MOTHER3

登録日:2011/03/05 Sat 02:29:45
更新日:2024/02/28 Wed 11:22:44
所要時間:約 5 分で読めます





奇妙で、おもしろい。
そして、せつない。


『MOTHER3』とは、任天堂が発売したゲームボーイアドバンス用ソフト。2006年4月20日に発売。

非常に難産だったタイトルとしても知られている。くわしくは以下の記述を参照。


◆経緯
1994年に開発スタート。当初の予定機種はスーパーファミコンであった。
その後、対応ハードがNINTENDO64用ソフトに変更され『キマイラの森』とサブタイトルが付く。
さらに後、『奇怪生物の森』と変更され、機種も64DDに。
さらにさらに後、『豚王の最期』とサブタイトルを改め、プレイアブル出展される。


……が、後の2000年にはついに開発の中止が報道される。ファンは肩を落とした。


しかし、2003年、突如として開発の再開が発表された。
機種はゲームボーイアドバンスに。
しかしこの発表から1年が経ち、2年が経とうとしていた。
細かな情報こそ小出しにされてはいたがファンの間にはまたも暗雲が。
が、『MOTHER1+2』の発売が発表されたのと同時に、ついに正式発表に至る。


そして、2006年…遂に発売。


あの頃こどもだった「あなた」はすっかり「大人」になっていた。
しかし『MOTHER』シリーズはプレイヤーの年齢を選ばない。


まさに
『おとなも、こどもも、おねーさんも』


当初は3Dグラフィックで開発されていたが、機種がGBAになったこともあって2Dのグラフィックに変更されている。
キャラクターや地名などは、ほぼ『豚王の最期』時代のものを継承。
シナリオは細部にこそ調整はあったものの基本的にはいじられていない、とのこと。


◆本作の特徴
  • ストーリー構成について
『MOTHER3』では、ストーリーが8つの章で構成。
章によって、プレイヤーが操作する主人公が異なっている。


  • サウンドバトル
敵との戦闘では新たに「サウンドバトル」システムが搭載。
これは、通常攻撃する際に戦闘中のBGMにあわせてリズムよくボタンを押すことで連続攻撃ができる、というもの。
ミスせずに最後まで入力できると、最大で通常の2.5倍のダメージを敵にあたえることができる。
本作では戦闘用BGMは相当な数が用意されており、サウンドバトルのリズムもさまざま。
また、敵をねむらせるとサウンドバトルのリズムがわかりやすくなる。


  • HPメーター
味方のHP、PPの表示は前作『MOTHER2』と同じドラムリール式である。
ダメージを受けると少しずつ減少し「ちめいてきなダメージ」を受けてもHPが0になる前なら行動ができる。
HPが0になる前に回復するか敵を全滅させると、HPの減少が止まり戦闘不能になるのを防ぐことが可能。
また、「ガード」をしている間はHPの減少速度がとてもゆっくりになる。
前述のサウンドバトルと組み合わさることで、「連続攻撃を続けて大ダメージを狙う」か「攻撃をすぐに切り上げ急いで回復する」かという新たな駆け引きが生まれた。


  • サウンドプレーヤー
本作では、収録されているBGMを自由に聴ける「SOUND PLAYER」モードがある。
最初からすべてのBGMを聴けるが、曲名の表示はゲームの進行に合わせて解禁されていく。
好きな曲を登録して聞いたり、ボタン操作を無効にできる機能もある。
なお、本作の楽曲は『大乱闘スマッシュブラザーズDX』などを手掛けた酒井省吾氏が手掛けており、「これ本当にGBAのゲームか?!」と思えるほどに高音質な曲がかなりの数用意されている。

◆キャラクター
双子の弟。大人しく、優しい性格。

『スマブラDX』当時は企画が進まなかったため参戦は見送りになったが、
本作の正式発売により、晴れて『大乱闘スマッシュブラザーズX』での参戦を果たした。


  • クラウス
リュカの双子の兄。弟に比べると元気で勇敢。


  • ヒナワ
みんなが大好きなおかあさん。
「タツマイリ村」の人達からも愛されている。
好きな花はヒマワリ。


  • フリント
強くて優しい、リュカとクラウスのおとうさん。
1章の主人公。
いつも帽子をかぶっている。また、動物と話すこともできる。


。リュカの仲間。
戦闘ではボニーが食べ物系グッズをほかの味方につかおうとすると、まれに自分で勝手に食べちゃうことも。


オソヘ城のお姫様。リュカの仲間。
賢くて強い、おとこ勝りな女の子で、PSIの攻撃が得意。


泥棒だけど何も盗まない正義の泥棒。
2章の主人公でリュカの仲間。口が臭い。
左足が不自由だが、生活にも冒険にも支障はない。







※ここから多分にネタバレを含みます※










  • マジプシー
島にある7本の「針」の守護者たち。
ひとつの「針」にひとりの守護者がおり、計7人いる。
オカマのような見た目に、オカマのような口調。
だが、まず人間ですらないので性別はないらしい。
なお、ひとりだけはすでに行方不明となっている。


  • サルサ
かわいいサル。
3章の主人公。恋猿が居る。
リア充。

  • ヨクバ
行商人。サルサをいじめた悪いやつ。
タツマイリ村の住人に「シアワセのハコ」と呼ばれるものを広めたが、それは「洗脳装置」であった。


  • ブタマスク
「キングP」に仕える謎の兵隊。
島でさまざまな悪事を働く。




※ここよりさらなるネタバレ※

+ ...
◆重要な用語
  • ノーウェア島(とう)
「ものがたり」の舞台となる島。
この島以外の「世界」の全ては、何らかの理由により滅びさっているという。


  • タツマイリ村
島で唯一の村。
「世界」が滅びる直前に「白い船」に乗ってこの島に逃げ、生き延びた人達が暮らしている。
ただし、ある理由から、村の住人は自らの意志で「島に来る前の記憶」を封印しており
村で生活するための新しい記憶にとりかえている……つまり、自分たちが思い描いた理想の「ものがたり」を演じながら生きている。
元々家族だった者もいるが、それ以外は血のつながりのない他人同士である。
ただし、「白い船」で一緒に島に乗り込んだ赤ん坊のクマトラを除いて、村のこどもは島に移住後に産まれている。


  • リダ
「タツマイリ村」の北にある「クロスロード」で鐘をついている、異様に背の高い人物。
かなり目立っているが、こちらから話しかけてもいっさいしゃべろうとしない。
しかし、物語の終盤で、リダからこの島と「世界」の秘密を聞かされることになる。
上記のとおり、村の住民は島に来る前の記憶を封印しているが、彼だけはある理由により唯一その記憶を封印していない移住者である。


  • 闇のドラゴン
マジプシーに守られている7本の「針」によって島の地下深くに封印されている。
強大なパワーを持っているらしく、「世界」が滅びてもそのちからにより、「ノーウェア島」だけは無事だった。
7本の針を抜いて封印を解くとき、世界は改革を迎えると言う。
なお、針を抜くことができるのは「選ばれた者」のみ。



※以下、最重要ネタバレあり※
+ ...


  • 仮面の男
キングPの命令により、リュカより先に「針」を抜こうとする者。
その正体は、1章で命を落としたはずのクラウスだった。


ブタマスクを率いる、「キングP」の正体である。
「ブタマスク」と「P」という言葉から、もしや……と思ったプレイヤーもいるかもしれない。


『MOTHER2』のラストで逃げ延びたポーキーは、時間移動を繰り返しながらさ迷いつづけ、
すべての時間や空間からしめ出され、その果てに「ノーウェア島」に辿り着いたという。
リダいわく、ポーキーは「タイムトンネル」という時間と空間を自由に行き来できる装置をつかって時間移動をしていたという。
その度重なる時間移動の影響で体は老衰しきっており、もはや自力で歩くこともままならず、マシンに寝たきりの状態になっている。
しかも、ふつうの人間のようにふつうに歳をとることができなくなったせいで、
精神は子どものころのままで肉体はボロボロ、永遠に死ぬことのできない体という
ひじょうにいびつな存在になってしまった。


色々な時代からさらってきた人々を洗脳し、「ブタマスク」として使ったり、
自分の好きなものだけを集めた「ニューポークシティ」という街を造ったり、好き放題している。
また、「キマイラ」を造ったり、生き物すら操ったりもしている。
リダが言うには、ポーキーはノーウェア島を自分のわがまま放題にできる「おもちゃばこ」のように思っているらしい。


果ては「世界」を完全に滅ぼすために、一度死んだクラウスをキマイラに改造し「針」を全て抜かせようとした。


最期はアンドーナッツ博士とどせいさんに開発させたという「ぜったいあんぜんカプセル」に入って、リュカ達に対峙する。
この「ぜったいあんぜんカプセル」とは、外部からのありとあらゆる危険から身を守ってくれるものであるが、
一度入ると、もう出ることも入ることもできないという欠点を持つ。
まさに「絶対に安全」なカプセルであり、それはカプセルの外にいる者にとってもまさに「絶対に安全」な装置であった。
一度入ったら出ることも出来ず、もう死ぬこともできない彼は、こうしてカプセルの中で永遠の時間を過ごすこととなった。





「ときに人々をさらい、ときに世界を征服したり滅ぼそうとしたりして
絶対安全そうなカプセルに入ってて、打撃などでは倒すことも出来ない」


似たような存在を我々はどこかでみたことがある。









  • 「あなた」
このゲームのプレイヤー自身。リュカ達の後見人。
タツマイリの人々に奉られている。
この物語を見守り、その結末や様々な謎をどう解釈するかは、プレイヤーである「あなた」に委ねられている。



◆余談
本作の物語の舞台は前作の『2』より「大きく未来」か「大きく過去」である。
過去か未来か、どれくらいの過去or未来かは作中でも糸井氏の発言でも明言はされていない(『2』の50億年後という案はあったようだ)。

糸井氏は自身が明言していない謎についてはプレイヤー自身にその判断を委ねてあるため、
別にどちらでもかまわないのだろう。








◆ぴょん。
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 はい   いいえ

◆つぎにあう wikiこもりによろしくね。

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最終更新:2024年02月28日 11:22