チョコボレーシング 〜幻界へのロード〜

登録日:2012/03/04(日) 19:04:14
更新日:2022/08/05 Fri 20:01:57
所要時間:約 7 分で読めます





『チョコボレーシング 〜幻界へのロード〜』とは、1999年にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)からPSで発売されたレースゲームである。
『ファイナルファンタジー』シリーズのマスコットキャラであるチョコボを主役にした、いわゆる『チョコボシリーズ』の一作。

概要


名作揃いのPSゲームの中でも、今なお愛され続けている名作レースゲーム。
アニオタ諸君の中にもこのゲームと青春時代を過ごした者も居るのでは?

現在はゲームアーカイブスも配信されている。
2人での対戦が可能。というか友人との対戦が非常に盛り上がるゲーム。


64?マリオカート?スマブラ?知らんなぁ

サントラは一時絶版となり、価格が高騰していたものの、現在は復刻版が発売中。プレイしなくてもFF曲のアレンジ版を聴いてニヤニヤするのもいいかもしれない。
余談だが、アレンジ版作曲者の伊藤賢治氏はオリジナル版作曲者の植松伸夫氏に褒められた際、うれしさのあまり泣いてしまった。滅多に褒めない人なんだそうな。


基本的なシステムは、道中に落ちている「魔石」や設定した「アビリティ」を駆使し、レースで一位を目指すというもの。

魔石にはFFでお馴染みの魔法が封じられており、バラで3個まで所持する事可能だが、同じ魔法を最高3回連続*1で取る事でまでパワーアップすることが出来る。
…が、CPUにとあるキャラクターがいた途端、それが面倒に…。


主なモード


・ストーリーモード
チョコボとモーグリが仲間達と出会いながら、不思議な光る石の謎を追う物語。
ストーリーを周回するごとにキャラクターエディットができ、隠しキャラが1人ずつ解禁される。

・グランプリモード
ストーリーで走ったコースを4つ好きに選んで走る。全てのコースで1位を取ればベヒーモス・クラスが解禁され、また全て一位を取ればバハムートクラスが、さらにそこでも一位を取ればミラーモードが解禁される。

・バーサスモード
1対1で走るモード。友人とのタイマンにどうぞ。

・リレーモード
こちらも1対1だが、こちらはラップごとにキャラを変えて走る。


登場キャラクター


【メインキャラクター】


固有の「アビリティ」を持っているキャラクター。
アビリティはストーリーモードで使用する場合でのもので、対戦時には他のキャラのものも含めて好きに付けることができる。

・チョコボ
毎度お馴染み、ファイナルファンタジーシリーズのマスコットキャラ。「クエッ!」としか喋らない。
以前付けていたポーチを外し、緑のスカーフを巻いている。
乗り物ではなく、「ジェットブレードCR」なるローラースケートでレースに出場する。

所持アビリティは「ダッシュ」
4秒間ほど加速できる。派手さはないがシンプルに扱いやすい。


・モーグリ
ずる賢く臆病なモーグリ。
マシンはシドがついでで制作したスクーター型マシン「モグ・スルーR2」。
とはいえ一晩で作り上げた割には高性能でしかもクラクションまでついているというなかなかのものだったりする。

所持アビリティは「はばたき」
羽ばたいて宙に浮き、障害物を避けたりコース外の減速ゾーンを無視して通ったりできる。
…だが、障害物はよほどタイミング良く狙われない限り避けられず、減速ゾーン無視はダッシュで同じことが可能。
そもそも元から浮いているキャラが他に複数いるという…。
チャージ時間は最速だが使えなさがそれ以前の問題で、最弱アビリティを不動のものとした。
使ってる本人も「はばたきなんてセコいアビリティ」と言い放つ程。一応エフェクト自体はそれなりにかっこいいのだが。
モーグリ自身もだいたい下位を走っている。


・ゴーレム
巨人の遺跡で門番をしていたゴーレム。チョコボとモーグリの旅で一番最初に仲間となる。
マシンはグリップ力*2重視の「ロックルーザーV8」。

所持アビリティもグリップ力を上げる「グリプル」
本人のグリプル力も併せ、超絶安定仕様である。


・ゴブリン
ミスリル鉱山を根城にする盗賊。
マシンはトロッコの「ゴブトロッコH4」。見た目通り、加速力は高いがグリップ力が低く曲がるのは苦手。
そして、作中トップクラスのストレスメーカーである。

所持アビリティは「ぶんどる」
他のプレイヤーの持っている「魔石」を奪うことができる。
そこそこ使えるが、脅威なのは相手に使われた時。
せっかく溜めていた魔石を奪っていくため、強力な魔石を使い辛くなってしまうのだ。
黒魔導士が溜めていた魔石を強奪し、ぶっ放してくることも多々ある。
これを防ぐ対策としては、溜めていた魔石の後ろに別の魔石をつける事が重要となる。


・黒魔導士
「黒の館」で登場。
FFでお馴染み、チョコボシリーズにもよく登場する黒魔法使い。
乗り物は空飛ぶ雲「魔雲」。浮いているため設置物と減速ゾーンは無効化できる。

所持アビリティは「魔石アップ」
一定時間ごとに強制発動し、持っている魔石のレベルを1つ上げる(魔石を持っていない場合は発動せず、手に入れた瞬間に発動)。
タイミングが選べないために若干扱いが難しいのが難点だが、妨害能力を大幅に上げてくれる。
特にCOMに回すと、高レベルの魔法を頻繁に使用してくるため厄介な存在。


・白魔道士
チョコボ達が持っている青い石について知る少女。可愛い。
チョコボの不思議なダンジョン2』のシロマに似ているが、関係はない(らしい)。
乗り物は魔法のじゅうたん。スリップを喰らうとスカートを押さえて恥ずかしがる。

所持アビリティは「バリア」
魔石での攻撃を1回のみ無効化する。やはり強制発動なのが難点だが、魔石のレベルに関わらず無効化可能。
強力な魔法も平気でやり過ごす可愛い強敵である。
こちらも浮いていて設置物と減速ゾーンは通用しない強みも持ち、上位に居ることも多い。


・デブチョコボ
「ハングリーランド」で登場。名前の通りの太ったチョコボで、関西弁で喋る。
マシンはグリップ力に優れた「DEV・トライシクル」。極めて曲がりやすく、カーブだらけの幻界やFF8サーキット等では抜群の安定感を発揮する。
最高速もそれ程遅くは無いため、ゴーレムを食っちゃってる感が…。

所持アビリティは「魔石あずかり」
魔石攻撃を受けると、そっくりそのまま同じ魔石を貰うことができる。
強化された魔石の攻撃なら同じように強化された状態で手に入るため、攻撃の喰らい損になることは防げる。
ただし、受ける攻撃そのものは防げないので注意。
デブチョコボがCPUにいる場合は強力魔石が2回飛んでくる事はデフォルトと考えたほうがいい。


・ベヒーモス
グルグ火山で登場。
FFシリーズおなじみのモンスターだけあり、見た目通りの攻撃的な性格。
搭乗する「ベヒーメタル99式」は平均的なスピードと高いグリップ力を兼ね備えた高性能マシン。

所持アビリティは「突進」
一定時間ダッシュができ、かつ接触した相手に攻撃もできる攻走一体の技。
その分持続時間はダッシュだけができる「ダッシュ」よりも短いものの、チャージ時間も短い。


・バハムート
実質的なラスボス。自らの翼「ドラゴン・ウイング」で飛行する。
コースアウトした場合、他のマシンと同様シドに修理される。幻獣神様どうなってんすか。

所持アビリティは強力な全体攻撃「メガフレア」
使用できるのに約50秒とチャージ速度は非常に遅いものの、全員を必中で大クラッシュさせる大技。
魔石での攻撃ではない為、魔石「リフレク」での反射もアビリティ「バリア」での無効化も効かない。
一応、大クラッシュの時間よりコースアウトの時間の方が短い為、喰らう側はわざとコースアウトする事で被害を抑える事も可能*3


ストーリーを2周すると現れる、『ファイナルファンタジーVIII』からの隠しキャラ。
乗っているマシンは「テンペスト」。カッコいい名前だが、原作では街で借りていたレンタカーである。

所持アビリティは「ガンブレード」
原作の武器「ガンブレード」を元にしたもので、1位に追い付くまでの間、ずっとスピードがアップする。
更に追い抜いた敵を強制でクラッシュさせるという、隠しキャラらしい強力な技。
…と思いきや、発動まで非常に時間がかかり、発動した頃には逆転はもう望めない終盤だったりするため使い辛い。
おまけに大クラッシュすると解除されてしまうという欠点も持ち、初見のインパクトの割に使い勝手は微妙。


【その他キャラクター】


条件を満たせば対戦モードで使用できる。
固有の「アビリティ」を持たず、他のキャラのものを好きに付けて使う。

FFシリーズお馴染みの高速で走るサボテン。
自分の足で走るため、なんとマシン無し。
足が速いキャラではあるが流石に乗り物には勝てないのか、最高速は一般的なキャラクターの半分程度しか出せない。
なんとバックしたほうが速いという有様。


・ジャック
知る人ぞ知るスクウェアのマイナーゲー、『とびだせ大作戦』の主人公。
今はもちろん、当時でも若い人は絶対知らんだろうというレベルのマイナーゲーであった。
とにかくそこから出場。こいつも自らの身体で走るのでマシン無し。

ただの人間であるため、当然のごとく頭を抱えるほど遅い。勝負にならないぐらい遅い。完全なネタキャラである。
…だが、よく考えると人間なのに時速40km以上で走り続ける化け物である。
スピンターボを使えば速く走れるが、操作は異常に難しい。


・インビンシブル
ファイナルファンタジーIII』に登場した飛空艇。
原作では操作が難しくなるぐらい速いことで有名であったノーチラスではなく、遅い代わりに設備が充実している方。
本作ではノーチラスめいた他キャラを遥かに上回る加速と最高速を持つのだが、同じく速すぎて操作が難しい。
…とは言ったものの、実際はぶつかりながらでも1位は余裕なチートキャラである。

だが、後述の「幻界」での走行は柵がないのに狭い、カーブだらけという特徴から最早無理ゲーの域。
COMに操作させると荒ぶるドリフトテクニックを見る事が出来る。

他にも、
らが参戦している。
クラウドのマシンはもちろん、原作で乗り込んだバイク「ハーディ・デイトナ」である。


コース一覧


BGMは『ファイナルファンタジー』シリーズの歴代音楽を伊藤賢治氏がアレンジしている。
軒並み評価が高い。

  • シドのテストコース
一般的なオーバルコース。名前通り、エディット時のテスト走行にも使われる。
BGMは「チョコボのテーマ」のアレンジ。


・モーグリ・フォレスト
森の中を走る。比較的難易度は低い。
BGMはFF6の未使用曲のアレンジ。


・巨人の遺跡
遺跡の中を走る、直角カーブが多いコース。
BGMはFF3の「戦闘シーン2」のアレンジ。


・ミスリル鉱山
大きなショートカットがあるコース。そのショートカットをぶつからずに通り抜ける事がカギ。
BGMはFF1「グルグ火山」のアレンジ。火山のコースが他にあるのにこっちで使うのかよとか言わない。


・黒魔導士の館
館の中を走り抜けるテクニカルコース。檻が落ちてくる場所があり、運が悪いと閉じ込められてしまう。
BGMはFF2「魔導士の搭」のアレンジ。


・ミシディア空中庭園
雲の上にあるコースだが、落下はしない。
BGMはFF5「エンドタイトル」のアレンジであり、コースの雰囲気とよくマッチしていて特に人気が高い。


・ハングリーランド
お菓子でできたコース。全長が非常に長い。ストーリーモードの展開から見るに普通の風景がお菓子に見えているようだ。
BGMはテストコースと同じく「チョコボのテーマ」のアレンジ。


・グルグ火山
落石や落下地点、ハーフパイプのようなカーブなど難易度が高いコース。
BGMはFF2の「戦闘シーン2」のアレンジ。


・幻界
ほとんど壁が無い、ストーリーのラストを飾るに相応しい難易度のステージ。
至るところに召喚獣の姿が見られる。かなり大きなショートカットがあるが、入るのに多少コツが要る。落ちるとショートカットから復帰できる場所もあるが。
BGMはFF3「最後の死闘」のアレンジ。


・FF8サーキット
スコールに勝利すると使用可能になる、『FF8』に出てきた都市・デリングシティの中を駆け抜けるコース。
『FF8』の戦闘BGM「Don't be afraid」のアレンジは作中屈指の疾走感を感じられる曲だが、コース自体は急なカーブが続く難コースである。ギャラリーの中には懐かしい面子も。


・心のたからばこ
ストーリーモードのエンディングを飾る曲。
心に沁みる名曲。




長年続編が希望されていたが、11年の時を経た2010年、ようやく3DSで開発が発表された。
世のレーサーは歓喜した…がいつの間にか制作中止に。


そして更に時は流れ…
2022年、本作の流れを汲む作品、『チョコボGP(グランプリ)がSwitchで発売予定である。
キャラクターデザインも本作や『不思議のダンジョン2』のものを採用している模様。





インビンシブルで落ちずに幻界で1位を取ったら追記・修正お願いします。

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最終更新:2022年08月05日 20:01

*1 ただし、バラ3個分の魔石になる為、それ以上の魔石は所持できなくなる。

*2 この値が高いと曲がりやすくなり、急カーブが楽になる。

*3 ただし、コースアウトが可能なのは黒魔導士の館、ハングリーランド、グルグ火山、幻界の4コースのみである。