒一つで殺さずの精神で渡り合ってきた杖術の事を誇りにしており、
棒が破壊されただの凶器に成り下がってしまった時には潔く敗けを認めている。

■シェル(中華一番!)
鋼棍使いの面点師。
あくまでも料理用に使うのだが、作劇の都合上、リアルファイトをすることもあり、
その場合は棒術を披露する。
また、料理勝負で相手を負かした後、鋼棍に星型の撃墜マークを入れる。

■雑踏昆奈門(忍たま乱太郎)
忍たま達と手合わせしたときに使用。伊作から情報を得ていたため終始優位に立っており、武道大会で優勝した鉢屋三郎、武闘派の食満留三郎を簡単にいなしている。
なお、後者では廃城ながらも籠城戦中であったため総鋼鉄製の棒を使っており、よく留三郎は骨折も無く打撲やたんこぶ程度で済んだものである。

■佐々木助三郎
■渥美格之進(水戸黄門)
共に剣術の達人ではあるが、大立ち回りの時は同心の棒を奪って攻撃ということが良くある。特に格さんは素手での柔術メインのため、最後まで使っていることが多い。

■烈闘破鋼棍使いの男(北斗の拳
ラオウ(北斗の拳)の部下。短めの棒二本を両手に持って戦う。
その闘法の極意は闘気。トキ(北斗の拳)と戦い、己の腕を体に巻き付けられ棍棒が血塗られることはなくなった。
余談だがトキの北斗の拳(2D格闘)中のセリフは彼との戦いで発したものが多い。 本人めちゃめちゃマイナーなのに
「おまえは殺気が強すぎる」「半人前の技では俺は倒せんぞ」「やめておけ」「仕方あるまい、かかってくるがいい」「激流に身を任せ同化する」「激流を制するのは静水」

■帯刀右近(タフ tough)
帯刀流棒術宗家。五尺の杖を使い、突風を巻き起こすほど振り回す風神落としや疾風のごとき速さで攻撃する稲妻突き
を繰り出す。

■キリク(ソウルキャリバー)

■モーガン(ウォーキング・デッド)
旅の途中で出会ったイーストマンから棒術を伝授される

■風林寺悟空(ゴクウ)
宝蔵院裏秘流五行風林の達人。

その他、中国武術を使うキャラ等が棒(というか棍)をよく使うが、日本的な棒術を使うキャラはかなり少ない。
やはり絵面的に地味な上、マイナーな武術なので仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないが……



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