不知火(戦術機)

登録日:2009/07/20(月) 21:16:29
更新日:2022/06/16 Thu 03:13:08
所要時間:約 6 分で読めます





「─米軍機に告ぐ。
直ちに戦闘行為を停止せよ。
繰り返す─直ちに戦闘行為を停止せよ」

帰の覚悟を胸に秘め
が造りし鎧を纏い
命のが尽きる時まで
刃を奮って戦場を舞う─


不知火はマブラヴ オルタネイティヴに登場する戦術機の名称である。
本項では本機とその発展機について解説する、
その他 同名の内容については不知火等の項を参考にして頂きたい。


94式戦術歩行戦闘機 不知火 (TSF-TYPE94)


1994年から実戦部隊配備が開始された日本国産の第3世代主力戦術機。
元々は第1世代戦術機であるF-4J改 瑞鶴の技術情報を元に、河崎重工、富嶽重工、光菱重工の3社によって共同開発される予定であった。
しかし、第2世代戦術機開発を経験していなかっため開発が難航、
そこで帝国軍は先に第2世代戦術機F-15J 陽炎のライセンス生産を決定し、技術吸収を行った。
その際に蓄積された技術を元にして世界初の実戦配備型第3世代戦術機・不知火が開発された。(設計・開発自体はF-22A ラプターの方が先である)
元ネタは日米共同開発になる前に構想されていたFSX*1、名前は大日本帝国海軍の陽炎型駆逐艦の2番艦 不知火から(異説あり)

■主要装備
  • 87式突撃砲
  • 87式支援突撃砲
  • 74式近接戦闘長刀
  • 65式近接戦闘短刀
  • 92式多目的追加装甲
  • 92式多目的自律誘導弾システム

機体表面には新開発の対レーザー蒸散塗膜加工が施されている。
新素材や複合材開発により耐熱耐弾装甲を重要部に限定することで可動性向上と機体重量の軽量化に成功し、結果、機動性や整備性が従来機に比べて大幅に向上した。
同じ第3世代戦術機で米軍最新鋭機であるF-22A ラプターと比べるとスペック上は劣るものの、錬度次第では差を覆す事も可能なポテンシャルを持つ優れた機体である。

主に帝都本土防衛軍や富士教導隊などのエリート部隊に配備され、横浜基地ではA-01部隊にのみ配備(A-01部隊が元々一個連隊(108機)編成であった事や、帝都本土防衛軍、富士教導隊の主力が不知火である事を考えるとかなりの数が生産されていると考えられる)
ちなみに富士教導隊は「仮想敵部隊(アグレッサー)」として露軍色の寒冷地迷彩で塗装されている。
順調に各部隊へ配備が進み、運用が進むにつれ、衛士や整備兵から様々な要望がなされているが、極めて困難な要求仕様を実現するために異例な程突き詰めて設計された結果、通常は考慮される発展性のための構造的余裕も極限までそぎ落とされたため、その要望に答えられていないのが現状。ただし、ソフトウェア改良による性能向上は行われている。

因みに日本国産機全てに言えることではあるが、機体特性の関係上アメリカ式の機動制御方法とは相性が悪い。

《発展機体》


■不知火 壱型丙(いちがたへい) (TSF-TYPE94-1C)

既存戦術機強化計画の一環で開発された不知火の改造型。
武装の大型化に備え、フレームと各部アクチュエーターを強化。
更に機体から武装へ電力供給を行えるよう機体ジェネレーターを大型化した結果、機体の駆動系出力も約15%向上した。
 一方でジェネレーターの大型化により、想定以上の機体稼働時間低下(燃費悪化)をまねく事に。

苦肉の策として専用OSを開発し、燃料・出力系の電子制御によりどうにか要求仕様は満たし、一応の体裁は整えるものの、機動特性にも深刻な副作用をもたらし、非情に扱いづらい機体になってしまった事や、強化計画が重装備化から運動性能重視に方向転換した為、既存の不知火を置き換えることはできなかった。
大量生産こそされなかったが欠点をカバーできるベテラン衛士たちからは、逆にこの機体をこぞって希望したため横浜奪還後に再評価プログラム実施、専用OSを削除したNタイプが大損害を被った帝国軍への戦力補充の一環として100機近くが追加生産されている。

現在は次世代機開発のデータ収用や機体出力を求め、燃費の悪さを運用方法でカバーできるベテラン衛士用として一部部隊に実戦配備される。
機体カラーに、フェリス・カモフラージュと呼ばれる機体の形状や飛行速度、移動方向などを欺瞞するための迷彩塗装が施されているが、視覚に頼らないBETAに対して効果は認められない。
劇中で初登場した際には電磁投射砲の運用シミュレーションで、不知火壱型丙の再評価プログラムの一環。後に帝都防衛戦にて唯依達の教官であった真田大尉やその部隊と内閣直属の特殊部隊ようにステルス装備を追加されて運用される実機も登場した。

ちなみに跳躍ユニット主機は武御雷と同じものが使用されているが、一般出身者が搭乗するC型の物ではなく高機動型武御雷(Type-00F/A)と同型のものが使用されている。


■不知火 弐型Phase1 (XFJ-01a/b)

1999年の本州奪還作戦『明星作戦』で一応の勝利を収めた日本帝国は、退役間近な撃震代替機に位置付けるべく、一時凍結されていた不知火改修計画を再開。
しかし、当時の国内有力メーカー各社は不知火及び武御雷の後継となる次期主力戦術機開発に全力を注いでいた為、不知火改修は事実上放置されていた。
その停滞を打破するため、カンフル剤として急遽立ち上げられた日米合同の戦術機開発計画「XFJ計画」で誕生した日米混血戦術機が『不知火弐型』である。

帝国陸軍兵器廠第壱開発局副部長・巌谷榮二中佐が提案するこの計画は、米国先進技術と蓄積データ導入による開発障害のブレイクスルーを目的とする、帝国初の国際戦術機開発計画であり、河崎・富嶽・光菱の国内大手3社に撃震・陽炎の導入で実績のあるボーニング(旧マクダエル・ドグラム)を加えた4社が参加。

  • 第3世代機と同等以上の機動性及び運動性確保
  • 稼働時間の増加
  • 最大兵装時の運動性低下率の局限化

という帝国側の要求に対しボーニングは、F-15・ACTVと同様の肩部・腰部大型スラスターと跳躍ユニット主機、脚部換装を中心とした強化改修を提案。
日本側もこれを了承し、計画は2001年4月よりアラスカ・ユーコン基地で本格的に始動した。
外見上壱型丙との差はないが壱型丙の欠点である稼働時間を解消するため、機体各部に出力効率が高く消費電力が少ない米国製パーツが組み込まれ、跳躍ユニットも従来より高出力のものに換装されている。


■不知火 弐型Phase2

駆動系及び機関部等の内装系を強化するフェイズ1改修後、前線で実証・実戦試験を経て、外装をMSIP強化モジュールに換装するフェイズ2改修を完了し、本来の姿へと変貌を遂げた試作一号機が2001年8月にロールアウトした。
頭部モジュールに最新のアクティブ電子走査レーダーに加え、新方式の戦術前方監視赤外線装置を搭載して索敵・目標補足能力を強化。
肩部装甲ブロックにスラスターノズルが追加され、脚部延長と大型化による運動性、機動性向上と推進剤容量増大が図られている。
腰部装甲ブロックには西側戦術機では初のスラスターモジュールが追加されているが、これはソ連製戦術機の高い機動近接格闘能力に衝撃を受けたボーニング開発陣が、急遽追加開発したものである。

1番機(XFJ-01a)はユウヤ・ブリッジス少尉。
跳躍ユニットにはジネラルエレクトロニクスF-140エンジンを搭載。機体色は紅白のデモカラーから後に視認性を抑えるために、各部の発行パーツを二番機の部品を転用しカラーもモノトーンに変更。

2番機(XFJ-01b)はタリサ・マナンダル少尉。
跳躍ユニットにはプラッツ&ウィットニーF133-PW-100を搭載。
機体色は淡いパープルグレーを基調としたもの。

ユーコン基地での試験終了後試01式戦術歩行戦闘機として試02式戦術歩行戦闘機月虹と共に帝国軍で試験が行われた、がその最中12・5事件によって
F-22にトラウマを植え付けられた上層部はステルス性能で勝る月虹採用に意見が大きく傾きそちらでほぼ内定してしまう。
しかし政夷大将軍の一声によって決定が覆され本機の採用が決まり04式戦術歩行戦闘機 (TSF-Type04)の名が与えられた。
なお試験段階でMk-57中隊支援砲の採用試験も本機で行われ02式中隊支援砲として正式採用されている。
試験を行った部隊はかつて伊隅ヴァルキリーズの隊員で同隊の数少ない生き残りである涼宮茜などで構成されたイスミ・ヴァルキリーズがある。*2


■不知火 弐型Phase3

当初帝国軍要求仕様であるPhase2を持って計画は終了する予定であったが、試験の最中ソ連が第三世代機Su-47を導入したことからハイネマンの提案により、ボーニング社の予算提供を受けて追加改修された。
外見は大きく様変わりしており頭部以外はハイネマンが設計したYF-23に酷似している。
そのため兵装担架も4つに増えており、ブレードベーンなども多数増設されるなど不知火の面影がなくなっている。
開発にはYF-23開発者であるハイネマンも携わっていたことから様々な疑惑を囁かれたが、開発サイドはYF-23のステルス技術は既に陳腐化しており、あくまで空力特性などの
観点から見てYF-23が適正であったと説明している。
こちらも2機のみで外見上は塗装以外は同じで塗装自体もPhase2とそれぞれ同じ仕様になっている。

ただしハイネマンの愛弟子の息子であるユウヤが搭乗する1番機には「JRSS」・「第2世代アクティブステルス」といった特別な装備が施されている。
前者はかつてハイネマンがYF-23用に開発したもので撃破された機体から補給、給電を行うという代物。
YF-23は不採用になったもののこの機能はF-22に搭載されており、一説にはこのせいでその後のYF-23の売り込みが失敗したとも言われている。
後者はF-22よりも発展したステルス技術で簡単に言えば他のコンピュータにハッキングしその情報を書き換えるという代物。
その危険さからTE終盤まではこの機能の存在は封印されていたが、封印が解かれてからはこれらの機能は十全に生かされている。
なお2番機はこれらの機能がオミットされたものでそれ以外の仕様は1号機と同じである。

あくまでソ連への牽制として改修された仕様であるが、巌谷中佐は撃震の置き換えがPhase2に対しPhase3は不知火の置き換えになるのではないかと推測しており、
オルタより後の世界線の一つでは「極光」として採用され、米国民にも「極東の守護神」として知られ原型機のYF-23とデモ飛行を行う世界もある。


運用部隊

上記の通りオルタ本編でも青い国連軍仕様は武達、A-01部隊(伊隅ヴァルキリーズ)機でもあり、甲21号作戦、横浜基地防衛戦と長きに渡り戦場を共にした実質中盤の主人公機。
TEでも主人公であるユウヤが日本製戦術機の慣らしとして搭乗した吹雪から乗り換えて以降、改修を重ねて最後まで搭乗している。
アンリミテッド・ザ・デイアフターでもシアトル駐留軍が使用しており、響や柚香達『ウォードッグ』のメンバーも搭乗している。
外伝編を含めれば武、ユウヤ、まりも、あきら、みちる、響と多くの主人公が搭乗した機体である。

立体化

国連軍仕様の不知火は本編では中盤の主役機というのもあって数多く立体化されている。
特にボークスの展開していたアクションフィギュアのA3シリーズでは最初期に立体化されそれぞれポジションごとの装備別で発売された後にリメイク版も発売された。
リペイントで済むこともあり帝国軍の不知火も国連軍が立体化されたものでは発売されているものも多い。
12・5事件でクーデター側の切り札として登場した露軍迷彩が施された富士教導隊所属機はA3でのみ商品化された。

不知火 壱型丙と不知火 弐型Phase1はその独自な塗装もあってかA3以外での立体化は同じボークスのガレージキットが出ただけであった。
なお目玉ともいえる電磁投射砲も立体化されたがまだこの時は砲以外の装備の仕様が決まっていなかったためケーブルやバックコンテナなどは付属しない。*3

不知火 弐型Phase2は後半主役機なのもあって多くの立体化が発売された、帝国軍仕様は雑誌掲載でしか出なかったにも関わらずA3とコトブキヤで立体化されている。

不知火 弐型Phase3はA3シリーズが終了していたこともありコトブキヤの1/144スケールのみで立体化された。




「Wikiに告ぐ。項目削除などクソ食らえ。繰り返す─項目削除などクソ食らえ」
「─What's up? (なにッ?)」
「全てを消して逃げ帰った貴様らが今更ここに何の用だ。追記・修正忘れでもしたのか、間抜けめ!」


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最終更新:2022年06月16日 03:13

*1 デルタ翼にカナード翼を備え、垂直尾翼2枚の双発機とF-2とは形状や特徴が全然違っていた

*2 他に生き残った隊員は競合相手の月虹のテストパイロットをしている

*3 ガレージキットではA3の数年後に発売され、電磁投射砲の仕様も決まっていたためキャンペーンでカラーレジン製のものが配布された