星を追う子ども

登録日 :2012/03/30(金) 00:26:02
更新日 : 2017/06/05 Mon 00:13:40
所要時間 :約 3 分で読めます






それは、"さよなら"を知るための旅。




●概要
星を追う子どもとは、新海誠制作のジュブナイルアニメーション映画。
前作「秒速5センチメートル」から約4年ぶりの新作。
新海誠作品ということもあり期待は高かったが、後述する理由で評価は低い。

ただしそれは主に従来の新海作品とは毛色が違うからであって、新海作品への先入観無しで普通に見る分にはおもしろく見れる。



●ストーリー
主人公の明日菜は、自分で作った秘密基地でラジオを聞くのが好きな普通の小学生。
ある日、秘密基地に向かう途中、クマのような怪獣が目の前に現れる。
襲われそうになるが「アガルタ」という場所から来たシュンという不思議な少年に助けられる。
しかし、彼は数日後に遺体となって発見される。
「アガルタ」から来たシュンの手がかりを探すため、明日菜は新任の森崎先生から話を聞く。
その後、明日菜の目の前にシュンとそっくりな少年シンが現れる。
明日菜、森崎、シンは世界の最深部、地下の異世界「アガルタ」に向かう。
そこに失った命を取り戻す方法があると信じて……。


●主な登場人物
主人公。母親と2人暮らしの少女。
父の形見である青い鉱石を持っている。

「アガルタ」から来た少年。
明日菜の目の前に現れる。

  • シン(CV:入野自由)
シュンにそっくりな少年。

新任教師。どことなく風貌がこの人に似ている。


●作風
これまでの作品とは変わって「若いころの青春」「青臭い恋」といった、
新海節がなくなり、ファンタジーでアクションな仕上がりになっている。
また、作風がジブリに似ていて、随所でそのオマージュと見れる部分がある。
新海誠曰く「日本のアニメの伝統的な作り方で完成させてみる」ことを目標にしていた。



●低評価の理由
従来の作品とはうってかわって違い、普通のファンタジー作品を目指したが、脚本も演出も力不足だった。
新海誠の持ち味でもある「リアルで美しい背景」「若者の感情、心境」などがなく、
何よりも登場する人物や動物、世界観がジブリを彷彿させられてしまう。
故にパクリと思ってしまうのが大きな原因(以下ネタバレ含む)












森崎先生の目標は「妻を蘇らせること」という軸があるのに対し、明日菜の行動原理が右往左往しすぎている。

彼女の旅の軸は「シュンに会いたい」のだったが、いつの間にか「死んだお父さんをどうにかしたい?」と変わって、
最終的に「旅した理由はさびしかっただけなんだ……」という風にどんどんすり替わっている。
また、アガルタに行くときも周りに流されるがまま、
ほぼ森崎先生について行ってるだけで、「あれ? 明日菜ストーリーにいらなくね?」とかなっちゃってる。


「明日菜の行動理由の軸があまりまとまっていない」「演出や描写で『ジブリ』感が強すぎる」
「従来の新海誠作品とは違和感がありすぎる」、といった理由が低評価の原因。
評価は散々であるが、相変わらずの新海誠作品ならではの美麗な背景、
物語としては死んだ人を蘇らせるために冒険するという、わかりやすく見やすい作品となっている。


明日菜がシュンの死に対しての喪失感をわからないながらも抱えつつ突き進む姿、
森崎が妻の死を受け入れられず、ただひたすらに盲進する姿は切なくて共感できる。


評価はどうであれ、切なく儚くて命の尊さを訴えつつ、
田舎の日常からの聡明で美しい壮大なファンタジーの展望、見応えはたっぷりでなかなかの好感触。
子供から大人まで楽しめる、是非とも見ていただきたいオススメの作品。
一見の価値あり。


追記・修正お願いします。





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