ベルガ・シリーズ(MS)

登録日:2012/07/14 Sat 22:30:55
更新日:2023/07/29 Sat 06:37:47
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機動戦士ガンダムF91」などに登場するMS群。
全てブッホ・エアロダイナミックス社が造ったクロスボーン・バンガード(CV)の機体である。

■ベルガ・ダラス
型式番号:XM-04
頭頂高:15.8m
本体重量:9.3t
全備重量:22.1t
出力:4,530kW
総推力:92,610kg
装甲材質:チタン合金ハイセラミック複合材

武装:
ビームサーベル
ショットランサー(二連ヘビーマシンガン)
ビームシールド

パイロット:ドレル・ロナ、他


CVの上級指揮官用高級機である「ベルガ・シリーズ」の中でも最初に生み出された機体。
開発にあたっては主力機であるデナン・ゾンと同じくスペースコロニー内での戦闘、特に敵機との白兵・格闘戦を想定して「ショットランサー」と呼ばれる大型の槍を装備しており
これには射撃武装のヘビーマシンガンも2門内蔵されていて弾倉は円盤型のドラムマガジンをランサー基部(ランスの円錐後端の円形部)の下から挿し込む形式となっている。
ただしCV機体のショットランサーでは当機のみ右腕に半固定の状態で取り付ける様になっている。

頭部カメラも丸いメガネみたいな形状のタイプを採用。
背中には「シェルフ・ノズル」と呼ばれるAMBACユニットを兼ねたスラスターポッドの束を纏めた物を三対六基装備し、可動させる事で高い運動性を発揮できる。
余談だが、分離することで武器になるという没設定があり、その設定に準じたゲーム「フォーミュラ戦記」では実際に攻撃してくる(内容はシェルフノズルが単体に分離展開し内蔵された機銃を撃って弾幕を貼るという物)。
また、背中からビームフラッグも展開可能。

その性能はジェガンやヘビーガンといった地球連邦軍の主力機とは比べものにならない程で、主に各部隊の指揮官機として配備されている。特にドレル大隊のドレル・ロナの搭乗機が有名。
デナン・ゾン同様UC122年代には既に就役・配備済みの状態である。

フロンティア・サイドを襲撃した際に多数の連邦軍MSを撃破したが、フロンティアⅠでの戦闘でガンダムF91によって部隊の機体が多数撃墜され、ドレルの判断でそれ以上の被害を抑える方が適切と早々に撤退した。


■ベルガ・ギロス
型式番号:XM-05
頭頂高:15.7m
本体重量:9.1t
全備重量:22.7t
出力:4,790kW
総推力:98,170kg
装甲材質:チタン合金ハイセラミック複合材

武装:
ビームサーベル
ショットランサー
ビームシールド
パイロット:CV兵


ベルガ・ダラスをベースにした改良型。
全体的に性能がアップしていて、特に推力やセンサー系が強化されている。シェルフ・ノズルは数が四対八基と一対分増えてるので性能はこちらの方が上。
当然ビームフラッグの展開もできる。

武装は基本的にダラスと変わっていないが、ショットランサーはデナン・ゾンと同じ手持ち携行式に戻りヘビーマシンガンは4門に増えている。

こちらも主に指揮官機として配備・運用されている。


■ベルガ・ギロス(黒の部隊仕様)
CVの精鋭部隊である「黒の部隊(ブラック・バンガード)」に配備された機体。
性能は一般機と違いはないが、カラーリングが黒一色に染め上げられている。

パイロットはザビーネ・シャルで、黒の部隊を率いて連邦軍のMS部隊を次々と撃破していったが、連邦軍に寝返ったアンナマリーダギ・イルスと戦い、相手を撃破するも本機も手傷を負っている。


■ベルガ・ギロス(シュテイン専用機)
「クライマックスU.C. 紡がれし血統」に登場。
シュテイン・バニィールを名乗るシュン・タチバナの機体で、カラーリングが金色になっている。

父であるカムナが指揮する艦隊を攻撃し、甚大な被害をもたらした。
イルルヤンカシュ要塞での攻防戦でも出撃し、妹のナナが乗るF90Ⅱを窮地に追い込むが、そこに駆けつけたカムナのプロトタイプジャベリンと激戦を繰り広げる。

その後、なんやかんやあってすれ違っていた父と和解したシュンは父からの頼みで、妹を連邦艦隊に送り届けている。


■ベルガ・ギロス・パワードウェポンタイプ
「F91-MSV」に登場。「重装攻撃型」とも呼ばれる。
ベルガ・ギロスの対艦戦仕様で、脚にあるハードポイントに3連装ミサイルランチャーを取り付け、背中のシェルフ・ノズルを大型スラスターに変更している。

主に連邦軍の残存艦隊の掃討作戦に投入されたという。


■ベルガ・ギロス ジレ・クリューガー専用機
ゲーム「機動戦士ガンダム U.C.ENGAGE」に登場するオリジナルMS。
ジレ・クリューガーが用意させていた機体で、蒼色を基調としたカラーリングで塗装されている。
これはジレを隊長とした「蒼の部隊」を編制する予定だったためらしい。
左肩にはレリーフ造形のアーマーが追加され、各部にも飾緒のような装飾を施すことで権威を表している。
最大の特徴は両肩に増設されたバグの再利用武器「ホッブバグ」で、ラフレシア・プロジェクトの実質的なNo.1及びNo.2である鉄仮面とジレの戦死後にプロジェクトを引き継いだメンバーらがバグの稼働テストにおける問題点の検証のために追加した。
自律式無差別攻撃兵器であるが故の疎放さから、親バグが早期に撃墜されることで子バグがキャリアー兼司令塔を失ってしまうのが戦略的失敗の原因であると結論付けた彼らは、これらのコントロールの一部をMSパイロットに任せることで戦略性を高めようとしたという。


■ベルガ・バルス
型式番号:XM-05B
頭頂高:15.6m
本体重量:9.4t
全備重量:27.6t
出力:5,410kW
総推力:107,190kg
装甲材質:チタン合金ハイセラミック複合材

武装:
ビームサーベル
ショットランサー
ビームシールド

パイロット:シェルフ・シェフィールド


ベルガ・シリーズの最終到達点。
ベルガ・ギロスに更なる改良が加えられ、出力や推力をアップさせつつアポジモーターも増設している。
機体色は「焔の虎」ことシェルフ・シェフィールドのパーソナルカラーである赤基調となっている。

最大の特徴はやはり背中のシェルフ・ノズルだが、本機では羽根の様な形の大型化した物が配置されている。
これは後のビギナ・ギナに採用された「フィン・ノズル」の先駆けとなったようだ。
これらの改良によって以前より機動力が高まっている。

武装構成もギロスと同じだが、ショットランサーは基部が大型化した物が採用されヘビーマシンガンの射撃継戦能力を高める為バナナマガジン2つが装着され弾数を増やしている。

「ゼブラゾーン」での試験運用のためにダークタイガー隊に配備され、隊長のシェルフ・シェフィールドが搭乗し、ちょうど同じ場所でテストしていた(後にニアミスする様に連邦・クロスボーン双方の上層部で政治的取引が行われていた事が判明する)シルエットガンダム以下ブレイウッド隊と遭遇して戦っている。
その後、連邦軍のハg…もとい、ガレムソンの乗るネオガンダム1号機に謀殺されかけ交戦した際、Gバードの高出力ビームでビームシールドを展開した上から左前腕を全壊させられるが、相手のGバードを破壊して撤退している。
※別に唱えたからといって天空の城が崩壊したりしない


■ガンプラ
1/100でベルガ・ギロスのみ発売。
成型色は黒の部隊仕様になっている。
『F91』のキットは当時としては出来の良いものが多いのだが、このベルガ・ギロスに関しては例外。
造形自体は悪くないのだが全身の可動がほぼ死んでおり、初代ガンダムの旧キット並のぎこちないポージングしか出来ない。また各部の接続が甘くポロリも多い。
特に「ビームシールドが肩アーマーに干渉し、腕のロール可動もほとんどできないため真っ直ぐ取り付けることすら出来ない」というのはもはや設計ミスを疑うレベルである。
またショットランサーには発射を再現した伸縮ギミックがあるのだが、何故かヘビーマシンガンの銃口部分まで一緒に発射されてしまう。修正するには一体化されているパーツを切り離すなど改造が必須。

後にBB戦士にて『BB戦士三国伝』の夏侯惇ギロス・夏侯淵ダラスの兄弟が発売。
そのものではないが、実質これがベルガ・ダラス初のキット化である。



■ゲーム作品での扱い
宇宙世紀後半の機体であるため飛行能力を持ち、大気圏内でも使い勝手が良い。
最大の特徴と言えるのはそこそこの威力と射程を併せ持つ特殊射撃「ショット・ランサー」の存在。
ベルガ・バルスやブラック・バンガード仕様のベルガ・ギロスなら最終的な戦力としても十分使える。
ただ、同じショット・ランサー持ちかつより武装の豊富なクロスボーン・ガンダムX2の存在が気になるか。

敵として複数登場するが、射程・装甲・火力のいずれも貧弱なため対空攻撃手段に乏しい機体で戦うかネームドキャラの切り払いが発動するのでもなければ苦戦する要素はほぼない。
稀に自軍でも使用でき、基本性能の高さと飛行能力、そしてショット・ランサーが格闘武器扱いなので主役級以外で貴重な格闘向きモビルスーツとしてそこそこ活躍できる。

遊戯王OCGのようにカード名称によるカテゴリ設定を行った結果、ノーベルガンダムアナベル・ガトー専用機もベルガシリーズに含まれるという裁定が出ていた。

F91ガンダムと同じく稼働開始当初から参戦。コストは1000。
後格闘はビームフラッグ叩きつけ、特殊射撃は劇中で見せたシェルフ・ノズル発射、特殊格闘はデナン・ゾン呼出と劇中の武装や演出をふんだんに取り入れている。
また格闘CSにバグ襲来というコマンドが付与。弾速や誘導はそこそこだが視認性が非常に悪いため、事故当たりなどに使える。

EXVSFBでも続投。
様々な調整を受けているが、最低コスト帯なのでそれほど劇的な調整は受けられていない。
全機体共通調整の覚醒技追加では、デナン・ゾン部隊と協力して敵機にショットランサーを叩きこみ、ビームフラッグで打ち上げるもの。

EXVSMBではコストが格上げされ1500になる。
EXVSMBONでも微々たる調整は受けている。
EXVS2ではBD格闘が新規のモーションになり、前格闘が従来のBD格闘に変更。格闘CSがバグ襲来からショットランサー斬り抜けというものになった。
他にもかなりの調整を受けているが、内部データや射撃武装の微々たる変更点ばかりなので、それほど目立つものはない。

EXVS2XBでは射撃CSにバグ襲来が復活。特殊格闘のアシストも横レバー入力での武装が追加され、ある程度やりやすくはなった。…が今までに比べればマシという程度でキャラパワーは低めの部類であった。
そんな中、中間アップデートで劇的な進化を遂げる。
  • 後格闘が誘導切りを伴う急上昇に変更
  • Nサブ射撃に高弾速ショットランサー追加
  • 前/BD格闘が統合され旧前格闘が出るように変更
  • N格闘が旧BD格闘のものに変更
  • その他諸々
などここに来てかなりの強化点が貰えた。もともと優秀であった特射やアップデートで強化されたマシンガンのメイン、近距離の着地を狙えるNサブの追加など今までの評価とは一変、1500環境機として名を馳せる。
強みはなんといっても弱い・微妙な武装がないこと。武装が全て高水準で補正が緩く追撃で火力を伸ばせる射撃技から相手を動かす強誘導の武装、動かした相手を取る高弾速の射撃と欲しいものは大体持っている。
格闘に関しても伸びのいいものから高火力な派生、単発150ダメージという脅威の威力を持つ格闘まで持っており、逆に持ち合わせていないものを探す方が困難。
コレらの武装を駆使すれば1500コストながら高い自衛力を発揮する。グフ・カスタムも1500コストにしては高い自衛力を有するがこちらも負けず劣らず。むしろ地走出なかったり癖の強い武装が少なかったりとトータルで見ればグフ・カスタムよりも性能は上。

だがなんといってもコスパの良さが最大の強み。1500コストでありながら3000コストともタイマンを張れる圧倒的な自衛力が売りで特別組みにくいコスト帯もないのでシャッフルで非常におススメ。




■SDガンダムシリーズでの扱い

『SD戦国伝』では『地上最強編』第三章のボス格としてギロス・ダラスが登場。兄弟(ギロスが兄)という設定。
……するのだが、名前の当て字がそれぞれ「地獄牙羅刹」「地獄牙夜叉」というとんでもないことに。これで一応「ベルガギロス」「ベルガダラス」と読むが、後半部分はもはや当て読みですらない。
第三章の舞台がインドモチーフの「赤流火穏(アルビオン)」であり、主要キャラも阿修羅・仁王・鍾馗と仏教から名前を取った者が多いため、この二人も同じく仏教から羅刹と夜叉を拾ったのだろう。
その割に仏教無関係な名前の不知火頑駄無とかいたりするけど

その次の『伝説の大将軍編』では新生闇軍団・空魔忍軍軍団長として「羽流鋭(バルス)」が登場。上記の地獄牙兄弟とは特に血縁はない模様。
さらにその次の『七人の超将軍編』では地獄牙兄弟が死霊武者として復活した。再生怪人にしてはそこそこ強かった


『SDガンダム外伝』では『円卓の騎士編』にてやはりボス格として出演。
第2章『流星の騎士団』のボスとして「獣騎士ベルガ・ダラス」が、第3章『キングガンダム』のボスとして「衛騎士(ガードナイト)ザビ・ギロス」が登場。こちらでは兄弟設定はない。
というかベルガ・ダラスの方は魔術によって「邪騎士(エビルナイト)ゲルベグ」と「モンスターオーガハンマ」が融合して誕生した姿。高機動型ゲルググとハンマ・ハンマの合体でベルガ・ダラスになるという謎


外伝の後継シリーズにあたる『SDガンダム聖伝』では敵幹部として「ベルガ三神官」が登場。血縁に関しては語られてはいない。ちなみにギロスがリーダー格。


『SDコマンド戦記』ではコスモザタリオン帝国の姫(漫画版では王子)ビギナ・ギナの側近として「ダースベルガ」が登場。モチーフはギロス+ダース・ヴェイダー
帝国の首魁である「カイザー」の存在には懐疑的なのだが、ビギナ・ギナを洗脳されて人質とされたために渋々従っている苦労人。「エビルエンペラー」という専用の巨大ロボットを操縦して戦うが、生身でも単騎でGフォースを半壊させるなどクソ強い。
敵側であるにも拘わらずエビルエンペラー共々「元祖SD」にて商品化された。


『SDガンダム三国伝』では機駕(三國志の魏に相当)に所属する夏侯惇ギロス・夏侯淵ダラスの兄弟として出演。
上記の通り貴重なキット化を成し遂げた。
ちなみに三國志に照らし合わせると、二人とも五丈原の戦い終了後まで生き延びており(というか作中では最後まで死なない)原典より遥かに長生きしている。



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最終更新:2023年07月29日 06:37