俺の屍を越えてゆけ

登録日 :2010/06/11(金) 09:55:57
更新日 : 2017/02/06 Mon 21:21:18
所要時間 :約 8 分で読めます




積まれ、重なる の上に立つ一族よ
流した の川に立つ一族よ
に閉ざされし明日
――歪められた刻に足 く一族よ――

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我らの敵は
安寧の が欲しくば
ともに朱点を ぼさん――



概要

俺の屍を超えてゆけはアルファ・システムが開発したプレイステーション用RPG。
世代交代 をテーマとしたゲームで、その世界観や独自のシステムで発売から10年以上経った今でも人気が高い。

ゲームアーカイブスとしてPS版が販売されている。
また、クリア後裏ボスや「継承刀」という剣士専用装備などの新要素に加えて全体的なゲームバランスを調整したPSP版も2011年に発売された。


【あらすじ】
時は平安、舞台は京の都。
朱点童子を頭目とする鬼の襲撃により、京の都は衰退の一途を辿っていた、
名だたる武士が討伐に向かうが、ひとりとして帰ってくるものはいない。
誰もが朱点打倒を願うなか、朱点童子の居城、朱点閣にたどりついた一組の男女がいた。
そのふたりの名は、源太とお輪。
朱点童子に戦いを挑んだふたりだが、源太は朱点の卑劣な罠の前に倒れ、お輪は人質に取られた子供の命と引き換えに囚われの身となってしまう。
このとき、 種絶の呪い短命の呪い を子供に刻んで解放した朱点童子は、その子供の子孫に自らの存在が脅かされることになると知る術はなかった……
(「俺の屍を越えてゆけ 新説・公式指南書」より引用)

大筋は大体こんな感じだが、正直このゲーム、ストーリーらしいストーリーはあまりない。
もちろん本筋の物語は存在する。
だが、あらすじにも登場した 短命の呪い によって操作キャラクターがわずか2年で死に至り、今度は生前に残しておいたその子どもを主力として物語を進めていくという仕様なため、 特定のキャラを主役に据えるストーリーと比べると主人公サイドのストーリー上でのキャラ立ちがとてつもなく薄くなっている

しかし、 それが逆に功を奏して

「朱点童子倒した時のうちの当主モヒカンだったwww」
「うわあああ子どもが死んだああああ! 親が反魂して生き返ったけど親死んだし…、あのボス絶対許さねぇ! 子どもの代で倒してやる!」
「偶然かもだけどうちの拳法の家系みんな面食いwww剣士の家系は気づけばケモノとの交神率たっけぇwww」

という風に、 プレイヤーそれぞれの一族史が楽しめるようになっている。

一族を取り巻く世界観や登場人物も独特の味を出しており、特にすべての発端となった事件の真相や一族を助けた神々の思惑については京都周辺に存在する各迷宮のボスと戦ううちに何となく察せる程度に仄めかされている。
このような想像の余地を残したシナリオ展開と「自分だけの一族史を作る」という側面からダビスタゲーとして楽しむだけでなく「物語の背景を想像して」楽しむプレイヤーもかなり多い。

本作では何をするにも「ひと月」という時間が流れる。
ゲーム内でタイムリミットなどは設けられていないが、プレイヤーの写し身である一族は何かを為すごとに確実にその命を燃やしてゆく。

如何に一族の血を繋ぎ、強くしていくか。
これがこのゲームの醍醐味である。


システム

このゲームの攻略サイクルは
討伐で奉納点を貯める→神様と交神→より強い敵を倒し、より多くの奉納点を稼ぐ→より強い神様t(ry
…と、大体この繰り返し。
俺屍が合わないという人の大半は「こんな単純作業UZEEEEE」となってしまう人が多いように思われる。
良くも悪くも人を選ぶゲームなのだ。


◆討伐
一度の討伐に連れてゆける一族は最大4人。
各地に点在する迷宮に赴き、他のRPGで言うところの経験値である戦勝点と神様と子どもを残す際に消費する奉納点を稼ぐことが目的。
迷宮内にはシンボルエンカウントの敵が存在する。敵を倒すと戦勝点とそれと同値の奉納点が手に入る。

画面の端に炎の輪があり、迷宮での時間経過と共に少しずつ炎が消えてゆく。
すべての炎が消えると「一か月経過した」ということになり、強制的に「屋敷へ帰還する」か「討伐を続ける」か選択する画面へ移行する。
討伐を続けた場合は次の一カ月に突入し、出撃隊のキャラクターの健康度が減少する。この時の減り幅はそのキャラクターの年齢などに左右されるようである。

最奥地にはボスが存在し、戦うタイミングや回数によって一族に対して掛ける言葉が変わってゆくこともある。
中には一族が呪いを掛けられる原因となったとある一件について、真相の一部を語るボスもいる。


◆戦闘システム概要
本作はターン制のバトルシステム。
だがターンが回ってくる回数は各キャラクターの敏捷値に依存しており、敏捷が高ければより多く行動することが出来る。他ゲーで例えればFF10が近いシステムを取っているか。
当主または隊長以外のキャラクターの戦闘行動は、そのキャラクターが提案する3つの行動の候補から選ばなければならない。(候補は心のステータスに依存し、変化する。)提案を無視し命令通りに操ることも出来るがやり過ぎると忠誠心が下がりスネて家出とかしちゃうので、なるべくキャラクターの意向にそってあげよう。

所謂魔法だが、本作の特徴として「合わせ」と「重ね掛け」がある。
合わせは攻撃系の術で使え、他のキャラクターと同じ術を使用することで通常よりも強力な術にすること。
重ね掛けは主にステータスの増減に関わる術に使え、簡単に言えばDQのスクルト重ね掛けと一緒。だが、俺屍の場合は攻撃力、防御力、敏捷、回避力等ほぼ全てのステータスの重ね掛けが有効なので、戦闘においては欠かせない要素である。

  • ステータス
心技体の3つそれぞれに地水火風の4つに分化した12個のステータス、それとは別に体力、技力、攻撃力、防御力、素早さのステータス(どれも12個のステータスのいずれかに依存している。)。健康度と呼ばれるステータスもある。

■心
キャラクターの忠誠心の変化や、戦闘で提案してくる選択肢の傾向に影響する。
この他、奥義や術の習得にも影響する。

■技
術関連に影響する。
習得にも関係しており、朱の指輪(忠誠心が下がるが技ステータスが上昇する)を装備して無理矢理術を習得する荒技も存在する。
寿命に影響されず、年を取る程成長時の伸びが良くなる

■体
体力、攻撃力、防御力、敏捷等に関わるステータス。寿命が近づくと減少していく。

■健康度
今作の肝と言えるほどのステータス。キャラクターの命と直結していて討伐中に走ったり、奥義を出したり、戦闘不能になると減少する。特に大ダメージを受け戦闘不能になるとその場では復活するが帰還すると高確率で死ぬ。寿命が近づくと減少する。


◆交神
本作の肝。
主人公となる一族は短命の呪いで2年で寿命を迎える上に種絶の呪いによって同じ人間と子を残せない。
そこで、神様と子どもを作って子孫を残すことになる。
強い神様と交わればより強い子どもが生まれる。
ただし、強い神様と交神するにはより多くの奉納点を必要とする。
遺伝には各種ステータスの初期値や成長率、成長時期など様々な情報が細かく決められているのに加えて、隔世遺伝などの不確定要素も絡む。
そのため、最強のキャラクターを作り出すにはそれなりの知識と経験が必要となる。

なお、遺伝の按配によって初期値が低い未熟児やたまたま両親の強い遺伝子が才能として発現した天才児、文字通りの双子(一卵性or二卵性)等も産まれてくる。
このうち双子の誕生にはある計算式が存在する。
産まれてくる子の性別もそれとは別種の計算式で求めることができる。そのため、難度の高いモードでプレイする人には次に産まれてくる子の性別を意図的に調整し男と女を産み分ける人もいる。

ちなみに「子どもを作る」行為ではあるがエロ描写は一切ない。
そっち目的の奴は想像しろ。


◆職業
生まれた時に決める。生涯変えることが出来ない。どの職業もキャラクターがある程度強くなると強力な奥義を習得する。奥義は子孫に受け継がせることが出来る。継承出来なくても自力で覚えることは可能。初期職業以外は指南書をダンジョンで入手しなければならない。

■剣士
初代当主の男の職業。
攻撃力、防御力に優れ、装備出来る防具も多い。反面、単体に、しかも前衛でしか攻撃出来ない。奥義は並。リメイク版では強力な効果が付けられる形見刀の登場でゲーム後半では主力になる。刀を育てればの話だが。

■薙刀士
初代当主の子の職業。
前衛の敵一列に攻撃出来る序盤に必須な職業。
女専用の武器が多い。防御力は低め。
シナリオ上重要なとあるボス(複数体存在する)へのダメージが2倍になる武器をもつのはこの職業のみ。

■弓使い
前衛と後衛のどの敵にも攻撃出来る。
攻撃力が高く、防御力が低い。奥義は攻撃力だけで見れば最も強力。
その為ボス戦では弓使いの奥義に頼る場面が多く、大幅な健康度消費により短命になりがち。
リメイク版で奥義が弱体化したが、奥義を憶えるのが全職業最速になった。

■槍使い
攻防共に優れ、前列なら敵を貫通し後列にも攻撃出来る。
奥義は微妙なものが多かったが、リメイク版で強化された。

■拳法家
攻撃も防御も並だが一定確率で連続攻撃が出来、回避率と会心率も高い。
全職業中最も素早い。リメイク版で紙装甲に。
だが、素早さが要なこのゲームにおいて「全職業中最速」というのは中々に魅力的な特徴であることと、奥義である「金剛変」でのステータスアップからパーティ全員が「白鏡」という味方の能力を写し取る術を使うという組み合わせでお手軽超強化が望めるため、割と使いやすい職業のひとつ。

■壊し屋
全職業中最も攻撃力、防御力が高い。
反面命中率が低く、素早さも最低な上に術も弱い。
リメイク版では奥義「脳潰し」がボスすら眠らせる鬼畜性能になったが、2回連続攻撃ができる鬼畜武器「天ノ羽槌」が大幅に弱体化された。

■大筒士
単発銃と散弾銃の2種類の武器がある。単発銃は弓とほぼ同じ性能。
散弾銃は攻撃力は低いが後列なら敵前列に攻撃出来、前列なら全ての敵に攻撃出来る強い職業。
反面、防御力は最低で装備出来る防具も少ない。職の性質上複数の武器を持ち歩く場合が多く、携帯袋を圧迫するほか装備を盗まれる危険性もある。

■踊り屋
攻撃力は最低だが、後列、前列に攻撃出来る。
回避率が高く、素早さも高い。装備出来る防具も多い。
術の威力が高く、習得も早い。男がこの職業になるとキモい。主に歩き方とか歩き方とか。
リメイク版では併せの強化により、術主体のパーティには欠かせない存在となった。奥義「花吹雪」も技の値を上げる術である「太照天」を重ねた後に使うととんでもない威力を誇ったり。


…と、様々な職があるが、どれも得手不得手がある為に家族で弱点を補い合う必要がある。
特に大筒士は拳法家や踊り屋ほどの回避率に恵まれていないため、前列の守りがないと即死しかねない脆さがある。



リメイク版

PSPでリメイク版が発売された。
おおまかに以下の変更点がある
  • グラフィック、操作性、UIの向上
  • 奥義や術、武器、併せなどの威力や効果の修正
  • 奥義の併せが可能に
  • オリジナル武器の製作
  • 結魂による通信プレイ
その他にも序盤から有寿の宝鏡などが販売されていてダンジョン攻略は楽になった。
が、回避率を上げる術である陽炎の弱体化を筆頭に戦闘の難易度は上がっている。まあPS版は「陽炎ゲー」とか言われてたししょうがない。


なお、このゲームの主題歌である は短命と言う宿命を背負った一族の必死に生きる健気さと短く儚い命を「花」に喩えた、力強くも切ない神曲。
作詞・作曲・歌は全てピアニストの樹原涼子。
元々はゲームの曲として売り出す予定ではなかったが、たまたまこの歌を聞いた製作者がその歌詞に惚れ込み主題歌として使いたいとオファーしたという逸話がある。



以下縛りプレイ、やり込みの例

  • 初代当主で鬼朱点撃破
プレイしたことがあるならば、このやり込みのハードルの高さがお分かりいただけるであろう

  • 昼子越え
最強の神である太照天昼子を越える氏神を作り出すこと。交神のシステムを理解していないと難しいが案外簡単。

  • どっぷりモードクリア
最高難易度どっぷりモードをクリア。どっぷりモードですら鬼畜な難易度にも関わらずこれに時間制限を付ける縛りプレイをする猛者も存在する

  • 最強氏神作り
すべてのステータスが最高値の氏神を作る。
遺伝子バーが振り切れている神様と交神を重ねれば…と思われがちだが、じつは「遺伝バーが振り切れている=最強の遺伝子を持つ」というわけではないので、やり遂げるには神様の遺伝データと運と根気が必要。

  • 剣士縛り
通常プレイだといらない子扱いされやすい剣士のみで攻略するというもの。
過酷な面もあるが、その一方で祖父(祖母)、親、子での奥義併せがやり易かったり子が死んだときの衝撃が何倍にもなったりとドラマが生まれやすい。
カウンター奥義である「燕返し」が光る。

岸部一徳出演のCMは神がかっている



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追記・修正を遂げる日まで
安らかに眠るなかれ


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