千鳥/雷切(NARUTO)

登録日:2013/06/17(月) 19:00:00
更新日:2024/03/24 Sun 19:17:18
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千鳥!

雷切!


NARUTO‐ナルト‐』に登場する忍術の一つ。
「コピー忍者」ことはたけカカシ唯一のオリジナル忍術であり、中忍試験以降のうちはサスケの必殺技。


◆概要

目に見える程の膨大なチャクラを片腕に溜め、肉体活性による超スピードを以て対象を貫く「ただの突き」。
その一撃はあらゆるものを斬り裂く名刀の一振りに例えられる。
膨大なチャクラが高速移動することで「チッ、チッ、チッ…」と千の鳥が地鳴きしているような音を発することから、「千鳥」と名付けられた。
また、開発者のカカシはこの術で雷を斬ったことがあり*1、それに由来して彼が使うもののみ「雷切」と呼ばれる。

術を発動するための印は「丑・卯・申」。
カカシは過去のミナト班時代から現代での波の国編まで一貫してこの印で発動しており、サスケも中忍試験本選で対我愛羅で披露した時はこの印で発動している。
ただし木の葉崩しが発動した後、我愛羅を追撃して里の外で尾獣化しかけている我愛羅に対して攻撃しようとした時のみ、「申・辰・子・酉・丑・巳・戌・寅・申」という9つの印で発動している。
第2部に入ってからはサスケは印を結ぶ事無く発動するようになっており、これは千鳥ではなく雷遁の性質変化そのものを操れるようになったのだと思われるが、サスケは雷遁を利用した自分の攻撃は全て千鳥と呼んでいる。

ちなみに、サスケがこの術を使うのを見た際、木ノ葉隠れの里出身のイタチが「千鳥…?」と反応したのに対して、他国出身のデイダラは「雷切か!」と反応したところを見るに、正式名称は上述の通り「千鳥」なのだが、他国では別名である「雷切」の名前の方が知られている模様。

暗殺用のとっておきの術らしいが、凄まじく光る音がうるさいといった特徴からどう考えても暗殺向きではないが気にしてはいけない。
とはいえ、超高速で接近して斬り捨てていく術であるため、実際に使ってみると音と閃光はそれほどネックにならないようになっているのかもしれない。
また、シカマルたちと戦闘中という状況とはいえ、カカシが角都に気づかれる事無く背後から不意打ちで心臓を貫いているため、最後には技量がものをいうのだろう。


この術の極意肉体活性であり、超高速体術である表蓮華に似た動きを要求される。
サスケは修行の際、ロック・リーからコピーしたこの動きを常にイメージ・トレースし、2週間の修行の末にようやく会得した。

術の特性上、攻撃の軌道が直線的であることに加え、あまりのスピードに術者自身も周囲を認識しづらくなるため、敵のカウンターを喰らいやすいという重大な欠点が存在するため、使用する際は写輪眼などの優れた洞察眼が必須とされる。
実際、カカシは初使用の時は写輪眼を持っておらず、術の特性を見切った敵にカウンターを合わせられており、師である後の四代目火影・波風ミナトの助けによって深手を負わずに済んだものの、「今後使用しないように」と警告されている。
この後、自分たちを庇って瀕死となったうちはオビトから、直前に開眼した彼の写輪眼の左目を譲り受けた*2ことで、「カウンターを喰らいやすい」という欠点は解消され、親友の献身を以て「千鳥」は完成を見ることとなった。

尤も、初使用時には敵の影分身十数体を千鳥で倒しており、カウンターはこれによって本体に術の弱点を見切られた影響もある他、サスケも第二部に入ってからは、度々写輪眼を発動せずに千鳥を使って相手に突っ込んでいたりするが、まあ気にするな。
あくまで「カウンターを喰らいやすい」というのが欠点であり、初撃で決められれば問題ないのだろう。

ともあれ、この欠点をカバーするためにも使用時には基本的に写輪眼と併用するため、チャクラ消費量は膨大であり、第一部の時点ではサスケは最大で2発、カカシは最大で4発が限界とされていた。
第二部以降は二人ともチャクラ量が増えたのか、使用回数が増えている。

術名の元ネタは戦国時代の武将、立花道雪が所有したという日本刀と思われる。
道雪はこの刀で雷を斬って直撃を回避し、刀の名を元の「千鳥」から「雷切」に改めたと伝えられている。
この伝説の真偽はともかく、ガイが語った話とそっくりである。
ただし、道雪は直撃して感電死することは回避できたものの、落雷の影響で半身不随となり、以降は輿に乗って戦場に出ていたという。


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幻 術 だ




上記は第一部までの設定。
第二部においてチャクラの「性質変化」と「形態変化」の概念が後付けで明かされ、千鳥は雷の性質変化「雷遁」に属する術であると判明した。
雷遁であるため土遁に対して特に効果が高く、土遁で作られた壁などは千鳥の突きで容易に貫通できる他、身体を硬化して防御力を高める術も土遁である事が多いため、その手の防御は千鳥の前では意味を成さない。

千鳥はチャクラを雷に性質変化させた上で放電するように形態変化させ、術の攻撃範囲を決めている。
放電が見える位で驚いていたのは一体……
性質変化には高度な技術とセンスが必要で、通常何年もかけて会得する代物とされる。
実際にうずまきナルトが性質変化を会得した際、多重影分身の術による時間圧縮修行を本来の修行時間に換算すると凄まじい数字が出る程である。

つまり第一部の設定もあわせると、カカシはサスケに僅か2週間で高速体術を教えながら、雷の性質変化をゼロから(うちは一族が用いる基本の性質変化は火)修得させ、さらに形態変化までも修得させるという凄まじい教育手腕を発揮し、サスケもそれについていったことになる。
……これが…天才か…

一応、サスケの雷遁会得については、「特定の印を結んで発動する忍術」ならば印を知っていて必要量のチャクラのコントロールができれば会得は難しくない、と考える事もできる。
実際サスケはアカデミー時代に、常人であれば大人レベルの火遁・豪火球の術を会得しており、性質変化自体は初めてではない。
また、第四次忍界大戦ではシカマルの呼びかけにより岩隠れの忍から「簡単な土遁の術の印」を教えて貰い、連合軍全員で同時使用している。
当然連合軍の中には土遁など一度も使った事が無い忍もいるはずで、「印とチャクラさえあればできる」と言う仕組みなら辻褄があう。
そして中忍試験編前後ではサスケは毎回印を結んで千鳥を発動しており、その形態も「利き腕に集めて突きに使う」形でしか使用していないが、第一部から3年後の第二部では印を結ぶ事もなくチャクラが直接雷遁として放出されるレベルで術を使いこなしている。
あくまで螺旋丸のような印を必要とせずに形態変化と性質変化を組み合わせるのが数年かかるレベルなんだろう。
ましてや螺旋丸は形態変化のみを極限まで突き詰めた忍術のため、なおのこと難しくてもおかしくはない。

また、カカシが千鳥を開発した動機は「コピーした螺旋丸に雷の性質を加えられなかったから」ということも語られた。
完成した千鳥の
  • 掌から高密度のチャクラを放出・維持する形態変化
  • 掌に維持したチャクラを相手にぶつける攻撃方法
  • 高速移動を利用した一撃離脱戦法
といった術形態、カカシ外伝におけるカカシの「先生の通り名(黄色い閃光)と同じですよ」という発言等から、カカシはミナトの「飛雷神の術+螺旋丸」及びその高速戦法の模倣・再現を狙っていたことがうかがえる。

余談だが、カカシがナルトに螺旋丸を披露した際に「ここまでならオレでもどうにかコピー出来る」と発言していた為、螺旋丸を会得した時にはもう写輪眼を持っていたと勘違いする人も居るが、カカシ外伝で描かれている通り、千鳥→写輪眼の順に手に入れているので、千鳥より前の螺旋丸会得時にはまだ写輪眼は無い。
そもそも写輪眼は印やチャクラの運用を見切って「どういう術なのかを理解すること」を補助するものであって、写輪眼で見たから無条件で会得できるというものではない。
そして、螺旋丸はどういう術であるか自体は見れば理解するのはさほど難しくないが、それを実行するのは果てしなく難しい。
わざわざ「コピー」と言う辺り、ナルトの様に教わったのではなく、ミナト辺りが使っているのを見て真似し、会得したのかもしれない*3
そこから千鳥開発に繋げたとすると天才にも程があるってものだが。

第二部中盤以降、うちは関連の設定がクローズアップされるに伴い、カカシもサスケも万華鏡写輪眼を多用するようになり、必殺技のポジションを奪われつつあった。
ただ、万華鏡の瞳術以外でもうちはの基本である火遁を多用していたイタチに対し、サスケは万華鏡の瞳術でない術は雷遁(≒千鳥)を使う事が多かった。
また、第四次忍界大戦後にサスケとナルトとの「最後の兄弟ゲンカ」において、あらゆる技を出しつくして消耗し、ナルトの螺旋丸を打ち合ったサスケの最後の一撃は千鳥であった。

ちなみに当初の「チャクラによる肉体活性」の設定については、雷影・エーの「雷遁チャクラモード」として形を変えて再登場している。
雷遁自体、突き技と相性が良いとのことで、三代目雷影の地獄突き四本貫手を見たナルトは雷切/千鳥に似ていると感じている。

なお、カカシの千鳥が改名されたきっかけは、神那毘橋の戦いの後、岩隠れの忍が使った広範囲術式の雷撃を千鳥で迎撃したのが由来。
サスケはこの術をどんどん改良しながらメイン攻撃として使い続け、最終的には隕石を木っ端微塵に出来るレベルにまで強化している。
また、続編となる『BORUTO‐ボルト‐』では、サスケの愛娘であるうちはサラダが術を継承している。


◆バリエーション

  • 慟哭の千鳥/忌まわしき千鳥
呪印状態2で放つ黒い千鳥。
第一部のナルトとの最後の戦いで使用。
呪印が仙術チャクラを流し込んだものであるため、後述の「黒き千鳥」と同様、千鳥の色が黒くなっている*4

  • 草薙の剣・千鳥刀
草薙の剣に千鳥を流し、殺傷能力を高める。
対象を麻痺させることも可能、刀で防いでも電流を流し込まれるためガード不可の技だが、ビーのようにチャクラ流しができる忍には効かない。

  • 千鳥鋭槍
千鳥を槍状に形態変化させた術。
大蛇丸をして「こんな形態変化は見たことがない」と驚愕するほどの性能を誇る。

  • 千鳥真槍
ゲームオリジナル術。
第二部サスケの奥義に設定されている。
形態変化させた千鳥で敵を貫き、そのまま爆破する。

  • 千鳥千本
千鳥を針状に形態変化させ、広範囲に射出する。
一本一本の殺傷力はさほど高くないが、雷遁の性質を帯びたものを広範囲に多量に射出できるため、敵の土遁の迎撃には便利。
デイダラ戦で起爆粘土を撃ち落とす際に使用した。

  • 千鳥流し
全身に千鳥を流して纏う術。
触れた敵を弾き飛ばすことができ、地面に触れることで広範囲攻撃も可能。

  • 千鳥光剣
千鳥を剣状に形態変化させた術。
手ぶらの状態からいきなり出す事ができる上に相当な長さまで伸ばす事ができ、使い勝手が良いようだ。
作品最終盤においては十尾の人柱力となったうちはマダラを真っ二つにするほどの斬れ味を誇る。
ただ、この術を会得した後もサスケは実体の刀を手放していない。
足場にしたり相手の攻撃を受け止めたりすることは実体のある刀でないとやはりできないようだ。

  • 黒き千鳥
六道仙人から陰の印を授かり、輪廻写輪眼を開眼したサスケの千鳥。
仙術の力が加わっているため六道にも通じる。
須佐能乎で使用することもできる。

  • 建御雷神(タケミカズチ)
炎遁を加えた千鳥。
ナルトへの最後の攻撃として放った。

  • 雷伝
影分身と二組で雷切を発動、雷撃の筋を結んで対象を両断する。
カカシの独白からチャクラの消費が激しい模様。

  • 雷遁影分身の術
雷切を分身に形態変化させる。
接触してきた相手を感電させるトラップ影分身。
こちらも相当にチャクラの消耗が激しい術のようで、使用後のカカシは「チャクラを半分以上使ってる」と語っていた。

  • 雷遁・雷獣追牙
雷切を雷獣型に形態変化させて飛ばす遠距離系忍術。
ペイン天道に使用したが弾かれてしまった。
ゲームでは雷獣走りの術という名前になっている。

  • 神威雷切
オビトから万華鏡写輪眼の力を借り受けたカカシが放った最後の雷切。
神威の効果が付与され、当たった箇所を時空間へ飛ばす。

  • 雷切弐連突/雷切双雷震
ゲームオリジナル術。
カカシの奥義に設定されている。
雷切を二連撃で叩き込む。

  • 雷切一閃
ゲームオリジナル術。
通常の雷切とほぼ同じだが、地面を抉りながら相手をもみじおろしにするほどの威力を誇る。

  • 雷切・迅
ゲームオリジナル術。
カカシの奥義その二。
雷遁影分身を形態変化させた雷獣追牙を食らわせた敵に雷遁を纏わせた無数のクナイを投げ放ち、その一部を神威で飛ばす。
続けて突き抜けた雷獣追牙を影分身に戻し、神威を発動して飛ばしたクナイと残りのクナイで挟み撃ち、その隙に本体が空中から雷切を叩き込む。
チャクラの消費量が心配になるがゲームだから気にするな。

  • 須佐能乎神威雷切
ゲームオリジナル術。
ナルスト4での万華鏡カカシの奥義に設定されている。
神威手裏剣で敵を時空間に飛ばした後、完成体須佐能乎で神威雷切を叩き込む。

  • 雷遁・紫電
小説『NARUTO-ナルト- カカシ秘伝氷天の雷』に登場、その後『BORUTO』でもカカシが使用。
第四次忍界大戦後、写輪眼を失って千鳥を実用できなくなったカカシが代用として編み出した術で、紫色の雷遁チャクラを生み出し、手刀などの強化に用いる。
「身体強化を併用して高速で突っ込む」と言う所をカットした雷遁強化のみの術である。
サスケは第2部から千鳥で同じことずっとやってたけどね!

アニメBORUTOでは中忍試験にてボルトが科学忍具を用いてこの術を使っている(そして失格の原因になっている)。
BORUTO第2部ではきちんと自身の術として習得している…が、ボルトが師事していたのはサスケであってカカシではない。
どういう経緯で紫電を会得するに至ったのかは不明。


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最終更新:2024年03月24日 19:17

*1 マイト・ガイ談。ちなみにそれを聞いたサクラは混乱し、チョウジは純粋に感服し、いのは嘘くさいと思っていた

*2 右目は右半身ごと落石で潰れていたため、移植できなかった。

*3 チャクラコントロールの苦手なナルトでも第2段階までであれば影分身を使わずに突破できたため、当時のナルトより才能のあるカカシなら模倣できてもおかしくはない

*4 ゲームでは紫色になっているものもある