ルーリック(魔弾の王と戦姫)

登録日:2012/06/05 Tue 16:59:15
更新日:2020/09/16 Wed 18:17:35
所要時間:約 6 分で読めます





戦う恐怖を、勇気や戦意で塗りつぶせる者などそうはいません

指揮官、指導者を――つまりはあなたを信じているから、あなたに従って、戦う



ライトノベル『魔弾の王と戦姫』の登場人物。
CV;興津和幸
初登場は1巻。


一騎当千の武勇を誇るヒロインたちが戦場を舞うなか、そうした“主力級”とは距離を置いた位置に立つ男性キャラ。
要するに脇役なのだが、随所で味わい深い人間性を発揮し続けており、着実に良キャラの地位を築きつつある。

そもそも男性キャラということ自体、作劇上では非常に美味しいポジションにある。
というのも、彼のような存在があってこそ、各ヒロインとの関わりでは見られない側面を主人公・ティグルヴルムド=ヴォルンから引き出せるため。その意味ではストーリーに幅を持たせる影の功労者と言える。

恐らくコイツとティグルが見せる“野郎同士の語り合い”がお気に入り……という読者も少なくないと思われる。



所属:ジスタート王国・ライトメリッツ
身分:兵士(騎士との表記もあり)
備考:特に弓術に優れる


【人物】

七戦姫の一人、エレオノーラ=ヴィルターリア(エレン)が治める公国『ライトメリッツ』に属する兵士(姓を持たないため、貴族出身ではないと思われる)。
ライトメリッツ軍人の例に漏れず、リュドミラ=ルリエが治める『オルミュッツ』への敵対感情は強い(この辺はリュドミラの項目を参照)。
3巻では「ティグルより5つ上」、つまり21歳程度の年齢と判明した。

やや長めの艶やかな黒髪をたたえた優男。その容姿と女性への手馴れた対応から、エレンの公宮に仕える侍女達には大人気らしい。
原作版のイラストに登場していなかった都合で、キャラデザに関しては先に漫画版のほうで確定している。

兵士として特筆すべき点は弓の技量。その腕はライトメリッツ軍は言うに及ばず、王都シレジアの弓術大会でも「自分以上の使い手を知らない」というほど。
特に矢の飛距離に自信があるようで、作中世界における弓の一般的な最大射程250アルシン(約250m)を上回る、270アルシンという記録を残している。
心中ではそれを大いに誇り、「いずれ300アルシンまで飛ばせるようになれば、国内一を名乗ってやろう」と考えてすらいた。

……その自信を、よりにもよって弓が軽視される隣国・ブリューヌ出身の少年にぶち壊されるまでは、だが。



【初登場・ティグルとの出会い】

初登場は1巻の序盤、ティグルディナントの戦いでエレンの捕虜となり、ライトメリッツに連行されてからのこと。
当初、ティグルの処遇についてはリムを筆頭に多くの臣下から「捕虜になどせず殺してしまえ」との声が挙がっていた。しかしティグルの弓の腕を見込んで部下に引き入れることを望むエレンは、彼の実力を知らしめることでその声を鎮めようとする。
こうして多くの兵に見張られる衆人環視の中、ティグルは「300アルシン先の的を射抜け」と常人には到底不可能な課題を与えられることとなったのだが……。

このイベントに悪戯心を刺激されたのが彼、ルーリック。ティグルに大恥をかかせようと、彼は仲間の兵士と共謀して粗末な造りの弓を用意したのだった。
……にも拘らずティグルはその弓を使い、300アルシン先(しかも、更に飛距離を要する城壁の上)に現れた暗殺者の脚をピンポイントで射抜き、生け捕って見せた。

粗悪な弓、罵声が飛び交い緊張を強いられる環境、そうした悪条件を物ともせず年下の少年が披露した技を前に、己の弓兵としての自負は呆気なく崩れてしまう。



【そしてハゲに】

先の一件で「戦姫直々の捕虜に屈辱を与えようとした」ことが明らかとなったため、エレンから斬首を言い渡されそうになる。
しかしティグルの口添えもあって恩赦を受け(命の代わりに髪を失ったが)、この感謝をきっかけにティグルを尊敬し始める。
翌日からはティグルの監視役に志願・着任。捕虜生活の手助けも兼ねるこの役目をこなす中で、ティグルの人柄そのものにも関心を持っていく。
接してみると、あなたは実におもしろい
とは後のルーリックが当時を振り返って語った言葉。

ちなみに先述の「髪を失った」云々は、恩赦の代償として「“命の次に大切なもの”を差し出せ」とエレンから告げられたことに起因する。
頭を丸めたせいで女性人気は以前より目減りしたらしいが、本人は気にしていないどころか、その頭を誇りにしている様子。
その後もツルツルのままなところを見ると、定期的に頭を剃っていると思われる。



【以降の顛末】

ティグルの領地『アルサス』襲撃の報せをきっかけにティグルとエレンの協力関係が成立すると、自身もエレンやティグル、リムに付き従ってアルサスの救援へ向かった。

以後に続く数々の戦いにも従軍し、4巻でエレンとティグルが軍を分けての別行動を強いられた際にも、エレンではなくティグルの下に残っている。
この辺りになるとライトメリッツの兵でありながら「ティグルに傾倒しすぎている」と他人に指摘されるほど。

銀の流星軍で兵站を担当するジェラール・オージェは喧嘩相手。
片やジスタート平民出身の武官タイプ、片やブリューヌ貴族出身の文官型といろいろと対照的で何かと小競り合いが絶えないが、決定的に仲が悪いというわけではない。



【作中での役割など】

項目冒頭で述べたように戦姫のような飛びぬけた強さを持つわけではなく、戦場で無双する機会とは無縁である。
その代わりというべきか、軍務においてはティグルの補佐としての振る舞いが目立つ。“一般的なライトメリッツ兵”の目線に立ったそれは、指揮官のエレン、彼女の副官であるリムが果たす役割とは違った方面でティグルの助けとなっているようだ。


女性の扱いに慣れていないティグルに助言をしたりと、個人的な会話で盛り上がる場面も印象的。

ルーリック「感謝の言葉をいただけて光栄ですが、このていどのことで言う必要はありません
ティグル「ささいなことであっても、礼はしっかり言うべきだと思うけど
もっともですが、ありがたみが減ります。女性に愛していると言うのと同じで、ここぞというときにこそ用いて、乱用は慎むべきかと
……もうすこしわかりやすいたとえで頼む

ご覧のイケメンぶりである。
また、時に軽口を叩きはしてもティグルへの敬意を忘れることはなく、常に敬語で接するよう弁えている(ティグルへの呼称は『ティグルヴルムド卿』)。この単に友人とも部下とも呼べないような絶妙な距離感も面白いところなのかも。


このように作中を通して渋い(?)見せ場を享受し続ける彼だが、読者からは「人死にに容赦が無い本作で無事に生き残れるか?」と危ぶむ声が挙がることも……。
ハゲの明日はどっちだ!?



追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 魔弾の王と戦姫
  • 興津和幸
  • ハゲ
  • 兵士
  • イケメン
  • 副官
  • スキンヘッド
  • ルーリック

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年09月16日 18:17