虫スカン

登録日 :2012/02/03(金) 20:32:56
更新日 : 2017/06/15 Thu 01:45:15
所要時間 :約 4 分で読めます




虫スカン(むし-すかん)は、ドラえもんのひみつ道具。
旧版と新版で形状と使用方法が異なるが効果、用量は同じ。

旧版(原作)では錠剤の薬であるが、新版(わさび)では液薬である。

まったく逆の効果のものに、「ニクメナイン」がある。
ビンの形状がほとんど同じであることから「ニクメナイン」とのセットの品であり、
お互いの効果を消す目的で使用されるのかも知れない。


◆効果

この薬を飲むと、体から不愉快になるオーラ(?)が出て、他人から嫌われるようになる。
原作ではこのオーラは「不愉快放射能」という名称で、今のご時世では自主規制もの。

飲む量は1錠で充分であり、大量に飲むと不愉快加減が強烈になりすぎ、
飲んだ本人ですら倒れてしまうほど。


◆理論

考察は恐らくされていない。
よって予測であるが……

生物が体外に発する物質に「フェロモン」と呼ばれるものがある。アリの道標フェロモンだとか、ハチの警戒フェロモンだとかが有名な例で、生物に刺激を与える有機物の一種であり、その種類は多い。
この薬はフェロモンそのもの(途轍もなく濃いやつ)、またはフェロモンの合成や分泌を促進させるという薬理作用があるのではないだろうか。
このどちらかによって、人を不快にするフェロモンを放つようにしていると考えることができる。


◆作中

初登場は「ニクメナイン」の回であるが、あちらはニクメナインのオチとして登場したものである。

ニクメナインと間違えて飲んでしまったという王道のパターンである。
こちらは「ニクメナイン」の項目を参照して頂きたい。

……まだないけどさ。



これ単体で登場するのは「しずちゃんさようなら」(さようならしずかちゃん)と言う回。


突如、「しずかちゃんと別れる!」とおっしゃり始めたのび太さん。

まず「交際」とは何かをお知らせしたいところだが。

その理由は「こんなダメな自分と結婚しては不幸になってしまうから」だと言う。
のび太は今日も学校で先生に叱られたのだ。しかも今回は特に酷かったようだ。

「なんべん同じ小言をいってると思っているのかね。そんなんじゃろくな大人にならんぞ。先生は断言する」

小学生相手に随分な暴言である。

「いまからそんな将来のことを」と言うドラえもんだが、
余程堪えているのか今回ののび太は本気のようである。

まずはしずかと二度と会わないために、 アメリカに留学だの、宇宙旅行して暮らすだの考え、ママに相談する
もちろん相手にされるはずもなかったが。

次にしずかに借りた本を返すのだと 大風呂敷にいっぱい もの本を抱え出掛けるのび太。
あとに残った本はまんがばかり。

その帰り、自分と会いもせずに帰ってしまうのび太を心配してしずかが追いかけてくる。
しかし「もう僕たちは会うべきじゃない」と 別れ話 を切り出すのび太さん。
当然納得いただけるわけもなく、のび太は最終手段に出る。

徐にしずかのスカートをめくる。



わりとよく見る光景である。



「嫌い!」と逃げ去るしずか。
一応の目的は果たされたが、その帰りに出木杉に会っており、やはり様子のおかしいのび太に心配した出木杉はこれをしずかに相談。
再びのび太の事が心配になったしずか、偶然スネ夫とジャイアンの話を立ち聞きする。

「のび太もかわいそうに」
「先生に残されてひどくしかられてたからな」
「こたえただろうな」
「あれだけ言われたら世の中いやになるよな」
「ぼくなら死にたくなるね」

いつもならのび太をバカにする2人がここまで同情するとは、それだけ今回の先生は酷かったという事だろう。
結果、のび太が「自殺」を考えているのではないかと思ったしずかは家まで尋ねてくる。

今回ばかりは本気でいらっしゃるのび太さん。
ドラえもんも「バカバカしいが、いじらしくもある」とつい協力してしまうことに。

そこで登場する「虫スカン」。
1滴(錠)でいいところを いつものように 大量に使ってしまうのび太。
たちまちのび太の体から強烈な不快なオーラが放たれる。

たまらず一目散に家から逃げ出すドラえもんとママ。
尋ねてきたしずかも逃げ出そうとしたその時。

「の、飲みすぎて、気分が悪い…助けて!! もうだめ…死にそ………」

家の中からのび太が助けを求める声が。

のび太もまた薬を使いすぎて自分の放つ不快感にやられていたのだ。


ロボットであるドラえもんすら 裸足で逃げ出す ほど強烈なオーラ。
なんとそのオーラの中をしずかは懸命に進んでのび太を助けるのであった。

「不快」と言うものは人間の感情でもある。
大の大人でも制御し難いものに齢10そこらの少女が友人ひとりのために抗っているのである。
なんとも見習いたい光景。

旧版では薬をトイレで吐かせ、
新版ではシャワーで洗い流し、薬の効果を消す。
と言うか洗えば落ちるんかい。

「あなた弱虫よ!!先生に叱られたぐらいで…」

その後しずかにこっぴどく怒られたのび太だったが、
確かにしずかの優しさを感じるのだった。

人から好かれるのは難しく、嫌われるのはいとも簡単。
そんな人間同士の付き合いと言うものの中で、しずかの慈愛に満ちた人間性を垣間見ることが出来る感動の回であった。

「しずちゃんに嫌われるのは、また今度にするよ」





追記・修正はそもそもこんなことにならないように日頃からしっかりとしてからお願いします

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