賞金稼ぎ/バウンティハンター

登録日:2011/05/20 Fri 22:07:00
更新日:2024/01/22 Mon 21:35:03
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この項目では、漫画やアニメの設定に見られる、賞金稼ぎ(バウンティハンター)について説明する。

●目次

【使われ方】

「根無し草の主人公が悪人を追って各地を転戦する」という話を作りやすいためか、主にファンタジー系やバトル系の作品で数多く取り上げられる。
読切り漫画作品で用いられたことは敵味方問わず数知れず。

凄腕の賞金稼ぎなら通り名や二つ名を持っていたりするのがベタ。
個人〜コンビとして名が売れているパターンも多いが、チームや大集団になることもある。


【類義語】

作中に一度も賞金稼ぎやバウンティハンターと紹介されてはいないが、行いは賞金稼ぎと大して変わらない設定や場合がある。

便利屋・揉め事処理屋など(事務屋などの一般的職業への呼称ではないものを指す)
〇〇ハンター(主に戦闘能力を要し、標的が公的存在のもの)
用心棒(不特定の脅威全般からの護衛)

この場合は該当する傾向が強い。
これらの設定を持つキャラは、脅威からの護衛・敵の撃破など「武装や戦闘力を要する、金額設定のある仕事で報酬を得る民間人」な点が賞金稼ぎと似ている。
(つまりは軍人・警官等の公務員ではない)

ただし賞金稼ぎは原義的にも「依頼者から複数の相手に(主に)公募された対象」が必要である。
このため傭兵のような「特定対象に向かう特定の集団」は違うのが普通だし、
依頼人と依頼対象と受け手が全て一対一になっているパターンのものも違う。


【依頼の定義と性質】

殺し屋と混同されるケースがたまにあるが、同じかどうかに関して「人を殺すかどうか」は実は全く関係ない。
依頼者側からの依頼形式と、それに対する人間の応対の仕方というのが問題の殆どである。

有名なゴルゴ13を例にとると、彼は対象Aを依頼人Bから示されて攻略する。
このとき「対象」は人から宇宙の衛星あたりまでなんでもある。(弓矢で衛星を射った事がある。
こういう殺人無関係の仕事は、例えば企業からの依頼でライバルの試作車を破壊など割とあるのだ)

この時、依頼人が対象に別のスナイパーを差し向けている事は普通ない。
ゴルゴ独自のルールという問題でもなく、単に仕事の形式としてもこういう形なのである。

冴羽リョウの仕事も殆どこの形式であり、彼らは「この人ならば高難度の依頼もやってくれる」という、依頼人からの意識によって客が集まっている。
このため顧客や対象と一対一で繋がるパターンが普通なため、賞金稼ぎ的ではないのだ。

裏を返せば「コンペじゃないなら他の人間はいない」というか、賞金稼ぎとはコンペに応募する人に似ていると言おうか。
もっとも現実のコンペ応募者も、国家のランドマークや世界的イベントの建物(オリンピックとか)のようなものに応募する腕前の者もいる。
なので腕の問題でもない、というのは断言できる。

……ただし実のところ、ピンキリまである公募仕事のどれかに食いついで、時にラッキーで食いつなぐような人間もいる。
そのため、必ずしも皆が最初から高レベルの受け手ではない。
前者の冴羽リョウなどは物語開始時点から噂や口コミで依頼者が来る有名事業者なので、この辺が違いの一部だろうか。


【使用例】

例えば主人公がバウンティハンターの場合、賞金で生計を立てているため自ら進んで行動するか、怠け者であっても誰かが依頼を寄越す。
この設定の強みは「主人公がいきなり人を殴ろうと意気込んで当然」という点にある。

これが軍人であれば自分で戦争を起そうとするなど相当ヤバい人だし、普通の戦争なら開戦の経緯や戦況説明などが多少は要る。
警察だったら何でその犯人をその刑事などだけが追うの?とかツッコミが確実に入る。
能力バトルだったら願いが叶う云々の説明なしだとただのバトルジャンキーじゃねーか。

その点、賞金稼ぎであれば「こいつを倒せば○○円(通貨単位は作品による)が手に入る!」とだけ冒頭で言えばその瞬間に目的意識と行動理由が分かる。


また仕事仲間の賞金稼ぎから「仕事を手伝ってほしい」とか、
仲介人や依頼主を通して「依頼」という形で賞金のかけられた仕事が来るパターンもある。

これも同じく、軍隊であれば友軍や隣接部隊からの救援要請=逼迫した状況なので、惨死体ごろごろとか敵軍がめっちゃいるみたいな絵ヅラ不可避。
警察が探偵別部署の者に依頼する等でも、いきなり説明なしでやったら無能か異常行動の謗りを免れないだろう。

実際に2022年のバットマン映画「THE BATMAN」序盤では最初の殺人現場にコウモリコスプレおじさんが入って来て、
「警察だけだ(現場の警官が制止し)」「私が呼んだ(上司キャラ)」「(通しはしたが)イカレてる」という一幕が描かれている。
ギャグのようだが真面目なシーンである。

しかし基本自営業の世界な賞金稼ぎモノにおいては、手に余る獲物なら仲間と一緒に狩るくらいは普通に有り得る範囲なのだ。


主人公などが冤罪を受けたり、政府でなくとも巨大な犯罪組織などから裏社会に賞金を懸けられたり、ディストピア系作品なら”その国や世界では犯罪になる”行為をしたキャラクターで、それを追う敵として出ることもある。
(後述の作品ではワンピースにはよくある。天竜人殴打も「天竜人を」という所が非常に重いし、ロビンの初期の理由もリアル感覚での犯罪イメージと遠め)

長編の場合は何かしら目標や追うべき敵がおり、一話完結式の作品の場合はそういったモノはない。
前者の場合は旅をしているパターンが多い。
足として陸上戦艦や飛行船等を持ち合わせていたりする。大きな乗り物なら大抵仲間持ち。

その他、先に書いたように通り名や二つ名で彩られていたりもする。賞金首側にもこれは多い。


【使用する武器、能力】

最も使用頻度が多いのが銃。
二丁拳銃、ライフル、バズーカ等様々。
これは西部劇の影響を受けていると思われる。

次に剣。これまた大剣やら刀やら様々。
中には某スタイリッシュみたいに銃と剣を併用してくる変態がいる。


また近年では魔法や超能力の類を用いるパターンもある。
そして通り名、二つ名はこれらの武器や能力、もしくは外見に由来する場合がほとんど。


【現代の賞金稼ぎ】

アメリカでは政府公認のバウンティハンターが今もいる。
ベイルボンズという保釈金立替屋から借りた金を払わずトンズラしたアホ共や、
広域指名手配された犯罪者を生かしたまま引っ捕まえる者達である。

州を跨いだ奴でも捕まえる為、犯罪者からはポリ公の犬と嫌われている存在だ。
昔は賞金首を巡ってハンター同士が殺し合ったケースがある。

実際の所は、聞き込みと言った地道な捜査となるため、フィクションのような武力よりも人脈などが大事になるらしい。


日本人でありながらバウンティハンターをやっている(自決用に手榴弾を常備した)酔狂な男もいたりする。


【日本では】

そもそも法制度上存在のしようがあんまりない。武装民間人?あかんやろ。

一応「捜査時特別報奨金制度」や被害者からの懸賞金などは実在はする。するが……
それで生計を立てるとしたら、能力もだが絶対数も必要となってくる。そして後者は明らかに大問題である。

下記のハンター・キャッツの例のように、恐らく大規模に法制度や治安組織を改編するような事象がない限りは無理だろう。
ハンター・キャッツとは因果が逆だが、近年の作品では緋弾のアリアの世界観では「犯罪者と武装民間人の増加」
という構造自体は一致している。つまり「モヒカンが増えたなら民間人も武装せざるを得ない」というわけだ。
(法律モノとしては逆転裁判シリーズでも裁判の増加→制度改革で高速化されたという話が本編で触れられている)

要するに武装民間人の存在が許可されようがされまいが、高額懸賞金の掛かるような犯罪者
(前述の制度などでは最高額1000万円、オウム関係者などに該当する者がいる)
がめっちゃ増えてマッポーカリプス手前というのが設定上必須なのである。イヤ日本誕生と切り離しようがないのだ。

現実でありえるとすれば、行方不明者の捜索や迷子のペットの捜索程度だろう。
もしくはアライグマの様な害獣駆除でお金を稼ぐくらいか。

【フィクションにおける賞金稼ぎキャラ&類義キャラの一例】

代表的でないものも解説のために含む。




ダンテ(DMC)
二丁拳銃と魔剣を使いこなすデビルハンター。
「合言葉あり」の仕事しか受けない、事実上対悪魔専門の便利屋を建てている。
アニメ版では「依頼を受けて報酬を受け取る」という形での活躍が見られる。


◇ヴァージニア・マックスウェル
ワイルドアームズ3の主人公。ヒラヒラのロングスカートで三つ編みで二丁拳銃という萌え要素を兼備した女子だが、性格は正義に燃える熱血漢。
ワイルドアームズシリーズの賞金稼ぎは「渡り鳥」と呼ばれており、彼女もその一人。


名護啓介
妖怪ぼたんむしり。
詳細は個別項目を参照。


リカリッタ・アリエス
サクラ大戦のロリ。
詳細は個別項目を参照。


サムス・アラン
メトロイドシリーズの主人公にして、銀河最強のバウンティハンターの異名を持つ戦士。
最強の名に恥じない圧倒的戦闘力を有しており、たった一人で数多の死線をくぐり抜けている。
同シリーズでは主な依頼人である銀河連邦が自前の武力確保に四苦八苦している描写が多く、サムス等に頼らざるを得ないという世界観のようである。
詳細は個別項目を参照。

ただサムスはバウンティハンターではあるが、実際のゲームでは依頼を受けて敵基地などに侵入するストーリーがほとんどであり、「賞金首と戦って報酬を得る」ようなシーンは意外とない。
「スーパー」の説明書に「気ままなハンター家業に戻った」という文章があったり、「ドレッド」のオープニングで「依頼に対して報酬が安い」とアダムが愚痴っているような描写はあるが…
素性やプライベートに不明点が多く、連邦の依頼の合間に具体的に何をしているのか、などは謎に包まれている。


冴羽リョウ(獣編の僚、うしおととらのヒョウさんのように一般表記不能)
皆さんご存知CITY HUNTERのモッコリ変態スイーパー。
その気になったら東京を壊滅させられる大の女好き。

とはいえ純然たる賞金稼ぎと違い「ヤクザ等の脅威から依頼人(の家族等指定対象)を護衛する」という仕事や、
「非賞金首(そもそも日本では犯罪者に対する懸賞金制度が強くはないが)の悪人を依頼されて殺害」といった仕事が殆ど。
特に後者は民間人が指名手配されてもいない、民間人の悪人を殺すよう依頼する者がとても多い。
要するに必殺シリーズのような「公的に裁けぬ悪を撃つ殺し屋」の仕事が初期はメイン。ゆえに「掃除屋(スイーパー)」なのである。

「個人や団体が特定人物に特定の行為を依頼する」という、いわば「閉じた」世界の仕事という点で賞金稼ぎとは見做されないゴルゴ13あたりと本質はかなり近い。
そういった意味では何度もアニメ化されるなどして知名度はあるが、むしろ賞金稼ぎと逆な部分も強い。含むとすればかなり広義の分類だろう。

「殺し屋」と「賞金稼ぎ」の距離がかなり近いパターンは、「必殺シリーズ」の「新・必殺仕置人」あたりだろう。
本作では特定対象からの依頼に限らず、裏稼業組織「寅の会」による落札形式が存在し仕事も多く選ばれている。
もしこれが西部劇のような裏稼業向けの張り紙式で仕置人同士が先を争う世界なら・・・。


美神令子
こちらも同じく広義の部類。冴羽と違う点は、劇中において移動範囲が圧倒的に広く(シティどころか雪原だろうが海だろうが仕事はある)
賞金の掛けられた悪魔などの撃破も実際に行っているため、主体ではないが賞金稼ぎという側面はある。
ただしやはり自発的に悪霊狩りをする理由は賞金と余り関係がない。ユニコーンの角の末端価格に惹かれてヒャッハーするような人なので、素質は十二分にあるが。


ジャンゴ・フェット
スター・ウォーズ・シリーズに登場する作品中屈指のバウンティハンター。
その実力は敵のジェダイ騎士をブラスター三発で倒すほどで、クローン兵士達のオリジナルともなった。
また息子のボバ・フェットも腕利きのバウンティハンターとして成長する。
なお作中のやりとりから、賞金稼ぎは世間一般では流れのならず者として嫌われる傾向にあるようだ。
ほかの賞金稼ぎおよび作中の扱いについては「賞金稼ぎ(STAR WARS)」を参照。


ハーケン・ブロウニング
ツァイト・クロコディールの二代目艦長にして、世界を創り替えた男。
チャラコフスキーな勘違いキザ生物。


トレイン=ハートネット
掃除屋。元伝説の抹殺者で、人間離れした銃技を使う。
賞金より自分の気持ちを優先させる自由人。


桃太郎
お爺さんとお婆さんから依頼(?)を受け、鬼を駆逐した後に金品を持ち帰った。
とはいえやっぱりトレジャーハンターとかじゃね?感は否めない。鬼のせいで都から奪われた金品だし…
一番近いのはD&Dやソード・ワールドなどTRPGにおける冒険者のハック&スラッシュであろう。

この手の作品では「モンスターの巣にある奪われた品や遺品は、返却要求がない場合撃破した冒険者の財産となる」というのが基本。
作中で法的にそう規定されている場合もあるので「フェンサーのピーチ・ジョンがビーストテイマー用アイテムを使い、仲間にした動物NPCとオーガ強盗団のアジトに突入」くらいのもの。
まあ冒険者もたまに賞金かかってるネームドモンスターを殺す事もあるが。
ただ劇中でモンスター撃破賞金を得るのを生業にしている、という設定がなければほとんどは広義、兼業レベルの存在である。


◇勇者(おとぎ話からRPGまで)
王族の血筋など貴種流離譚系の主人公が存在しない、自由参加型作品に限ればぶっちゃけ昔話ではこっちの方が近い。
「魔王を倒した者には褒美をとらせる」みたいなことを言い出す王様=依頼人 魔王=ターゲット
まさに勇者先輩鉄砲玉説の裏付けである。

自由参加だけに、前述のような「選ばれし○○」的な存在ではない個性的な奴の参戦もよくある話。
クッソ汚いスネ毛オヤジとかを仲間に魔王を倒しに行・・・ったと思ったら
初期アニメではラスダン手前帰宅とかやらかす個性派の鑑すら存在する。
魔法陣グルグルは実際に公募式で、他の勇者候補も序盤には出てきている。

賞金稼ぎは冒頭で述べたように、基本は武装民間人である。この点も「自称勇者が公募されてる魔王退治の褒美を狙う」というムーヴの賞金稼ぎ感に拍車をかける。


ロロノア・ゾロ
麦わら海賊団加入以前は、主に海賊に対する賞金稼ぎとして東の海に名を馳せていた。
実は迷子になったため食い扶持を稼ぐため仕方なしの賞金稼ぎだったが、彼も麦わらの一味になる前は専業者で間違いない。
どれだけの賞金首を倒していたのかは明かされていないが、
その腕前から「海賊狩りのゾロ」と呼ばれ、自身が賞金首になった際にも、手配書にはその二つ名が付けられている。

またゾロの舎弟であるヨサクとジョニーも賞金稼ぎである。
ただし実力は作中の戦闘キャラでは最低ランク。至るところでボコボコにされており、本人たちも小物狙いだったらしい。
のちに漁師に転職したところ、大当たりした模様。

多くの賞金首が登場するONE PIECEだが、原作では賞金稼ぎのキャラクターは案外登場しておらず、どちらかというとアニメオリジナルエピソードで登場するパターンが多い。


キャプテン・ファルコン
F-ZEROグランプリの常連の凄腕パイロットであり、サムスと同じく謎の多い人物だが、レースのない時期はバウンティハンターとして活動している。
そのためか同業者のサムライゴローや悪の帝王ブラックシャドーからは敵視されている。
初代F-ZEROでの取り扱い説明書内にある漫画にはファルコンが賞金首を倒している場面が描写されている。


◇マブチ・キョーマ Dimension W
世界中に供給され、法的規定もあるエネルギー供給装置「コイル」の違法な品を回収する「回収屋」である。
あくまで対象はコイルという装置であり、人間は狩らない。またコイル一つに対する報酬の規定金額はあるのだろうが、額面は明示されない。
所持対象の強さにより賞金額が変わったりもしない。

こうしてみると賞金稼ぎっぽくないが、「公開された攻撃対象を狩る者」という意味ではかなり狭義の賞金稼ぎに近い。
他の回収屋にしても

“セントラル3の壊し屋”ユーリー・アントノフ、全米No1の回収屋・“ヒーロー”ジェイソン・クライスラー
全米No2の回収屋・“ヒットマン”K・K、“メキシコの狂気”スコーピオンキャッツ・キャシディ

……どっからどう見ても「二つ名持ちのハンター」のテンプレまんまであり、こういう連中が狩る対象を巡って殴り合うのも賞金稼ぎもののテンプレの一種。
前述の通りゴルゴや冴羽などは依頼が基本的に”閉じた系”であるから、エピソードごとの強敵(排除対象そのものや護衛)はいても「同じ獲物を狙う」こういった手合いが出現しにくい。
その意味では近年の作品に見られる類義的な描写の一例はこちらである。


◇ガルディス(グリーン・ブラッド-1980年代)
集団的異能のテンプレネタもやっていた柴田昌弘のSF漫画、そのワンエピソードのキャラクター。

本作の主人公たちはグリーン・ブラッド(GB)と呼ばれる人間に近い人工生物で、鉱山奴隷として使われていた。
毒性の血を持つことを知らなかったために鉱山支配者の娘が死んだり、メンバーの女子を犯そうとした奴を殺害(人間ならせいぜい過剰防衛の範囲)したりと、
人間の読者視点では「恨まれるのは分かるが我欲のみの犯罪者とは明らかに違う」存在として描写されている。
人格的にもごくまともなので、普通に人助けなんかもする。

前述の扱いもあり脱走した彼らを殺す為の専門職、と言っても劇中ではGBは人権なぞない「モノ」なので「不良品を処理」する「始末屋」が存在する。
その一人であるガルディスは、重傷のところをGBである主人公らに助けられる。そして恩返しとして他のGBハンターを倒しながら死を迎える。

「脇役」で「主人公の敵」で「味方」となり死んで行った賞金稼ぎ。ゾロあたりの先例に近い感じ。
ちなみにガルディスや賞金を懸けた社長など人類の多くは白人系だが、彼にやられるハンターの一人にはなぜかアル語尾の中国人っぽい奴がいたりする。
前述の「個性付けされた色んなハンター」のテンプレの一面だろう。


アイン北斗の拳
中央帝都編に登場するアメリカンな賞金稼ぎ。その初登場シーンも捕らえた賞金首を引き渡しに中央帝都の群都(エリア)に参じるという物だった。
破格の懸賞金がかけられたケンシロウの首を狙うが手も足も出ず敗北、しかし愛する女がいるからという事で見逃される。
その後ケンシロウを慕うバットと出会い、彼の生き様や言葉に感化され、アインは愛する女…愛娘アスカが誇れるような男になる事を決意し
賞金稼ぎから足を洗い悪逆非道の中央帝都に反抗する賞金首に転身する。

作中では「町一番の賞金稼ぎ」を自称するブゾリという男も登場したが、腕っ節ではアインの方がはるかに上だった。


【フィクションにおける賞金稼ぎがメインの作品】


COWBOY BEBOP
太陽系を舞台にしたSF賞金稼ぎモノ。スペースオペラならぬ「スペース・ジャズ」。
地球に隕石が降り注いで死の星となったため、人類がなし崩し的に宇宙へと進出した世界。
そんな大混乱のおかげで、火星や土星にまで人が住んでるのに、場末のバーでじじいが飲んだくれているような乱れた社会が形成されている。
犯罪者も太陽系中にはびこり、警察の手に負えなくなったため賞金首制度が施行された。
賞金稼ぎは獲物を追い込む「カウボーイ」と呼ばれ、西部開拓時代のそれがモチーフとなっている。
ただし西部劇と違って賞金首を殺したら賞金は出ない。


◇ハンター・キャッツ(あろひろし)
毒手格闘家、伝説級スリ師の弟子、両腕サイバネサディストハッカーというヘン……もとい個性的な女三人を主人公にした賞金稼ぎモノ。
本作では日本の警察組織が大幅削減されたため、半民営化された自治組織などが治安を維持する役に就いている。
このせいで治安が悪化し、武装民間人による賞金首狩りが普遍化している。

要するにお上の手が回らない大西部とか、広すぎ問題を抱える現代アメリカのノリを架空の近未来日本に持ち込んだような感じの世界観。
連載当時(90年代)日本にちょっとニンジャスレイヤー的エッセンスを加えたくらいの技術レベル世界でもある。


◇ガンスミスキャッツ(園田健一)
上と名前はちょっと似ているが、こちらは連載当時(1990年代、ハンターの方のタイトルより先)の本家本元アメリカの実在制度である賞金稼ぎを描いている。
「壊し屋ラリー」など二つ名があったりするのはテンプレ踏襲な面だが、登場銃器や車両は作者の趣味から実在のものを基本にしている。
その点においては確実にリアル寄りであり、他の賞金稼ぎモノとはまた違った雰囲気となっている。


HUNTER×HUNTER
本作中では「ブラックリストハンター」すなわち指名手配犯などを狩るハンターが上記にあるアメリカのそれに近いだろう。
「バラし屋ジョネス」のような犯罪者を狩るのが仕事であり、彼が試験の場にいたのもそういう人が捕獲したからという可能性がある。

主人公であるゴンたちも、ヨークシン編でオークションの費用稼ぎのために賞金の掛かった旅団メンバーを狙って活動した事がある。

その時にはプロとして相棒であるキルアが協力しているが、ゾルディックは暗殺者の家である。
よってゴルゴらのような「特定の団体・人物から特定対象に向かう依頼」も普通にある。
この場合のプロとは対象に逃亡や抵抗されないよう接近し、捕獲または殺害する、
すなわち人間対象の依頼におけるマンハント的ノウハウという点でのプロ。

兄ミルキはグルメ旅もしたいからと稼げそうな対象を見繕って殺していたので兼業くらいのノリだが、
基本的には「賞金稼ぎとして食っていくにはどの位の犯罪者ならリスクとリターンがいいか」といった経営的な意味での専業性は薄い。


ここまでは「対人」タイプの依頼であるが、「対物」としては実のところグリードアイランド編は全編賞金稼ぎモノとも言える。

大富豪バッテラ氏がゲーム中最高のレアアイテムを求め、懸賞金500憶ジェニーをかけている。
そしてすべてのソフトを彼が落札し、彼に依頼された多数のハンターがG.I.へと突入した。
しかし長年クリアされないため、時折空席に対し複数人の募集が掛かっている。
つまり前述した公募依頼という形そのままなのである。

ゴンたちもまたその募集の空席に入った新参者であり、ゲーム内にはベテランから新人まで多数のプレイヤーが存在している。

その中でツェズゲラのような本職の懸賞金ハンターや、「爆弾魔」ゲンスルーのような
「ころしてでもうばいとる(ガチ)」までやってくる者たちと競い合う。

もっとも懸賞金が目当てでない旅団絡みの人間もいるし、ゴン自身の目的も違う。
しかしシナリオの大枠はバッテラの懸賞金と依頼という意味で賞金稼ぎモノと一致していると言える。
前述の通り対人依頼的な内容ではないので、キルアのノウハウも全部役立っているわけではない。
カードを持っているの自体は人間なので、奪い合いの駆け引きなどにおいては機能しているが。


トリコ
基本的には殆ど昔の冒険家やプラントハンターに近く、新種の食物の発見やらを行っている。また依頼者と対象が特定の場合もある。
ただし「アイスヘル編」のようなシチュエーション、つまり大企業の公募で複数のハンターが先を争うような条件は賞金稼ぎ的と言える。
前述のゴンや美神たちと同じく「作品中の一部で経験したことがある」といったレベルであり、専業者としては描かれていないが。


◇ルパン三世 (2015年TVシリーズ) Part4とも
第9話「殺し屋たちの鎮魂歌」では、過去に五ェ門が複数人の殺し屋たちと共に西アフリカの某国独裁者を殺害する依頼を受けていた。
あくまでも一つのチームとしてルパン一家が呼ばれた等ではなく、得意武器も五ェ門が当然刀なのに対して他のメンツは突撃銃や爆弾等。
二つ名持ちらしく業界人には知られたフリーの殺し屋も参加しているらしい事がブリーフィングの時点で分かる。

このような招集の仕方をしてみんなで協力して報酬も均等割、といった一丸となっての仕事ではなく「標的殺害者にボーナス」
といった形式でフリーの殺し屋たちに差がつくような暗殺依頼は殆ど賞金稼ぎモノと大差ない。

似たようなものとしてDIO配下のジョジョ3部スタンド使いたちにもフリーの殺し屋は複数いる(タワーオブグレーやデーボ等)が、
彼らの活動には個人の功名心だけでなくDIOへの畏怖や忠誠心も混じっている。要するに個別の稼ぎ手としての色彩が薄まっている点がやや違う。


アーマード・コア ラストレイヴン
武装組織「バーテックス」を率いるジャック・Oが統治機構「アライアンス」への総攻撃を予告し、どちらの組織にも与していない中立レイヴンに共闘を呼びかける。
その動きを危険視したアライアンスはジャックをはじめとするバーテックス所属レイヴンに懸賞金をかけるが、ジャックも対抗措置としてアライアンス所属レイヴンに懸賞金をかけ、さらには中立レイヴンに対しても「協力しないなら敵と見なし排除する」として懸賞金をかける。
これにより、総攻撃開始までの限られた時間内で全てのレイヴンが互いの命を狙い合う極限状況が発生した…というのが本作の大まかなストーリー。生き残ったレイヴンの全てが賞金首であり賞金稼ぎでもある。
ミッションクリア時にレイヴンを撃破していたら、かけられていた賞金額がしっかり報酬に上乗せされる。極限状況の筈だがみんな律儀である

各レイヴンにかけられた賞金額は「レイヴンとしての実力」「二大勢力の衝突に関する重要度」「思想や行動の危険性」で判断されているようである。
例えばジャックは実力的には正直大した事はないのだが、アライアンスに敵対する勢力の首謀者という事で賞金額は全レイヴンで最高。
他にもレイヴンであれば誰彼構わず抹殺しようとする中立レイヴン「リム・ファイアー」は、実力と思想の危険性から中立レイヴンであるにもかかわらず第3位の賞金額。

その為、「手軽に倒せる割に実入りがいい」ジャック討伐ミッションが本作の金策として重宝されている…





追記・修正せぬものの首 金一封

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