IT(作品)

登録日:2010/02/28 Sun 20:39:23
更新日:2024/02/06 Tue 21:00:36
所要時間:約 4 分で読めます






“それ” は27年ごとに戻ってくる。


IT(イット)



1986年に発表されたスティーヴン・キングのホラー小説。
また、それを原作とする1990年のTVドラマシリーズ。

人間の弱さに付け込む不気味なピエロ、ペニーワイズに翻弄される人々を描くホラー作品。

前半は少年達とペニーワイズとの戦いを。後半は大人になった主人公達が再びペニーワイズと戦う構成になっている。
ただし原作では二つの時間軸は交互に描かれている。

キングお得意の陰鬱だがほのかな希望がある人間社会と青春の描写も特徴。

あとやっぱり最終的には観念的なぶつかり合いになる。

しかし分量もとんでもなく長い。
ハードカバー上下巻文庫全四巻で1000ページ以上
TVM版は約3時間
映画版は少年編現在編別々でおそらく計4時間以上。
前述の構成と内容もあってすごく疲れる。

2017年では、今作の映画版『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が公開。
さらに、2019年に『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』が公開
内容はいずれも原作の過去編およびTVドラマの少年編/成年編のリメイクとなっている。


【はみだしクラブ/ラッキー7(The Losers' Club)】

ペニーワイズに立ち向かう7人の少し不幸な子供たち。
ペニーワイズの攻撃を受けるも撃退に成功、再び現れた時に集まる約束をしていた。
27年後に中年になっても、約束のためにもう一度故郷に集結する。

ビル・デンブロウ
少年、大人の両時代においてリーダー格を担う。
弟をペニーワイズに殺害され、そのことを心の奥に気にかけ続けている。
吃音癖があり、大人になってもペニーワイズのことを思い出すと再発する。
大人になってからは作家として成功しており、女優の妻と二人暮らししている。

ベン・ハンスコム
デブのいじめられっ子。
母と二人、母の姉の家に居候しており、いとことの仲も良くない。
デブだが意外と気は強く、やる時はやるタイプである。
ベバリーにほのかな恋心を持っている。
大人時代は建築家として成功。しかも痩せた。

ベバリー・マーシュ
今でいうとオタサーの姫。
小学校の用務員として働く父親にDVされている。
大人時代はファッションデザイナー。今度は恋人にDVされていると男運は最悪。

スタンリー・ユリス
ユダヤ人のボーイスカウトの少年。
ペニーワイズとの決戦で、一人だけ彼に捕まり死にかけたためか彼への恐怖が強く、
会計士と成功し、愛する妻と暮らしていた大人時代にペニーワイズ復活の電話を聞き、恐怖にとらわれて集まることなく自殺してしまう。

マイク・ハンロン
黒人の少年で歴史を調べることが大好き。
大人時代は図書館司書として唯一故郷に残っており、子供たちが殺されたり失踪したりする事件からペニーワイズの復活を知り、ラッキー7を集める。

リッチー・トージア
おしゃべりクソ眼鏡。
大人時代は人気DJとしてテレビにも出演している。眼鏡でもなくなった。
しかし子供時代の生意気で強気な性格はなりをひそめている。

エディ・カスプブラク
喘息のチビ。
毒ママ持ちで行動を縛られている。
大人時代はリムジン配車会社社長。でも心気症。

ヘンリー・バウワーズ
素行不良で何年も留年するほどの不良少年でベンやマイクに絡んでいる。
ラッキー7を憎み追跡した下水道で、ペニーワイズの光を直視したために白髪になり精神崩壊、
一連の事件の犯人として逮捕され精神病院に送られていた。
27年後にペニーワイズに操られて脱走しラッキー7を襲撃してマイクに重傷を負わせるが、抵抗を受けた際にナイフが刺さって死亡した。


【IT(ペニーワイズ)】

古来よりデリーに三十年毎に復活するピエロの姿をした怪物。
正体不明なため主に作中ではIT(それ)と呼ばれる。
子供や、ペニーワイズと関わったことがある、といった一部の人間にしか見えず、普通は太刀打ちできる存在ではない。
また脅す際にさまざまな怪奇現象を引き起こすが、対象ではない相手には起こした霊障を含めて認識できない。

主に子供を標的とし、恐怖でおびえさせてから襲い掛かる。
しかし思い込みに左右されるためか、喘息用の薬(実はただの水)を酸と言われて吹きかけられると溶けてしまうなど、恐れる心を持たない相手には一気に弱体化する。

弱点は銀で、子供時代に深手を負わせ撃退できたが、完全に倒せたわけではなく三十年後に復活した(ペニーワイズが復活したことは、死んだ弟の写真から血が流れたことで発覚した)。

子供を標的にする、恐怖と強さが比例する、対象者以外には姿が見えないなどフレディ・クルーガーと似た特性を持つ殺人鬼である。

連続殺人鬼の「ジョン・ゲイシー」を基に書かれたといわれている。*1

この映画は非常に多くの者にトラウマを植え付けたことで有名である。
実際にピエロ恐怖症(道化師恐怖症)というものもあるので、気になる人は調べてみるのも一興。
ちなみに原作者のスティーブン・キングは、ピエロがそのようなイメージになっていることを嘆いており、ピエロは善良で人々を笑顔にしてくれる存在だと主張した。
(それに対し、世間では「誰のせいだと思っているんだ!」という意見が多く見られた)

また、キングの『ダーク・タワー』シリーズとは関連性があり、並行世界と亀の関係性にそれが窺えるほか、『ダーク・タワー』シリーズにはペニーワイズがゲスト出演している。
なお、『ダーク・タワー』は2017年8月に実写映画化。日本では2018年1月に遅れて公開予定だが、ペニーワイズが出るかは不明。

ちなみに日本では、ペニーワイズの容姿から同じくピエロの教祖様ドナルドのMADに使われたりもした。
他にはペニーワイズが排水口の中からジョージに微妙な映画やゲームを紹介(というか押し付ける)する嘘字幕動画『ペニーワイズがおすすめするシリーズ』などが制作されている。
ネタ動画の存在感に加え、元々日本ではピエロに対する恐怖はそれほど強くなかったこともあってか、恐怖の象徴としてのイメージは薄いようである。
というか最近はジョージィにボコボコにされる展開が増えている所為でクソ雑魚ピエロ扱いされるなど不遇な存在になりつつある。
ちなみに「恐怖と強さが比例する」という設定上、「ネタキャラ扱いされる=恐怖の対象でなくなる」という事になるので、ペニーワイズへの対処法として正しい方法である。


【デリー】

物語の主舞台。
アメリカ合衆国メイン州の都市。
『骨の袋』『ドリームキャッチャー』『不眠症』などの舞台にもなった。




なんだ、また三十年後によぼよぼの爺さんになって追記・修正するのか?
冗談じゃない。俺達の代でこの項目の追記・修正を終わらせるんだ!

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最終更新:2024年02月06日 21:00

*1 パーティーでピエロに扮する姿が知られていたため「キラークラウン」の通称で呼ばれていた。また収監中に多数のピエロの絵を描いたことも有名だが、その作品の中にペニーワイズに酷似したものがある。