イリオス(FE)

登録日:2012/03/27(火) 12:32:17
更新日:2023/03/29 Wed 23:23:12
所要時間:約 2 分で読めます






○初期値と成長率
マージナイト LV8
HP-40(50)
力-11(40)
魔力-9(45)
技-13(55)
速さ-14(50)
運-14(70)
守備-10(15)
体格-6(10)
移動-8(1)
武器LV-剣A炎D雷A風D
スキル-祈り・太陽剣
再行動-★
追撃必殺係数-0

フリージ軍に所属する平民の将軍。
フリージにおいて平民出身の上級騎士は珍しいらしく、本人はその出自に強いコンプレックスを抱いている。
ノルデン砦においてケンプフ隊の前線を守備していた際、リーフ率いる解放軍の一人・カリンと偶然出会う。
平民である自分の扱いがぞんざいな軍について愚痴った所、彼女から「解放軍に入らないか」と誘われる。
それを聞いたイリオスは「レンスター復興の際に自分の身分を貴族にする」ことを条件に解放軍に寝返る。

さて、このイリオスというキャラだが、プレイヤーにとって、いまいち印象に残らないキャラだと思われる。

一つは、彼が分岐シナリオでしか登場しないこと。
イリオスが登場する前のシナリオ(15章)にて、リーフ軍は軍師二人の献策のぶつかり合いからレンスター城へ向かうルートを決めることになる。
西のノルデン砦を経由し、正面突破でレンスター城に乗り込むというドリアスの策。
東のメルフィーユの森を抜け、守備の手薄な南門から奇襲をかけるというアウグストの策。
イリオスは前者の砦ルートでしか登場せず、同マップにはあのケンプフも登場するため「こいつ誰だっけ?」という程度しか思われない。
また、敵として登場することもあり、プレイヤーにとっては太陽Mを盗んで身ぐるみを剥がせる中ボスくらいの印象しか残らないだろう。

そしてもう一つは、仲間にする条件が面倒なこと。イリオスが仲間になるのは、自軍でオルエンがいないことに限る。
彼女が既に死んでいる場合、もしくは仲間になる章に行かなかった場合、仲間になる章で話しかけずNPCのまま放置して進めた場合*1にしか、イリオスはカリンの説得に応じないのだ。
そもそもその「カリンで説得する」こと自体もノーヒント。
かの説得女王:シーダと、カリンとの共通点は「最初に仲間になるペガサスナイト」という点くらい。
あえていうなら「現状に不満をぶちまけている」という点では、FC版暗黒竜ロジャーがかろうじて共通するくらいか。
どっちにしても攻略情報なしでは先ず仲間入りは不可能だろうし、そもそもこの「オルエンが不参加の状態でなければ仲間にできない」という条件は類似条件がまったく存在しなかった。あと顔グラもひねてるし。
そのため「なぜか固有の顔グラを持つ変な敵」程度でしかなく、言ってしまえばノーヒントプレイにおいては影の薄いケンプフでしかないのである。

そして「ダイムサンダ」「せいなる剣」という専用アイテムを2つも持つ上におかっぱのかわいい美女のオルエンと、
こんな二言目には貴族コンプを口にするひねくれ顔で「自分を貴族にしろ」なんて言い出すイリオス、プレイヤーがどちらを選ぶかと言えば答えは決まっているわけで。
そのため仲間にしたことがない、したことはあるがオルエンの方が強い、という評価のプレイヤーが大半であり、たいてい太陽Mを奪われた後に殺されるか身ぐるみを剥がれて捨てられる。
仮にこれがオルエン以外のキャラ、たとえばマーティとかグレイドなら容赦なく捨てる人もいたかもしれないが、自軍最強格を捨ててまで仲間にするほどのキャラではない……これが大半の人の答えだろう。

イリオスの成長率自体はオルエンと同等かつ初期値では上回る。祈りと太陽剣で助けられる場面も少なくなく、普通に強いユニットではある。
とはいえ、強力な専用武器が二つもあるオルエンと比べると、やっぱり影が薄い。どう見ても引き立て役として配置されているようにしか見えない。
必殺係数も0であり、追撃した際に絶対に必殺を出してくれないというのもやはり厳しいものがある。

ただしオルエンではなくイリオスを選ぶメリットも決して少なくない。
メイン装備となる剣と雷の武器レベルが最初からAであり、初期レベルがどちらもBのオルエン*2よりも高い。
この雷の武器レベルAという点が、特に早解きでは「サンダーストームを最初から使うことができる」という明確な利点になる。
また、オルエンはどれだけ頑張っても仲間にするのに4ターンかかるが、イリオスは工夫すれば1~2ターンで仲間にできるので早解きに際しても2ターン分のメリットを捻出できる。
SSSクリアなどでは1ターンの価値が非常に大きいため、この2ターン分と「ろくに育成できない上に待ち伏せMを使う必要があるダイムサンダ」を天秤にかけた時にオルエンを捨てるという答えを出す人も少なくない。
オルエンの代用として加入するイリオスの評価の低さは「オルエンと比較するから」であって、本人自身は十分な即戦力なのである。
さらに実はオルエンの強さは2種類の専用武器に依存するところが大きく、素は実はそこまで強くないのでこちらを選ぶメリットは十分存在する。

さて、なぜオルエンが死亡した時に補填のように仲間になるかというと実はこの章に登場するケンプフが原因。
ケンプフは持ち場から離れないで命令を厳守することを上官に厳命されるのだが、このケンプフにオルエンで話しかけるとケンプフを挑発するイベントが発生する。
このケンプフが挑発に乗って突撃してくる(=攻略が楽になる)ため、無策でこのイベントを起こすとオルエンが死亡してしまう可能性が高い*3
これではよろしくないということで、死んでしまったときの補填としてこの章でイリオスという代用キャラが仲間になる……というバランス調整だったのだろう。
ヒントがほぼ存在しないのは、「ヒントの通りにやっても仲間にならないじゃん」という混乱を避けるための配慮でもあったのだといえる。
見てるだけでも腹が立つような顔グラのひねくれた貴族なのは、仮にこれで仲間になるキャラが美男美女だとプレイヤーによってはこの二択が本当にきついからだろう。
そもそもこのゲーム、ミランダとアマルダですら迷う人いるんだし。
この代替キャラに既存のキャラにない新しい魅力を引っ提げてしまった「新・暗黒竜」の新キャラ勢は、その仕様から大きな批判を浴びることになる。

ちなみに後日談によると戦後は貴族となるが、任された地方の経営に失敗し閑職に回された。どこまでも冴えない男であった。


余談だが、イリオスは加入する際にカリンから「オルソンさん」というあだ名を付けられた。
これはカリンに「名前だけは貴族っぽい」とからかわれたイリオスが、同じく貴族コンプだった父親につけられた本名だと言い返した際に
「じゃああなたの貴族コンプレックスはその名前のせいね 変えた方がいいと思うわ イリオスじゃなくてオルソンにしなさいよ」
と言われたもの(当然だが実際の名前は変化しない)。このイベントはコミカルなのだが、次の章で信念のペガサスナイトを説得するときのカリンはめちゃくちゃシリアス。この落差はいったい……。

後に『聖魔の光石』には実際にオルソンという名前の味方ユニットが登場。
味方から敵に寝返るというFE史上初のことをしでかし、敵将となって散っていく。


ちっ…Wiki篭りだと思って好き勝手に追記・修正させやがって…もう、やってやれねえぜ



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最終更新:2023年03月29日 23:23

*1 フレッドは11章外伝に行かないと仲間にならない

*2 と言っても雷魔法はすぐにAになるが

*3 挑発会話の最後にオルエンが「リーフ様 私の役目は終わりました…どうか、ご武運を…」というセリフを言うが、死亡することを前提にしているようにもとれる会話である。