鳴海亜樹子

登録日:2009/10/25 Sun 04:06:14
更新日:2024/03/15 Fri 19:16:30
所要時間:約 6 分で読めるなんて私、聞いてない!!





「私、聞いてない!!」



仮面ライダーW』および『風都探偵』のヒロイン。

演:山本ひかる(TVシリーズ)、生駒里奈(風都探偵 The STAGE)
声:小松未可子(KAMEN RIDER memory of heroez、風都探偵)


主人公・左翔太郎の師匠である鳴海荘吉の娘であり、翔太郎が荘吉から継いだ『鳴海探偵事務所』の不動産権利書を持つ大家。

物語冒頭で、亜樹子は事務所にやってくると、事務所の大家であることを盾に事務所の所長を勝手に名乗り始める。
当然翔太郎はそんなことを認める気はなく、所長を名乗る亜樹子に反発していたが、
強引にでも調査に付いてくる亜樹子と行動を共にしていくうちに、いつしか彼女を認め、名実ともに鳴海探偵事務所の所長となった。
ただ、(探偵業の)実務では流石に翔太郎には及ばないため、肩書きこそ所長だが、彼女の主な仕事は事務所の経理と雑用である。
小説版では依頼人に提出する正式な調査報告書の製作など経理以外の事務面も一手に引き受けていることが明かされた。

小柄で童顔なためよく実年齢より若く見られ、二十歳にもかかわらず初対面の相手には学生と間違われる(ちなみに演者は当時18歳)。
翔太郎も例外ではなく、最初は中学生だと思い込んでいた。

とにかく活発で行動力があり、おかしいと思ったり、憤りを覚えた時には素直に抗議し、怒りを表現する。
一方で、困っている人を見かけると子供であれ大人であれ親身に接し、役に立とうとする優しさも持ち合わせており、
探偵業でも、事務所を訪れた依頼人に対する気遣いも備えている辺りは父親譲りと言えるだろう。
ただ、傍目にも「そっとしておいてやれよ」と言いたくなるような相手にもお構いなしに声を掛ける等、無遠慮な一面もある。。

口癖は「(そんなの)私、聞いてない」で、トラブル等に遭遇する度に口にしている。
本当に聞いてない場合もあるが、ただ単に聞き逃している(忘れている)時もある模様。
ちなみに後述の「風都探偵」では変化系として「私、言ってない!」が使われた*1

◆例
翔「お前(フィリップ)は組織に狙われてんだぞ」

フィリップに同行中に敵出現。

「私聞いてないぃ……」


出身地は大阪。普段は標準語を使用しているが、テンションが高くなると関西弁が出る。
他にも「なんでやねん」等、様々な言葉が書かれたツッコミ専用のスリッパを持っていたり、
「お客様は神様」精神だったり、大阪人的な特徴(?)がある。

また、所長としての性分なのか、あるいは元から守銭奴的な性格なのか金に釣られやすく、経費に関して厳しい。

寝言をはっきり発音するという、変な特技も持つ。

父親とは決して不仲ではなかったのだが、10年もの間会っていなかった。
その理由はテレビ版では殆ど語られず、主に劇場作品で補完された(後述)。*2


【性格】
物語序盤は、一応ヒロイン枠ながら顔芸を披露したり、コントめいたやり取りをしたりと完全にネタキャラ。
その言動も、二十歳というには幼さが見えるものであり、例を挙げればいきなりの「所長宣言」も中々にアレ。

というのも、事務所の権利書は確かに彼女に渡っているとはいえ、亜樹子には探偵として必要なスキル・経験・人脈などは何もないため、
「探偵事務所」のまま運営したいのであれば、翔太郎にそのまま居残ってもらうのが一番手っ取り早いのだが、
唐突に乗り込んで権利書を盾に「自分が所長」等と宣言すれば、翔太郎から反発されるのは当然として、
下手を打てば翔太郎が事務所を辞め、「探偵事務所」なのに「(すぐに動ける)探偵がいない」状態になり、即刻廃業する危険性もあった。
結果として翔太郎は残留してくれたからよかったものの、非常に危険な言動であったといえよう。

また、劇中では度々独断専行や身勝手な振る舞いを繰り返すばかりか、
明らかに自分が非がある場合でも反省せず開き直ることが多かった為に、視聴者の批判の的になることもあった。


具体的には

  • 翔太郎に命を助けてもらっておいて逆切れし(身体が密着したため?)、事務所から追い出そうとする。
  • 興味本意で事件に首を突っ込み、ピンチに陥ってはWに助けられる。
  • やはり興味本意で翔太郎に同行し、現場を引っ掻き回す。
  • 自分のミスはスルーするが部下(翔太郎)のミスは責任追求する(そもそもミスの原因は亜樹子の勝手な行動)。
  • 理不尽なツッコミ。
  • 勝手に所長を名乗って上から目線。下扱いされると怒る。
等々……。

当然、現場では翔太郎に邪魔者扱いされ「大人しくしてろ」と言われるが、それで納得する事はなく「所長を何だと思ってんのよ!」と怒る。
しかも上記のような行為をしておいて依頼人の行動に「自分勝手で最低じゃん!」と言ったこともある。

だが、10話でこれらの行動は「自分の父親と共に過ごした翔太郎に対する嫉妬」であったことを吐露。
理由が明かされて以降は身勝手な面は薄れ、翔太郎とフィリップの一番の理解者として、彼らと共に事件に立ち向かった。
(10話以前のやや身勝手な部分が目立っていた頃でも度々翔太郎とフィリップに対する信頼や他者に対する優しさ、活躍を見せるシーンはしっかり描写されている)

ちなみに所長就任以降は彼女が仕事を引っ張ってくる(犬猫の捜索など)ため事務所の収入は増加したとかなんとか。


また中盤からは本格的に、父である鳴海荘吉譲りの「本質を見抜く直感力」「依頼人を思いやる心」を見せはじめる。
翔太郎とフィリップが仮面ライダーWに変身する際に、概ね意識を失って昏倒するフィリップの身体を受け止めるのもほぼ彼女の役割となり、
「倒れる身体は私に任せて!」と発言することもあったが、フィリップが主体となり、翔太郎(の身体)が倒れるファングジョーカーに変身する際に、

2人「「変身!」」

亜樹子「任せて!」(フィリップの近くに駆け寄る)

\ファング!/ \ジョーカー!/

亜樹子「あ、そっちか!」(昏倒する翔太郎の身体を見ながら)

翔太郎「亜樹子ォ!」

フィリップ「さあ」(翔太郎の怒りに呼応して振り上がった左腕を下ろしながら)

2人「おまえの罪を数えろ!」

という、コントめいたやりとりが起こったこともあった。


さらに、彼女の何気ない発言が事件解決の糸口となったり、不自然な発言や行動から依頼人の正体を見破ったりと、
中盤以降は、彼女が居なければ手詰まりとなっていた状況が多かった。
なお、「かなり強い霊感がある」という特殊能力(?)もあり、(亜樹子本人は相手がそうだと認識していないが)幽霊と会話していた時も。

彼女がメインとなる回では上述の性格を発揮し、周囲を大きく巻き込んでいく。


基本的に亜樹子と翔太郎の口論(漫才)は翔太郎の方がツッコミに回ることが多いが、趣味が絡んだ翔太郎に対しては亜樹子の方がツッコミに回る。

翔太郎「これ(ハードボイルド小説)経費で落ちねぇの?」

亜樹子「落ちるわけないでしょ!?」

また、一般人であるため『ドーパント』や『地球の本棚』等の専門用語について視聴者の代わりに質問する役割でもある。


ちなみに、本編中ではフィリップと園咲若菜の恋愛が目立つ上、
フィリップは翔太郎との信頼関係や相棒要素から、若菜はフィリップとの恋愛からヒロインとして見られ、ヒロイン要素では敗北している。
公式にネタにされた(囮捜査でフィリップが女役)ほどである。

亜樹子「女の子がフィリップくん……。フィリップくんは女の子で私は男の子……。男の子はフィリップくんなのに私が男の子」

後にアニメ化された『風都探偵』においても、山本氏が演じたコミカルな亜樹子のイメージが強かったためか、
原作準拠とはいえ、普通に美(少)女な亜樹子のビジュアルに対して「可愛すぎる」というある意味失礼な声が『W』ファンから上がったりした。

また、平成ライダーのヒロインは大抵物語のキーパーソンだったりするが、彼女にはそんな素振りはなく、本当に最後まで一般人なキャラクターであった。
(※一話でフィリップが『地球の本棚』で亜樹子の情報を検索しているが、不審な点はなかったのか特にコメントはしていない)
尤も、敵怪人であるドーパントに対してもスリッパで向かっていき、平然と突っ込みを入れられる彼女のパワフルさは充分「一般人」から逸脱している気もするが。

しかし、中盤以降に登場した2号ライダーである、照井竜とのフラグはばんばん立て始めた。


コミカルな面ばかりが目立ち、ヒロインらしくないと言われる亜樹子であるが、探偵事務所で過ごす三人の関係を「家族」として人一倍大切にしている。

劇中ではそんな彼女の言葉や行動が翔太郎とフィリップそれぞれに相棒の大切さを再認識させるきっかけを与えている。

ただの一般人であっても、二人で一人の仮面ライダーを支える姿は紛れもなく「仮面ライダーのヒロイン」であったと言えるのではないだろうか。
また本作には昭和ライダーに対するオマージュ要素が多数含まれていることから、
翔太郎、フィリップ、照井を支え続けた彼女の存在はWの世界における「立花藤兵衛」とも言えるかもしれない。


【仮面ライダーW 亜樹子変身体】
第30話に登場した、夢の中で亜樹子と翔太郎(夢の中の)が変身したW。翔太郎がソウルサイドで、亜樹子の身体で変身する。
サイクロンジョーカー、ヒートメタル、ルナトリガーの三種のフォームとリボルギャリーを使った。

変身時にベルトから『なにわの美少女仮面』と表示されたり、サイクロンジョーカーでツッコミスリッパを装備したり、動きもコミカルだったりする。
所詮イメージで変身しただけなので、顔面パンチ一発で変身解除した。
「お前の罪を~ 数えろ~」
ちなみに、ヒートメタル、ルナトリガーは通常と同じ高さの変身音だが、サイクロンジョーカーの変身音だけ約半音高かった。





【余談】
第1話の放送直前に、亜樹子を演じている山本ひかるが、2年ほど前に2ちゃんねるに自身の裸体などの写真をアップしていたとリークされ、各メディアでスキャンダルが報じられた。

事務所側は「一部は本人と確認した」というが、全体的な真偽は不明。
初期のキャラのコミカルさも相まって「早くもヒロイン降板か」と話題になった。
一時期はネット上で祭りとなり大騒ぎだったが、現在は沈静化している模様。


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最終更新:2024年03月15日 19:16

*1 第8話「tに気をつけろ+α/住み着いた魔女」より

*2 なお、特に『MOVIE大戦CORE』でその要素が大きくフィーチャーされているが、これは荘吉役の吉川晃司氏が「荘吉と亜樹子が会わなかった理由」を脚本に盛り込むように要請したため。氏の姿勢には製作サイドも感銘を受けたとか。