サスペリア(映画)

登録日:2012/04/23(月) 04:51:59
更新日:2024/01/20 Sat 17:19:18
所要時間:約 6 分で読めます




白いトウシューズが真っ赤に染まったとき、スージーは、それが全て現実だと知った…

Suspiria


【概要】

イタリアの名監督ダリオ・アルジェントの作成したホラー映画。1977年公開。
それまでサスペンスしか撮らなかったダリオが初めて手がけたオカルトホラーもので、彼の名を一躍有名にした作品。


  • 現代ヨーロッパのバレエ学院で起こる恐怖の事件に、可憐な美少女が巻き込まれるストーリー
  • 原色をふんだんに使った強烈な色彩
  • 音響立体移動装置(サーカム・サウンド・システム)によって増幅された、プログレシブロックバンド「ゴブリン」のおどろおどろしい音楽

それらが見事に融合した名作中の名作。

少女が残虐に殺されながらも、ある種の美しささえ感じさせる映像美は、今見ても尚素晴らしい。


日本公開時のキャッチコピーである「決して、ひとりでは見ないでください」はあまりにも有名。また公開当時、恐怖のあまり観客がショック死する危険性を考慮して1000万の保険がかけられたりもした。


その一方でダリオ作品特有の整合性の無いストーリー、ゴブリンのホラーらしからぬちょっとかっこいい音楽等、人によっては好みが分かれる所。

また当時保険金が出る程の恐怖シーンも、現在にしてみればやはりチープさは否めなく、人によってはまるで怖くないかもしれない。


「魔女三部作」のタグがあるようにオカルトを主軸にした作品で、本作品の設定は続編『インフェルノ』、完結編『サスペリア・テルザ』へと受け継がれていく。

2018年にはリメイク版が公開。
こちらのリメイク版は登場人物と舞台に類似点があるだけで、ストーリーは完全な別作品となっている。
監督は『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ。



【あらすじ】

ニューヨークに住むスージー・バニオンはバレエの名門校に入学する為、ドイツに留学する。しかし現地は嵐の為に大荒れ。
なんとかタクシーを捕まえ、バレエの名門校フライブルクに辿り着いたのは午後11時。
スージーがタクシーから降りるのと同時に、一人の女子生徒パットが中から飛び出してきた。

「秘密よ!」
「扉の陰に」
「アイリスが3つ」
「青を回して!」

謎の言葉を残して、大雨の中、何かに追われるように走り去っていくパット。そんな異様な光景を横目にスージーは学院に入ろうとするが、何故かインターフォン先の人物に断られ、渋々近くのホテルに泊まることに。


その頃、友人のアパートに辿り着いたパットに迫る謎の影……。


翌日、正式にバレエ学院に入学したスージーは何者かの手により昨夜の女生徒(パット)が惨殺されたことを知る。
次第に彼女の身の回りで起き始める奇妙な事件の数々。そしてスージーは学院に隠された秘密を知ることとなる……。



【登場人物】

●スージー・バニオン
主人公。アメリカ娘。
結構意思が強く、ホラー映画にありがちな泣き叫んで逃げ回るヒロインとはまた一味違う。
レッスン初日に鼻血を出して倒れ、回復の為に夕飯に赤ワインと流動食を食べることを義務付けられた。
何故か夜になると眠くて眠くて仕方がなくなる。

●パット
冒頭に登場し、学院から飛び出した末殺された少女。
気難し屋で、いつも問題を起こしていたらしいが多くの友人から愛されていた。
彼女の残した謎のキーワードが物語の重要な鍵となる。

●オルガ
妖艶な雰囲気を持った学院の先輩。
一見嫌味ったらしい奴に思えるが、結構良い人。

●サラ
スージーの友人。好奇心旺盛。
死んだパットとも友達であり、彼女から学院の秘密に関するメモを渡されていた。
かつて校長先生の隣の部屋で寝たことがあり、それが原因で物語中盤から学院の秘密に足を踏み入れることに。

●ミス・ターナー
バレエ学院の先生。厳しいが優秀な指導者で生徒から慕われている。

●ブランク夫人
学院の副校長。校長が海外出張中なので学院のことを任されている。かつてはバレリーナでスージーの叔母とは知り合い。
生徒思いの良い人。

●アルバート
ブランク夫人の甥っ子。金髪ショタ。
殆ど喋らず空気。だが物語の中盤、ダニエルの盲導犬に腕を噛まれてしまう。

●ダニエル
学院で働く盲目のピアニスト。レッスンの為にピアノを弾いている。盲導犬とは仲が良く、信頼し合っている。
目が見えない故に耳が良く、何やら学院に隠された秘密に勘づいているようで……?

●パブロ
ルーマニア人の下男。雑用係。巨体。
巨体に醜い顔の持ち主。新しい入れ歯がお気に入り。
ルーマニア語しか理解できないのをいいことにターナー先生から盛大にdisられる。

●マーク
イケメン。
学費の為に住み込みで働いており、ターナー先生の身の回りの仕事をさせられている。
スージーに一目惚れしたようで度々アプローチをかけている。

●雑用のおばちゃん
無愛想かつ太っちょなおばちゃん。
彼女が持っていたクリスタルの光の浴びてからスージーの体調が悪くなる。

●校長
海外出張中の学院の校長。
しかし中盤になって実はずっと学院に居たのでは?という疑惑が浮上してくる。
うめき声のようないびきをかく人。





以下終盤の若干のネタバレあり



















●フランク・マンデルン
精神科医でかつてのサラの担当医。サラからは最近起こっている学院の奇妙な事件について相談されていた。
終盤、訪ねてきたスージーに魔女ヘレナ・マルコスのいわれを語る。オカルトには否定的。

●ミリウス博士
オカルトを対象とした研究者。『精神医療と魔術』という本を記した。
「魔女」とはどんな存在かをスージーに教える。

現代の人々が信じないのはもっともですが、魔法は、今でも存在します。
こんな言葉があります。

クオダム・ウビクエ
クオダム・センペル
クオダム・アド・オムニプス
クレディトゥム・エスト

こういう意味です。

魔法は“世界中どこの国にもあり”
“常に人々によって信じられている。”



●ヘレナ・マルコス
「黒い女王」と呼ばれるギリシャ移民の魔女。
かつてヨーロッパ各国から追放された末ドイツにたどり着き、1895年にフライブルク学院を創設。
舞踏とオカルト学を教えていたが1905年に火事で死亡したと言われている。
彼女の死後、学院は弟子たちに引き継がれ、オカルト学が廃止された後今のようなバレエの名門校へと変貌を遂げた。




【余談】

○あまりに成功した為か、サスペリアよりも前に作られたサスペンス作品『Deep red』が『サスペリアPART2』と名を変えて日本公開されたりもした。

○冒頭のスージーがタクシーに乗る場面で、一瞬ガラスに謎の男の顔が映る。
当時「幽霊ではないのか」と話題になったが、実はこれダリオ監督の顔。なんでも話題作りの為に意図的にしこんだんだとか。

伊園家の崩壊』や『殺人鬼シリーズ館シリーズ』や『Another』で知られるモルカーおじさんミステリ作家でホラー映画ファンの綾辻行人は本作を影響を受けた作品のひとつとしてあげており、『緋色の囁き』では「全寮制の女学校」「魔女の伝説」といった共通項が見られ、作中でも名前が登場している。






誰だね、誰がそこにいる?


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来ると知っていたよ。


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最終更新:2024年01月20日 17:19