ロラン(魔弾の王と戦姫)

登録日 : 2012/05/04(金) 05:40:49
更新日 : 2015/07/27 Mon 13:43:33
所要時間 :約 7 分で読めます





――戦姫よ

陛下の許しを得ぬ者がブリューヌの地に足を踏み入れることを、俺は許さん



ライトノベル『魔弾の王と戦姫』の登場人物。
CV;東地宏樹

主人公ティグルヴルムド=ヴォルン(ティグル)の生国・ブリューヌ王国に所属する、『黒騎士』なる異名を持つ騎士。
初登場は三巻。


これまでの展開では、ティグルというイレギュラーを除けば、エレオノーラ(エレン)たちジスタートの七戦姫だけが際立った強さを発揮していた。
しかし、このたびの彼――ロランもまた彼女たちと同等、もしくはそれ以上の化け物。
彼はその手に携える宝剣と共に、“反逆者”の烙印を押されたティグルの前に立ちふさがることになる。



所属:ブリューヌ王国・ナヴァール騎士団
身分:騎士(ナヴァール騎士団・団長)
武器:『不敗の剣』デュランダル


【人物】

ブリューヌ王国に数ある騎士団の中でも最精鋭とされるナヴァール騎士団において、団長を務める人物。27歳。
その立場に違わぬ実力を持ち、名実共に ブリューヌ最強の騎士 と呼ばれている。
兜、甲冑、軍靴からマントに至るまで黒一色の姿にちなみ、 『黒騎士』 とも渾名される。

黒の頭髪や厳しい表情・目つき、鼻の上部を横断する傷痕らしきものが特徴的な男。
その他の容姿に関しては、「他者を圧倒する威風に溢れた、鍛え抜かれた長身を持つ」と語られている。
手に持つ巨大な剣も目を引くが、これについては後述する。

性格は質実剛健を地で行き、 「民を守る剣にして盾」 たらんとする精神と、国王ファーロンへの揺るがぬ忠誠を持ち合わせる。
そうした人となりもあって、約五千名の騎士団員からは絶対的な信頼を勝ち得ている。



【国王ファーロンとの関係】

元々はある神殿に拾われた孤児だったが、幼いころ、当時王子だったファーロンの激励を受けたことで騎士への道を志す。
以降は神殿の伝手を頼って一心不乱に鍛錬を積むようになっていった。

元来備えていた戦士の素質を開花させると、若干13歳にして騎士となるための試練に合格。しかもこの時点で、試練の相手として居合わせた 歴戦の騎士全員を倒す怪物ぶり を示していた。
受勲式では王位に就いたばかりのファーロンと再会するが、ファーロンは一度会っただけの彼を覚えてくれていた。これが決め手となり、王と国家への絶対の忠誠と、王国の民の護り手たることを誓うようになる。

その忠誠は年月を経ても変わらず、ディナントの戦いでのレグナス王子戦死の一報を聞いた折は、王子のために一晩中黙祷を捧げ続けている。
また、王子の喪失で王が精神を病んだという報せに心を痛めると同時に、王の自失を利用して勢力争いを目論むテナルディエ、ガヌロンといった貴族達を憎々しく思っている。



【ナヴァール騎士団】

ブリューヌ王国でも最精鋭とされる騎士団。副団長の名はオリビエ。
ブリューヌ西端の砦に配置され、西に隣接するザクスタン、アスヴァール両国に対する守りの要を担う。
この二国(特にザクスタン)からは断続的な侵略を受けているが、五、六年前にロランが団長となってからはその悉くを撃退している。



【戦闘能力】

七戦姫の一人であるエレンすら圧倒し、戦姫の中でも一、二を争う実力を持つサーシャを知る彼女をして「本当に人間か。悪夢のようだ」と言わしめる怪物。
エレンより一回り近く年上なこともあって武技は完成されており、騎兵を 剣や甲冑どころか馬ごと両断する 膂力、底なしの体力も持つ。
また敵の仕掛けた罠なども悉く見破るなど、勘の良さ、鋭さも並外れている。
ひとたび戦に出れば、 どのような障害を前にしても止まらず、ただ真っ直ぐ突き進んで敵将を討ち取る チート臭いキャラ。この冗談のような戦い振りを何度も目撃したザクスタンやアスヴァールの兵からは、心底 化け物 扱いされている。

《王家の宝剣・デュランダル》

ブリューヌ王家の宝物であり、『不敗の剣』と称される大振りな剣。約八年前、 騎士の中の騎士 の誉れと共にファーロン直々に下賜された。
強度と切れ味は凄まじく、ロラン曰く「打ち合った全ての武器を叩き折ってきた」らしい(エレンの竜具『アリファール』が初の例外)。
竜具の引き起こす神秘などを打ち消す 力を持ち、戦姫の切り札たる 竜技(ヴェーダ) までも無効化するため、戦姫にとってはまさに“天敵”となる。

由来に関しては「精霊が初代ブリューヌ国王に与えた」と建国神話に伝えられるが、物語の裏で暗躍する老人『ドレカヴァク』曰く、その正体は「竜具に対抗すべく造られた武器の中で唯一の成功例」とのこと(誰がいつ作ったのかまでは、この時点で語られていない)。
表向きの伝承に隠れたこの事実に関して、ロランなど王国の人間は一切を知らない様子。一応、ロラン自身は「まやかしやら呪術やらを断ち切れる」程度の認識はしている。




【本編での活躍(ネタバレ注意)】













ブリューヌ西端の守護にあたっていたところ、 「隣国ジスタートの勢力を国内に招きいれた反逆者、ティグルヴルムド=ヴォルンを討伐せよ」 とのテナルディエ公爵の命を受け取る。
国王からの命の形式で送られたそれには逆らえず、ナヴァール騎士団全軍を引き連れ、ティグルと彼の協力者であるエレンらの下へ向かった。

接敵後は自ら先頭に立って即座に突撃を開始し、一対一で相対したエレンをも圧倒する。
このままエレンを仕留められるかと思いきや、ティグルと彼に同行していたソフィーヤの助勢、マスハス率いる騎兵の奇襲で機を失ったため、部下共々いったん引き上げた。
この際にはティグルに重傷を負わせる一方でその卓越した弓の腕に感心し、ブリューヌで蔑視の対象となっていた“弓という武器”に初めて脅威を覚えている。

次の戦いまでの合間には、ティグルについての調査結果を目に通している。
ティグルの実直な人柄や「国に対する反乱の意思など無く、 自領の民を守るためだけ にテナルディエと争っている」状況を知って迷いを抱きはするが、与えられた役目に従って追撃の続行を決定した。


後日の第二戦では、副官のオリビエに敵軍の相手を任せ、自身はエレン・ソフィーを同時に相手取る。
二人の戦姫と戦いながらも彼女らを圧倒し、エレンの竜技を耐え切って今度こそ彼女らを仕留めようとするが、そこに重傷を押して駆けつけたティグルが立ち塞がったため、彼との一騎打ちに移行。
エレン、ソフィーの持つ竜具の力を取り込んだティグルの “魔弾” をデュランダルで迎撃するが、竜技を遥かに上回るその威力に初めて圧倒される。
ボロボロになりながらもその一撃を耐え抜くが、土壇場に来てティグルと戦うことへの迷いが首をもたげ、肉体より先に精神が音を上げたことで戦闘続行の不可能を悟る。

「いまの俺では貴殿に勝てぬ。――降伏する」


降伏と休戦を宣言した後は、自分がティグルを認めた証としてデュランダルを彼に預けたうえ、ティグルの汚名を晴らすべく王にかけあうと言い残して王都へ向かっていった。
このまま、ロランの働きによりティグルの未来は幾らか好転することが期待された。


――が、城に待ち構えていたガヌロン公爵の罠に嵌められた結果、王に会えないまま謀殺されるという唐突にして無念な最期を迎えることとなった。

ちなみに、この時に用いられたのは 対象を閉じ込めた密室に大量の毒蜂を放つ 『蜂牢(フレロール)』という処刑法。
大抵の人間は余りの痛みに人間は暴れ狂い、少しでも蜂から逃れるように身を丸めた状態で死ぬ ようなシロモノだが、ロランは 直立不動で痛みに耐え続け、立ったまま死んでいった
生還は不可能と悟ってなお、最期まで騎士としての意地を張り通したようだ。



【余談】

武器名といい本人の名前といい、元ネタは恐らく(というか間違いなく)叙事詩『ローランの歌』。
元ネタまんまのキャラが使われるのは本作中では珍しいが、竜具(ヴィラルト)に対するデュランダルの“特殊性”などを始め、それ以外のメインキャラとの違いを色々な意味で浮き彫りにした形とも取れる。
また、その強さから強烈なインパクトを残しながらもあっさり死亡したことで、「名有りの人物ですら死ぬ予定アリ」との作者の後書きを容赦なく実証するキャラクターとなった。

というか、あのまま生きて仲間になろうものならバランス崩壊も甚だしかっただろうし、退場は仕方がなかったことなのかも知れないが。



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