無人島へ家出(ドラえもん)

登録日 :2011/09/16(金) 23:26:41
更新日 : 2017/09/17 Sun 19:09:32
所要時間 :約 13 分で読めます




「無人島へ家出」とはドラえもんのエピソードで、てんとう虫コミックス14巻に収録されている。


※ストーリーバレ注意!




ある日のび太は家に帰るのが遅くなってしまいパパとママにガミガミと説教を食らう。
そしてのび太は布団に入りながらもパパとママのあまりにキツい叱り方に泣くが、
ドラえもん「なんべんしかられても、おなじことくりかえすからわるいんだ。」 と冷静に答える。
そのドラえもんの言葉がトリガーとなり、ついにのび太は家出を決意する。
ドラえもんはのび太を止めるが、のび太はすかさずネズミのオモチャ入りのびっくり箱をドラえもんの前に開け気絶させる。
そしてのび太は家出をする前にドラえもんのポケットから適当に道具を取り出し、それらをふろしきに包み、
「パパやママはびっくりするだろうな。 いいきみ。」 と言いながら家を出ていった。


その行動が彼の人生を大きく狂わせるとも知らずに…


家出したのび太はタケコプターで南の無人島に行く。
くたびれたのび太は探検を明日にして星空を屋根にして草むらのベッドで就寝する。


朝になるとのび太が持ち出したドラえもんの道具の一つがふろしきを飛び出しのび太の頭を叩いて目覚めさせる。
どうやら適当に持ってきたひみつ道具の一つは めざまし時計 だったようだ。
つまらないものを持ってきたとがっかりするのび太は気を取り直して島にある大きな岩を登って島を一望し、腕を上げて満足げに浸る。

そしてのび太はこれからの生活の為に持ってきたひみつ道具を使ってみるが、 ピーピー音の鳴る意味不明な道具全自動の掃除機
勉強用のモニター手品用のピストル と役に立たないものばかり。

食料になりそうなヤシの実が見つかるが、高すぎて届かない。
水も探さなければいけないと持ってきた モグラ手ぶくろ で地面を掘って水を湧かそうとするが、その水は海水だった。
この島には真水が無いと知り命の危うさを感じたのび太はタケコプターで島を脱出しようとするが、
あろうことかタケコプターを頭に付ける前に誤ってプロペラを回してしまい、タケコプターだけが飛んでいってしまったのだ。


こうして彼は一人無人島に取り残されてしまった…


そんな脱出手段を失ったのび太に追い討ちをかけるように急な雨が降り、持ってきた傘をさすが、
それはさすとあめがふるかさで、更にずぶ濡れになり先ほど掘った穴に避難する。
そして持ってきた 星形のライト で穴を照らしてここに住む決意をする。
水は先ほどの さすとあめがふるかさ で雨水を貯めることで確保し、
穴を掘ったことでヤシの木が地面に陥没、めり込んで実が手が届くあたりまで低くなりその場の食料も確保し、
ドラえもんが助けに来ることを信じて無人島で待ち続けた。

一週間経っても来ない

一ヶ月経ってもまだ来ない

一年経っても未だ来ない




のび太はそれでも生き延びていて、服は原始人パンツ、髪とヒゲは伸び放題、メガネは何とか無傷という変わり果てた姿になっていた。


そんなのび太は 「どうなってんの?ぼくがおとなになったら、このまんがおしまいじゃないか!」メタ発言をしながら発狂し、
泣きながら歩いているとかつて役に立たないと打ち捨てていた ピーピー音の鳴る意味不明な道具 を発見し、再び音を鳴らす。

のび太にとっては、その音すらも思い出を呼び起こすものと化していた。


「あのころがみななつかしい…」


のび太の脳裏に 走馬灯 が流れ…… 懐かしい友の声 の幻聴が。幻影が。空の向こうに現れる。


幻影でも幻聴でもなかった。

なんと遂にドラえもんが助けに来たのである!
あの ピーピー音の鳴る意味不明な道具SOSはっしんき であり、ようやくドラえもんが居場所を突き止めたのである。

そうして遂にのび太は無人島を脱出し家の前に着くが、 「十年間もどこへいってたっておこられる」 と家に入ることを拒む。
そんなドラえもんはタイムマシンで家出した晩へ戻し、タイムふろしきで十年前の姿に戻し、
のび太は 「おなつかしいおかあさま。」 とパパとママとの再会を涙を流して喜ぶのであった。
(むろんパパもママも十年も無人島生活を送っていたことなぞ知らないので「まだおきてたの さっさとねなさい。」と軽く流した)



●のび太の実年齢は?
この話をよく考えてみよう。
のび太はその後タイムふろしきで元の姿に戻ったとはいえ、実年齢は小学4年生(アニメだと小学5年生)+10歳なのだ。
つまり体は子供、頭脳は大人の名探偵と同じような状態なのである。

しかし、それ以降の話では精神年齢も今までののび太と変わらずである。
無人島生活で全く勉強は出来ない(恐らくのび太のことだから 勉強用のモニター もあれ以降使っていないだろう)とはいえ、
サバイバル術や孤独との戦いなどで精神的成長はあるはずであるが、少なくともこの話では感じられない。
彼は無駄に年を取っただけ…と思いがちだが、他の話や映画でも小学生ながら妙に達観していることもあったり、窮地に陥った時でも覚悟を決めて正面から立ち向かったり、
錯乱することなくドラえもんと共にピンチを切り抜ける策を考えたりと、10年間の家出も案外無駄では無かったとも考えられる描写もあったりする。

ちなみに似た様な状況になった話としてはファンタジー文学『ナルニア国物語』の第一巻のオチ(時間の流れが違う異世界で長い年月を過ごし大人の王様になっても、元の世界・時間に戻ると記憶以外元に戻っていた)がある。それでは「経験はナルニアに行くと戻ってくるが、年齢は元の世界でのまま」と設定されていた(精神年齢と記憶のギャップが出来る気がするが)。



●ドラえもんは冷たい?
ドラえもんは十年後に救助に来たが、その後もドラえもんは何事も無かったかのようにしていることを考えて、
ドラえもんはタイムマシンで過去に戻す際に十年前のドラえもんにのび太が十年も無人島で暮らすことになるということを恐らく告げていないのである。
告げたらタイムパラドックスが発生するから告げなかったのだろうが、救助されずに無人島生活をするのび太が不憫で仕方がない。
ドラえもんには哀れみの心が無いだろうか?

いや、そもそものび太は無人島に着いた翌日に SOSはっしんき を鳴らしたというのに、
救助に来なかったのである(鳴らした時間が短いために探知不可能だったのではという反論は無いこともないが)。

それ以前に、SOSなどがなくても行方不明になったのび太を探す道具なんて いくらでもあるはず である。
極端な話、「タイムマシン」で家出直前に戻ってのび太を止めたり、「とりよせバッグ」でのび太を取り寄せるなどすれば良かった。

そもそも冷たいとかいう以前にそのままのび太が見つからなければ野比家の血筋は絶えてしまい、当然 孫のセワシも消滅 である。

さすが、ねじが1本抜けているだけある。

ちなみにドラえもんがのび太を10年間ひたすら探し続けていたとすると、ドラえもんが初めてこの時代に遡った時点で約10歳前後なので、ドラえもんも(家出したのび太と同じように)実年齢は20歳前後ということになる。
ロボットだから歳は取らないし見た目も変わらないのでそれがどうしたという話ではあるが…



●ドラえもんやのび太は同じ時間軸に二人存在する?
十年後の姿から若返り家に帰ったのび太だが、既に同じ時間軸に家出して無人島で暮らしているのび太が存在している。
既に無人島生活をしているのび太はどうなったのだろうか………

更に、10年前に遡ったとするとネズミを見て気絶した10年前のドラえもんがいるはずなのだが、何故かその場にはいなかった。
つまりタイムマシンで遡った10年前には、のび太を救出した10年後のドラえもんだけが存在しているという状況である。
本来なら、10年後から遡って来たドラえもんと気絶しているドラえもんの2人が同時に存在しているはずなのだが……
そう考えると、のび太を救出したドラえもんは本当はどっちの時間軸の存在なのかすら……

あまり深く考えるべきではないのかもしれない…。



追記・修正は十年間無人島生活をしてからお願いします。

でないとこの項目おしまいじゃないか!

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