Ruina〜廃都の物語〜

登録日:2010/06/29(火) 13:43:42
更新日:2022/09/15 Thu 21:26:29
所要時間:約 6 分で読めます




夜明け前の空は、まだ暗い。
暗闇の中を歩いているうちに、洞窟の入り口を見つけた。

…胸騒ぎがした。
この洞窟は、あなたを招いている。
あなたは、中へ入っていった…




Ruina〜廃都の物語〜は枯草章吉氏によって制作されたフリーゲームである。ジャンルは探索型RPG。
同氏によってつくられた「大河物語」というTRPGの世界観を元にしている。
ちなみにRuinaは「廃虚」という意味。


探索型RPGというとイストワールや魔王物語物語を想像すると思うが、本作はTRPGやゲームブックのような独特のシステムを持つ。

本作の特色は「経験値の比重が戦闘よりイベントに傾いている」こと、そして「テキストによる世界観の構築を重視している」ことである。

本作の経験値を得る方法は主に探索で、手書き風地図の上をカーソルで移動し、ポイントを調べると何かしらイベントが発生、
それによって経験値を手に入れる事ができ、選択できるポイントがまた広がる。
未知の場所へ冒険したり、宝箱の鍵や謎を解くたびに経験値が入ってくる、と説明すれば分かりやすいだろうか。

「古代知識があるので古代文字を読める」「腕力があるので重いものを動かせる」など、
自分と仲間の技能によって選択肢を実行に移せるかが変わるため、戦闘はもちろん探索のためのメンバー選出、主人公の称号(クラス、職業要素)選択が重要となる。

素材を獲得する採取、獲得した素材を利用しての生産もでき、「料理」があるのも特徴の一つ。
保存食以外は日持ちせず、一部しか戦闘中に使えないが、素材の購入がしやすいため他の要素での回復以上に便利。
なお料理作成は失敗もあり、キャラごとに成功率が設定されている。言い換えれば料理上手かメシマズかがその成功率でわかってしまう。食材を加工して料理を作れたらいいですね。

序盤は回復手段が少なく(特にMP)、一度の探索で一定量の経験値を得るとボーナスが貰える(つまり長く潜る程得)仕様から難易度はなかなかシビア。
探索の順序やメンバーを工夫しないとごり押しは厳しい。

区間経過日数が規定日数以内の場合もボーナスがあるが、敵とのエンカウント、採取の数、一部商品の仕入れ数、そしてパーティ編成は1日に限度があるため、こちらのボーナスを狙うと取捨選択が重要になる。

そしてもはや文にゲームがついているレベルのテキスト量を誇り、
行動一つ一つにディテールの細かいナレーションが書かれているので物語世界に深く没入することができ、
中世ヨーロッパ風の世界を実際に冒険しているような気分にさせてくれる。
同じ場面でも主人公の出自や同伴キャラによって内容が大きく異なることもあり1周するだけでは読み切れない箇所も多数。
周回後の追加要素もあるので何度も楽しめる。


主な登場人物


主人公
いわゆるドラクエ型の主人公で特定のセリフはない。
「騎士の嫡子(騎士)」・「罪人の遺児(盗賊)」・「賢者の弟子(魔術師)」・「神殿に拾われた孤児(神官)」の四通りの出自を選び、
性別と顔パターンを選んで任意の名前の主人公を作成する。
物語は主人公が何かに呼ばれて洞窟に入っていくことから始まる。

ちなみに難易度は神官>賢者>騎士>盗賊
ストーリーの難解度は賢者>神官>騎士>盗賊
賢者や神官のストーリーは二、三周目でないと分からないところもあるので後回し推奨。

パリス
主人公の悪友であり、チュナの兄。
戦闘では二刀流による攻撃と自己強化の特技を備えたオールラウンダー。探索面でも鍵開け、レベルが上がると生存術、危険探知を覚える。頼りになる兄貴分。
会話では主にツッコミ役。
「うっせーバカ、死ね!」

ネル
主人公の幼なじみ、自分の怪力をコンプレックスに持っている、夢は魔法使い。
戦闘では高い攻撃力と体力をもつ前衛タイプだが、真価は特技の全体強化にある。初期から調合・料理を覚えており序盤ではまさに命綱。
会話では主にボケ担当。
「ひえええ〜」

ラバン
主人公の町に時折やってくるスケベな風来坊、片腕がない。
戦闘では豊富なMPによる剣技のごり押しでボスに対してはなかなか強い、しかしただでさえHPが低い上盾が装備できないので打たれ弱いのがたまにきず。
過去の英雄が使ったされる剣技を知っていたり、寓話を思い出のように語ったりと謎が多い。
会話では豊富な経験によるアドバイスとセクハラ担当。
「やべぇ逃げろ、変態がうつるぞ。」

シーフォン
時には魔王、時には天才魔道士を自称する毒舌少年。
戦闘では肩書き通り魔法による攻撃を得意とする、確かに全体魔法は強力なのだが序盤はMP消費が激しくすぐガス欠になる、かといって終盤では魔法では力不足、さらに紙なので一撃死もありえるという恵まれないキャラ。
会話では古代知識によるアドバイスと毒舌担当。
「もうやだ!帰ゆ!おうち帰ゆー!」

テレージャ
シーヴァからきた神官、遺跡オタクであり腐女子でありキス魔。
序盤の酒場で聞ける長演説は必聴。
戦闘では回復魔法や補助魔法で味方をサポートする。装備できるものも多いので肉弾戦もできないこともない。
会話ではうんちく担当、ときどきツッコミもする。
「あらら」

メロダーク
傭兵。基本は無口なのだが、ときたまぶっ壊れた発言・行動をする。
一度小人の塔に彼とパリスを連れていってみよう、あなたのメロダークへの好感度は振りきれているはずだ。
探索面非常に充実しているので神官または騎士主人公の時は重宝するかもしれない。
特に神官主人公の場合は彼のシリアスな一面が掘り下げられるのでより味わい深いキャラとなる。
暗黒料理と自らの肉体を武器に戦う。戦闘では……ネルとは違うベクトルで器用貧乏。
会話ではシリアスとキャストオフ担当。
「もう嫌だ、死にたい」

アルソン
ネス公国のいいとこの騎士、愛と勇気と力の人、どこかズレてる。
戦闘では使い勝手のいい自己強化技とその脳筋なステータスでまさに戦闘のプロ。神官や賢者主人公なら必須の人材だと言えるだろう。探索?なにそれ?
メロダークとは色々真逆。数少ない料理上手の一人。
会話では天然といい人を担当。
「悪に敗れるなんて……」

フラン
カムールに仕えるメイド忍者。
アルソンと同じくどこかズレてる常識人、騎士主人公を毒殺しようと日々精進している。
戦闘では正統派盗賊といったところ、暗殺属性の攻撃と唯一の目潰し持ち。
ニ刀流できるのだが序盤は武器が足りず終盤はそもそも短剣が攻撃力が高い武器ではないのでどうしても力不足になるが、
敏捷が高いので使いようによっては便利。
探索面では鍵開けしかできず、アルソンのように戦闘ができないので微妙、料理もアレだし。
会話ではメイドと天然担当。
「うう…汚される…」

キレハ
辺境の民族。
昨今の量産型ツンデレとは一味違うツンデレ、ノーブラ疑惑あり。
4つ目の塔をクリアするまえに好感度を上げておくと脱ぐ。
戦闘では弓による攻撃で飛行体には強い、しかしそれ以外の場合は戦闘よりのメロダークといった感じ、上級者向け。
会話ではツッコミと雑談担当。
女主人公で個別エンドにいくとまさかの展開に。
元々ただの犬という案だったらしい。
「なんて屈辱感……」

エンダ
ネタバレになるので詳しくは書けないが竜人。性別は明確になっていない。
戦闘では高い耐性と初期能力と燃費のいい全体攻撃、さらに見た目で序盤では頼りになる。
しかし武器は糞強い竜を倒さなければ獲得できず防具も限られているため次第に力不足になっていく。
しかし、このゲームは探索が主なので低コストで全体攻撃ができるというだけで役に立つ。
魔力が高く、武器は持たないので肉体言語や技能書を一番生かせるのではないだろうか。
会話では食欲と子どもキャラを担当。
「とほほ」


仲間キャラクターは1~3人まで選んで冒険できる。
探索スキルや戦闘能力を加味するのも大事だが、隠しパラメータとして「好感度」が存在する。
イベントの選択肢で変動したり一定値以上だと追加イベントが発生したりする。

サブキャラクター

カムール
ホルムの町の領主。騎士主人公の場合息子(娘)思いのいい親父。
過去の一件からパリスに恨まれている。
騎士男の後に騎士女で始めるとギャグキャラと化す。

ピンガー
貿易商「ピンガー商会」を営む小太りの中年男性。
盗賊主人公(とパリス)は彼のもとで働いている。
商会はそれなりの規模であり彼自身高い商才を持つ。
目的の為ならどんな汚い手段も問わない強欲な商人。豚。

デネロス
町で薬屋を営んでいる賢者。
賢者主人公の師匠。
老いてなおその魔力と知識は健在である。

バルムスム
いかつい顔をした隣国のシーウァ帝国の神官。
遺跡調査の協力を申し出るも、テオルにより妨害されてしまう。
一度は引き下がるも…
ある理由で神官主人公に注目している。

テオル
ネス大国国王の息子。顔の十字傷と美髯が特徴。
遺跡探索、及びホルムの町支援のため協力を申し出る。
一人称が(おれ)であり、口調や振る舞いも存大なもので傍若無人な性格。
一方で知略や剣術には長けており、古代知識も持ち合わせているなど高い才能も併せ持つ。

黄金猫
猫の獣人(?)で遺跡内で商売をしている。

できそこない
みんなのアイドル。
●ているよ

混沌の獣
二体並んで出てくるとこわい。

夜種王
各ダンジョンに出没するやりたい放題な方。
彼なしでRuinaは語れない。


周回してなんぼのこの作品だが、上記の通り経験値の取得方法が特殊なので周回プレイする度に経験値稼ぎをする必要がない。素晴らしい。
また仲間達のドーピングは引き継ぐことができるので、周回すればするほど戦闘面は楽になっていく。

探索中に入手できる本を読まなければシナリオの肝である背景などは全く分からず、
読んでもラバン・シーフォンの過去、神官・賢者のダンジョンなどなど曖昧、難解なところが多々あるので、
ある程度脳内補完ができない人にはあまりオススメはしない。
しかしよく練り込まれている作品なので普通のRPGに飽きてきたら一度プレイしてみることをオススメする。

2018年3月8日に小説版がKADOKAWAより発売。
騎士の嫡子(女性)が主人公でありテレージャも主に活躍する。


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最終更新:2022年09月15日 21:26