黄川人(俺屍)

登録日:2010/06/10(木) 04:39:48
更新日:2024/04/20 Sat 08:42:01
所要時間:約 3 分で読めます




こんちは。は、じ、め、ま、し、てッと!
ボクの名は“黄川人”
君たち一族を助けるように神様から言われてね で、ボクはやってきたってわけ


PlayStationで発売されたRPG俺の屍を越えてゆけの登場人物。
黄川人と書いて「きつと」と読む。
赤毛で左目付近にある緑の刺青のような模様が特徴の美少年。陽気な性格だが皮肉屋で言動から腹黒さがうかがえる。


■人物概要

物語の序盤から鬼討伐に赴く主人公一族の前に現れ、天界の使いっ走りと自称するアドバイザー。実体はなく霊体。
最序盤ではダンジョンでの立ち回りや戦闘の注意をしてくれるが、一族が経験をこなしてくると出向先のダンジョンにまつわる逸話などを教えてくれるようになる。
もっとも皮肉たっぷりで茶化した語り口なのでその全貌はようとして見えにくいのだが……。

朱点童子が根城とする大江山に向かう時だけはお茶らけたいつもの雰囲気は無くなり、マジモード。
彼もまた朱点の呪いによって今の霊体だけの姿になったことを教えてくれ、主人公一族が朱点を倒せば一緒に戦え……ん?戦う相手がもういないぞ?
そんな早とちりもしてしまうが、成長した一族は黄川人と約束を交わすことになる。

朱点を倒し、肉体が元に戻れば家に招待すること。
そこは小さな川や山があるささやかな庭で、一族と一緒に自身の確かな二本の脚で散策したいということ。

その約束は、朱点を倒してから確かに果たされることになる。






以下ネタバレ








昔、ここに小さいけど都があったんだ
ある日悪い奴らが来て、火をつけて燃えちゃったけどね……

父さんは女に化けた奴に後ろから斬られた
母さんは自分から身を差し出したんだ ボクと姉さんを助けるためにね
奴らは母さんを好きにした後で、ボクに呪いをかけた…ボクの力を封印するためにね
アハハハ……ひどい話だろ?

だから!同じお返しをしたくらいじゃゼンゼンたりない!!




正体は主人公一族に呪いをかけた 朱点童子
大江山を根城とする大鬼の朱点童子を倒すと、その身体の中からストリップショーをしながら現れる。
当然 全裸で。

そして遠く哀しみに満ちた目で上述の身の上話をする。

怒りに満ち満ちた復讐宣言を行い、復讐劇の本番の幕が開かれたことを告げる。

……ここからが、黄川人の宣言通り俺屍というゲームの本番開始である。



■生い立ち

母は女神の片羽ノお業。父は人間。つまり神と人間のハーフである。
神と人間の間に誕生した子供は稀に両親よりもはるかに高い力を持つことがあり、これこそを 朱点童子 と呼ぶ。
黄川人と彼の姉は両者共に 朱点童子 であり、人界と天界の二つを巻き込む大きな火種となった。

二人が生まれた頃の天界は、人と積極的に関わろうとする革新派と、関わりを持たないようにする保守派の勢力に二分していた。
革新派は姉弟を人間界の指導者として祭り上げて大江山に都を築き、保守派は時の帝を利用し姉弟の討伐を目論む。

戦いが繰り広げられた大江山で父、姉が死亡。母は子供を庇い人間に捕まる。
この時黄川人はまだ乳呑み児であったがどうにか逃げ延び、当時は普通の人間だった九尾吊りお紺に拾われた。
拾ってくれた礼からか黄川人はお紺に富をもたらすのだが、これがかえって金の業を呼び家族は破綻。絶望したお紺は黄川人と心中する道を選ぶ。
それでも二人の女神の計らいで生き延び、忘我流水道に流されそこで隠居生活を送っていた氷ノ皇子に拾われることになる。

父親替わりである皇子の人柄のおかげか、黄川人はまだこの段階では大人しくしていた。
彼の狂気の最後の一押しをしたのは、これらの 朱点 にまつわる神と人との因業からまったく関係のなかった敦賀ノ真名姫との出会いだった。
人の欲に翻弄され、膿が沸き傷だらけの身体で打ち捨てられた真名姫を介抱し、そして彼女の死を看取った黄川人の中で溜まっていた何かが遂に爆発し、赤子を復讐の鬼へ変貌させた。

天界は多くの神々の犠牲を払いながらも黄川人を頑丈なだけが取り柄の赤鬼の中に封印することに成功。
だが身体を封印してもなお鬼朱点の行動を操ったり、霊体だけで黄川人は行動できたため京は相変わらず鬼どもに荒らされていたという次第である。

そして一組の夫婦がこの鬼朱点を討たんと大江山を登ったことで、本編のストーリーに続く。



■戦闘関連

封印を解いた後は黄川人のお家の鍵となる彼の七本の髪の毛を集めることになる。
髪の毛は一本一本が各ダンジョンの最奥部にあるため、ボスを倒してからでなければ入手できない。

……さて「戦闘関連」という項目で髪の毛の話題をしていることからお察しするかもしれないが、 髪とは名ばかりでその姿と力は大蛇や龍である。
本体である黄川人との戦いでは最後の八本目である八ツ髪が現れるため、八本の髪の化け物込みで黄川人という 朱点童子 は成立しているのである。
元ネタの酒呑童子は八岐大蛇を祖とするという話もあるため、このような設定になったのだろう。
「あの格好の悪い鬼の姿じゃボクの力は半分も出せなかったからね」とは本人談だが、髪一本でも鬼朱点より強いのでこの言葉は全く正直な話である。

ラストバトルでは先述通り、八ツ髪と共に主人公一族に襲い掛かってくる。
本体の放つ雷獅子、八ツ髪の寝太郎がとくに危険。
どちらかを倒すと戦闘終了するので、走竜の薙刀で刈り取れる八ツ髪を狙うのがベター。
ここまで来れた一族なら、それまでのザコ戦で消耗していない限りやられることはないだろう。

これに勝つと「阿羅」という名の、見るも経緯もおぞましい第二形態へと移行。
実質イベント戦で楽勝…… だった
リメイク版では文字通り鬼のような強化をされており、凄まじい火力で一族をフルボッコにしてくる。
連戦での回復も体力のみになっており、健康度も技力もそのまま。PS版と同じ気持ちでやっていると待っているのは葬式多発案件である。

見事戦闘に打ち勝ち、一族の呪いを払うと……。以下ネタバレのため白文字で記述。色反転で。
「兄弟」とすら呼んだ一族との戦いで黄川人の怒りや憎しみも払われたのか、赤子の姿に戻り片羽ノお輪に抱かれて昇天した。
リメイク版ではクリア後の交神対象として「朱星(アケボシ)ノ皇子」の名で選択可能。姉弟揃って鬼のような奉納点が必要だがな!

そして、姉を一発ブン殴りたいであろう一族に、最後の道先案内人としての役目を果たすことになる。

■関連人物

現天界トップの女神。実姉。つまり彼女が二人目の 朱点童子
本作の黒幕とも言える人物であり、自らの抹殺計画を知った黄川人は「こんなえげつないことを思いつくのはあの女だけ」と漏らすほどの暗い感情を煮えたぎらせた。
彼女自身も神々と人との因業の被害者だが、それにしたってやることがえげつなさすぎるのである種黄川人と同調できるプレイヤーは少なくなかった。
なのでリメイク版でブン殴れるようになった(弟殴り飛ばしたくらいで挑むと逆に殴り返されるが……)。
ちなみに見た目がそっくりのイツ花とは限りなく近いが別人物。

  • 片羽ノお業
実母。相翼院のセクシーキックかーちゃん。
ゲームOPで語られている通り、この人が一人の男に恋をしたことから全ては始まった、正に「業」の名にふさわしい天女。

大江山から落ち延びた黄川人を拾い育てた元は人間の女性。
黄川人はお礼にその力でお紺に様々な金運をもたらすが、それがかえって金の業を呼び彼女の周りの人としての幸運が奪われることになってしまった。
絶望したお紺は赤子の黄川人の首を絞め、その後自分も首をくくって死亡。
このことは黄川人の心に相当な傷を残したらしく「勝手に死ぬ母親なんかいらない」とコメントを残している。

  • 氷ノ皇子
育ての親。産みの親は死に、お紺は上述通り無理心中と散々な目に逢ってきた黄川人にやっと現れた、まともな保護者。
モチーフに幸福な王子が含まれており、一族が出会う頃の姿はかの童話で例えるならば鉛の心臓。
天界最強クラスの実力を備え、容姿端麗で慈愛深い性格の完璧超神。施しの神であり、人々に自らの熱き血肉を与えることで力を分けていた。
赤子の黄川人を保護したまではいいが、乳をねだる彼に男神である皇子はやろうにもやる乳がない。
困り果てた彼は乳のかわりに自らのを赤子に与えてやると、呑むわ呑むわ遂には皇子の身体は氷のように冷たくなっていた。
こうして文字通り身を削り、術や歌などを教えて育てた黄川人= 朱点 を皇子は我が子のように想っており、彼の凶行を止めるでもなく忘我流水道で隠居生活を送っている次第である。

友人。小麦色の肌が艶っぽい人魚のねーちゃん。
最終形態で使う術に真名姫があることや「きっと君たちとは友達になれる」と称して紹介するなど、袂を分かってからも思う所があった様子。
真名姫側も基本的に黄川人の味方であるスタンスだったが、最終的に一族に味方するであろうことを黄川人も分かっていたのだろう。
ちなみに本人申告の話から考えると、野良犬の群れに放り込まれてそれでも死ぬに死ねず川に流され漂流した所を黄川人に拾われるという壮絶すぎる出会いをしている。

■語録

それと、仲間の健康度にも気を配れよ。疲れってヤツは、月が変わるとドッと出るもんだからね
アハハハ…「忘れてました」じゃ、すまないゼ


君たちがあの鬼にかけられたのは、短命の呪い。でも、暖かい家族がいる
ボクのほうはこの姿のまま永久に死ぬこともできず、ずっと独りぼっち…
不謹慎かもしれないけど、ときどき君たちのことが無性にうらやましくなる


飽きた人形がふたつそろったら、捨てる前に人形同士ぶつけて戦わせて遊ぶのサ
壊す手間が省けるし、自分でやるわけじゃないからさほど心も痛まない
それに飽きたとは言え、かつて愛したオモチャ同士の殺し合いだ。興奮しないわけがない
クククククク…退屈しのぎとしては、最高の見世物サ
ボクたち鬼と君たち人の戦いにはゼンゼン似てないよね?そう思わないかい?


おやぁ…?
ボクの母さんが君たちの知り合いの誰かに似てたかな?


ボクと姉さんの言い分、どっちを信じるかは、君たちの自由だ。
…自由ね。ホント都合のいい言葉だよ



追記、修正は鬼の腹の中からストリップダンスで登場してからお願いします

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最終更新:2024年04月20日 08:42