FINAL FANTASY Ⅹ

登録日:2010/05/31 Mon 04:04:55
更新日:2024/04/15 Mon 15:21:39
所要時間:約 5 分で読めます




 わたし、
『シン』を倒します


必ず倒します








概要


スクウェアが開発したファイナルファンタジーシリーズのナンバリングタイトル第10作目。2001年発売。
PS2で最初に発売されたFFで、和製ファンタジーとしては非常に珍しいアジアンテイストな世界観が特徴。

何かと初めての事をするFFの中でも新ハードで出す最初の作品という事もあって、新要素が突出して多い作品。

以下、新要素

〇キャラクターボイス

〇フェイシャルモーション(キャラの表情が変わる)


〇戦闘システムにCTBの導入(コマンドを実行すると時間が進む。ターン制コマンドバトルとATBを組み合わせた感じ)

〇召喚獣の育成、操作(以前は自動、というかほぼ魔法と同じ扱い)

〇レベル制を廃止し、スフィア盤*1の導入(以前はレベルが上がると自動的にステータス等が上がっていた)

等である。

これらの新要素に加えて、PS2の性能を活かした美麗なグラフィックと気合いの入ったムービーは多くのゲーマーに衝撃を与え、当時のゲームハードとしてはかなり高価だったPS2と一緒に購入を決意する人も少なくなかった。
当時まだ普及しきっていたとは言えないPS2のソフトとしては初の国内ダブルミリオンを達成し、最終的にはトリプルミリオンを達成している。

21世紀初頭のゲーマー間ではスタンダードな作品であり「FFシリーズは詳しくないけどFF7と10はやった事ある」という人も少なくない。
その人気からか2013年に続編のⅩ-2共々、FFシリーズ初のHDリマスター版が発売された。


評価

ストーリー面の評価は高く、当時のファミ通クロスレビューで40点満点中39点を叩き出し、同誌の「心に残るベストゲーム100」で1位を獲得、発売から10年後に行われた「泣けるゲーム20選」でも1位を獲得している。
更に発売から約20年後の2020年にNHKで行われた「全ファイナルファンタジー大投票」の作品部門で1位を獲得、キャラクター部門でも本作のキャラクターが多くランクインする等、多くの人から愛される作品である。

一方でストーリー以外に目を向けると、従来以上にイベントムービーが多用されており、会話シーンもムービーで行われるうえ、リマスター版でもムービースキップに一切対応していないためテンポやリプレイ性が悪い点は良く批判される。FF=ムービーゲーという認識は本作が切っ掛けとの声も。
また、過去の作品にあったワールドマップが消去され、基本的に一本道で探索要素に乏しいマップとなっている辺りも批判される事が多いが、こちらは意味も無くワールドマップがなくなったわけではなく、「見知らぬ異郷の地を旅する情緒を出したい」と試行錯誤した結果だという事が語られている。

その上、誰でもストーリーを楽しめるようにバトル難易度を調整した結果、キャラクターを鍛え過ぎるとヌルゲーになりかねない、という欠点も抱えている*2
が、「このストーリーに沿った適正レベル」での戦闘バランスは歴代作品と比較しても良く練られていて、ボスの攻略法もバラエティに富んでおり、中々歯応えがあると評判。
シーモア終異体とか明らかに場違いレベルで強いボスもいるが。

総じてPS2初期の看板タイトルなだけあってRPG初心者向けに作られている事が言え、初めてFFシリーズに触れたいという方にオススメな作品。実際本作で初めてFFシリーズに触れたというプレイヤーは多かった。
ただし、良くも悪くもFFシリーズでは毛色の違う作品なので本作プレイ後に他作品に触れると違和感を感じるかもしれない。
上述した通り少々テンポの悪い作品でもあるので今からやりたい人はPC版のプレイを推奨。
逆にRPG経験者には単純にストーリーを追うだけなら物足りなさを感じる作品かもしれないが、モンスター訓練場を筆頭にやり込み要素も豊富で、一本道を通るだけのRPGではない。
でも雷避けは許さない。

スフィア盤

従来のレベル制を廃止してシリーズ2作目の時点で廃止されてたが導入された成長システム。
簡単に言うとすごろくのようなもので、今作では経験値を入手するとレベルの代わりに「スフィアレベル」というものが上昇し、その数値を使って自分のコマを進めて行き、「スフィア」*3というアイテムを使ってマスに割り振られたステータスアップやアビリティを解放していくというもの。

スフィア盤にはそれぞれキャラクター毎に割り振られたルートが存在し、ルートを辿っていくだけだとティーダはやや打たれ弱い速攻物理アタッカー、アーロンは重戦車型アタッカーといった具合にキャラのイメージに合致したキャラ性能に仕上がっていくのだが、全てのルートは繋がっている点が重要になる。
これがどういう事かと言うと、他のキャラのルートを通る事でキャラのイメージとは異なる性能にしていく事もできるので、魔法アタッカーのワッカや物理型のルールーなんて事もできる……が、ぶっちゃけストーリー攻略程度のやり込みではほぼできないと思っておいた方がいい。
理由は簡単で、他のキャラのルートに入るには「キースフィア」というアイテムが必要なのだが、ストーリー攻略上このアイテムは全然手に入らないため。
また、上述した通りFF10自体そこまで難易度が高くないためストーリーをクリアするだけなら自信のルート踏破+隣のキャラのルートを途中まで進めるぐらいで十分。自由度の高い育成は事実上クリア後の話になる。
なので、「単なるレベルアップを手動にしただけで面倒」という批判をする人もいるが、過去にカスタマイズ性が高すぎる育成システムを実装したためにシステムを理解できないプレイヤーが続出した作品があるため、ある程度ユーザーフレンドリーにしなければならなかったのだろう。

尚、カスタマイズの自由度の低さに関してはインター版以降の「上級者向けスフィア盤」の実装で改善されている。
上級者向けスフィア盤は最初からある程度ルートが解放され、ルート構成そのものも大幅に変更された結果非常に自由度の高い育成ができるようになっているが、案の定と言うべきか自由度が高すぎてキャラクターの方向性を見失うプレイヤーが続出した。
ゲームにおける調整の難しさを感じる話である。
因みに通常のスフィア盤と上級者向けとを比べると通常のスフィア盤の方がマスの数が多いので最終的なステータスはちょっと上回る(誤差の範囲だが)。

用語


  • ザナルカンド
主人公の生まれ故郷。
序盤に『シン』に襲われる。

  • スピラ
FF10の世界のこと。

  • 『シン』
スピラの厄災。物語の鍵を握る存在。

  • 召喚士
シンを倒すことが出来る唯一の存在。
召喚士は「究極召喚」と呼ばれる秘技を求め旅する。

  • ガード
召喚士の護衛役。

  • エボン教
スピラで広く信仰されている宗教。
『シン』から解放されるための教えを人々に広めている。
機械禁止や銃器禁止、質素倹約といった規則を守り、罪を償い続けることによって、いつかシンがいなくなると教えている。






以下、少しネタバレ含みます。




登場人物


ティーダ CV:森田成一
本作の主人公。
明るく活発な青年で、水中格闘球技ブリッツボールの選手。
『シン』によりスピラへ飛ばされてしまう。
召喚士ユウナのガードとして、ユウナの旅に同行する。
森田成一氏の声優デビュー作で、今と比べると演技が若々しい。


「これが俺の物語だ!」

ユウナ CV:青木麻由子
本作のヒロイン。召喚士の少女で、純粋で一途、大事なことを自分一人で抱え込むことがある。
戦闘では、召喚獣を扱える。
あと下着エロス


「いなくなってしまった人たちのこと、時々でいいから……。思い出してください」


ワッカ CV:中井和哉
ブリッツボールチームであるビサイド・オーラカのキャプテン。ユウナの兄のような人物。
チャップという弟がいたが『シン』にやられて死亡。
遠くの敵に攻撃出来るので、『シン』のヒレ戦などでは重宝する。
【アタックリール】は成功させれば歴代の中でもトップクラスの破壊力を持つ連続技になる。


ルールー CV:夏樹リオ
ユウナの姉のような人物、そしてガード、そしておっぱい。冷静沈着でたまにキツイ言葉を言う。
ワッカとは幼なじみ。そしてワッカの弟チャップとは付き合っていた。
戦闘では序盤から黒魔法を扱える。そしておっぱい。。
そんなスカスカな格好で良く雪山とか行けるな。とも思うが、彼女に関しては魔法で冷暖房、かつ静電気を起こして汚れも弾く。という便利仕様らしい。
因みにあのベルトの下は下着らしい

キマリ CV:長克巳
ロンゾ族(獣人)の青年で、ユウナのガードの1人。
頭の角は同じロンゾ族の戦士に折られた。
幼い頃からユウナを今まで守ってきた。
育て方次第では黒魔道士や戦士として使えるがややクセがある。ぶっちゃけ悪い意味で器用貧乏な存在。

アーロン CV:石川英郎
伝説のガード。両親を亡くしたティーダをずっと見守ってきた。
あまり多くを語らない人。

その渋さ、台詞のかっこよさ故にファンも多く、FF10アルティマニアでの人気投票では主人公を押し退けて一位を獲得。


「他の誰でもないこれは、お前の物語だ」


リュック CV:松本まりか
ユウナのガードになるアルベド族の少女。
序盤ではスピラに飛ばされたティーダを助けた。戦闘では、専用アイテムを使っての補助役。
最も重宝するのはオーバードライブ技(キャラごとの個人技)「調合」。


「私はユウナを守りたい。誰にも文句は言わせない」


〇『シン』
スピラの厄災。
召喚士の旅の目的はコイツを倒すこと。


シーモア=グアド CV:諏訪部順一
若くしてエボン教の老師になったグアド族の男。
色々な意味でプレイヤーをびっくりさせる存在。一族をまとめるカリスマ性と召喚士としての高い技量から多くの人の尊敬を集める。


ジェクト CV:天田益男
ティーダの父親。
ザナルカンド・エイブスの元エース。ティーダの幼少期に突然失踪する。
とある場面でのBGMは鳥肌物である。


「泣くぞ。すぐ泣くぞ。絶対泣くぞ。ほら泣くぞ」


〇シド CV:坂口候一
本作のシド。
リュックの父でアルベド族。ユウナの伯父でもある。


【主題歌】
○大塚愛『プラネタリウム』

























と言うのは真っ赤な嘘で、

【主題歌】
○RIKKI『素敵だね』








最後かもしれないだろ、だからこの項目を……追記、修正しておきたいんだ……

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最終更新:2024年04月15日 15:21

*1 簡単に言うとスゴロク。レベルが上がるたびにポイントがもらえて、そのポイント数と同じだけコマを進める。そこで、スフィアと呼ばれるアイテムを使いキャラのステータスを上げる

*2 PS2版無印はともかく、インター版以降の移植作品はストーリー攻略中には余り効率の良い狩場がないのでそれはそれで一種のやり込みになるが。

*3 パワースフィア、スピードスフィア等色々種類があり、マスに応じたスフィアを使う事で解放できる。中にはマスの効果を書き換えるものや他のキャラが取得したアビリティを取得できる特殊なものも。