ウルキオラ・シファー

登録日:2012/06/11 Mon 22:02:07
更新日:2024/01/01 Mon 17:57:47
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少なくとも

破壊すべき対象としては認めた




#4 ウルキオラ・シファー        
Ulquiorra Cifer

[種族]破面(アランカル)
[階級]第4十刃(クワトロ・エスパーダ)

 [司る死の形]虚無
 [帰刃]黒翼大魔(ムルシエラゴ)
 [解号] 鎖せ「黒翼大魔」
 [虚の孔]喉元
 [刻印]左胸
 [CV]浪川大輔


漫画『BLEACH』の登場人物。

目次


 概要



十刃の一員。角が生えた仮面の名残を左頭部に被った、 真っ白な肌をした黒髪の成体破面
能面のような顔と、喉元にあるの孔が特徴。両眼の下辺りに、垂直に伸びた緑色の線状の仮面紋がある。コート状の死覇装を着ている。
身長/体重は169cm/55kg、誕生日は12月1日(いて座)。

十刃の中では従属官は一人もいない少数派。

 人物



司る死の形が「虚無」である為か感情の起伏が極端に少ないが、意外と良く喋る。一護曰く『石像』。
仲間であっても自身以外の者を「塵(ゴミ)」「屑」「下衆」と呼んで見下している。
そんな性格だが比較的ヤミーとは仲が良いのか二人で行動する事が多かったり敵を侮る事が多い彼に対して忠告したりしている。
小柄な男と巨漢のコンビという事や初戦の流れもあって、サイヤ人編のベジータとナッパを思い出す読者も多かった模様。
ヤミーの方もウルキオラの援護を行ったり彼の死を知った時に反応を見せていたので一般的な友人関係かどうかはともかく悪くは思っていなかったようだ。

当初は一護の事も「殺す価値のないゴミ」と発言していたが、何かが気に入ったのかそれ以来興味も持っていた。
どういう思考回路なのか分からないが仲間に出来るとも考えていた。暴力で従わせようとしたのかもしれないが。

グリムジョー曰く、『ウルキオラ自身は気付いているか否かは不明だが、気に入った敵の体に獲物の印として自分と同じ場所に穴を開ける癖を持っている』とのこと。


 活躍



ヤミーと共に、一護の状況を鑑定する為現世へ来襲。
初登場時は虚のようだが虚では無い何か(=破面)である事を印象づける為にハイネックの死覇装のチャックを喉元あたりまで下ろしているが、
その後は特にチャックを下ろす描写は見られず、死覇装も着崩さず改造もしない辺り、意外とファッションに拘りがあるのかもしれない。

加勢にきた浦原のヤミーへの攻撃を片腕で軽く薙ぎ払い、一護を殺す価値無しと断じ、虚圏へ帰還した。

一護の潜在能力に関しては上述の通り「藍染の脅威にはならず、殺す価値無し。力の不安定さから自滅、もしくは自分達の仲間にできる」
との判断を下しているが、藍染の意図通りに成長率の高さも認めている。
また織姫の能力の特異性も一見しただけでいち早く見抜いている(少し見立てと異なっていたが)。
探査能力・実力測定の精度の高さに加えて、目玉を潰して見た映像をそのまま仲間と共有する(目玉は後に復元)など戦闘面以外も極めて優秀。

その後、織姫の能力に目をつけた藍染の命令で、ルピ達を囮にしつつ、
一護達の命を交換条件に織姫を藍染の元へ連行、その後監視と教育を兼ねた世話役になる。
下世話なノイトラなどとは異なり、基本的に冷徹で口こそ悪いものの、危害を加えることもなく紳士的な対応をしている。
愛染が興味を持っていることから、露骨に見下したような発言もなかった。


そして虚夜宮に乗り込んだ一護と対峙。
虚化に驚愕しつつも、卍解・虚化した月牙天衝ですら両手を使わせたとは言えほぼ無傷。帰刃前にして圧倒的な戦闘力の差を見せつける。
しかも多少服は破けたが袴は無傷…悟空の道着ばりに頑丈である。
更にスピードも卍解一護が対応しきれないほどの速度。更に虚閃で一護の死覇装を逆にボロボロにした。

このあまりの強さと強者の風格、そして明らかにこれまで戦った破面(グリムジョー含む)とは圧倒的に格が違う…。
しかし、逆にこんな相手だがらこそ最強である彼を倒せば勝ったも同然だとも思い、一護は奮起する。














…4……………だと…!?



ああ
第4十刃(クワトロ・エスパーダ)
ウルキオラ・シファー



十刃内での力の序列は

4番目だ

ヤミーの自称一番強い発言を考えるとどっちかが嘘つきじゃねーか!





その後慈悲のない一撃で一護の胸を貫いて撃破してしまう。
それでいて、「まだ動けるなら去れ」「動けないなら死ね」(※意訳)と慈悲深い言動も。ツンデレだろうか?

あえて止めは刺さず、近くに居たネルも無視して立ち去ったが、その後独断で織姫を連れ去って一護を治療していたグリムジョー達の前に現れ、グリムジョーと交戦した。
この時はグリムジョーの手によって反膜の匪で閉次元へと一時幽閉された。
そして藍染の現世侵攻の直前に帰還し、虚夜宮の守護を任される。出現タイミングが良すぎると突っ込みたくなる。




再度対峙した一護は強くなっており、破壊すべき敵として認め一護と一騎打ちを展開。
虚化なしでもまともに戦えるなど、ようやく差は縮まったものの一護の攻撃は殆ど防ぎきり、渾身の一振りを受けても軽い切り傷で済み*1、速度は互角かと思いきや本気を出せば卍解一護を上回り圧倒。
しかしながら実力も持続力も向上した一護の虚化には流石に通常形態のままでは厳しく、ようやく帰刃する。


帰刃状態では虚化・卍解中の一護ですらまともに反応させない(防御するだけで手一杯の)速度。
渾身の月牙天衝もノーダメ―ジ。
更に黒虚閃(セロ・オスキュラス)によりやはり死にはしないものの 虚化を解除させるほどのダメージを与える。





それでも一護は諦めないため、


無駄だと言っているんだ!!!


と、更に力の差を見せつける……が、一護は「てめえが俺より強かったら…俺が諦めると思ってんのか…?」
と最初の時から強いのは知っているため意地を見せる。
そのため、ウルキオラは一護を諦めさせるため真の絶望の姿として刀剣解放第二階層(レスレクシオン・セグンダ・エターパ)を見せる。


ただでさえ圧倒的な差だったのに更なるパワーアップを果たしたことで一護に恐怖を与えることに成功。
だが、それでも一護は諦めない。

恐怖を感じる程の実力差の相手に勝てるつもりで戦いを挑む
理解の外だ
…それが貴様等の言う心というものの所為ならば貴様等人間は心を持つが故に傷を負い
心を持つが故に命を落とすという事だ

別に…勝てるつもりで戦ってるわけじゃねえよ……
勝たなきゃいけねえから…戦ってんだ…!

戯言だ


そして遂に…



 能力



心在るが故に妬み
心在るが故に喰らい
心在るが故に奪い
心在るが故に傲り
心在るが故に惰り
心在るが故に怒り
心在るが故に
お前のすべてを欲する

(BLEACH40 THE LUST)


◇─ 帰刃「黒翼大魔(ムルシエラゴ)

解号は『(とざ)せ~』。
簡単に書けば、虚時代に近い容姿になる。(彼の虚時代の容姿はファンブック「UNMASKED」にて確認できる。)

背中に巨大な漆黒の翼が形成され、仮面の名残が4本の角のついた兜のようになり、服も下部がスカート状のものに変わり、
仮面紋もより大きくなり霊圧で形成した光の槍「フルゴール」を用いて戦う。水泳帽だのワンピースだのダサいだの言うな
それまでの帰刃した連中たちと違い、明らかにスラッとしている上に翼以外はほぼ人間に近い。
いかにも最上級大虚(ヴァストローデ)のような姿であり(どの区分かは明言されていない)オサレと言って良いだろう。

この状態では卍解・虚化状態の一護がまともに反応すら出来ない(彼の攻撃を防御するだけで精一杯の状態)圧倒的なるスピードと戦闘力、全力の月牙を受けても無傷で済むほどの防御力を誇る。
ちなみに「ムルシエラゴ」は、スペイン語で「蝙蝠」の意。


◇─ 刀剣解放第二階層(レスレクシオン・セグンダ・エターパ)

破面で唯一ウルキオラのみが可能としている二段階目の刀剣解放。
死神の『卍解』に当たると思われていたが、後に帰刃が卍解とほぼ同等と言及されているので扱いがよく分からなくなった。
だが描写を見る限り、少なくとも帰刃をパワーアップさせた能力であることには変わりない。

兜が失われた代わりに長い二本角、鋭い爪、黒い 体毛に覆われた両腕と下半身、細長い尻尾など悪魔そのものを思わせる姿に変貌する。
また瞳が黒地に黄色になり、喉元の孔が大きくなって胸に移動している。
虚時代とは全く違う姿であり、彼の一族と同じ黒い姿だが、これがウルキオラの一族としての本来の姿ということなのかは不明。


通常の刀剣解放時よりも強さは格段に上回り、
雨竜の感覚では霊圧が強くて巨大な上に、質そのものも空の上に海があるかの様な感覚を思わせる程の異質なものに変化する。
自身の能力の長所は攻撃力ではないと言っているが、その攻撃力も後述の技を見て分かる通り段違いのものになっている。
速度も一時も油断していない一護の目の前から瞬時に横合いから攻撃成功でき、その後も一方的に一護をフルボッコするほどに向上している*2
ウルキオラは本当に第4十刃程の力しかないのか疑問視する読者もいるが、この姿は藍染にも見せていないと語っている為、実はそれ以上の実力の持ち主であるとする見方もあった。
しかし後に公式により「十刃最強はヤミー」と明言されている為、強さの序列は実際の番号順で間違いないだろう。本人が「見せていない」と語っているだけで、藍染が実力を見誤るとも考えにくいし。

更に破面になると失われやすい超速再生持ちで、臓器以外は瞬く間に治してしまう。
部分再生程度なら他にも出来る者が居るが(ノイトラの腕やアビラマの羽など)、大部分が可能なのは恐らくウルキオラだけである。

重ねてになるが、本編の破面篇時において第二解放のウルキオラも含めても「ヤミーが十刃最強である」と公式ファンブックUNMASKEDにて明言されている。
とは言えそのヤミーが実力を認め仲間意識を持っていた数少ない人物の一人であったことは間違いないだろう(ウルキオラが敗北した事を知って動揺するぐらい)

小説においてヤミー、スターク、バラガンの力を知るシエン・グランツがロカ・パラミアの力に驚く時、完全虚化一護と第二階層ウルキオラの名前を出したため余計に力関係の認識がややこしくなっていた。

ちなみに『破面大百科』で解説された時には市丸ギンに見せることを頑なに断っていた。


◇技

  • 虚閃(セロ)
人差し指の先端から放つ。色は碧色。

  • 黒虚閃(セロ・オスキュラス)
刀剣解放した十刃の黒い虚閃。 一護の黒い月牙とこれは似ているらしい…が少なくともこの時点の一護のそれとは威力がまるで異なる。
恐らくどちらも黒くてぶっといレーザーみたいな霊圧を放つので大体似た技なのだろう。
虚夜宮の天蓋の半分近くを吹っ飛ばすほどの威力があり一護の仮面を粉砕したり、一護の霊圧の残りメーターでもある死覇装の大半を一撃でゴッソリ持っていったり、胸に大穴を開け止めを刺したりした。
しかし完全虚化一護の虚閃の前では無力であり、放った直後に迎撃され、かき消された*3(原作では1回しか行わなかったが、アニメでは2回行った。)。

  • 虚弾(バラ)
虚閃程ではないが通常の死神程度なら半身を吹き飛ばすほどの威力はある。 連射可能な上、速さも虚閃とは桁違いの速度を誇る。

  • 共眼界(ソリタ・ヴィスタ)
眼球を取り出して砕き、己が見た映像を周囲の者に見せることが出来る。
超速再生能力を持つウルキオラならではの技。

  • ラティーゴ
長く伸びた尻尾を操って攻撃する技。
鞭のように叩きつけるだけでなく、敵を拘束して至近距離から「黒虚閃」を放つという連携も見せている。

  • 雷霆の槍(ランサ・デル・レランパーゴ)
両手で霊圧を集中させて作り出した槍を投げる技。恐らく帰刃時に所持していた武器・フルゴールのパワーアップ版。
虚夜宮の数倍の高さの火柱を上げるほどの威力を持ち、ウルキオラとて近くでは使いたくないとするほどだが、慣れていないのかコントロールには難がある。
しかし槍はこともなげに連続して生成でき、手に持ったまま近接武器としても使用可能。



 結末


一護に大穴を空け殺害。

織姫が一護を助けようにももはや間に合わない状態の中、時間稼ぎに徹する石田の相手をし、圧倒的過ぎる実力差からその石田を軽くあしらう。


そんな中で一護が織姫の『助けて黒崎くん!!!!』という悲痛な叫びに反応して完全虚化して復活したため、戦いを再開。
この状態では終始一護に圧倒され、左腕&下半身&内臓を吹き飛ばされ致命傷を受ける(しかもこれでも一護は全力ではなかったことが後に判明)。
止めを刺される寸前に石田の制止によりどうにか命を拾い、超速再生を開始。
一護が暴走して石田に虚閃を撃とうとしていた隙に仮面の角を切り払い、自爆させる。
この時左手左足以外の見た目は修復したものの、説明していた通り臓器は再生出来ておらずほぼ見せかけの状態。

その後完全虚化解除と同時に超速再生し、意識も理性も取り戻した一護と決着をつけようとする。
フェアではないと一護も同じく自身の左腕と左足を斬れと提案したため、これを承諾したところで肉体が灰化し始める。
もはや戦う力など残っておらず、「殺せ」と一護に言うものの…

…断る

……何だと?

…イヤだって言ってんだ…!
…こんな…

こんな勝ち方があるかよ!!!

―――ちっ…
…最後まで…思い通りにならん奴だ……

これまでの発言から、全体的に感情が薄い中でも人間の『心』には納得しがたい強い思いを抱いており、心の存在を懐疑的に思っていた事が分かる。
ファンブック「masked」で判明した彼の過去編を読む限りでも虚時代の頃から心について悩んでいたことが分かる。
一護を中々殺そうとしなかったのもこれが原因だと思われる。
もはや戦う雰囲気ではなくなっており、最後に一護達そのものに関心を持ち始めたことを吐露する。


そして「…俺が怖いか女」と、いつか織姫に言った通りに問いかける。
「こわくないよ」の答えに「そうか」とわずかながらも満足そうな口ぶりの後に完全に消滅した。





それは  何だ

その胸を引き裂けばその中に視えるのか?

その頭蓋を砕けばその中に視えるのか?

貴様等人間は容易くそれを口にする

まるで――――





そうか

これが  そうか

この掌にあるものが











心か











…反射的に追記・修正したか……

そうしていなければ今頃
貴様の項目は全消しにあっていた

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最終更新:2024年01月01日 17:57

*1 この辺の展開は殲景千本桜の速度が落ちた下り、白雷、その後の白一護の「名前なんかねえよ」をどこか連想させる流れになっている。

*2 帰刃中は初撃だけはギリギリのところで反応出来ており、二撃目も辛うじて防御出来ていた

*3 この虚閃同士のぶつかり合いは白VS黒という構図も含め、尸魂界篇の白帝剣VS月牙天衝を彷彿とさせるが、作者が意識していたかは不明