怪獣大戦争

登録日:2011/06/03(金) 03:55:53
更新日:2023/12/17 Sun 21:58:23
所要時間:約 4 分で読めます





宇宙の帝王Ⅹ星をゆるがす
ゴジラ・ラドン・キングギドラの大激闘!


怪獣大戦争





『怪獣大戦争』はゴジラシリーズ第6作目の作品である。
1965年12月19日公開。
観客動員数513万人。




【概要】
ゴジラシリーズに『地球防衛軍』や『宇宙大戦争』のような侵略宇宙人との戦いを組み合わせたような作品。
初登場、または本作限りの要素が多く
  • シリーズ初の宇宙人の登場
  • SF要素の強い超兵器の登場
  • 宇宙で戦うゴジラ、ラドン
  • ゴジラがシェーをする
  • 主演の1人が外国人俳優
  • キスシーン
といった要素がある。
また、オープニングの怪獣大戦争マーチは東宝特撮のファンなら知らない人はいないであろう人気の曲である。

ちなみにこの作品は、1971年に「怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ」と改題され、春の東宝チャンピオンまつりでリバイバル上映された。
前作に続いて、またしてもタイトルに入れてもらえなかったラドン…

【ストーリー】
近未来の196X年、木星に13番目の衛星X星が発見された。地球連合宇宙局のパイロットの富士とグレンは宇宙船P−1号で調査に向かい、そこでX星人と名乗る宇宙人と出会う。X星は文明が発達してはいるもののキングギドラの襲撃により地下で辛い生活を送っていたため、癌の特効薬と引換に地球にいるゴジラとラドンの貸し出しを要求する。

一方、富士の妹ハルノの恋人の鳥井はアマチュアの発明家だが、開発したレディ・ガード(携帯用防犯ブザー)が世界教育社という会社に採用されたものの、本契約に至らないため会社を足繁く訪問していた。その中でグレンと会社の担当の波川が恋人同士であることを知る。

ゴジラとラドンはX星人によりX星に連れて行かれ、見事キングギドラを撃退する。一緒にX星に来ていた富士達はX星人の行動に不振な思いを抱くが、癌の特効薬の製法が吹き込まれたテープをもらい帰還する。しかし、テープから流れた音声はX星人の地球に対する降伏勧告であり、ゴジラとラドンとキングギドラを操り地球を襲うという脅迫だった。


【登場怪獣】


ゴジラ
怪物ゼロワン。宇宙へ行く、『おそ松くん』のイヤミのシェーをする等今作でしかしていない行動が目立つ。操られたのは今回が初めて。
キングギドラ戦ではボクシングのような軽やかな動きを披露する。
最後はラドン、キングギドラ共々湖に落下。キングギドラは宇宙に逃げていくもラドンと共に最後まで姿は見せなかった。
都市破壊シーンでは特大の足のパーツが作られ、迫力あるシーンが撮られた。

ラドン
怪物ゼロツー。今回はモスラがいないためゴジラとの2トップである。体当たりとくちばしをメインに戦った。
都市破壊シーンでは過去作の映像も使われている。

キングギドラ
怪物ゼロ。いきなり操られて登場した。モスラがいなくても勝てなかった。


【登場メカ】
◆Aサイクル光線車
怪獣達を操る電波を遮断する光線を発射出来る。X星人の苦手なある音波も出せるようになり、人類側の切り札となる。

◆Pー1号
富士達がX星に向かう際に使ったロケット。キングギドラに破壊されるが、X星人によってレプリカが作られた。本物とレプリカの違いは、操縦席が2席から3席に増えた事。


【登場人物】
◆富士一夫(演:宝田明)
宇宙局のパイロット。グレンとはいいコンビで、終盤ではAサイクル光線車の開発にも加わっている。妹には厳しい。
演じる宝田明は3回目のゴジラ映画主演である。

◆グレン(演:ニック・アダムス/声:納谷悟朗)
宇宙局のパイロットで富士とは友人。恋には情熱的で、彼の波川への愛が結果的に人類を救う。
演じたニック・アダムスは積極的に役者やスタッフと交流し、日本語のあいさつはハラヘッタナァと教わった。恋人役の水野久美に本気で求婚し、帰国後離婚の原因の1つとなった。
ショッカー首領や銭形警部は関係ない。

◆富士ハルノ(演:沢井桂子)
富士の妹で鳥井という恋人がいる。前作までの主役の妹と比べて出番や役割は少なめ。

◆鳥井哲男(演:久保明)
ハルノの恋人でアマチュアの発明家。騒音発生装置だったレディ・ガードが思わぬ役に立つことになる。

◆桜井博士(演:田崎潤)
宇宙局の博士。


【X星人】
木星の衛星に住むゴジラ初の侵略宇宙人。資源不足から地球を狙う。地球では世界教育社という会社を隠れ蓑に侵略の準備を進めていた
全ての行動がコンピューター頼み、物に名詞は付けずナンバーで呼ぶ、男性はサングラスをかける、女性の顔は皆同じ、ある種の音波に弱い、といった特徴がある。またX星では水が黄金よりも価値があるらしい。

ちなみに彼らの円盤のプロッブと同型のものが、1968年の東宝映画『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』に登場した「アンドロメダ」からの円盤に流用されている。

◆統制官(演:土屋嘉男)
X星人のリーダー的存在。コンピューターの指示に従いながら地球侵略を進める。
演じた土屋嘉男は基本的には黒澤明組の俳優だが特撮にも積極的に出演していた。宇宙人やUFOマニアで円谷英二氏等の映画人を勝手に円盤好きの集まりに入れたり、宇宙人役に立候補したりやりたい放題である。

◆波川(演:水野久美)
X星人でありながらグレンを愛してしまったことで仲間に殺されてしまう。しかし、殺される直前にグレンにX星人の弱点を教えており、これが人類側の逆転のきっかけとなる。
演じた水野久美は東宝特撮常連の女優で、ゴジラ以外の出演率が高い。恋人役を演じたニック・アダムスは水野に本気で惚れてしまった。

◆世界教育社社長(演:田武謙三)
地球に潜入していたX星人。波川の上司。


【DVD】
オーコメは土屋嘉男氏。黒澤監督、本多監督、円谷監督の思い出を中心に語っている。
ゴジラのシェーを提案したのは土屋氏らしい。話しの多くが黒澤監督と本多監督の話しで結構貴重な話しもある。


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最終更新:2023年12月17日 21:58