大欲界天狗道(神咒神威神楽)

登録日 :2012/03/18(日) 08:25:37
更新日 : 2017/06/13 Tue 19:56:35
所要時間 :約 4 分で読めます






仮に、恋人を守って死んだ男がいたとする。しかし、彼の本音はこういうものだ――――― 「こんな死に方をする俺は素晴らしい」


そして守られた女の本音はこういうものだ――――― 「彼の死に涙する私は素晴らしい」










PCゲーム「神咒神威神楽」の物語の舞台となる世界の概念であり、第六天波旬が「座」から流出させている世界法則。つまり世界のルールであり、特色である。
その世界法則は 「あらゆる人間が自己のみを愛する」 といったもの。つまり世界に存在する住民全てが自己愛性人格障害を患っているという狂気の世界。

この世界の住民の誰もが自らを神と崇め、己の理屈、価値観や信条のみを絶対の法として定めており、自分にとって良いか悪いかが全てなのである。そこに他者の物差しは介入しない。


故に神仏・宗教・道徳といった崇拝や信仰の概念が存在せず、浄土や奈落、幽霊や魂といった死後の概念もまた同様に存在しない。
この世界の住民にとって今生きている自分のみが全てであり、他者というのは精々素晴らしい自分を彩る装飾品にすぎない。

一見利他的に見えるような行動を行ったりする者もいるが、実際はそれも
「このような行為をする自分は素晴らしい」 といった自己愛から来るものであり、冒頭の一文はそれを如実に表したものと言える。

一口に自己愛と言っても自己の愛し方や捉え方は様々であるため、一応我々の世界と同じく組織や国といった集団は存在するが、根本の所で歪んでいる。
この世界にとっては無償の他者愛や利他的な行為を行う者こそが狂人なのだ。

解り易く言うと、 皆が超ジコチュー(自己中心的)な世界。




まさに自己愛が暴走した魔界の理…なのだが、天魔・夜刀が穢土を異界として切り離し、天狗道完成を妨害しているためこの理は真の意味では完成していない。
穢土とそれを留めている天魔・夜刀が消滅する事により、天狗道が完成しその真の理が明らかとなる。


※ネタばれ注意












プレイヤー視点では多少俺様キャラが多いだけで登場人物達の行動は許容範囲内。
むしろ夜都賀波岐の過剰な敵意に違和感を覚える具合。
だが凶月刑士郎の楽土血染花篇でその歪みがはっきりとでてくる。

このルートでは刑士郎達に追手がかかることになるが東征を乗り越えた刑士郎には追手達は一山いくらの雑魚でしかない。
だがその追手達の行動が天狗道の住人、例えば無茶苦茶な稚拙な武器の振り方をしてもこれは俺の考えた剣法だから至上の剣法だ。
死ぬ間際まで素晴らしい俺が死ぬわけはない、だから何か素晴らしい奇跡が起きて俺は助かると本気で信じている。
とそういった愚にもつかない妄想を本気で信じ込んで死んでいくという。
天狗道はある意味全員が酔っぱらっている状態である。

夜都賀波岐が具体的な説明をせずに、終始「自分で気づかなければ意味がない」と突き放すのはそういうこと。
何を言ったところで無意味であるため、彼らは曖昧な言葉で気付きを促すだけで具体的な説明をしないのだ。
仮に○○で××だからこのままではお前は第六天波旬に殺されてしまうぞと具体的に警告したとしよう。
そんなものが仮に存在したとしても、素晴らしい自分が死ぬわけがない負けるわけがない、
自分が素晴らしいと思うモノのために戦う自分は素晴らしい、としかならず何の解決にもならない。

さらにこの状態すら真の理の前段階。









その真の理は「この宇宙に存在するのは自分一人でいい。他者は消えてなくなれ」という自己愛の極致。
不純物である穢土と、天魔・夜刀の消滅。つまり天狗道の完成と共に宇宙に存在する全ての生命が「己以外はこの宇宙に必要無い」という思想の元、愛人や家族関係なしに殺し合い続ける事となる。
その先に待っているのは全ての生命が死滅し、何も生まれてくる事の無い無人の荒野。宇宙の終焉である。

もうちょっと詳しく言うと、作中の冷泉のような射干が数十億規模で覚醒。それに加え、宗次郎等のように波旬のバックアップにより生まれた疑似求道神がバトルロワイヤル。そら宇宙無くなるわ。ヒャッハー!


戦闘に関しては他の太極のように特殊な概念や現象は使えず、 自己愛によって地力を強化し続けるだけ 。波旬との同調が強ければ強いほどそれに比例して大きく強化されるという至極単純なバンプアップ。そしてその加護を受けた者の攻撃は治癒することがない。
だがこれの最も厄介な点は 地力が下位の者はどうやっても上位のものを害することができなくなる点 である。単純ゆえに穴も存在せず、戦術も立ち回りも完全に意味を為さなくなる能力モノ全否定な異能といえる。





んでもって天狗道の世界は新たな命が育まれない故にただ命が消えていくのみ。
最後に行き着くのは本当に何も無い世界。そして恐ろしいことにすべての命が潰えた後は更に座を掘り進め、最深部のシステムと同化した観測者すらも滅殺する。まあこれは波旬の隔絶した力と格の要素が大きいのだが。
尚、この理の強制力は凄まじく、人間のみならず獣すら同様に殺し合う程。







だが波旬自身に全く管理する気が無いにも関わらず、ある意味で完成度が非常に高く、その治世を終わらせる事は非常に難しい。
なぜならまず歴代でぶっちぎり最強の波旬に勝てる神格が存在しないこと。それ以前に、この天の理では覇道の素養がある魂が自然に生まれず、求道の魂だけが生まれるので太極に至っても神座に挑戦できず次代の理になれないこと。
あとは波旬に自滅因子が存在しないため自滅を誘うことすら出来ないことが挙げられる。


ただ前述の通り、住民は自己愛に満ちているので住民から見た幸福度は高い世界である。







【関連人物】

第六天波旬
言わずと知れたこの邪悪な理の主にして創造神。
まさに彼を体現した魔界と言えよう。
ちなみに神咒神威神楽において己の資質のみで太極に至った超越者は彼だけである。他は宗次郎らや夜都賀波岐のように神のバックアップを受けた存在か、覇吐や竜胆のような特例のみ。

中院冷泉
優秀な塵。
元来、ちょっと鍛えた程度の常人であるハズの彼だが、本来の天狗道では魔性の存在と化す。

坂上覇吐
厳密には違うが、悪路戦で死亡後は要所要所で座の後押しを受けていた。
その力は波旬を除いて歴代最強の神である夜刀とも渡り合う程(向こうの手心もあるが)。

◇東征軍
覇吐、竜胆、刑士郎、咲夜を除いた4人。
各々、波洵の後押しで太極に至った、言わば疑似求道神でその能力は異なるが、その根源にあるのは「己以外、滅びよ」であり、宿儺は早々に見抜いていた。
後に4人とも天狗道の理から抜け出し、真の求道神となった。









―――――仮に、自分の好きな作品の項目を建てたwiki籠りがいたとする。しかし、彼の本音はこういうものだ。「項目を建てる私は素晴らしい」

そして項目を良くしようと追記・修正した者の本音はこういうものだ。「追記・修正を行う私は素晴らしい」


















この項目以外、綺麗さっぱり無くなれよぉ



この項目が面白かったなら……\ポチッと/