エルオントナナ(魔王物語物語)

登録日:2011/12/28 Wed 22:34:37
更新日:2022/02/07 Mon 02:27:39
所要時間:約 6 分で読めます





私はあの塔を登り
そして、きっと……


フリーのRPG魔王物語物語(以下、まもも)の登場人物にして、ネグラの住人の一人。
ルドルフヒクグモと同様、ヒマリの仲間になるキャラの一人でもある。



【人物】

23歳。
青い髪を肩まで伸ばし、やや物憂げな眼差しをした静かな女性。「さん」付けをして敬語で話すなど、丁寧な人柄が見て取れる。

彼女もルドルフやヒクグモと同様に『島』の各地を出歩いている一人。ヒマリが話しかけた際に聞ける
「物語は現実を一時でも忘れさせてくれる」
「苦労して頑張れば、誰もが笑えるハッピーエンドを掴み取れる。……そうであって欲しいのに」
といった言葉からは、何か言い知れぬ苦悩を抱えていることも窺えるだろう。

ネグラの彼女の部屋には彼女の過去を記した“ナナの物語”と、どういった経緯で持っているのか『魔王物語』の原本の一部、《第一章『塔』》がある。
プレイヤーが読めるのは前者のみ。ストーリー進行に応じて先が追加されていくので、ちょくちょく彼女の部屋を訪れてみよう。




以下ネタバレ。
未プレイならブラウザバックを推奨。












本名はナナ・エルオント。
『大陸』を治める英雄ゼルヒ・エルオントの孫娘である。
早く父を亡くしたため、父に代わって面倒を見てくれた“ゼルおじいちゃん”をとても慕っている。



ゼルヒとコソ泥アイリッツが出会った時に切り裂かれ、ゼルヒの手元に残った『魔王物語』の一部、《第一章『塔』》。
そこに描かれているのは、頂上に居る精霊に願いを叶えてもらうため、並み居る敵を倒しながら塔を登る英雄の姿である。
幼いのナナはこの物語がとても好きで、仲の良い幼馴染の少年ジョルと二人で読みふけっていた。

しばらくして、かねてより『大陸』を襲っていた流行り病によってゼルヒも病床に伏してしまう。
ナナとジョルは彼の快復を願うため、『魔王物語』を真似してナナの家にある塔へと登ろうとした。……が、後一歩で頂上というところで発狂したゼルヒが現れ、なんとジョルを階段から突き落としてしまう。
さらにゼルヒはジョルが動かなくなるまで殴り続け、二人の仲はそれ以降完全に絶たれてしまった。

17年が経った現在。ナナは国を荒廃させていくゼルヒを止められずにいた。
そんなある日、ある革命勢力のリーダーとなったジョルと再会し、共にゼルヒを止めようと求められる。
しかし、優しかった“ゼルおじいちゃん”の思い出が邪魔をしてそれを断ってしまう。

逃げるようにその場を離れて海に向かったナナは、遠くに見える『島』に一つの塔があることに気付く。

……登らなくては。

今も大事に持ち続ける『魔王物語』がそうさせるのか、『島』へと向かうこととなった。
今度こそ『塔』を登り切り、祖父への想いを断ち切るという願いを叶えるために。



……と、こういったことが“ナナの物語”などから判明するストーリーの背景。
ちなみに、偽名を名乗ったのは身分を隠すためである。まあ安直過ぎて一部の住人にはバレバレなのだが。
その一人であるレーラリラは、自室の手記に「斬新すぎる偽名」だの「なぜお姫様がここに?」だのと書いていたりする。



【ダンジョン:天牢の塔】
『魔王物語』の第1章『塔』になぞらえてナナが作り出した想像上の場所。
普通に入った時にはすぐ屋上に出られる低い建造物なのだが、ナナを伴えば天まで届くような高さの塔へと姿を変える。
『大陸』からナナが見たのは、もしかしたら後者の姿だったのかもしれない。
首だけで空を舞う獣やデロデロした何かなど、ここの敵も現実には存在し得ない化け物である。



【ボス:双頭の悪魔】
天牢の塔の頂上でナナを待つ、二つの頭を持った異形の怪物。
片方の頭は“ゼルおじいちゃん”を模した凛々しい老人の顔、もう片方の頭は狂った悪魔の顔をしている。
その姿が体現するのはナナの葛藤そのものであり、この敵を討たなければナナは先へと進めない。

余談だが、ルドルフのボスが色々とアレなので、順当にプレイすれば初の“らしい”ボス戦となるかも。



【パーティーメンバーとして】
初期レベルが1というだけでなく、装備欄が2つしかないのが辛い(ヒマリたちには3つある“なんでも装備”の欄が無く、武器と防具を1つずつしか着けられない)。
その都合で戦力にはあまり期待できないので、基本的にはサポート役に徹するのがいいかも。

ただし覚えるスキルは優秀。そして深い意味を持っている。


《習得スキル》
ヒマリやルドルフと違い、全てレベルアップ時に習得。

○祈り
HPが85%未満の時に使用可。
味方全員の回避率を大幅にアップさせる。

○願い
味方全員のSP(MP的なもの)をいくらか回復。
祈りと並び、ナナの切実な願いを表しているよう。

○ハッピーエンド至上主義
HPが60%未満の時にのみ使用可と条件は厳しいが、多くの能力を数ターン2倍にする破格の性能を有している。
苦労して頑張った先にはハッピーエンドが待つ、とひたすらに信じているナナの性分を示す。
「『大陸』の平和を取り戻すには愛する祖父を討たなければならない」という事実により、ナナ自身にハッピーエンドが訪れることは決して有り得ないのだが。

○情壊
HPが80%未満の時に使用可となる、ナナ唯一の攻撃スキル。
実は全スキル中でトップクラスの性能を誇り、本人が低火力なのにも拘らず結構なダメージを叩き出す。
「心の中に思うこと」という意味の『情懐』ではなく、“情を壊す”という造語。これは父を討つ決意の表れか。
ボス戦の使用時にのみカットインが挿入される演出が相俟って、テンションも軒並み上がる。



【関連人物】
ゼルヒ・エルオント
項目内の説明どおり、彼女の祖父にして倒すべき敵。

○ジョル
ナナの幼馴染。
ゼルヒに負わされた怪我が元かは不明ながら、“ナナの物語”で17年ぶりに再会した彼は車椅子に乗っていた。

ルドルフ
本人の項目を参照。



自身の心を縛る双頭の悪魔を倒したあとは、ヒマリに礼と別れを告げ、また、「これから“ナナ・エルオント”の物語を始める」のだと言って『島』を去っていく。
エルオントナナという偽名は、それまでの自分が正しく“ナナ・エルオント”では無かったことも暗示していたのかも。

エンディングのワンシーンでは、ジョルの車椅子を押す彼女の姿が見られる。
これが『大陸』の平和を取り戻した後のことなのか、これから狂王に挑もうという場面なのか、あるいは今では叶わぬ彼女の願いが見えただけなのかは分からない。



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最終更新:2022年02月07日 02:27