銀色の眼のイザク

登録日 :2012/04/12(木) 23:18:40
更新日 : 2017/12/01 Fri 20:17:33
所要時間 :約 4 分で読めます





俺は生きる! ガイア、俺は生きる!!



【概要】

「銀色の眼のイザク」はウルトラマンガイア第43話のエピソード。1999年7月3日放映。

人類がかつて繰り返してきた愚行に対し、人類が変わってゆくための一つの回答を示した、平成ウルトラシリーズの名作の一つである。
脚本は、これ以外にも「遥かなる友人」「遠い町・ウクバール」を手がけた太田愛。


【ストーリー】

人類がかつて毛皮や骨目当てで狩猟の末絶滅させてしまった、「地上で最も美しい虎」アルテスタイガー。
彼らは誇り高く、仲間と散り散りになってもハンターに抵抗し、アルテ平原の重油の混じった水を飲みながら戦った。

「イザクたちにとっては……私たち人間が、破滅招来体のような存在だったのかもしれませんね……」

そんな中、人類の過ちを少しでも取り戻そうと、絶滅動物を復活させるプロジェクトが岩倉財団にて組まれ、そのテストケース第一号となったのが、アルテスタイガー最後の一頭、“銀色の眼のイザク”のクローン再生であった。
ところが、再生されたイザクは根源的破滅招来体に拉致されて巨大な怪獣と化し、重油を欲してコンビナートに現れる。

イザクは人間に対して復讐したいのだろうと考え、自分がその憎しみをうけようと出陣したアグル。覚悟の上とはいえ、フルボッコにされて病院送りになってしまう。
しかし、入院したアグル=藤宮は、戦いの中でイザクの声を聞き、自分の思い上がりを悟った。
イザクは自分が最後の一頭だとは知らなかったし、むしろ野生で生きていた頃のように、憎しみよりもアルテスタイガーとして生きていくことを望んでいるだけだったということが語られた。
そして、躊躇えばガイアもやられるとも……。

再び石油コンビナートにイザクが現れる。
しかしイザクの望みを叶えることは多くの人間の命を奪うことにほかならない。
根源的破滅招来体も、イザクを倒すことを躊躇えば、再び人類が絶滅させた動物を送り込むことだろう。
意を決した我夢は、ついにガイアに変身。イザクの前に立ちはだかるも、その高い戦闘能力の前に劣勢に追い込まれる。
ガイアは切り札たるスプリームヴァージョンに変身し、今度はイザクと互角に渡り合う。
止めを刺そうとフォトンストリームの構えを取った時、ガイアはイザクの声を聞く。


俺は生きる! ガイア、俺は生きる!!


その声を聞いたガイアはフォトンストリームの構えを解き、イザクと同じく、己の肉体のみで戦うことを決意。
死闘の末、ガイアのスプリームキックを受けたイザクはついに倒された。

ガイアは自分の身体の近くに滞留していた銀色の粒子が天に昇っていくのを見届けた後、人間へと戻る。
激戦の疲れか、それとも後悔からか、力なくその場に膝から崩れ落ち、「許してくれ」と罪悪感に慄く我夢に激戦の一部始終を見届けた藤宮が語りかける。
かつて人間は変われると語った我夢の言葉を信じたいと思った藤宮の答えがそこにはあった。

「人間は人間が過去に犯した過ちを自分達の痛みとして背負っていかない限り、本当に変わったりは出来ないんじゃないか?」


●アルテスタイガー怪獣 イザク
(イザクプラチアード)
全長 62メートル
体重 5万4千トン

クローン再生されたアルテスタイガーのイザクを根源的破滅招来体が怪獣化した。
生きるために重油の混じった水を飲んだ記憶から、重油を欲してコンビナートに現れ、更にその油で強力な火炎を吐き散らす。

かなり強い。
作中10万トン超の怪獣を何度も投げ飛ばし、チートラマンの称号をほしいままにしたウルトラマンガイア・スプリームヴァージョンを向こうに回し、ほぼ互角の格闘を繰り広げたのはイザクだけである。
これがイザクがそのとおり強かったからと見るか、ガイアに迷いがあったからと見るかは、見解の分かれるところであろうが……。

なお、着ぐるみに火炎放射器をつけた怪獣はイザクが最後である。



人類がこれまで絶滅させてきた生物は多い。
リョコウバトニホンオオカミステラーカイギュウなど。

本作に登場したアルテスタイガー自体は架空の生物であるが、トラの仲間も何種類か人類が絶滅させ、生き残った種類も軒並み絶滅の危機に瀕している(カスピトラなど)。

流石に人類はその過ちに気づきつつはある。
とはいえ、ただ単に気づくだけで変わることができるほど、人間は優れた生き物ではないのだ。

問題提起をする作品は決して少なくない。
しかし、それに対して一つの解答を示した意味で、本作の意義は大きい。


追記・修正は過去の過ちを自分の痛みとして感じ取れるようになってからお願いします。
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