呉キリカ

登録日:2011/09/14 Wed 21:16:51
更新日:2020/10/08 Thu 22:30:00
所要時間:約 7 分で読めます




(くれ) キリカとは、『魔法少女まどか☆マギカ』の公式スピンアウト作品『魔法少女おりこ☆マギカ』の登場人物。


※『魔法少女おりこ☆マギカ』は現在、本編が全2巻、別の舞台での活躍を描いた別編全1巻、
本編の補完を目的とした新約「魔法少女おりこ☆マギカ~sadness prayer~」全4巻が出ています。
本編はゆまや杏子の視点から事件が描かれてるけど、別編と新約では織莉子たちの視点で話が繰り広げられています。
本編では語られなかったキャラの掘り下げが楽しめるかも?
さらにスマートフォンゲームマギアレコードでも織莉子キリカゆまの三人が活躍中!

概要

些細な事で一喜一憂し、表情がころころ変わる見ていて楽しい少女。
本来は直情的だが心優しい一面がある。

甘いもの大好きで買い食い大好き。

短めの黒髪に、学校の終わった私服時のみ髪飾りの細いピンをさす。
髪色に合わせて変身後の衣装も黒をベースとした色使いとなっているが、普段の服装では桃色を基調とした明るい色の服を身に着けていることが多い。

胸が大きくスタイルが良い。若干足が太いが、むちむちしているところも彼女の良さである。


まどかたちと同じく見滝原中学校に通っている。

マミと同学年の三年生。


とはいえ、作中では彼女がまどマギに出てくる見滝原のキャラや魔法少女たちとは関わることなく話が進んでいくのだが…………










貴女が、魔法少女狩りの犯人……

うんっ♪




キリカが人混みの中で“ある人からもらった”大事なキーホルダーをなくしてしまったところ、マミが偶然それを見つけて拾ってあげる。
その独特で大げさな言動や態度にマミは違和感を覚えつつも、キリカの『恩人にお礼がしたい』という強い申し出に、繁華街へとついていくことになる。

マミはクレープをおごってもらうのだが、マミの些細な一言からそれまでご機嫌だったキリカの様子は豹変。その矢先突如としてキリカは魔女結界へと呑まれてしまう。
それを助けようとしたマミの前に、キリカが変身して魔女を裂き、立ちはだかる。

キリカはマミと出会った時から彼女の“君主”である織莉子を通してその素性を知り、命を狙っていたのだ。


キリカの正体は、
「魔法少女おりこ☆マギカ」における時間軸の中で見滝原周辺都市の魔法少女を賑わせていた事件、「魔法少女狩り」の犯人だったのである。


魔法少女として

  • 変身後の容姿
黒いジャケットの中は襟付きのシャツにネクタイが覗き、下はタイトのミニスカートという、シンプルめのフリルのついた可愛くもスタイリッシュなスーツのような衣装。
さらに右目側に眼帯をつけており、他の魔法少女の衣装とはかなりイメージは異なる。
目は両目とも健康であり、視界が奪われるのは戦闘に不利ではないかと思われるが、
後述する過去や自分の臆病さのような「目を背けたいもの」があったからではないかとも考察されている。

スカートの中はスパッツがあるので、跳んだり跳ねたり蹴り上げたりのポーズでも気にせず読者に見せつけている。結構くっきりと形が見えてエロい。
ふわふわの長い袖の中は白手袋。抜群のスタイルと相まって、少女というより衣装は大人っぽく見える。
新約の回想によると、本人がもろ魔法少女的な女児向けの可憐可憐したイメージを呆れて嫌がっていたところはあった様子。小巻もそういうの嫌がってたしね

ソウルジェムは青紫で、付いている位置は背腰部。
変身時には髪飾りがなくなる。

  • 戦闘能力
武器は長い袖の中から魔力で形作られる、複数の大きな鈎爪。敵に向かって投擲すれば中~遠距離攻撃にも使える。
小巻からは「ぺらぺら」と称され、確かに一撃の威力は高くはないのだが、
連結して鞭のように振り回したり、一点に向けて突き刺す、もしくは結界内に巡らせるように張ることで強力な必殺技になる。
魔女や魔法少女に追い込まれた際にも、(違う世界で)二度もその応用を編み出したことによって打破している。

能力は『速度低下』。
周囲に相手の速度を遅くする結界を張ることで、自分の速度を補い、相手にはあたかも自分が高速移動しているかのように見えるというもの。

どちらかに使う魔力を調節すれば、一方を強化することもできる。
両方強化することは、集中力の関係か難しいらしい。


彼女自身の戦闘能力については、あくまで新人程度。
「魔法少女狩り」で犯人として動いていた時には、相手も新人が多く、魔法少女の真実を利用した奇襲などで追い込むことが多かったようだ。
速度低下を使った状態でも、奇襲なしで1対1の勝負に持ち込まれると有利に戦えることは少ない。






以下ネタバレ含みます






人物像

何もかも興味がないなんてウソだ
みんなを見下したフリして妬んでるんだ
……私なんかのことを気に留めてくれる人なんて、いない


実は、本編中で見られるキリカの性格は本来の彼女のものではない。


契約する前のキリカは人と関わることを苦手とする消極的な人物だった。
元はといえば、そんな自分を変えるために契約したのが魔法少女になったきっかけだった。

彼女が魔法少女になる前から、偶然立ち寄ったコンビニで小銭を落としたところを織莉子に助けられたことがあった。
その時キリカはお礼も言えず、その後も街中で見かけることがあるたびにずっとお礼を言いたいと思っていた。

しかし、キリカは結局声をかけることが出来ずに無理だと諦めてしまった。
そんなキリカの元にキュゥべえがやってきて契約を結んだのだった。




…ならばそれが原因で『壊れた』ような性格になったのかというと、新約と別編では『壊れていない』状態で登場しており、
本編より以前の、契約してから織莉子と関わる前の出来事、織莉子と出会い魔法少女狩りをはじめるに至った経緯などが説明されている。





以下、本編以外(新約や別編など)のネタバレ含みます






  • 経緯について
「違う自分になりたい」


その願いをキュゥべえに告げると、確かに彼女の願い事は叶った。
しかし、この願いのせいで、魔法少女になったキリカは自分の願いなどどうでもよくなるほどの重大な不安を背負っていた。

願いが叶った証拠に、キリカの記憶からは「変わる前の自分」の記憶が抜けていた。
契約する前に自分がどう振舞っていたのかを覚えていない。
何故そんなことを願ったのかすらわからない。

これから先に何をしたらいいのか、その決意もわからないままに魔法少女としての「命懸けの戦い」の使命を背負うことになってしまう。
キュゥべえに詰め寄ってみるが、どうにもならなかった。

そんな時ついに不満が爆発し、魔女を追ってたどり着いた結界で見かけた魔法少女にその鬱憤をぶつけてしまう。
キリカ自身憂さ晴らし以上の感情はなく、殺し合いにまで発展するとは思っていなかったのだが、
途中から相手の機転により一方的に嬲り殺しにされる状況に追い込まれ、キリカは焦る。
キリカはなんとかその場から脱しようとするものの、策略に嵌まり隙を狙い込まれて致命傷を負わされて完敗してしまう。

キリカは肋骨と内臓を砕かれて床に崩れ、命を諦めかける。
そんなキリカに近づくと、魔法少女は「美国織莉子」と自身の名を名乗り、キリカに自分の駒になるよう命令する。

そして、「魔法少女の真実」を教えると言った。




その後、怪我は魔法によって無事に治り、
織莉子から「魂が身体から切り離されているからソウルジェムさえ壊れなければ死なない」ことや、
「ソウルジェムが濁り切れば魔女になる」ことを聞くのだが、キリカは織莉子の事を信用していなかった。
それどころか、キリカは一方的に指図する織莉子の態度に更に不満が募っていた。

織莉子の駒になったキリカは「他の魔法少女にも喧嘩を売ること」と「織莉子のためにグリーフシードを稼ぐこと」を命令される。
何かしらの理由と目的があることはわかるのだが、それを聞いても「貴女は知らなくていいの」と教えてくれることはなかった。
騙されているんじゃないかとも考えながらも、キリカは渋々その命令に従い、魔女結界に乗り込む。
しかし、そこにはすでに先客の魔法少女がいた。

「ちょっと脅かして、ついでにグリーフシードを譲ってもらおう」
キリカはそう考え、最初のうちは手加減していたのだが決着がつかず、活路が見いだせずに大技で小巻の動きを封じようとする。
その時、結界に乱入してきた一般人に攻撃を当ててしまったのが運の尽き。
小巻は友達を殺されたことで激昂。キリカは自分の置かれている状況にパニックになり、向かってくる小巻に目をつむって慌てて手を突きだす。

その刃は偶然小巻の頭部に当たり、キリカはこの場で二人を殺害してしまった。

実は小巻は魔法少女であるため即死したわけではないのだが、「魔法少女の真実」も半信半疑だったキリカは、
目の前で二人が血塗れに倒れている光景に殺してしまったと思い、その場を放置して織莉子の家まで逃亡してしまう。

「不満やストレスから魔法少女に喧嘩を売っていた」、
「精一杯の威嚇として『死ね』『殺す』などと物騒な言葉を投げかけてみたこともある」とはいえ、根は優しい少女。
(脅しにしても普段そこまで口の悪い言葉を使っている場面はまず作中にない。織莉子の証言のみにあるため、織莉子がよほど恨まれてただけという可能性も高い)
この件でその精神が罪悪感という「絶望」に蝕まれるには十分であった。


更に運の悪いことに、キリカの殺した魔法少女は織莉子とも浅からぬ関わりを持つ人であった。


キリカは罪に耐え切れずに自分の殺した人の幻覚を見るほどふさぎ込み、更に自分の殺した人が織莉子の友達だと知ると錯乱して許しと助けを請う。

それから織莉子の“激励”により元気を取り戻し、罪悪感を封じるために、「魔法少女を襲う命令をした非情な君主である織莉子」に絶対の忠誠と“愛”を誓うことになる。
つまるところ、弱みにつけこまれた洗脳である。キリカはそんな悪魔の言葉に縋り、織莉子を常に肯定して思い通りに動く駒となってしまった。

……その後、頭に致命傷を食らったまま工業地帯の隅で放置されていた小巻は、その精神力で再び意識を取戻し、「黒い魔法少女」とだけキュゥべえに証言を残して息絶えた。
キリカは魔法少女だけを狙って殺すと宣言し、これから「魔法少女狩り」は激化することになる。
「人殺しも出来る」織莉子の忠実な駒となったキリカには、ついにその目的も教えられた。



キミは本当の愛というのを知っているの?



マミが感じたおかしい言動や、「この子、壊れてる…!」と評された価値観の崩壊は、上述の事件を発端とする。


このとおり、キリカの言う織莉子への愛というのは、
「自分のため」の現実逃避考えることを放棄した自殺(=織莉子に死ぬまで尽くして積極的に使い潰される)に限りなく近いものが本質である。
これを考慮すると本当の意味で「愛」が重いとは言い難い。

更に、織莉子だけを称賛し、他のものはくだらなくて価値がないと見下している、非常に偏った価値観に変わってしまった。
契約して明るさを取り戻したはずだったが、こうなってしまってからは明るい性格とは言い難い。

まどマギにもあったちょっとした魔法少女同士の抗争から、取り返しのつかない事故が起こってしまうという事態がついに描かれたのである。
とはいえさやかと杏子の間には圧倒的な実力差があったのだが、キリカの場合はどちらも新人でほぼ互角であったのも、戦いが激化して予期せぬ事態を起こした原因だった。

別に本来は変な人でも変わった人でも子供のような人でもない、至って普通の女の子であった。
自分の現状への不満から他人に八つ当たりしてしまったことを考えても、
実態は良くも悪くも年相応程度の精神の持ち主であり、ことごとく運の悪い方向に進んでしまった人だったとしか言いようがない。


……とはいえ、例の事件以降も当初は人格の崩壊は、
織莉子のことが話題に出れば「気味が悪い」と感じられるような陶酔した言動を示すもの、常に態度がおかしいほどではなかった。

織莉子がゆまに対してとった衝動的な行動をキリカが批判し、「非情」なだけでない織莉子という人間そのものに目を向けようとした際、ひどく怒ったため、
「君が望むならすべて殺すよ」「君のために(変わろう)壊れよう」 、と
罪悪感だけでなくキリカは更に自分を捨て、理性を捨て、急激に人として壊れてしまった。

自分に暴力と暴言まで吐いた織莉子に、キリカはあろうことかお礼を言い、「素敵だ」とすら言った。
悲しくも、キリカにとっては一つの拠り所、既に現実を見れば絶望しきっている醜い自分を壊しきってくれる存在が欲しいだけなのである。


ちなみに、こう見えて演技や取り繕うことは得意だったりする一面もある……
というか、自我が壊れたからこその本来の感情を抑え込める部分が、少なくとも途中までは残っていたことが確認されている。
が、本編のマミとの会話を見るにその頃にはまた輪をかけて手遅れになっていたように見える。
本来キリカは隠し事は苦手である。


  • 契約してからのキリカ
契約してから人と関わることへの恐怖心も忘れ、いくらか明るくなったキリカは、実は本来の目的だった学校生活もそこそこ楽しめていたらしい。
新約や別編ではクラスメイトたちとも仲良くしていたことが描かれている。


……しかし、壊れてからはこれも表面的なものになってしまった。
織莉子以外どうでもいいと適当に普通に見える演技をしながら周囲と付き合い、契約前以上に周囲を見下し、自分の世界を再び暗く閉ざしてしまった。
おりマギ本編以外の時間軸では、織莉子と出会わなかったか、出会ってしまっても壊れることなく過ごしたキリカもいるとは思うが、悲しいものである。


喜怒哀楽がはっきりとしていて隠し事は苦手ストレスに弱い面もあるが、基本的には素直で優しい少女である。

別編では幼少期から友人が万引きしているのを見て止めさせようと説得していたり、
他者の犠牲を顧みない行動をとる魔法少女を「ドクズ」と罵って怒ったことからも、正義感が強く潔癖なところがあることもうかがえる。
もしかしたら、使い魔を放置して一般人を食わせてグリーフシードを稼ごうとする杏子のやり方を見たら、さやかのように怒るかもしれない。

また、肝心なところで積極的に出られないところや、臆病なところは契約前から変わらない部分がある。押しの弱い一面もあるようだ。

別編では契約後も織莉子に声をかけられずに苦悩していたり、自分がお嬢様じゃないからと織莉子と出歩くのを遠慮するなどの消極的な姿、
強く言われたゆまが泣きそうになった時には慌てる姿も見られた。
新約でも、当時良い感情のなかった織莉子を不審者に誘拐されそうになっていると勘違いして助け、蹴り倒した相手が織莉子の親戚の偉い政治家だったと知った時には態度を一変させ、捕まるんじゃないかと焦って慌てるなどのヘタレっぷりを発揮していた。
そんな人がこの後殺人なんて犯したものだからもう・・・

前述したとおり、学校内でまどマギでおなじみのキャラクターたちと関わっている描写はないのだが、
まどかとは手芸部の部活動で知り合っているのではないかという考えも一部で存在する。

また、本人達が覚えていないだけで以前にキリカとまどかさやか達が学校ですれ違ったりしていた可能性はある。


  • 魔法少女になる前のキリカ
別編にてキリカが契約する前、心を閉ざすようになったきっかけが語られた。

小学生時代、キリカには名前が似ているという些細な理由から仲良くなった親友がいた。
しかし、転校の直前に彼女が万引きしているところを目撃する。
キリカは注意しようとするのだが、彼女は逃げてしまい、逆に店の人からはキリカが犯人だと疑われてしまう。
それから彼女とは話すことなく、わだかまりを残したまま離れることになってしまった。

信じていた友達からの突然の裏切りに、キリカは人を信じることが出来なくなってしまった。
それから中学へ上がり、三年生になって契約する前まで誰も信じられず、誰とも打ち解けられずに過ごしていた。


別編

本編とはつながりはないものの、「契約直後、織莉子と出会う前のキリカ」が描かれており、平和な世界で過ごす彼女を見ることができる。
本来のものとは設定がいくらか違って織莉子のことを覚えており、依存する経緯がないもののはじめから好感度は高くなっている。
もろもろの悩みや織莉子との物騒な関係が設定にないため、この話では織莉子に八つ当たりすることもなくそこそこヒーローしてた。
同じ『壊れていないキリカ』でも新約と比べると記憶があるため不安定さはなく、性格自体は大して変わっていないように見える。少し明るくなった程度。

契約後も織莉子に話しかけられずに悩んでいたキリカが、幼少期に裏切られた親友と偶然再会し、過去を乗り越えて精神的に成長する話。
キリカはひどく動揺してしまうが、魔女にとらわれたえりかを助け、悩みながらも和解を果たし、
その後自分たちの命を狙う魔法少女を返り討ちにしてワルプルギスの夜討伐を目指す織莉子とともに戦いに挑んでいる。


マギアレコード

「魔法少女狩りの黒い魔法少女」として活動しており、新約とほぼ同様(小巻などの登場人物は一部省かれた)の経緯が織莉子のストーリーのほうで説明されており、
途中でマミとの戦闘後に織莉子の命令で単身神浜市の調査を行う。
ほのぼのと交流を深める他の魔法少女たちとは離れた位置にいるため、原作同様織莉子以外との絡みはなくやはり魔法少女たちの脅威とみなされる。
ゲーム内の必殺技は別編・新約に登場した「ヴァンパイアファング」。
キリカの魔法である速度低下はなく、代わりになぜか敵の攻撃を引きつけるスキルを持っている。


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最終更新:2020年10月08日 22:30