レギオン/草体

登録日 :2010/03/12(金) 15:25:31
更新日 : 2017/07/15 Sat 21:08:57
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主が 「おまえの名は何か」 とお尋ねになると、それは答えた。


我が名はレギオン。


我々は大勢であるが故に―…



マルコによる福音書第5章9節


ガメラ2 レギオン襲来』に登場する怪獣。

ガメラギャオスの戦いから数年後、隕石と共に地球に飛来した宇宙生物。
ガメラを攻撃する夥しい数の小型種を見た花谷一等陸尉に命名された。
珪素化合物で形成されている節足動物型の生命体で、炭素化合物から成る地球上の生物とは根本的に異なる。






  • 巨大レギオン

全高:140m(最大成長時)
全長:160m
体重:600t(最大成長時)
飛行速度:マッハ1(亜生体時)
地中進行速度:50km/h

作中では「巨大レギオン」或いは単に「レギオン」と呼称されているが、正式名称は「マザーレギオン」。
作中で草体と名付けられた巨大植物「レギオンプラント」と共生関係にあり、これを中心として小型種「ソルジャーレギオン」による真社会性の群れを形成する。

外甲殻は白銀に輝く未知の絶縁物質で構成されている。
これは各種電磁波を反射する特性を持ち、戦車隊による攻撃ですら効果がないほど非常に強固である。
しかし「生身」にあたる黒い箇所は衝撃に対して非常に脆い。
外殻周辺にパラボラ状に生えた「干渉波クロー」からは各種電磁波を放射。
ミサイルの誘導システムの破壊や、プラズマ状態の火球を気体化して無効化するなどの能力を持つ。
巨大な槍のような前脚や鎌のような後ろ脚も強力な武器で、ガメラの肉を簡単に引きちぎるほど。
最大の武器は頭部外殻を展開し、放たれる「マイクロ波シェル」と呼ばれる高出力指向性高周波。
命中した物体は一瞬にして分子レベルで急激に加熱され、爆発現象を引き起こされる。その破壊力たるや、ガメラの右肩と甲羅の一部を瞬時に蒸発させ、自衛隊の戦車部隊を一撃で半壊させる程。

怒ると目が「青」から「赤」に変わり、レッドロッド(赤熱鞭、レギオンビュート、マイクロ波ビュート)という「光の触手」を放つ。超高熱の鞭であり、ガメラの体をいとも簡単に貫通した。




  • ソルジャーレギオン
マザーレギオンにより生み出される体長1〜2mの小型種。働きアリのような役割を果たす存在。
作中では「小型レギオン」、「羽レギオン」などと呼称された。

マザー及びソルジャーレギオンには筋肉に相当する器官は存在せず、体内の高圧酸素でのガス圧で動作する。
レギオンは土やガラス製品を分解することでシリコンを摂取。その過程で酸素が発生し、これが草体の成長や種子の打ち上げに使われると推察された。

非常に攻撃的な形態、性格をしており、鋭利な爪を使って人間など簡単に惨殺してしまう。
巨大レギオンのマイクロ波シェルのような光線状攻撃は出来ないが、対象を群れで取り囲みマイクロ波で一斉加熱攻撃が可能。
シリコンを餌にしているためレギオンの体組織は半導体に酷似しており、個体間の交信に電磁波を用いている。
そのため、特定の波長の電磁波に対しては『群れの会話を阻害する敵』として攻撃する。
周波数によってはソルジャーレギオンにとって強力なフェロモンの様な効果をもち、
探知すると巨大レギオンの命令すら無視して、自らの死も厭わずに電磁波の発生源に群がってしまう。
この性質を利用して、ソルジャーレギオンの誘導に成功している。

一方で電磁波を発する物を持っていたり、直接危害を加えない限り、襲ってくることはない。
体もそこまで丈夫ではなく、劇中では変圧器やネオンサインに群がって感電死している他、至近距離からの拳銃連射で射殺されている。

分裂した群衆が一斉に敵に攻撃を仕掛けるのはウルトラマンバルタン星人(二代目)のミニバルタンがウルトラマンを襲う未撮影のアイディアを再起用したものである。


  • レギオンプラント(レギオンフラワー)
レギオンが繁殖のために共生する、全高100mにも及ぶ巨大な植物状の生物。『草体』と名付けられた。

草体は成長の為に「大量の酸素」を必要とし、レギオンは土を分解して自身の栄養源として「ケイ素(シリコン)」を摂取。
その分解過程で発生した「大量の酸素」で草体を育てるという共生関係にある。
草体の活性時には特殊な電磁波を放ち、緑色のオーロラが確認されている。
また、 高濃度酸素の環境下は 地球生物の大部分にとっては毒 であり、渡良瀬二佐も 「共存の可能性は皆無」 として殲滅戦を推奨した。

草体は、周囲の高まった高濃度の酸素を爆発させる事で新たな「種」を宇宙に打ち上げるという繁殖方法をとり、レギオンはこれに新たなマザーの「卵」を植えつけることで繁殖する。
帯津によるシミュレーションでは、札幌市中心部半径6km四方は間違いなく壊滅するという結果が出ており、種子の発射にこそ失敗したものの、爆発で仙台市を消滅させている。




□劇中の活躍
支笏湖の南西約1km、恵庭岳近くに落下した隕石に乗って地球に飛来。

隕石落下三日後にアサヒビール工場に侵入し、ビール瓶一万ダースを分解・捕食。
NTTの光ファイバーケーブルの消失の痕跡から「何らか」が札幌へ向かって北上していると判明する。

落下五日後には、札幌市地下鉄南北線内に侵入。
小型レギオンは、真駒内行きの始発を襲撃して乗員乗客を虐殺。救出に来た機動隊をも返り討ちにした。
直後に「草体」がすすきのの百貨店を突き破り出現。自衛隊も出動し地下鉄の生存者を救出する。

翌日には草体が開花。自衛隊は爆破作業を始めるも草体は種子発射のため活性化。
自衛隊は地下鉄を爆破して活性化を止めるが、三陸沖からガメラが飛来。
ガメラは草体を引きちぎって二回の火球攻撃で焼き払うが、地下から小型レギオンの群れが出現。
ガメラの全身にまとわりついて苛烈な攻撃を加え、そのままダウンさせてしまう。
しかし、一部の小型レギオンが近くにあった変圧器の発する電磁波に惹かれて離れてしまい、
その隙にガメラは飛び上がり、回転飛行で体中についた小型レギオンを振り落としながら、そのまま石狩湾へと落下した。
その後、地下から羽根付きの巨大レギオンが出現。
津軽海峡で空自戦闘機のミサイル攻撃を受けるも、羽だけを残して行方を眩まし、本州上陸を果たす。


今度は宮城県仙台近郊のパチンコ屋に「小型レギオン」が飛来。パチンコ屋の看板に激突し死ぬ事件が起こる。
翌日には仙台中心部に「草体」が発芽。周辺の市民へ非難命令が出され、札幌より温暖なせいで成長が速く自衛隊も撤退を余儀なくされる。

松島湾から「ガメラ」が浮上・草体の撃破に向かうが「巨大レギオン」が突如として、避難民が集まっていた仙台・霞目飛行場に出現。
巨大レギオンは種子発射までの時間を稼ぐためガメラと闘う。
避難民はガメラのおかげで全員無事に移動出来たが、レギオンのマイクロ波攻撃を受けガメラはダウン。
ガメラを行動不能にしたと確信したレギオンは再び地中に姿を消す。

しかしガメラは再び立ち上がり草体を引き倒すが、今度は止められずに大爆発が発生。
ガメラがその身をもって種子を受け止めたため、種子発射自体は食い止められたものの、
爆心地にいたガメラは炭化。仙台市は壊滅し巨大なクレーターになってしまう。

その後、レギオンは次の営巣地として東京を目指すが、すでに二度も種子発射に失敗して後がない状況であるため、
今度は総力をもって妨害する敵を粉砕してから草体を植え付ける方針に転換。
栃木県足利市北部の赤雪山から「巨大レギオン」が出現し、東京都へ向かい侵攻を開始した。
迎撃の自衛隊戦車大隊の集中砲撃や航空隊の爆撃をものともせず、そのまま反撃。一瞬で戦車部隊の50パーセントを焼き払い壊滅させる。
「小型羽レギオン」を放ち、そのまま第一次防衛線を突破する。

仙台市跡では子どもたちの祈りによってガメラが復活。そのまま足利市へと飛来し、巨大レギオンと戦闘を開始する。
巨大レギオンは先に飛翔させた小型レギオンの群れを呼び戻すも、小型レギオンはNTT名崎送信所の電磁波に誘導されてしまい、
ガメラを目の前にしながら方向転換して電磁波の発生源に飛び去ってしまった。
こうして孤軍奮闘を余儀なくされた巨大レギオンであったが、その巨体とパワーで侵攻を阻止しようとするガメラを圧倒。
ゴリ押しで群馬県県境の第二次防衛線をも突破する。

ところが、自衛隊がガメラを援護する方針をとり、ガメラとの戦闘中に対戦車ミサイルによる攻撃を受けてしまう。
第一波攻撃は「干渉波クロー」からの電磁波でミサイルの誘導システムを破壊し防ぐも、間髪入れずに放たれた第二波を防ぐ事ができず、クローを破壊され弱体化。
必死のマイクロ波攻撃で周囲を薙ぎ払うが、隙をついて接近したガメラに力づくで大角をもぎとられてしまい、ダウンする。
が、すぐに起き上がるとレギオンは怒り狂ってレッドロッドを展開。ガメラに苛烈な攻撃を加えながら、とうとう最終防衛ラインを突破する。

しかし、電磁波に誘導され、NTT名崎送信所のアンテナに群がっていた小型レギオンが自衛隊攻撃ヘリのミサイルによって殲滅されてしまう。
最早、ガメラもレギオンも満身創痍の状態であったが、それでもなお戦闘を有利に進めるレギオンに対し、
ガメラは地球の『マナ』を集積し、その膨大なエネルギーをプラズマエネルギーに変換して放つ究極の必殺奥義「ウルティメイト・プラズマ」を使用。
その圧倒的な威力を真正面から受けた巨大レギオンは断末魔とともに粉砕。完全に消滅した。



この攻撃はガメラにとってギリギリ最後の選択であったらしく、
地球環境を維持する『マナ』を大量消費してしまったので、後のギャオス大量発生の要因となる。





シリコン即ち「ケイ素」を餌とするレギオンが、土の多い地域ではなくわざわざ電波の過密な地域を繁殖地にしたのは「敵地を占領し自分の陣地を広げることが目的では」と推察されていた。

また、地球への飛来は偶然のものと考えられていたが『ガメラ3』では「地球、特に日本周辺のマナの減少が何かしら影響していた可能性」が語られていた。

ソルジャーレギオンに襲撃された地下鉄の乗員乗客の生死を分けたのは、電波を発する電子機器(ポケベル、携帯電話、ラジオ等)を持ってるか否かであった。
携帯電話の普及がそこまで進んではいなかった当時だからこそであり、普及が進んだ現代ならば全滅していた可能性も…。

当初、平成ガメラシリーズ2作目の敵怪獣候補には大悪獣ギロンや大型バルゴンが挙がっていたが没になり、自由な発想ができるよう新たな宇宙怪獣に決まった。

レギオンのデザインには「宇宙大怪獣ギララ」のイメージが投影されており、巨大レギオンのモチーフはヘラクレスオオカブトやバッタ、蟹などの節足動物。

因みに草体は、金子監督がマンモスフラワーを登場させようとしていた『ウルトラQ』の映画化企画が中止にされたことに対するリベンジ。

レギオンの着ぐるみは着ぐるみの限界に挑戦したと言っても過言ではない程のモンスタースーツであり、全身をフル稼働させるには2人のスーツアクターが中に入って動かす(1人が頭部と前脚を担当し、もう1人が寝っ転がる形で後部の4本2対の後脚を担当する)。

特撮リボルテックでも発売された。
色に不満の声はあるものの、かなりの出来映えである。



地下鉄にトラウマを持った方、追記・編集よろしくお願いします。

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