シーモア=グアド

登録日:2011/06/20 Mon 13:22:09
更新日:2024/03/06 Wed 21:25:37
所要時間:約 10 分で読めます





私が新たな「シン」となれば
おまえの父も救われるのだ!


シーモア=グアドとは、『FINAL FANTASY Ⅹ』の主要人物。

CV:諏訪部順一
年齢:28歳(実はアーロンと7歳しか変わらない)


【概要】

グアド族の族長にしてエボン四老師の一人。
前族長ジスカル=グアドと人間の女性の間に生まれた混血児。

これはジスカルがグアド族と人との差異をなくそうとした政策の一つであり、今でこそシーモアは「人とグアドの架け橋」とグアド族から期待されている。

だがシーモアが生まれた頃はグアド族の中で内乱が起こっており、更に純血主義者が多かったグアド族の大半はシーモアと母を迫害した。
ジスカルは妻子を迫害から守り内乱を静めるため、やむなくシーモアと母を遠島する。

その後シーモアは母の願いもあって共に召喚士になり、ザナルカンドに辿り着いた後母が生け贄となって究極召喚を得た。
元々、召喚獣の祈り子となる人間との絆を深め、かつ究極召喚に必須の「祈り子と精神を一体とする」高等な召喚術を身に着ける為の旅であったが、
大幅に工程を省略しても究極召喚を会得できたシーモアは、召喚士として極めて高い素質を持っていたのは明らかである。

シーモアの母は余命幾許も無く、何とか息子が世間に認められるようにと自身が究極召喚獣の祈り子になったが、それは最早愛情を通り越し執念に近い。
また、妻子を想ってはいたジスカルはそんな妻へのせめてもの償いにとその旅を支援したが、
それが逆に「自分達を救いもしない癖に、母をただ死へ追いやった」という認識をシーモアに与え、余計に父親への憎悪を募らせる原因となる。
しかし、人種差別による迫害と過酷な旅を乗り越えたシーモアを待っていたのは唯一の支えの母との別れ、
永遠に繰り返される「死の螺旋」という残酷な真実だった。
真実を知ったシーモアは究極召喚を拒絶*1、バージ島に戻り再び幽閉生活を送る事になる。

そしてシーモアは歪んでいき、運命から何もかもを憎むようになる。
幽閉生活の中で考え付いた結論は自ら究極召喚獣となった後で新たな「シン」としてスピラの全てを破壊するというものだった。

そして本編開始の1年前、父ジスカルを謀殺。
ジスカルはあくまでも急死ということになり、自分が新たなグアド族長となり、スピラ滅亡計画を開始する。


本編開始後、ティーダ達の前に初めて姿を現したのはルカでの老師就任の挨拶にて。
この時は話す機会などはなく、遠目で見てるだけ。
本格的に知り合うきっかけとなったのはミヘン・セッションだが、シーモアは既に究極召喚をさせる相手としてユウナに目をつけていた。


立場が違う者への理解も示す物腰の柔らかな老師、という仮面を被っていたので、ユウナ・ワッカルールーは全幅の信頼を置いていたが、
アーロンをはじめキマリやティーダは不快感の方が強かった(ティーダも最初は正しい主張をしている人と思っていたような描写はあるが、同時に胡散臭さを感じ取っており、ワッカも老師という立場から信頼こそしていたもののダブルスタンダードな言動が多いシーモア個人の事は初めから気に入ってはいなかった)。

順調に計画を進めていたもののグアドサラムにおいてジスカルの幻光体がユウナに真実を伝えたために本性が露見、口封じのためマカラーニャ寺院にてティーダ一行を殺しにかかる*2
アニマまで召喚して戦うものの、究極召喚としては使わず途中で引っ込めたこともあり敗北、死亡する。
*3

しかし、強い思念により死人となり復活する。
その後は完全にストーカー化。グレートブリッジ、ガガゼト山、シンの体内にて戦う事になるが姿がだんだんオサレになっていく。紅白での小林幸子。

グレートブリッジではアーロンの旧友であるキノック、ガガゼト山では和解したばかりだったビラン、エンケを含めたロンゾ族の殆どを殺害する*4など、
パーティーメンバーにゆかりがあるキャラを殺す機会も多い悪役として登場する。

その後「シン」に吸収されてしまうが、それならそれでと内側から「シン」を乗っ取ろうと画策。
「シン」の体内にてまたも再会するが、ついに異界送りされ退場することとなった。
この時はジェクトの意識が弱まっていることもあり、もしエボン=ジュにシーモアが打ち勝っていたならシーモアが本当に「シン」になってしまうというとてつもなく危険な状態であった。
もし両者が対決していたならどうなったかは不明だが、どちらにせよスピラ中が大変なことになっていたのは間違いないだろう。


劇中では、ユウナに対しては殆ど狂気じみた感情を向けている。
ジスカルを殺害したことがユウナに知られた時点でシーモアの企みは半ば失敗に終わったも同然だったのだが*5、その後も執拗にユウナを追い求め、自分のものになるならば死体でも構わないとする等徐々に手段と目的が逆転していく。
アルティマニアの解説によると自分と似たような境遇でありながら父を誇り真っ直ぐに生きるユウナに対して彼は羨望と憧憬の感情を向け惹かれていたらしく、そのため殺してでも自分のものにしたがっていた。
最終的にはそのユウナに異界送りされるが、その結末も彼にとっては予想通り、本望と言えるものだったためどこか満足したような口調でこの世を去っていく。


【戦闘面】

シンのコケラ「ギイ」2戦目にて一度だけ操作キャラとして使うことができる。
オーバードライブ技として敵全体にダメージを与える「レクイエム」があるが、シーモアが魔力も高く2回目の「ギイ」戦ではステータスが低くなっていることから、ラ系魔法の連発であっさり倒せてしまうためほぼ日の目を見ることはない。

因みに初期案ではスポット参戦でしばらく旅に同行する予定だったらしく、ゲーム中では見ることができないがデータ上は勝利ポーズや逃走モーションも用意されており、「ギイ」戦後にAP取得が発生するのはこの名残の様子。


ボスとしては通常、異体、終異体、最終異体の計4回戦う事になる。

通常(マカラーニャ寺院)

最初の戦闘はお供のグアドガード2体が全ての攻撃をかばい、アイテムでサポートしてくるのでさっさとグアドガードを倒したい。
ちなみにグアドガードが使うアイテムに「んのうやく」というセンスのいいネーミングの偽アイテムがある。効果は混乱なので使われると鬱陶しいが。
この時点ではラ系魔法で攻撃してくるが、完全ローテーション行動な上、攻撃も然程苛烈でもないので「はげます」や「ヘイスト」でパーティを強化しておこう。
アイテムによるサポートはグアドガードに盗むを使うと使わなくなるので、序盤はリュックで盗んでおくと楽。
ある程度HPを減らすとアニマを召喚してくるので、こちらもシヴァを召喚して対抗する事になるが、ムービーで見せた強さはどこへやら普通に戦う連発→ダイアモンドダストで倒せるのでそんなに強くない。
アニマを倒すと再びシーモアとの戦闘に戻り、序盤と同じくラ系魔法で攻め立ててくるようになり、ローテーションなのも同じ。
ただしこの段階では連続魔で放ってくる他、魔力も上がっているため、運が悪いとバ系魔法を貫通してダメージを与えてくるのでさっさと倒してしまいたい。
なお「リフレク」をパーティメンバー全員にかけておけばシーモアは完封可能。キマリに習得させる方が現実的か。

異体(ベベル・グレートブリッジ)

ブレイク→砕きのツメのコンボにさえ気を付ければそこまで強くはない。
不安ならグレートブリッジでレベル上げをしておくと良い。
ただしヘイスト等の強化魔法を3種類以上かけるとデスペラードで全体解除させられるので強化するなら「はげます」か「集中」で。
この形態から召喚獣を問答無用で即死させる「一撃の慈悲」を使ってくるが、正直正攻法でも十分倒せるのでそこまで困らないかも。
唯一この形態だけ「挑発」が効くので挑発要因にリフレクをかけてやるとあっさり倒せる。

因みにお供の幻光異体はHPがなくなると強制でシーモア本体のHPを吸収して復活するのでたまーにこの行動でシーモアが死ぬ。
お供の倒す回数を調整すれば復活でオーバーキルが取れる。

終異体(ガガゼト山)

恐らくFF10のボスの中で屈指の強敵。
こちらを必ずゾンビ状態にしてくる「滅びのヤリ」→「アレイズ」の即死コンボに加えて後半は「リフレク」→自分に「フレア」でパーティー全体に高い火力で攻め立ててくる上に「デスペル」でこちらの強化状態を解除してくる。
そして無強化だと全体に4500前後のダメージを与えてくる「完全なる破壊」……と直前までのボスとは比べ物にならない強さを誇る。
もちろん「一撃の慈悲」も使ってくるので召喚獣は頼りにならない。OD連射してたらめっちゃ削れるから十分だけど
対策としてはとにかく聖水や万能薬を使ってゾンビ状態を解除し、ヘイストやシェルによる強化耐性を維持させるため「デスペル」対策で沈黙耐性がない点を突きサイレスを使い沈黙状態にさせる事。
ワッカのサイレスバスターなら確実に沈黙状態にできるが1ターンしか持たないためタイミングを見極める必要がある(前半は「滅びのヤリ」を2回使った後)。
リフレクをデスペルで解除すると必ずかけ直し無駄行動を誘発できるので沈黙を入れられなかった場合の保険としては悪くはない。


最終異体(シンの体内)

その名の通りシーモアの最終形態、かつラスボスの前座ボスポジションという事で恐ろしい実力を誇る……と言いたいが、ぶっちゃけ全然強くない。体内のその辺でエンカウントするキングベヒーモスの方が強いレベルである。
対策という対策も特に必要なく適当に強化して殴っていれば勝てる。
とはいえ、4回連続で使ってくるガ系魔法は中々強く、無強化だと結構なダメージが通る。
対策としてキマリの「マイティガード」やユウナの「リフレク」を使うといいだろう。ただし、後者は跳ね返った魔法で回復してしまうので注意。
なんなら「一撃の慈悲」も使わないので、別にパネルずらさなくても同属性の召喚獣出しておけば属性変わるまで一方的に攻撃できる。
というか後ろのパネルの柄が揃っていないと使ってこないため、一人がパネルの柄を揃えさせないようにしとけば良いだけで、そこまで対策を気にする必要はない。
HPもそんな高くないからゴリ押しでもすぐ倒せるし。


戦闘BGMの「シーモアバトル」はFFシリーズ屈指の名曲として知られる。
何故かルカシアターの音楽スフィアとして追加されないので最終異体を倒すとゲーム中で聴く事ができなくなるので注意。

余談だが最終異体戦でアニマを召喚すると特別な台詞が聞けるので余裕があるなら召喚してみよう。
ぶっちゃけアニマを入手できる程度にパーティが鍛えられてるならすぐ倒せてしまうので聞きたいなら早めに召喚すること。


「全てが私を拒むか……それもよかろう。」


【余談】

  • 上述の通りストーリー上4回も戦う事になるためファンからは"ストーカー"呼ばわりを受けている。
    それだけに留まらず、作中でユウナの唇を奪っているためガチで嫌っているファンも多く、不快感の方が強いという理由であまりネタにはされない。
    前述のストーカーの他、奇抜過ぎる髪型や植物質の体皮が剛毛に見える事がネタにはされていないとは言っていない。

  • アルティマニアの人気投票では11位とそれなりの順位だったが、よりによって一つ上の順位がモブキャラのシパーフ使いだったためネタにされる。
    HDリマスター発売に際して、声を担当した諏訪部順一からコメントが寄せた際に「今も心の傷です(笑)」と語っている。
    因みにシパーフ使いの声も諏訪部氏が担当している。



「この項目を追記・修正するのは、やはりあなたか…。それもよかろう。」

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最終更新:2024年03月06日 21:25

*1 自分が死にたくないからではなく、母を新たな「シン」にしたくなかったからと解説されている。

*2 完全な余談だが、この時ユウナ含めて仲間を守ろうと皆臨戦態勢に入っている中で、この時点に至ってもシーモアを信用していたため後方で所在無さげに突っ立っているだけのワッカの姿は良くネタにされる。戦闘中にシーモアから「覚悟を決めなさい!」と叱られる程戦意を見せていなかった。

*3 究極召喚は祈り子と召喚士が精神を完全同調させる必要があり、既に息子への後悔しかない母とスピラに対する憎悪を滾らせているシーモアがこの戦いで心を一つに出来るか怪しいので、そもそも使えなかった可能性が高い。

*4 これが原因でロンゾ族とグアド族は仲は険悪になり、一時期戦争直前まで行ってしまう。

*5 究極召喚には祈り子と召喚士の間に強い絆が必要なので、ユウナとの信頼関係が崩れた時点でシーモアが究極召喚の祈り子となることは不可能に近い。