スターオーシャン4-THE LAST HOPE-

登録日:2009/12/30 Wed 21:45:59
更新日:2022/11/18 Fri 17:14:33
所要時間:約 5 分で読めます






“星の海、始まりの物語”


『スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-』とは、スクウェア・エニックスから2009年2月19日にXbox360で発売されたRPGである。
『スターオーシャン』シリーズの本編4作目。

2010年2月4日にはPS3でインターナショナル版が、2017年11月28日にはPS4&Steamで「4K & Full HD Remaster」版が発売された。
開発はトライエース。キャラクターデザインはエナミカツミ。

☆概要


本作では、『1』より毎作登場して破られている「未開惑星保護条約」が出来るまでの話を描いている。
つまり、タイトルでは『4』だが、時系列の設定としては『スターオーシャン』シリーズの最初の物語である。

既に宇宙開拓の進んだ時代を描いた他の作品とは異なり、本作の時系列ではまだその域に至っていない。
主人公達は『3』と同じ地球人だが、そういった経緯から「地球人」としての意識が強く、「地球」自体もかなりフィーチャーされて描かれている。

☆ストーリー


西暦2064年。
人類は三度目の過ちを犯した。第三次世界大戦である。
惜しみなく投入させた大量破壊兵器は、瞬く間に大地を焼き尽くし、人々に世界の終末を予感させた。 事実上、地球は死にかけた。そして、人類は安住の地を求め、宇宙へと目を向けた。
西暦2074年:国際科学技術局 (USTA) が他惑星文明と極秘裏にコンタクト成功。 宇宙暦元年:トリラス・バークタイン博士により「ワープドライブ実験」が成功。
宇宙暦10年。 宇宙開拓隊 (SRF) の第一陣が星の海-希望の彼方-へと旅立つのであった。


☆システム


従来通りのリアルタイムバトルを採用し、フリーランをしながら自由にフィールドを駆け巡る戦闘が可能。
本作独自のシステムとして、敵の背後に回り込んで隙を作る「サイトアウト」、一定時間ガードレスや移動・攻撃速度強化などの効果を付与する「ラッシュモード」が実装。
キャンプ画面で切り替え可能な「BEAT」でサイトアウトとラッシュモードのいずれかが強化されるので、敵の種類・数や自身の好みに応じて使い分けよう。ラッシュモードの方が簡単で使いやすいのは内緒な
また、初代から継続されている仕様として、戦闘中でもパーティーメンバーの入れ替えが出来る。

また、今回もPAやクリエイトも健在。

☆登場人物


○エッジ・マーベリック
声:岸尾だいすけ
本作の主人公。
宇宙船カルナスのクルーだったが、とある事故により船長になった。
中盤においてはやればやるほどダメさを感じる主人公。特にそのスランプのきっかけとなるある星を消滅させた際の彼の行動には、辟易させられたプレイヤーも多いと思われる。
もっとも、プレイヤー視点ですら超展開のオンパレードだったうえ、完全に善意でやった結果星が滅んでしまった以上、原因を作った彼からしてみるとなおさら仕方ない面が大きい。
というか本作はエッジに限らず、大概のキャラが大変な目に遭って実に辛そう。
しかし時系列上数百年後にあたる『アナムネシス』EP3で、誰も予想だにしなかったとんでもない事実が判明する。

特殊な事情により銃の腕はノーコンなうえ、幼少時のトラウマも合わさり剣を使い続けているという設定。

戦闘面はバランスのとれて使いやすい前衛型。技も使い勝手が良い。
そして前衛の中で唯一回復紋章術を扱えるため、1人しか習得出来ない全体回復スキルを覚えさせれば、タフな上に味方の傷も一瞬でほぼ全快させるヒーラーへと化ける。
ただし広範囲の敵を巻き込むような技はあまり習得せず、最終的には他キャラの躍進で影が薄くなってしまいがちなのが難点。

レイミ・サイオンジ
声:福圓美里
本作のヒロイン。
エッジとは幼なじみであり、ある事故からクルー→副船長になった。
性格はしっかり者で責任感が強い。このため、エッチさんより船長に向いていると言われる事もあるが、本人はあくまで支える側に徹する副官気質。
とある星で拉致られすっぽんぽんにされたため、エロ同人等のネタにされる事もしばしば…。

戦闘で弓を使うのだが、とある理由で紋章術は一切使えない。SOのヒロインらしからぬ…。
だが、それに見合うだけの戦闘力を持ち、最終的に主人公を越す最強キャラになる(遠距離ヒロインは最強になる法則)。


○フェイズ・シッファー・ベレス
声:斎賀みつき
本作でまともな人。
エッチさんを尊敬し、エッチさんに追いつきたいとか言い出す。
ある星で怪しげなフラグが立ち、やっぱり怪しげなことをしたりする。

レイピアと紋章術を使いこなすが、レイピアを使っての必殺技はないというどうにも中途半端な性能。だが、通常攻撃だけでも案外イケる。

Q.僕は何処で間違えたのでしょうか?
A.エッチさんを尊敬してしまったところからです。


○リムル・レムリ・ファイ
声:沢城みゆき
本作のロリ枠(ただし実年齢15歳)
無表情に見えるが、人並みの感情はある模様。
何かと会った当初から最後までフェイズとよく絡む。
3Dモデルの都合上、ムービーや戦闘終了の時によく目が死んでいるのでかなり恐い。

戦闘面は火の紋章術やケルベロスを召喚する必殺技を扱う後衛型。
更に回復まで使えるので、ラスボスまでの最終パーティ入りにする人が多い。
ただし、あくまで回復術は基本的なものに留まり蘇生術も使えないので、ケアの手厚さは残り2人の術師に譲る。
そして戦闘中であろうとすっごいゴロゴロ転がる。


○バッカス・D-79
声:安元洋貴
宇宙を陰から見守るEnIIの種族「モーフィス」の1人で、自身の体をサイボーグにした科学者。
それに加えて堅苦しい口調なのでとんでもないマッドおっさんに見えて、結構気のいいナイスガイ。
『アナムネシス』では実の娘が登場し、バッカスも存命している事が確定している。
たまにカルナスの便所の扉を開くと座っている。
メイド服やブルマに弱いようだ。
本名…バッカス・デクスレイ

戦闘面は体力や硬さを持つ耐久型。右手のロックバスターや体内に仕込んだ火器で圧倒する。
火力もある程度高くて、射程や範囲も広いので十分主力になる。
戦闘になると声が若々しい。
そして技をあらかた習得した後に技のリストを見返すと、「お前やっぱ危険人物じゃねーか!」とツッコみたくなる事態に。


○メリクル・シャムロット
声:豊口めぐみ
レイミがすっぽんぽんにされる軍事基地に囚われていたネコ娘。
ネコ耳・ネコ尻尾・レオタードというスタッフの趣味を疑う出で立ち。 イイゾモットヤレ。
とあるトラブルで母星に帰れなくなった挙句、エッジに出会うまでは良くしてくれた人々がことごとく死んでいくという、パーティ内ではある意味で一番悲惨な境遇。

前衛最強のネコパンチの使い手。
「1、2、3、ミャー!」


○ミュリア・ティオニセス
声:生天目仁美
バッカスと同じモーフィスの一員。
エッチさんの友人クロウの命を狙うおっぱいお姉さん。
SOでは珍しく人妻で未亡人…というかRPGの仲間としては十分珍しい部類か。
バッカスとは同じ種族であるものの面識はなかった。

戦闘面では雷・水属性の紋章術での攻撃がメイン。攻撃力はリムルに譲るが、蘇生とエロさがあるので十分です。


○サラ・ジェランド
声:力丸乃りこ
いい年してちょっとアレでメガネっ子な、ある意味ではアドレー並の誰得キャラ。
姓を見ると分かるが、SO1と結構密接な関係がある。
フェザーフォルクだが空は飛べない。跳躍力やら滑空やらは十分凄いけど。
戦闘面では強化・回復紋章術によるサポートの手厚さが最強。風・光属性の紋章術にも長けるが求められる役割を考えると必要性が薄い


○エイルマット・P・タナトス
声:いつものあの人
どこからどうみても中二臭が漂う人。
その優れた身体能力だけで実質短距離ワープしちゃったりもする。
境遇がメリクル並に悲惨なので行動に関してはすんなり分かるけど、普段の言動については色々察してしまう。イイゾモットヤレ。
そしてそんな彼の超人っぷりや行動やら言動に難なく付き合えるエッチさんのライバル、クロウさんの壁の厚さ…(しかも最後にクロウの特殊な事情とは無関係ということが判明)

技の範囲が広く火力も高いが、防具がクロークなので察して下さい。


☆評価


この作品は2009年Xbox360で一番売れたソフトであり、フューチャー部門を受賞している。評価できる点は以下のような感じ。
  • 背景が非常に美しい。当時の次世代機タイトルでは上位の出来。シチュエーションも膨大な緑に覆われた惑星エイオス、万年雪に覆われた惑星レムリックといった自然豊かな情景があったかと思えば巨大戦艦が舞台になったりレトロフューチャーな惑星があったりと、バリエーション豊か。
  • アイテムクリエイションは前作の複雑なシステムを整理し、仲間同士でアイデアを出し合ってレシピを開発し、素材を集めて生産するという流れになった。
  • 戦闘も新要素のサイトアウトで華麗に回避したり、ラッシュモードでスーパーアーマーを付けてズバズバ連続攻撃を決めるのが気持ちよい。
  • 各キャラも攻撃性能、ジャンプの性能など細かく違いがあるため操作キャラをとっかえひっかえして楽しめるものとなっている。
  • 育成面では新たにパーティSP制を採用。パーティ全員で共有するSPで、スキルレベルを上げたい時に個人のSPが足りない場合でもパーティSPを消費してレベルアップ出来るようになり、低レベルでも強力なスキルをすぐに強化できたり、加入が遅いキャラも手早く育成可能になった。パーティSPはクエストを達成したり、戦闘中にボーナスボードをゲットすることで得られる。
  • 過去作のネタも多く、特に中盤でSO1の舞台である惑星ロークが登場するのは大きなサプライズだった。SO1で訪れた過去ロークよりも前の時系列で、若き日のアシュレイが登場したり、隠しダンジョンもSO1のアストラル洞窟や七星の洞窟だったりする。他にもとある惑星で石化病が流行していたりと、SO1プレイヤーならニヤリと出来る要素が多い。

☆難点


しかし、難点も多い。
  • 長いムービーが多い(そのせいでコントローラーの接続が切れてムービーが止まることも)
  • そのくせムービー中にスタートボタンを押しても停止しない。そのため、初見でムービーを見ている途中で席を外したくても外せないという事態に。
  • ストーリーの大筋は暗いのが人を選ぶ程度で問題ないのだが、中盤に超展開→更なる超展開が発生するせいでそこで微妙と感じる人は多い。特にアナザーアース(攻略本での名称)での顛末が顕著である。
    これは本作の物語が好きな人でも認めるところだろう
  • ディスク容量が足りなかったため、ラストダンジョンに到達すると違う星に行くのにほぼ毎回ディスク交換が必要。*1中盤まではいいが終盤に寄り道しようとするとかなり面倒くさい
    そのため、終盤はあまり寄り道せずにクリア→今までやりこんでいたし本作の本編は楽しめたけど本作でのやりこみは面倒なのでしないという人も。
  • エナミ氏のイラストとかけ離れた登場人物の3Dモデル(ウェルチに至ってはキャラデザそのもの)
  • モデリング→キャラデザインという意味不明な作り方
  • 実績コンプがほぼ無理
  • 戦闘では自由にターゲット変更出来ず、そのうえ敵との位置取りで対象を変えるのも難しい。特に特定のボスはこの要素のせいで面倒な作業を強いられがち。
    そのため雑魚もボスも広範囲技を持つキャラばかり活躍する羽目に
  • 前作に比べてダンジョン、敵、アイテムが少なく、アイテムクリエイションなどがあまり楽しめない
  • PAはほぼカルナス内だけ。キャラ自体の魅力はあるのにあまり生かせておらず、内容自体も旧作と比べて薄め。
  • EDはエッジとの好感度などの条件を満たせば仲間の後日談が追加されるという形式であり、前作以上にマルチEDとは言い難い仕様に。
  • 隠しダンジョンのバグやシステム

などが多く挙げられている。


仲間が全員加入することなどは悪くないし、グラフィックなどは綺麗だし、音楽も良いし、戦闘もそこまで悪いものではないし十分爽快感もあるのだが、やはり特に戦闘面において完成度の高いSO3と比較されがちである。
SO3との差別化を図ろうとして、なおかつ「とにかく殴ってれば大体おk」なSO2以前のようにするのもどうかというところから、本作の戦闘システムのようになっていったものと思われる。
重ねて書くが、決して戦闘システムがダメという訳ではない。特に評価の高かった前作の影がどうしてもチラついてしまうのである。

☆PS3版


更に2月4日に発売されたPS3版によって、今までコンプを目指してた数少ない人に追い討ちをかけた…。

PS3版は技や隠しダンジョンの追加などはなく、戦闘で敵をロックオン出来るようになったり、キャラクターのスキルに調整が加えられており
ディスクチェンしなくてもよくなった。

しかし細かいところは改良されているのだが、ボリューム面の追加要素は皆無だったため既にプレイした人が購入することは少なく(本作のために360を買った人も多い)、売り上げは360版を下回る結果となった。
トライエースの将来を考えるとあまり喜べないが、完全版商法とは呼べないのである意味では良心的である。





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最終更新:2022年11月18日 17:14

*1 このせいで、なんとクリア後の隠しダンジョンの一つとカルナスを往復する度に交換を迫られる事態に。ただし、EnIIのマップデータはラスダンと同じディスクに入っているので、そこを行き来する分には問題ない。