ブレスオブファイアV ドラゴンクォーター

登録日:2011/05/19(木) 06:42:54
更新日:2024/01/22 Mon 22:10:26
所要時間:約 7 分で読めます




そらをみにいく。



カプコンから発売されたブレスオブファイアシリーズの一つで、略称はドラクォ。
前作までのファンタジーから一転、SF調へと世界感が変わり、陰鬱で重い雰囲気となった。

また取っつきにくい各システムも相まって、シリーズファンは離れ、当時にわかに増え始めたライトユーザーが投げ出す等、訳あって販売本数が奮わず「ワゴンの常連」「五百円でお釣りがくる」と不名誉な扱いを受ける事に。
アンサガと並びPS2の怪作RPGと評されることも。
実際、アンサガと本作の間には「理解しにくいシステム」「シリーズファン切り捨て」「ワゴンゲー」「はまると面白いスルメゲー」など何気に共通点が多い。





しかし、最期まで投げずにクリアすれば最高の空がプレイヤーを待っている。

シナリオは伝説となった空をひたすら目指して地下世界を駆け登る完全な一本道だが、SOLシステムにより周回とクリア後に決定されるD-RATIOにより隠されたシナリオがプレイヤーに解放される。

戦闘はシンボルエンカウント。
シンボルがそのまま敵の単位となっており、後述のPETSを駆使して戦いを制していく。
また、一度倒した敵は基本的に復活しない。

  • PETS
簡単にいえば敵を戦闘前に罠にはめて、戦いを有利に運ぶシステム。
ドラクォの戦闘はこれとEXターンを駆使して戦うのが前提にあるので、初心者が仕組みを理解できず、結果「難しすぎ、無理」と投げてしまう要因。
しかし、一度理解してしまえばサクサク進めるようになり、慣れてしまうと逆に温く感じてしまったり。

  • APS
決められたAP(アクションポイント)を消費して攻撃したり移動したりするシステム。
余ったAPは次ターンに持ち越せるので、後半は如何に活用して行動するのが鍵となってくる。
実はアイテムは無制限に使えるので、それに気付けばやはりヌルゲーと化す。
……と、思ったか?
本作を難しくしている原因の一つがアイテムの所持制限だろう。
前述のPETSに使う罠、回復アイテム、未鑑定の装備品、スキルの素、更にセーブトークン等の貴重品など、シナリオを進めるためのキーアイテムと装備品以外は全て一括管理な上に所持制限も心許なく(拡張はされるが)、
特に初回プレイでは捨取選択が難しい。

また、回復は完全にアイテム頼りなので、初回プレイでは必然的に回復薬を多めに持つ事になり、罠アイテムや爆弾系の恩恵を知らずに進めてしまう為、このゲームがやたらと難しく感じてしまう。


上記のやや難解な戦闘システムやアイテムの制限に加え、自由にできないセーブ(セーブトークンが必要、中断は可能)、限りある敵により稼ぎが事実上不可能、さらに資金も限られるので回復薬が尽きた事による積み状態の頻発。

と、一見初心者お断りに見えるが、きちんと救済処置はある。

シナリオ途中でリュウ(主人公)が身につける変身能力。従来作の竜変身に相当。
その力はゲーム史上類を見ないほど強力で、通常はちまちま二桁ぐらいの単位でダメージを与えるが、ダイブすると三桁ダメージは当たり前。スキルも活用すると四桁に余裕で届く。
防御も極々一部の技を除けば、ほぼノーダメ。
移動に関すれば距離は∞でAP消費なし。
極めつけは射程無制限のDブレス。
と、暴力的なまでの力が手に入るが、当然リスクがつきもので、使いすぎると死ぬ。つまり問答無用でゲームオーバー。
具体的にはダイブできるようになった時に表示されるDカウンターが100%に達すると死ぬ。

ダイブを選択決定するだけで2%上がり、変身状態で攻撃するだけであがり、ターンを跨ぐだけでも1%上がり、戦闘を終えても歩くだけで徐々に上がっていくという恐怖の仕様。
もちろん減少させる事は不可能。死へのカウントアップを嫌でも見させられるのだ。

じゃあ変身しなきゃいいじゃないかと思うだろうが、雑魚相手でも簡単に全滅する難易度な上、ボスが輪をかけて凶悪揃いかつセーブが自由ではないので否応なくDダイブせざるを得ない事態に。
ちなみに、どのくらいボスが凶悪なのかというと、後半のボスにはアブソリュート・ディフェンスという能力があり、いわゆるバリアなのだが、これは一度破ればいいのではなく攻撃毎に破る必要があるのだ。

「よーし破ったから、これから畳み掛け──なん…だと……?」は誰もが通る道。

当然、中盤ボスの強さに辟易したあとのこの駄目押しである。多くのプレイヤーがこの時点での右上のDカウンターの値も見て絶望した。


結局、絶望しかないじゃないか!とお怒りの諸氏は安心してほしい、最終手段としてSOLシステムがある。
簡単に言えば何時でも強くてニューゲームができるシステムであり大部分の事が引継可能。
経験値を好きに割り振れるパーティ経験値もプールされたまま。デメリットもほぼ無しと、至れり尽くせり。


そう、諦めず目指し続ければ空は必ず開かれるのだ。





なお、実はSOLを使わずともクリア出来る絶妙な難易度でもある。
事実、一周目で最高位のクリアランクであるD=1/4すら可能。

シリーズの風物詩だが、今回釣りは無い。
共同体にそれらしきマップがあるので、途中でボツになったようだ。
まあこの世界の魚は汚染が…ね


【登場人物】
※名前の後の数字はD値の項を参照。

機密護送任務の際にアジーンと接触。
リンの襲撃を受けるが、これがきっかけでニーナと出会いアジーンとのリンクも活発化。
ニーナが生きられない世界の為、伝説となった空をひたすら目指す。
ついでに蟻の観察もする。
周回プレイでD値1/4になろうとヒラ扱い。最強技は斬撃連発。
実はサブタイトルの体現者でもある。

  • ニーナ(CV:氷上恭子)
訳あってしゃべれない。うっうー!
魔法陣に敵をハメて喜ぶ天然S疑惑。
D値は人間扱いされない程低い。拉致され改造を施されたのはこれが原因。実はリュウを空に向かわせるよう仕向けたエリュオンの差し金。

しっぽがキュートな軍曹さん。
D値は反政府組織に身を置いている為抹消されている。ドラクォにおけるツンデレ枠。
ほらほら、こっちにきな! これで、砕け散るがいい!こいつはおまけさ。
上司のメベト=1/4は実は元統治者で、未だに繋がりがある為かD値が抹消されていない。

犬から人へ、そして……。
皆大好きエリート様。ブレスⅡのボッシュ同様リュウを相棒と呼んでいるが、D値の低さから内心見下している。
が、「手柄を譲れば昇進させる」と言っている辺り気に入ってる部分もある模様。
その後ニーナ処理を巡って、アジーンとのリンクが本格化したリュウにフルボッコ。
更にゼノ死後は出世街道から外れた挙句、ひたすらリュウを逆恨み。D検体と合体までする始末。
人生どころか高所からも転落したが…。
精神的に歪んでるのは統治者でもある父ヴェクサシオンの教育が原因。
没イベントでリュウにゴマをするSOLがあったとか。

  • ゼノ=1/128
優秀な隊長でメガネっ娘(?)でもある。ボッシュの逆パワハラが悩みの種。
D値の偏見は無く、リュウの剣の師匠でもある。
最後まで彼女の形見を手に空を目指したプレイヤーは多い。固有技の紫音絶命剣強いし。リギエーンダ重いし。

  • 妖精さん
私と契約してアリさんの経営に乗り出して欲しいんだよぅ

地下世界の最高権力者たち。
お尻だったり痴漢だったり、お使いショタとかパーティ経験値の素がいたりと個性豊かな人たち。
因みに全員D値1桁オイどこのエリート様だD値1/64で統治者になれるって言ったヤツ。

イタヒィー!

  • アジーン(CV:石塚運昇)
本作に登場する竜。設定画での過去の姿はWのカイザードラゴンに似ている。
最後の最後で最大にデレる。
ちなみにロシア語で"1"と言う意味。
実は彼らD検体はオリジナルでは無く、クローンの竜。名前も恐らく生産番号。D値は1/2。

  • チェトレ
終盤直前、狂気に走ったエリート様が左腕に移植したD検体。
ボッシュが転落死しかけた直後に起動。ボッシュとリンクする。本作のラスボス。名前は"4"の意。

  • ドヴァー
ココン・ホレ最深部に居る竜。裏ボス。名前は"2"の意。




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最終更新:2024年01月22日 22:10