ボボボーボ・ボーボボ(アニメ)

登録日:2012/02/24(金) 12:20:20
更新日:2024/04/14 Sun 15:29:26
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ぶっ壊してぇんだ!常識って奴を!!

俺 イ ズ ム で バ カ サ バ イ バ ー !




本項では、澤井啓夫の漫画「ボボボーボ・ボーボボ」のアニメ化作品について解説する。

東映アニメーション制作・テレビ朝日系列で、2003年11月8日~2005年10月29日にかけて全76話が放送された。

概要

当初は何を血迷ったか全国ネットのゴールデンタイムで放送していた。それも、あの『クレヨンしんちゃん』の後の19時半に、である*1
『釣りバカ日誌』のアニメの次番組として放送スタートした。

テレビ朝日が現社屋移転後に放送を開始したため、同社の東映アニメーション制作作品では初の現行ロゴ(/tv asahi)使用作品となった。

作者の澤井は「自身の作品が東映アニメーションで制作されることは感無量です」とも述べている。

出来自体は東映らしく商業作として良くも悪くも割り切った内容、当初の評価はぶっちゃけテンポが悪すぎてそこまでだった。
が、1クールもするとギャグのキレが一気に見違えて素晴らしいものへと進化した……のだったが、
放送時間がさっきも述べたようにゴールデンタイム、やはりというかクレしんをも嫌がる全国の親御さんからの評判がよろしくなるわけもなく、
PTAの「子供に見せたくないアニメ」では最高9位にランクイン。クレしんを観るのは許されたがボーボボを観るのは禁止された家庭は多かっただろう

ちなみに、寄せられた苦情の内容がよくある「子供の教育に悪い」ではなく「こんなもの見てたら頭がおかしくなる」というものであり、それをネットで見たファンたちが「ごもっともです」「確かに」などと同意したという逸話がある。

苦情に加え、当時の流れでもあったゴールデンタイムからのアニメ撤退の影響を受け、2004年9月末でローカルセールスに格下げ。
この時点での放送地域は関東圏、中京圏、近畿圏、北海道、福岡、長崎、熊本のみと多くのファンが泣きを見る結果となった。

また、放送当時は特番や野球の中継がやたら多く、放送休止がとにかく多かった事でも有名。一部のファンからは大量の苦情を受けてアニメの製作と放送が難航したからでは?という意見も…

そんな状況だったため商売としてはどんどん落ち込んでいき、末期には半年間スポンサー不在のままで放送されるなどカオスなことに…
タイアップアニメなのにも関わらずスポンサーなしで放送が継続されていたのは異例中の異例。
つまり当時ゲームを出していたコナミすらスポンサーから撤退していたということである。もはや番組の裏事情が聖鼻毛領域である。
そのためか「スタッフやキャストがポケットマネーで作った」や、「テレビ朝日が単独でお金を出して作ってたら株主総会で株主達から叱られてようやく終わった」、という真偽不明の逸話が流れている。
前者は一般的に30分アニメ1回の制作費相場はが1000万円単位であることを考えると、双方の懐事情的にかなり胡散臭い。がボーボボ関係者ならあるいはと思わせてくれるところがまた
後者は打ち切りからテレビ朝日の人気キャラクターとしてしばしば音楽番組で着ぐるみが登場したりする*2のでテレ朝のお気に入りと考えると不思議な話ではないがやはり荒唐無稽。
このアニメ同様、何故ゼロスポンサーで続いていたのかは全然意味がわからん!!

アニメは闇皇帝編の3ぶくろ戦までで本当に終了しその幕を閉じたが、最後までスタッフの愛とやる気は本物であり素晴らしい出来となっている。まさにもっと評価されるべきといえる。
今でも続きを望む声は多いが、やはり予算などの関係で難しいと思われる。

現在は後述の様にBlu-ray BOXの発売や配信も行っているので是非見ていただきたい、そんなハジケた作品、それがボボボーボ・ボーボボである。

なお、2019年頃に中国のbilibili動画において倫理的に問題があるとされた複数の日本産アニメが配信禁止となったが、その禁止リストにあろうことか本作が含まれていたことが話題となった。
規制理由については日本のPTA同様に「こんなもの見てたら頭がおかしくなる」と判断されたのかは定かではないが、日本のハジケリストの間では
  • 国家転覆を目論むテロリストを賞賛する話だから
  • 毛狩り隊」という単語が規制に引っかかったから
  • 人民に特定の髪型を強要する悪の帝国に「毛の一族の末裔」が戦いを挑むという内容が中国国内でセンシティブに映ったから
  • (アニメ化の範囲からは外れるが)実は毛の一族こそが諸悪の根源であり、一連の戦いは毛の一族の内輪もめに過ぎなかったから
などと推測されている。

原作からの変更点

●名称変更
一番わかりやすいのが「マルハーゲ帝国」→「マルガリータ帝国」への変更だろう。
放送コードといった大人の事情である。
また、商標や有名人などの名称が出て来るシーンも変更されており、サービスマンに至っては原作そのままだとお叱りを受けそうなので顔が別物になっている。

●過激な描写のカット
原作漫画の最大の特徴(?)として無駄な吐血描写がある。
どういうことかと言えばまぁ頭の毛を刈られたり、禿げた頭の上にラーメンを乗せられたりお腹一杯シーラカンスを食べ過ぎたり、そういったときに

ぐばぁっ!!?

と吐血するのである。
何を言ってるのかわからないだろうがこの吐血、ボーボボ名物である(当たり前だがアニメではカットされた)。
他にも出血が控えられたり、「死ね」「殺す」などの台詞や飲酒喫煙、食べ物を粗末にするシーンや非食品を口に入れる表現にも規制が入っている。
でも天の助は相変わらずバラバラにされたり食べ物なのに粗末に扱われる

●下ネタの規制
一部のキャラ(しかもメインキャラクター)に存在そのものが小学生男子の妄想レベルの下ネタで構成されていたりするのもこの作品の特徴である。
アニメではそれらは当然規制の対象となってしまった。

例を言えばソフトンは頭部の色と形がソフトクリームのチョコレート味になっており、実際劇中で度々ウ○コ呼ばわりされている。

うん、やばいね。

しかしチョコ味からいちご味にシフトすることで無事アニメに出演できた。
…そういうもんなの?
まあ同じジャンプのギャグアニメのアレもアニメだとピンクだったしいいか。
もちろんウ○コというワードも規制されている。でも何だかんだでウ○コ扱いはされてる。

また、股関のアレをモロに見せつけてくる露出魔にしてボーボボ最大の下ネタキャラであるサービスマンも当然規制が入り、サーチライトを左右から当てて股間を隠す*3演出に変わった。
でもやってる事は原作と全く一緒。

他にも「おっぱい揉みてぇー!」*4「ラリってんじゃねぇー!」*5などの台詞が規制。
こっちはしょうがないね、うん。

●ギャグのパワーアップ
ではボーボボ特有のギャグセンスが落ちているかと言えば、そういうわけでもない。何をとち狂ったかそんなギャグがパワーアップしたシーンもちらほら。
映像化に伴い原作以上に凶悪またはカオスになったものもあり、初回は(存在するはずがない)前回のあらすじ風オープニングで始まっている。放送当時、リアルタイムで観ててパニックにならなかった視聴者はいないだろう。
また、テレ朝だからか「ドラえもん」(大山版)をパロディしたかなり危ないネタもある。
後期にはその日のエピソードに因んだオリジナルのオープニングコントが挟まされるようになり、構成を担当した浦沢義雄の十八番であるシュールな内容のネタもしばしば。

ちなみに原作のギャグも可能な限りアニメ化されているが、ぶっちゃけたまに少しテンポが悪いときがある。
特に、キャラの回想シーンや寸劇を挟む際にこの作品における数少ないバンクシーンである「ボーボボ劇場」とビュティの原作にない突っ込み台詞がいちいち挿入されることに関しては、ギャグの勢いが削がれるため批判が多い。

亀ラップは間違いなく放送事故。

これらの変更について作者は好意的にとらえており、(アニメによる改変が)自身もギャグを考える原動力にもなっていたという。

●作画
多分一番の原作との相違点。メッチャ絵が可愛い。
原作では粗い絵柄だがアニメではなんというか……うん、全員可愛い(特に女性キャラ)。
たまに崩壊するが、原作が原作なので指摘される事はほとんど無い。

豪華なキャスト

ジャンプアニメ、しかも製作会社がプリキュアやらなんやらの天下の東映だけあって声優が当時の基準にしても相当豪華であり、「声優無駄遣いアニメ」とも評される。
特にゴールデンタイムで放送されていた頃は出番の僅かな役に人気声優が起用される事も珍しくなかった。
多すぎて書けないのでメインキャラだけ規制……じゃない記載するが、これだけでも多分豪華さがわかる

ボボボーボ・ボーボボ
なんで亀ラップなの!!?なんで亀ラップなの!!?
声:子安武人
PS2用ボゲー「ハジけ祭り」での水木一郎アニキ起用もハジけすぎていたが、アニメでは何を血迷ったか御大将を主役に抜擢。こればっかりは見て聞いてもらわないといけないのだがこの子安、本当に楽しそうである
スゴイ筋肉を誇る(上半身だけ)アフロとグラサンの巨漢であり、その筋肉を殆ど使わず鼻毛を操る「鼻毛真拳」を駆使する主人公である。
後半はよく殴って攻撃した。

首領パッチ
これって純情?正常?亀参上?イエー!
声:小野坂昌也
無駄にいい声のトンガリが金平糖に手足が生えたような生き物を熱演。
そのハマりぶりは中の人から「小野ちゃんは首領パッチをやるために生まれてきた人」と評価されるほど。
カオスの八割はだいたいボーボボと首領パッチのせい

ビュティ
ふざけないでマジメにやってよ!
声:野中藍
ヒロインにしてほぼ唯一のツッコミ役。
絵と声が合わさり正直かなり可愛い。

ヘッポコ丸
オナラ真拳奥義!!
声:進藤尚美
オーブ代表首長が屁を操って戦う少年を熱演。女性になにさせてんだ。*6
しかしノリノリである
残念ながら、ボーボボたちによる「オナラプップー!プップー! いいニオーイ!いい​ニオーイ!
というギャグの余りのナンセンスっぷりからクレームが入り、番組後半ではオナラ真拳と言えなくなったり、一部の技が差し替えられてしまった。
ちなみに、アニメではビュティとの良い感じな仲を描いたシーンがいくつか追加された。スタッフにも二人の仲が好きな人が混じってただろうか。

ところ天の助
俺食われとるやんけ
声:園部啓一
レイさんが美声で歌ったり人生を語るところてんを怪演。

ソフトン
バビローーーンッ!!
声:緑川光
グリリバは「ハジけ祭り」から唯一の続投。
イケメンボイスでボケない。グリリバ仕事選べ。

田楽マン
奴等に田楽を食わせるのらー♪
声:金田朋子
普段(シロボンリヨぐだ子etc…)とは違う演技が見れる。

●ナレーター
前回のあらすじ! 大地震(おおじしん)によって出現した時空の歪みに飲み込まれたケンリカは、原始時代にタイムスリップしてしまった!
ビュティ『…ってコレ今日から始まる新番組じゃなかったの!?
えっ!? お、おい、なんか違うみたいだぞ。どうなってんだよ…何?こっちが本物!?
声:太田真一郎
『料理の鉄人』などでお馴染みの天の声。
ボーボボ達のボケにツッコんだり、普通に会話する事もしばしば。
本作ではサービスマンなどのキャラクターも演じている。


などなど、記載できないがまだまだ豪華なキャストが続いておりマルハーゲ四天王の内三人と最高幹部の一人は、
となっている。どう見てもやりすぎである。
ちなみにメインキャストはボ組という集まりを作っていたらしく、ボーボボ原作終了後はとっくにアニメが打ち切りになってたのに労う会をやってたとか。

そして……


ボーボボ「人類の毛の自由と平和は、必ず守って見せる!


田楽マン「みんなー、元気でねなのらー♪


一同「えぇーーっ!? ここで終わりー!?


余談になるが、本作の後番組は『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』。奇しくもボーボボと同じ東映アニメーション制作のアニメだった。

復活

打ち切り後はしばらく音沙汰なかったが、2017年11月、Blu-rayBoxの発売が発表された!
2018年4月に発売されたので、ファンや興味のある方は是非とも手に入れて頂きたい。
ついでにニコニコカフェにおいて、ボーボボとのコラボメニューが登場していた。

そして連載20周年を迎えて…

時は2021年、原作連載20周年を記念してニコニコ生放送にてオンラインイベント「『成人式』と書いて'ハジケ祭り'と読ませたい」が開催された。
連載時やアニメ放送時の裏話、アニメ未放送エピソードの生アフレコなどを行うなど、アニメの監督やキャストの皆様共々まだまだ衰えぬハジケぶりを披露していた。

やがて同年4月1日…エイプリルフールにしてボーボボの誕生日に、なんとグランブルーファンタジーとのコラボが行われた!!!
毛狩り隊によってグラブルの世界に飛ばされたボーボボ、ビュティ、首領パッチ、天の助がぐらぶるっ!仕様のビィとハジケたバトルを繰り広げるという内容になっている。
当初は当日限定だったが、ツイッターでの「ところてんマグナムキャンペーン」にて予想以上のリツイートが集まったことで延長が決定し、「エイプリール2日目」というパワーワードが生まれた。(マジです)
なんとまさかの亀ラップが新録で収録されるというカオスなことに…
願わくば是非ともアニメをもう一度やって欲しい物である。

そして2023年4月1日にはアニメ20周年企画で、なんと同じく20周年を迎え、偶然にも東映アニメーション制作&テレビ朝日で放送されているプリキュアシリーズをジャック…もといコラボするという暴挙(笑)に出た。いくらなんでもハジケ過ぎである…。
しかも10月には男子高校生が活躍するミュージカル「Dancing☆Starプリキュア」とコラボするなど命知らずな展開に。

魚雷先生「アンタ達またふざけてたわね!!!」
「違うんです先生!鷲尾Pがお互い20周年迎えたからふざけてもいいって~!!!」

果たして彼らの行く先はどうなることやら…

…と思ってたら、11月にはなんと有名ブランド・ZOZOTOWNとコラボするというまさかの展開に!
それに伴い「ゾゾゾーゾ・ゾーゾゾ」へとタイトルが変わった。

ビュティ「やりたい放題だー!!!」


追記・修正はハジケた方にお願いします。

ただしつけもの、テメーはダメだ。

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  • ※土曜夜19時30分です。

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最終更新:2024年04月14日 15:29

*1 放送当時、クレしんは土曜の19時に放送されていた。

*2 なお着ぐるみは放送当時のものがほぼそのまま使われている。

*3 これに伴い、左右のサーチライトを担当する天使風のアニメオリジナルキャラクターが書き起こされた。

*4 「親孝行してぇー!」に変更。

*5 キング鼻毛が台詞をトチったのを見て「台詞噛んでんじゃねー!」とボーボボが突っ込む形に変更。

*6 余談だが、ゲーム版はだった。