ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊がんばる

登録日:2009/12/31(木) 21:02:43
更新日:2023/11/22 Wed 12:48:13
所要時間:約 5 分で読めます




ストライクウィッチーズ』の外伝となる小説。
1939年のスオムスが舞台で、スオムス義勇独立飛行中隊、通称「いらん子中隊」(後の第507戦闘航空団「サイレントウィッチーズ」の原型)を中心に描かれる。

作者は『ゼロの使い魔』で有名なヤマグチノボル。
3巻まで出版され、3巻末尾に4巻2009年春発売の記述を残したままヤマグチの逝去に伴い絶筆となった。

その後、2018年から原案:ヤマグチノボルとして、本作のリメイク作品『サイレントウィッチーズ スオムスいらん子中隊ReBOOT!*1)が発売されている(既刊4巻)。執筆を手掛けるのは『けんぷファー』等の築地俊彦。生前のヤマグチと親交があり、小説『ブレイブウィッチーズ Prequel』3巻では本作に先駆けハルカのその後を描いていた。
リメイクにあたり設定が他作品等との整合性をとるため一部修正され、いらん子中隊の駐屯基地もヤマグチ版のカウハバからラッペーンランタに変更。4巻で諸事情からカウハバに移動したが。

なお、ヤマグチ版は紙版が中古で出回っている他電子書籍も継続して販売されており、容易に両方読める。読み比べてみるのも一興。


【登場人物】

  • いらん子中隊

能力は高いが性格や素行に問題があるエース達と、一応やれば出来るが色々と難を抱えている面々からなる、正規部隊から弾き出された「いらん子」達の義勇兵部隊。
とはいえ後に戦闘に出す事自体が危ぶまれるウィッチで構成された空飛ぶ楽隊が登場したため、本編の活躍も含めるとこれでも実は出来る子ではある。
寄せ集めながら徐々にチームワークが出来成果を上げていった様子は、後の「統合戦闘航空団」計画へと発展することになる。


◆穴拭智子
16歳
階級は少尉→中尉

「扶桑海の巴御前」の二つ名を持つ扶桑陸軍エース。
プライドの高い堅物で、入隊当初はスオムス送りにされたこともあって他の隊員と衝突していたが、後に和解。
押しに弱く流されやすい性格で、ハルカやジュゼッピーナ等同性を引き寄せるフェロモンが出ている。
故郷にいたころは武子や後にアフリカへ向かう加東圭子と戦友関係にあり、圭子は『アフリカの魔女』小説版にて「昔自らの戦意を鼓舞するため『白色電光の穴拭』と名乗っていた」と回想している。
なお、後の『ブレイブウィッチーズPrequel3』にて、同作の時期(「サイレントウィッチーズ」結成前)には扶桑に帰国した事が明らかにされている。


◆迫水ハルカ
14歳
階級は一等飛行兵曹

機動や射撃の能力がさっぱりの扶桑海軍の落ちこぼれで、通称「味方撃ちの迫水」。しかし智子の得意技であるつばめがえしを訓練なしで成功させたり、実はド近眼だった事から実戦時たまに眼鏡をかける様になると芽が出てくる等、実は才能はあるのかも。
なお眼鏡嫌いの理由は眼鏡がビン底系なので掛けた顔が嫌いな事と、自分の変な顔を智子に見られたくないから。
だが成長するにつれそんな長所や萌え所を打ち消す程の肉食系の気が少しづつ露わになり、夜は智子をベッドの上で「撃墜」する程に駄目な方向にも育っていった。
後の『ブレイブウィッチーズPrequel3』で再登場した際、一端扶桑に帰国して昇進した後再びスオムスへと向かい、同地で結成された「サイレントウィッチーズ」にも引き続き参加した事が判明。
アニメ版のアフターストーリーでサーニャを狙ってるのは多分こいつ。

ちなみに、作者の意向からワールドウィッチーズシリーズとしては珍しい完全オリジナルのキャラクターとして描かれている。


◆エルマ・レイヴォネン
15歳
階級は中尉

いらん子中隊初代隊長。
天然でドジっ娘。気弱な性格で「みんながんばろうね!」が口癖。戦闘にも臆病で成果も少なかったが、中隊長の座を智子に譲ってからは撃墜数を増やしている。
エイラの先輩。


◆エリザベス・F・ビューリング
18歳
階級は少尉

昇進か転属かを迫られ後者を選ぶ、ひねくれたクールビューティー。軍規違反を繰り返し、銃殺刑になりかけたこともある。
戦闘の腕は確かで、智子にも劣らない撃墜数を上げている。必要と有れば死んだふりや智子を空中でストライカーユニットのみ(全裸)にする。ヘビースモーカー。
後に小説版『アフリカの魔女』3巻にてマルタ島戦線に援軍として参加。本来のストライカーユニットが輸送船の座礁で壊れたため支給品内のスピットファイアを装備した。


◆ウルスラ・ハルトマン
10歳
階級は曹長

無口なメガネッ娘。読書好きでいつも本を手放さない。研究好きでもあり、対空ロケットが成功してからは兵器開発の実験で度々部屋を壊している。
アニメ2期にもジェットストライカーの開発者として登場。小説に比べ、かなり社交的になっている。エーリカの双子の妹。


◆キャサリン・オヘア
17歳
階級は少尉

ノーテンキなおっぱい。リベリオンの田舎娘。「~ねー」と語尾につく。
スオムス転属までにストライカーを63機壊し、通称は「クラッシャー・オヘア」。
そのやらかしは小説版『アフリカの魔女』3巻でも「空母上のストライカーユニットに多大なる被害をもたらし辺地に左遷されたウィッチ」という伝説として、空母ウィッチ達の戒めとなっている。
陽気な性格で隊ではムードメーカー。


◆ジュゼッピーナ・チュインニ
16歳
階級は准尉

補充員。
カールスラント前線で戦っていたが、撃墜されて記憶喪失に。記憶が戻ってからはハルカと智子の撃墜数を競う仲になった。
ロマーニャっ娘でテクニシャン。
林檎より智子を(全裸に)剥きたいお年頃。



  • 扶桑

◆加藤武子
智子の親友かつ戦友。
個人の撃墜数にこだわらず、部隊での戦法を重要視する。
スタンドプレーに走りがちな智子の行く末を案じ、彼女をスオムス送りにした*2
カールスラント派遣後は指揮官として活躍しているようだ。


◆糸川衛
キ44と共にスオムスにやってきた技師。
智子に好意を持ち、恋人関係になるが…。



  • スオムス

◆ミカ・アホネン
エルマとは元々同じ部隊であり、エイラの先輩。ガチレズのおデコちゃん。部下を妹と名付け、「お姉様」と呼ばせている。
アホやねんとかいうな。


◆ハッキネン
基地の司令官。常に冷静な女性。通称及びコールサインは「雪女」。


◆マンネルハイム将軍
スオムス総司令官。
スラッセン奪還作戦に向かうウィッチ達に訓示を述べた。モデルはおそらくカール・グスタフ・エミール・マンネルヘイム
史実においてフィンランドを独立へ導き第二次世界大戦でも独立を守り抜いた、正に「英雄」が相応しい人間。



  • カールスラント

◆ハンナ・U・ルーデル
階級は大尉。スツーカ部隊の長で(ReBOOT版ではアーデルハイドと二人で強制休養も兼ねての教導任務によるスオムス派遣)、爆撃の女王でもある。ビューリングとは過去に共闘し、その際に顔を負傷。肌の色で人間を判断しない軍人。
ストライクウィッチーズ最強クラスのフルモンスターで、ウルスラの姉エーリカらと並ぶカールスラントが誇る四強が一人。
元ネタは「史上最強の幼女大好き破壊神」や「アンサイクロペディアに嘘を言わせなかった男」で有名なあの人


◆アーデルハイド
ルーデルの副官。
凍らせた薔薇のような美人。




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最終更新:2023年11月22日 12:48

*1 設定的には「サイレントウィッチーズ」となるのはヤマグチが手掛けた時代の先(『ブレイブウィッチーズ Prequel』の時期)なのだが、なぜこの副題がついたかは不明

*2 なおヤマグチ版では1巻途中で「武子が自分をスオムスに薦めた」という話を聞き智子が衝撃を受けたが、リメイク版では配置命令直後智子の前で自ら彼女のスオムス行きを肯定・推進し拒絶される流れとなった。