パピヨン(武装錬金)

登録日:2012/01/13(金) 05:23:43
更新日:2024/01/27 Sat 22:55:32
所要時間:約 7 分で読めます







蝶☆サイコー!


パピヨンとは、週刊少年ジャンプで連載されていた「武装錬金」に登場するキャラクターの一人である。

年齢:19歳
身長:180㎝
体重:64㎏
趣味:昆虫採集、錬金術の研究
特技:吐血






【概要】

人間を襲うホムンクルスの創造主として、錬金の戦士である津村斗貴子、そして武藤カズキと対立する。

その正体は、原因不明の死病に侵された学生「蝶野攻爵」である。
明治から続く貿易業を営む資産家の長男であり、IQ230の天才で幼少から英才教育を受けており高校の入学試験も全教科満点での主席入学で周囲から期待されていたが、
入学直後に上記の病に冒され入退院の繰り返しにより結果2回もの留年、家族や教師たちからも完全に見捨てられ生徒達からも殆ど忘れ去られており、学年が違うとはいえカズキも「顔に見覚えがない」と発言している。
普通このテの札付きの人物は寧ろ有名人になりそうなものだが
そんな自分を「地を這う醜い芋虫」と称し、「綺麗な蝶々として羽ばたく為」に自身を人型ホムンクルス化しようとしており、ホムンクルスを生み出していたのもその実験の為だった。
生への妄執などからかその瞳はすっかり黒く淀んでおり、斗貴子曰く「ドブ川が腐ったような色」。これはホムンクルスと化した後もそのままであった。

部下の1人である蛙井が命乞いで漏らした情報からついにカズキ達に特定され、彼の説得に聞く耳を持たずアジトを捨てたり弟の次郎の妨害が入りながらも、どうにか自身をホムンクルス化することに成功。
しかし、それは当初の目的である病の克服までは至らなかった。
不完全なホムンクルスを取り込んだ為、病に蝕まれたままホムンクルス化してしまったのである。
それを再度克服する為、カズキの核鉄を狙うが、カズキに敗北して消滅する。
しかし彼はホムンクルスに寄生された斗貴子を救うための解毒剤の保管庫のを飲み込んでおり、カズキは彼を生かしたまま斗貴子を救う事が出来なくなってしまった。誰も犠牲にせず解決したいと一心に願うカズキは苦悩の末…

すまない…蝶野攻爵…


(嗚呼、俺の名前…)


謝 る な よ 偽 善 者





このカズキへの最大級の敬意を込めた罵倒は、彼の心に大きな影を落とすことになる…。











しかし、実は完全に消滅する前に、ドクトル・バタフライ率いるLXEによって救助されていた。
その後しばらくはLXEの一員として活動するも、カズキとの決着を貫くため情報の提供を拒んだりしたため核鉄を与えられないなど冷遇されており*1、更にバタフライに陰で「1人では何もできない出来損ないだが、一応ホムンクルスというよしみで 保護してやっている 」と完全に見下されていた事を知り、自力で核鉄を得た事で離反しバタフライと対峙、激闘の末彼を撃破する。
以降は「蝶・サイコーの俺が人間・武藤カズキを倒す」ことを目的に、ヴィクター化したカズキを人間に戻し自身をヴィクター化する為、独自に動いていた。

「再殺編」では病院を抜け出した桜花からカズキ再殺の情報を受け、バタフライから奪った核鉄を与えてエンゼル御前と共に桜花とやりとりしながらカズキを追う中、成り行きでホムンクルスを追ってきた錬金戦団の一人・戦部と対戦。戦部の武装錬金が持つ高速自動修復能力に苦戦するもその弱点を突いて勝利。
しかし命を奪うことは決してしなかったため、潜伏していた根来の不意打ちに遭い、一転して窮地に陥る。
だが横槍を嫌う戦部もまたパピヨンにトドメを刺す事はせず、戦部のはからいにより疲労のあまり寝込んだままカズキ達の前に突き出された。
その後はカズキ達と行動を共にする。

そして完成させた白い核鉄を使いカズキを人間に戻した後、カズキと念願の再戦。
『サンライトハート改』を破壊寸前まで追い詰めるも惜敗。そこで今度こそ自身を葬るように言うが…
そこでカズキに「パピヨンとしてもう一度生きてほしい」と言われ、カズキとの因縁と自分の過去を全て捨て去る。
それからは他のホムンクルスとは別れ、銀成市の都市伝説、神出鬼没の「蝶人パピヨン」として市民からは友達感覚で親しまれている。
ヴィクター化する気ももう完全に失せたようである。

常連だったロッテリや(ウマカバーガー)では半ば赤いアフロに近い扱いになっており、一日店長(蝶)になったり、オマケフィギュアにもなった。
グッズ化までしてるあたり恐らく店舗だけでなく本社からも相当気に入られたのだろう。


ホムンクルス化直後こそは弟達を喰ったが、それ以後は二度と人間を喰う事はなかった。
ブラボーとは敵同士でありながらも意外にウマが合い、「ピリオド」以降は良き友人となっている模様。
ドラマCDでは恐らく彼の了承を得てカズキ達の学校の寄宿舎の管理人も任されたりしている。自分の存在を完全に忘れた学校の寄宿舎の管理人をやるパピヨンのメンタル怖い 

【人物】

非常に利己的で、自身の為なら自分に好意を抱いている人間ですら平気で犠牲にする。また、他者に対しても、自分と同様に目的のためなら平気で誰かを犠牲にするのが当たり前だと考えている。そして自分の役に立たなかった存在はそれまでどんなに自分に忠義を尽くしていても『目的を果たせないならただの役立たず』と一蹴する。
逆に自分が他人に利用される事は大嫌いであり、理路整然とした説得を受けても自分が利用される時点で二つ返事で拒絶し、逆に相手を利用するよう動いた(相手も納得しているのでギブアンドテイクとも言えるが)。
あと当初はカズキ作の岸辺露伴リスペクトで力作された己の似顔絵にドン引きする程度には常識もあった

が、それは地を這う芋虫だった頃の話。
ホムンクルス化して、彼は弾けた。
上記の利己的かつ残忍な思考回路はそのままに何故か妙にハイテンション、そしてやったらフレンドリーになり、語尾によくハートマークを付け始める。
そのハイテンションなノリと何かと常軌を超えたセンスは身も蓋もなく言えば極めて特殊な変態。

また、最大の特徴はなんといってもファッションセンスである。
芋虫だった頃は普通に学生服を着ていたが、服の下には黒のビキニパンツ一丁だった。
ホムンクルス化してからはもう歯止めが利かなくなり、常に素敵なドレス(?)に身を包み、銭湯に行けば股間を使って桶で股間を隠し、海に行けば放課後電磁波クラブのような水着をお召しになる。もしくはDOAXか?
ちなみにこのファッションセンスは蝶野一族に共通するものである*2。完全に遺伝性のようだ…。

ただ、1番のシンボルであるのは、顔につけた蝶々のマスクである。
これは彼が人間をやめた証であり、単なるファッション以上の意味を持つ。人間の頃からつけていたけど。
作中でもホムンクルス化した後は(敵の幻術によって外された時を除けば)一度も外さなかった。それはカズキの前であっても例外ではない。
なお、コスチュームと仮面は黒とパープルが中心だが、カズキへのリスペクトなのか「蝶人パピヨン」になってからは紫部分がオレンジに変わっている。

このように、蝶々を異常なまでに好み、人間の頃の自分を「地を這う芋虫」と自己嫌悪していた。
ものの例えに蝶を持ち出すのは勿論、「ちょう」と付く言葉は全て「蝶」に変換されるほど。
口癖は「蝶☆サイコー」

凄まじく利己的ではあるものの、彼なりに筋の通った生き方をしており、単なる悪役やギャグキャラではない。
変態的な性格を取り除けば典型的なダークヒーローであり、さながら本作のもう一人のヒロイン主人公とでも呼ぶべき存在である。
作者の弁によれば、自身の考える「悪」の集大成として、志々雄真実と並ぶキャラクターであるという。

なお、好戦的なイメージもあるが、自発的に戦いを挑んでいるのは原則カズキ相手だけであり、それ以外の作中での戦闘は遭遇戦や裏切りからのやむを得ない戦闘が多かったりする。
ドラマCDでは自身の行く先を阻んだとはいえ核鉄を持たない剛太に武装錬金をぶっ放したりしたが(加減はしていた)。

他人に依存したり組織に加わることを嫌い、蝶のように自身の力で高みを目指している。
LXEに所属していた頃も冷遇され気味だったが、核鉄が与えられないなら自力で手に入れたり上述のようにあっさり離反したりしている。
ヴィクターの力を目の当たりにしてからは、その力をも得ようと考えていた事もある。

「ピリオド」ではカズキを失い、完全に自暴自棄になっていた斗貴子を


諦めるのか

お前は武藤カズキを諦めきれるのか

ともっともな言葉で諭し、彼女の目を覚まさせた。
アニメ版の加戸監督曰く「本妻はガッカリしてるのに愛人は全然諦めてないんだよ」
かつての天才錬金術師「アレクサンドリア・パワード」でさえ不完全だった白い核鉄の錬成に成功し、カズキを救ったのも彼のおかげである。



【能力】

人間だった頃は病弱であったこと、療養生活続きだった事もあり極めて貧弱であったが、ホムンクルスと化してからは病以外は完全に克服した。
ホムンクルスである為身体能力は非常に高く、錬金の力以外は受け付けない。
戦闘センスも秀でており、斗貴子の猛攻を回避しつつ彼女が獲得しかけた核鉄を奪い取ったりもしていた。

武器は鋭い爪やホムンクルスの力による肉弾戦と後述の武装錬金。
かつて天才と呼ばれただけあって頭を使う事も得意であり、相手の武装錬金の特性を見抜く観察眼も持っている。
カズキ戦を除いた全戦において、武装錬金の火力ではなく本質的には知略戦で相手を出し抜き撃破した。
ただ後述の特徴からか、その知略を成し遂げる手段は自分の身体を酷使するものになりがちで*3、作中では身を削るような戦いが多かった。

唯一の欠点と言えば、不完全故に『芋虫』だった頃の病に侵され続けていること。
そのせいか、ホムンクルスになってからも時々(主に興奮した時とか)発作を起こして吐血する。
また、莫大な栄養を必要とするホムンクルスでありながら人間を食らっていない事もあって、他のホムンクルスほどの持久力はない。
しかし病気の方は死の可能性が無くなったので気にも留めておらず、更に不完全なのが幸いしてホムンクルス共通の弱点である『章印』が存在しないというメリットも生じている。
その為、人型ホムンクルス本来の弱点である左胸を刺されても死なない
だが、逆に言うと*4修復の余地がある限り何をしても死ねないと言うことにもなる。
なお、人食いをしていないのはそうしたいという衝動自体を有していないから。
ホムンクルスの人食いは「人間である事への未練」が起因するのだが、パピヨンは「人間」である事に微塵も執着しない故に、人食い衝動を持たないのである。(これはあくまで第三者の観察からの想像ではあるが)
上記のように人食いをしたことはあるものの、食欲よりも周囲への個人的な恨みと殺意の方を優先していた感がかなり強かった。

料理などの家事も得意で、ドラマCDではラブリーなエプロンを身にまとい寄宿舎の生徒に極めて健康的な食を提供してプロ級と絶賛され、風呂掃除や洗濯なんかの日常業務もそつなくこなしている。


ニアデスハピネス

パピヨンが所有する「黒色火薬(ブラックパウダー)」の武装錬金。
火薬と爆発を操る武装錬金であり、蝶々型の爆弾を飛ばしたり、火薬を燃やし続けることで飛行したりもできる。
飛行時は基本的に蝶の羽の形にまとめているが、これは武装錬金の特性ではなく本人の好みによるもの。

ただ爆発するだけの能力だが、シンプルな性能なので意外と使い勝手が良い。
爆発の威力自体も非常に高く、頑丈なサンライトハートを半壊させた事もある。
蝶々を飛ばす数を調整すれば爆発させる量や範囲も調整できるため、ピンポイント破壊から広域破壊までこなせる。
因みに、この核鉄は元々LXEの陣内が使用していたものであるが、パピヨン自身の我が強い為か、陣内の武装錬金の影響は受けていない。
欠点は武装錬金自体が使用する火薬そのものなので、一度の使用量に限りがあること。
補充は可能なのだが、全部使おうものなら完全な補充に三日という長い時間を要する。
小説版では火渡からこっそりくすねた核鉄を使ったアナザータイプも登場している(後に火渡のものと交換する形で返した模様)。
アナザータイプでは炎の翼となる。
ドラマCDでは威力を加減して花火のように扱う「花火バージョン」なるものを使いまひろ達を喜ばせた。


【部下】

パピヨンが創り出したホムンクルスたち。
カズキと斗貴子によって撃破されたが、「ピリオド」にてクローン再生されて復活。戦いの後は月に移住している。
※「~ホムンクルス」は便宜上の仮称です

○花房/バラホムンクルス CV:加藤優子
パピヨンが創り出した動物型ホムンクルス第一号。
ベースとなったのはパピヨン(攻爵)の家庭教師兼元恋人。財産目当てでパピヨン(攻爵)を誘惑して恋人関係になったが、彼が病気になった途端見捨てたため、彼の逆鱗に触れてホムンクルスにされた。
ホムンクルス化した事で性格が多少変化し、かつてとは正反対に正々堂々とした誇り高い女性となった。
命令違反を犯した蛙井を始末したが、そこに居合わせた斗貴子と交戦。目玉を抉られて倒された。
ネイルアートが趣味で、人間の頃から薔薇が大好きだったらしく、醜い動物でなく薔薇を動物のベースに選んだのはパピヨンなりの彼女へのせめてもの愛情だったのかもしれない。
後に復活した時は、ヴィクターに一目惚れしていた。

○蛙井/カエルホムンクルス CV:優希比呂
動物型ホムンクルス第二号。
ベースとなったのはパピヨン(攻爵)のネット友達。ネットの中で彼をバカにしたためホムンクルスにされた。
コモリガエルのホムンクルスであり、腹の中にある小さな個体が本体。
食人衝動に駆られて独断行動をした際にカズキと交戦して敗れ、花房に始末された。
人間だった頃はストーキングやピーピングを趣味にしているなど、人間の頃から変態野郎だった。

○巳田/コブラホムンクルス CV:置鮎龍太郎
動物型ホムンクルス第三号。劇中で最初に登場したホムンクルス。
ベースとなったのはパピヨン(攻爵)の担任の英語教師。パピヨン(攻爵)を退学させようとしたためホムンクルスにされた。
廃工場に居合わせた斗貴子に遭遇し、彼女を食おうとしたが彼女を庇ったカズキを殺害する。*5
その後再びカズキを殺そうとするが、武装錬金の力に目覚めたカズキに敗れ、斗貴子によってトドメを刺されて葬られた。*6
生徒に感心を持たず、罰当番での過酷な作業をやらせるなど間接的な体罰も辞さない問題教師で、お調子者な岡倉にギャグ抜きで嫌悪されていたり(アニメ版)、六舛からも『学校一とっつきにくい教師』と評されている。
初期案ではレギュラーキャラの予定だったらしい。

○猿渡/ゴリラホムンクルス CV:稲田徹
動物型ホムンクルス第四号。
ベースとなったのは銀成市のヤクザ。街でパピヨン(攻爵)にインネンを付けた為、部下の15人のチンピラ(ホムンクルス五~十九号)もろともホムンクルスにされた。
廃工場にて斗貴子と交戦し、人海戦術で追い詰めるが、武装錬金の力に完全覚醒したカズキによって倒された。
部下がニホンザルやチンパンジー、オランウータンなどの類人猿系ばかりなのはパピヨンが人間型ホムンクルスになるべくの実験台であったため。
ジョン・トラボルタのモノマネが持ち芸。(ただし似てないらしい)
斗貴子さん陵辱関連の薄い本に於ける竿役は殆どの場合コイツ。

○鷲尾/オオワシホムンクルス CV:伊藤健太郎
動物型ホムンクルス第二十号。
ベースとなったのはパピヨン(攻爵)の家庭教師兼ボディーガードの、元自衛官のヤクザ。指導が厳しすぎたためホムンクルスにされた。
動物としてのベースは猟銃に撃たれて死にかけていた野生の鷲。
記憶と理性はこの鷲の記憶が大半を支配しており、パピヨン(攻爵)によって命を救われたことに恩義を感じ、彼に絶対的に忠誠を誓っている武人肌の持ち主。
体の一部だけを変形させたり目のみならず風で相手の動きを読む、相手の武器の刃を立たせぬよう攻撃を受け止め威力を殺すなど、その実力は劇中で登場した動物型ホムンクルス最強と言っても良い。
…ぶっちゃけ、下手な人間型ホムンクルスよりも強いかもしれない。少なくとも金城が鷲尾より遥かに強いとか絶対有り得ない。
カズキとの激闘の末敗れるが、最期はカズキの成長を認めて蝶野を殺さないよう懇願し、それを承諾されて安らかに死んだ。数あるホムンクルスの中でも安らかな死を迎えられた稀有な人物である。死後もカズキに丁重に弔われた。
彼との戦いはカズキを大きく成長させた。
復活後もパピヨンの直衛をやってた上に、復活した面々の中でも少なくとも鷲尾はパピヨンの目的も知らされていた辺り、なんだかんだパピヨンからの信頼は厚い模様。
ウサギが大好物。


【関わりの深い人物】

○武藤カズキ
パピヨンに最後まで「人間・蝶野攻爵」として真摯に接した人物として、特別視している。
パピヨンも「人間・武藤カズキ」の事を認めていて、カズキにのみ「蝶野攻爵」と呼ぶことを許している。
彼を「偽善者」と罵る事が多いが、これは人間だった頃に『人間として最後まで生きて罪を償え』と幾度も諭された事に起因する。当初はただの棚上げの綺麗事(一度は死んだのに核鉄で蘇生した身で諭していたため)と嫌悪していたが、どんなに傷つこうとその信念で自分と向き合い続ける姿に嫌いなりに感銘を受けたため。
故に彼に対しては『人間』『薄ら甘い理想主義者』であり続けることを絶対視しており、(カズキが望んでいないとはいえ)ヴィクター化した時は「見損なった」と言い放った。
長らく彼との真の決着をつける事を生き甲斐としていたが、決着をつけた後日談では斗貴子に謝って解決しようとする彼を再び偽善者呼ばわりしつつ「ここは謝るべきではない」とアドバイスを送るなどより親密な間柄に。
ドラマCDでの「アフター」での追加台詞曰く「蝶人パピヨンは、嫌~な奴ほど大事にするのさ」。
パピヨンのセンスをある程度理解できる数少ない人物。

津村斗貴子
カズキの嫁。
ホムンクルス自体に強い憎悪を抱く彼女にとっては彼も血に飢えたホムンクルスの一体でしかなく、彼のボケにツッコミを入れたりする事はあっても最後まで彼に心を許す事は無かった。
一度はカズキと彼の決着の約束を無視して彼を殺そうとした程で、外伝ドラマ「パピヨンは見た!」ではカズキとの決着をつけて自由奔放なホムンクルスになった後も彼への敵視は止まらず、ある依頼で一時的に寄宿舎の管理人になった彼を力づくで排除しようとした。
一方パピヨンは彼女をそう嫌ってはおらず、(主に外伝ドラマCDで)「ブチ撒け女」と呼んだり、彼女の慟哭に対し上記のように呼びかけをしたりしている。

○Dr.バタフライ CV:長克己
カズキに敗れたパピヨンを救った人物。
パピヨンがホムンクルスを生み出すきっかけとなった人物でもある(パピヨンは彼の手記をもとにホムンクルス製造法を学んだ)。
その正体は、パピヨンの高祖父(ひいひいじいちゃん)である「蝶野爆爵」。
LXEの指導者としてパピヨンを傘下に置いたが、内心では不完全なホムンクルスであるパピヨンを見下しており、「保護してやっている」とこぼした為にパピヨンは彼の下を去った。
ヴィクターの力を知りながらヴィクターに尽くすだけだった彼を、パピヨンは「光に群れる醜い蛾」だと言い放っている。

因みに、「爵」の文字は蝶野家に代々伝わる由緒ある漢字であり、嫡子はこの名を付けられる。当然ながら「爆爵」なんて爵位は無く、伯爵だったら侯爵よりも1つ下の爵位である。

本気を出すと自前の一張羅に身を包むが、これがまたパピヨンのアレの色違いにマントをつけた上位互換バージョンという予想の斜め上をロケットエンジンで一気に飛び去るレベルの代物だった。
…というか、そもそも「カズキに会いに行くから正装が一着欲しい」といったパピヨンにあのスーツを用意したのがバタフライである。

○蝶野刺爵 CV:園部啓一
パピヨンの父。
病に侵されたパピヨンを見限り、弟の次郎だけを息子と思っていた。
しかし、それ以前は次郎を蔑ろにしており、それに加えて女房にも相当なDV(家庭内暴力)をしていたようであり、父親としても夫としても最低レベルである。
パピヨンと次郎の見分けがつかなかった為、パピヨンの犠牲となった*7

因みに、刺爵なんて爵位も無いが、子爵なら侯爵よりも2つか3つ下である。
作者は一応我が子への愛情はあると設定してはいたものの、それ以前に自分の思想を最優先させる性分であったため、ハッキリ言って全くフォローになっていなかった。
パンツ一丁の姿を「ステキな衣装」と評するなど、服装のセンスはやっぱり親子である。

○蝶野次郎
パピヨンと瓜二つの顔をした、一つ下(アニメでは双子)の弟。アニメ版の中の人もパピヨンと兼役。
病に侵されたパピヨンに代わり、蝶野の家督を継ぐ事になる。(その場合、蝶野「次爵」とでも改名することになったのだろうか?)
が、それまでは父にいい加減な名前や適当な教育をされた為、パピヨンを恨み、妬んでいた。
だが兄の方は、家督のプレッシャーを受けずに、自由に育てられた弟が羨ましかった節がある。
お互いの本心を曝け出せ合えなかったのも、この兄弟の不幸の一因といえるだろう。
攻爵が潜伏する倉庫にやってきて彼が病から復帰するのを阻止するべく未完成のホムンクルス寄生体を壊し攻爵をフルボッコしながら嘲笑し、その様は部下のボディーガードにさえ「(この兄弟は)狂ってて面白い」とまで言われた。
…が、ホムンクルスと化したパピヨンの最初の犠牲者となる。アニメ版では凄まじくグロい死に方をする…。
彼がホムンクルス寄生体の培養フラスコを壊した事で攻爵は未完成の状態で無理やりホムンクルス化せざるを得なくなり、結果半永久的に病の発作に冒される生涯を過ごす羽目になった為、ある意味ではカズキ以上に彼に一矢報いた人物と言えるかもしれない。

次郎を食ったパピヨンの感想は「悪魔の様に黒く、地獄の様に熱く、接吻の様に甘い」らしい。
パピヨン接吻の味知ってんのかよ、と思うが、彼がホムンクルスに変えた花房は、発病前の家督を継ぐボンボンだった彼を誘惑し、病となったら見捨てたと言う関係上、知っていてもおかしくはない。
因みに、このセリフはフランス革命期の外交官タレーランのコーヒーに対する感想*8が元ネタ。
作者の和月氏もコーヒー大好きである。

作中では殺されたのも仕方ないとしか言えない人物であったが、それに至った事情が事情なので作者と中の人は同情していた。
ちなみにSPの中に次郎に惚れてるホモがひとりいる。

○武藤まひろ
カズキの妹。
原作本編では殆ど接点が無かったが外伝ドラマCD「パピヨンは見た!」で彼女のある依頼を受ける。
パピヨンの事は嫌ったりはしておらず、それどころか学校がLXEに襲われた際カズキと一緒に戦ってくれた助っ人と思われている。
カズキをも凌駕する超絶天然&フリーダムぶりに調子を乱しつつ、ある日「パピヨンさんと喋っていると楽しい」と言われそこから微妙な心中を告白された際はカズキに抱くものともまた違う仄かな情を抱き、ちょっぴりツンデレな所を見せる。
一般人枠の中ではパピヨンと深く接したのは彼女が初で、「蝶野攻爵」としての理解者がカズキだとしたら、「パピヨン」としての理解者はまひろといったところだろう。


【余談】

元々は和月氏の前作「GUN BLAZE WEST」に登場予定だった「デューク・ザ・パピヨン」が原型。
そちらが敢え無く打ち切られてしまい、登場の機会が無かった為に温存していたデザインが採用された。

この漫画の生命線とも言えるほどの人気を得ており、多数のキャラクターグッズが発売されている。
アニメの後期EDは殆どパピヨンしか映っていないほど。
しかし、人気投票の結果は3位。
これには本人も残念がっていた。

使用する武装錬金は大槻ケンヂ氏が執筆した小説に出てくる架空の病気の名前(臨死遊戯状様。こう書いて読みは『ニアデス・ハピネス』)からそのまま拝借して命名された。
しかし雑誌掲載分では誤植で『ニアデスピネス』という余りにもパピヨンにピッタリ過ぎるネーミングになってしまい、周囲は『ピネスでいいんじゃね?』な流れになったものの結局作者は元ネタを尊重して『ピネス』で通したそうな。

そして実は初期ラフ段階では女性だった。
といっても、女性があの格好をする予定だったわけではなく、没になったキャラの顔をパピヨンの素顔に流用したとのこと。
女性であの格好…見たいような、見たくないような…。



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最終更新:2024年01月27日 22:55

*1 集英社のドラマCDでは、学園の核鉄を獲得する作戦にも唯一呼ばれておらずムーンフェイスにも「君には関係のない話」と突っぱねられていたりしている。一応「適材適所という奴さ」とフォローされているが純粋に戦力として見られていないのは明白。とはいえ、このエピソードの作戦は開始まで入念な調査が重要なので奇抜...もといエレガントな存在感を発揮するパピヨンには向かないのも確かではある。

*2 父親はビキニパンツ一丁の格好を見て「素敵な衣装」と述べていた他、素敵なドレスは高祖父である爆爵があつらえた物である

*3 文字通りの自爆作戦、身体を障害物に使うなど

*4 全身を粉々に消滅でもされない限りは

*5 実は斗貴子の罠で、一般人のフリをして巳田を炙り出そうとしてたのだが、カズキの横槍で失敗。ぶっちゃけカズキは完全なムダ死にだった。

*6 アニメでは斗貴子一人に倒されている。

*7 蝶野家にパピヨンが訪れた時、「自分と次郎の見分けがつく者は見逃す」と宣告していたが、翌朝蝶野家は人ひとり残っていないもぬけの殻だったという…。

*8 それは悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い