たいそうのおねえさん(おかあさんといっしょ)

登録日:2013/06/18(火) 08:41:24
更新日:2024/03/24 Sun 23:17:40
所要時間:約 6 分で読めます




2019年3月までの「おかあさんといっしょ」でお馴染みとなっていた、「たいそうのおねえさん」による体操のコーナー。
スタジオでおねえさんと一緒に体操をする子供たちを羨ましいと思っていた人も多いのではないだろうか。
実は歴史は意外に新しく(といっても30年以上前だが)、1981年4月からスタートしたポジションである。

この項目では、そんなたいそうのおねえさんの歴史を紹介していく。

ちなみに「たいそうのおねえさん」は総称で、それぞれ「○○(コーナー名)のおねえさん」と言うのが正式な名称。


① ハイ・ポーズ

・担当 … 馮智英(ひょう・ちえ)おねえさん
・年代 … 1981.4~1993.3

アチョーーー!

70年代後半から80年代にかけて、「おかあさんといっしょ」は変革期を迎えていた。
幼稚園や保育園の普及によって視聴者層が低年齢化していった事や、「セサミストリート」など他の教育番組による影響も大きい。
その中で、体を思い通りに動かす事が苦手な2歳くらいの子供たちを対象においた、『身体表現』という形の新たな体操が提案された。
そしていくつかの試作コーナーを経て完成したのが、この「ハイ・ポーズ」である。
ヨガの動きを取り入れ、ゆっくりとした動きで様々な動物や自然を表す、これまでのたいそうのおにいさんの体操とは真逆である『』の体操である。

担当した智英お姉さんは、実は最初うたのおねえさんを目指していた。
しかし舞台で活躍してきたためか、声が大きすぎるなどの理由でオーディションを落選してしまっていた。
しかし、その時に習っていたヨガや太極拳を見込まれて新コーナーへの出演をスカウトされ、初代のたいそうのおねえさんに選ばれたのである。
パジャマルックの「アチョーのおねえさん」として覚えている人も多いかもしれない。
歌手としてもコンサートなどで歌声を披露しており、現在も講演や歌手活動など精力的に行っている。

……ただ、このコーナーが別の意味で印象に残っている人も多いのではないだろうか。

背景に流れる東洋風の静かで少々不気味な音楽、暗い背景、そして冒頭の「アチョー!」……怖いコーナーという記憶を持つ人も多いかもしれない。
当然ながらスタート直後はそういう苦情も多数寄せられたそうだが、「きっと受け入られる」とプロデューサーは続行を決定したと言う。
その決断が正しかったのかどうかは、13年にも渡る長寿コーナーとなり、現在まで『たいそうのおねえさん』が受け継がれている事から明らかだろう。
ちえお姉さんの出演期間も、歴代おかあさんといっしょ出演者の中で史上二番目の長期記録となっている。

ちなみに「怖い」というのは公式ネタのようで、40周年記念コンサートではあのスプーまでびびっていた。


② トライ!トライ!トライ!

・担当 … 松野ちか(まつの・ちか)おねえさん
・年代 … 1993.4~1999.3

トライトライトライ! 大きく! ……小さく…。もう一度、大きく!

二代目の体操は、うって変わって新体操をモチーフにした滑らかな『動き』の体操となった。
たいそうのおねえさんの体操では珍しく、リボンやマラカス、クッションなど様々な道具を使っているのも特徴。番組公式グッズにもなっていた。

担当したちかお姉さんは新体操の大会の団体競技で優勝したり、国際大会に日本代表として出演したりという経歴を持つ実力派であり、
ファミリーコンサートでは佐藤弘道お兄さんと息の合ったアクロバティックな動きを何度も披露している。
このコーナーの構成などにも積極的に関わっていたと言う。華麗に操るリボンやフラフープに憧れた人も多いのではないだろうか。

番組卒業後も子供向け番組やイベントに登場し、インストラクターとして体操の普及に努めていると言う。
ちなみに旦那さんはあのX JAPANのYOSHIKIさんの弟。

実は途中でリニューアルが行われており……

1993年4月~1996年3月:ピアノが中心の穏やかな曲調、髪型はポニーテール、服装はレオタード+長スパッツ
1996年4月~1999年3月:アップテンポな曲調、「トライトライトライ!」、ショートカットの髪型、服装はTシャツ+短パン

……とかなりイメージが異なっている。どちらを思い出すかで世代が分かるかもしれない。どっちも可愛い事には変わらないが

卒業直後のファミリーコンサートでは「スペシャルバージョン」を披露、本格的な新体操を行った。
途中スプーが真似していたが、それに対して「初めてにしてはとってもうまかったよ!」とスプーをほめ、スプーはデレデレしていた。

③ デ・ポン!

・担当 … タリキヨコ<現:きよこ>おねえさん
・年代 … 1999.4~2005.3

はい、デ・ポン!

三代目の体操は再び『静か』な体操に戻った。
バリ舞踊を基にした自然の動きを表す体操で、印象的な「デ・ポン」と言うのは目の動きを表す言葉。

きよこお姉さんは子供の頃から様々なダンスを学んでおり、この番組がきっかけで本格的に本家のバリ舞踊も練習するようになったと言う。
番組卒業後は姉妹番組「おかあさんといっしょ あそびだいすき!」へ佐藤弘道お兄さんと一緒に登場、2008年3月の番組終了までパーソナリティーを担当していた。
その後も各地の親子コンサートなどで活躍する一方、オリジナルの音楽劇を手がけたりと多方面で名を残している。
50周年記念の夏の特別編では久しぶりに番組に登場、後述のまゆお姉さんと一緒に「デ・ポン!」をやった。

ちなみに当時放送されていたライブ形式の番組「みんなの広場だ!わんパーク」にゲスト出演した時に、
「デ・ポン!」の全バリエーションを踊りきるという挑戦をし、見事成功している。

④ ズーズーダンス

⑤ ゴッチャ!

・担当…いとうまゆおねえさん
・年代…④ 2005.4~2007.3 / ⑤ 2007.4~2012.3

ん~~~、ゴッチャ!

いとうまゆお姉さんは二種類のダンスを担当。
最初の二年間は動物の『』きを激しいダンスで表現する「ズーズーダンス」、
以後は様々な物の『』きを、盆踊りやリズムダンスなど様々なダンスで表す「ゴッチャ!」となっている。

まゆお姉さんは体育系の学科出身というガチの体育系。
以前からテレビ番組などで振り付けなどで多数出演していた経歴を持ち、歌のPVでも小林よしひさお兄さんと共に自慢の体の動きを披露している。
他にも様々なコスプレも見所で、2009年11月に開催された50周年記念コンサートでは歴代のたいそうのおねえさんの体操を演じた事も。
卒業後も各地でダンスやインストラクターとして活躍を続けている。

ちなみに初期のすりかえかめんの手下にどこか雰囲気が似ているが関係性は不明である。役者が同じだけだが

⑥ パント!

・担当…上原りさ(うえはら・りさ)おねえさん
・年代…2012.4~2019.3

パント♪

パントマイムを題材にした『静か』なコーナー。様々なものをパントマイムで表現している。
風船やロボット、傘などバリエーションがかなり豊富。

担当するりさお姉さんは音楽大学を卒業しており、バレエの経験もある音楽肌。

音楽大学のミュージカルコース卒業ということもあり、歌唱力もあると思われるが、初代智英おねえさんのような歌唱シーンがあまり存在しないのが残念。

最近のすりかえかめんの手下である「すりかえお嬢」に似ているが、こちらも関係性は不明。こっちも役者が(ry

2019年3月をもって卒業。それと共に、38年続いてきた身体表現コーナーは終わりを迎えた。

⑦ からだ☆ダンダン

・担当 … 秋元杏月(あきもと・あづき)おねえさん
・年代 … 2019.4~

からだ、ダダンダン!ゴーゴー!

担当する杏月おねえさんは6歳より新体操を始め、選手として13年という経歴をもつ。 子ども達に新体操を教えた経験もある。 体操のお姉さんになるのが長年の夢であり、念願叶って初代体操のお姉さんに就任した。

…ここまで読んできた諸君は「初代」に突っ込みを入れるであろう。初代は馮智英お姉さんだろうと。6代目ではないのかと。
実は身体表現コーナーが終了し、初の「○○(コーナー名)のおねえさん」ではない、正式名称としての「体操のお姉さん」が誕生したのである。
「からだ☆ダンダン」は「ブンバ・ボーン!」に次ぐ番組終盤の体操であり、同時就任した福尾誠お兄さんと共に子供達と踊っている。つまり、これまでの体操のお兄さんと同じポジションなのだ。
曜日別コーナー「ガラピコにんじゃしゅぎょう」で、誠お兄さんと共に子供に忍者修行を教えてもいる。

「初代体操のおねえさん」への就任について、杏月お姉さんは「これまでの身体表現のお姉さんの方々が作り上げてこられたものを受け継いで、頑張っていきたいと思っています」と発言している。
今後の活躍に期待したい。


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最終更新:2024年03月24日 23:17