イスラ・レヴィノス

登録日 :2012/10/13(土) 06:22:25
更新日 : 2017/06/19 Mon 22:28:06
所要時間 :約 7 分で読めます




「君は、僕の命の恩人だ」






SUMMON NIGHT3の登場人物。


主人公が序盤、学術都市パスティスに向かう途中に客船の甲板で出会った人物。
客船はカイル一家の襲撃と、それに次いで発生した嵐によって沈没したが、彼は無事に生き延びて忘れられた島に流されていた。
その後は、島での生活に馴染み始めた主人公によって発見され、ラトリクスに運ばれ治療を受けていた。

しかし順調に回復してきたものの、記憶喪失に陥っており、ラトリクスの技術でも心因性の症状は直せないとされ、主人公の紹介で島の住人達と接し、会話によるリハビリを開始。
その温和な性格から島の子供達に気に入られて、島の住人達に溶け込んでいく。



…と思いきや、記憶喪失というのは真っ赤な嘘。
彼は同じく島に漂着した帝国軍の指揮官であるアズリアの弟にして、帝国軍諜報部の一員だったのだ。

島での暮らしに溶け込んだように見せかけて、姉であるアズリアさえ与り知らぬところで、姉に反抗的である部下のビジュと結託し、島の住人を人質に取って碧の賢帝と主人公の命を要求する等、
独自に任務を果たすべく汚い手段を用いて暗躍する。
姉には「汚れ役は僕に任せて」と言っているように、姉の部隊の汚れ役は彼とビジュが引き受けている。



その様は、島での暮らしに慣れ親しんだ温和な少年とは似ても似つかぬ姿で、他人を見下し、煽り、嘲笑する、等という冷酷無慈悲。
常に斜めに構えて他人を馬鹿にしており、彼の発言に本気でイラついたユーザーも多いだろう。

なお、主人公が以前アズリアから「病弱な弟が居る」という話を聞かされていた事から、彼を召喚師タイプと早とちりするユーザーが多いが、実際はイスラはどちらかと言えば戦士タイプ寄り万能型。
HPや攻撃力が高く、さらにPSP版では必殺技まで追加されたこともあって直接攻撃の頻度が高くなった為病弱設定に首を傾げたプレイヤーも多い。


なお、ジャキーニに召喚術の初歩を教えたのも彼で、本来ならばジャキーニも一緒に裏切る予定だったが、ジャキーニが思い留まった為に失敗した。
仮にも正規の軍人でありながら海賊に協力を求めるなど、本当に見境がない。
(余談だが、当のジャキーニとイスラは本編中で一度も会話シーンがない)

姉を想うが故に何処までも卑劣を重ねて汚れ役を背負っていけるのだと思われたが、終盤で無色の派閥が島に到着と同時に帝国軍を裏切る。
そもそもイスラは無色の派閥から帝国軍に送り込まれたスパイであり、紅の暴君と碧の賢帝、二つの魔剣を帝国軍より奪還すべく姉の部隊と行動を共にしていたに過ぎなかったのだ。
無色の軍勢に姉の部隊が壊滅させられるのを嘲笑しながら見守ったばかりか、姉を自分の手にかけようとする。

それを見かねた主人公は静止に入り、彼女が軍人になった理由を話す。
イスラとアズリアの家であるレヴィノス家は軍人の家系であり、代々優秀な軍人を輩出してきたが、跡取りであるイスラが病弱であった為に、
その任はイスラには厳しいと考えたアズリアはその負担から弟を解放すべく軍人になったのだと。

だが……



「僕はそんな事、一言だって頼んじゃいない!」


「あなたは僕を庇って軍人になったつもりだろうけどね」


「そのおかげで僕は、レヴィノス家にとって本当に要らない存在にされちゃったんだよ」


普通に考えれば当たり前の事だが、弟を愛するあまりに、弟を助けたいばかりに、その一心で、そんな初歩的な事にさえ気付かなかった姉。
そんな姉の心を踏み躙って剣を振り下ろす。

ここでカルマ値が高いとアズリアが死亡し、バッドエンドへ。
バッドエンドでは『彼の望み』が成就し、アズリアの後を追うように安らかな笑顔のまま主人公の手に掛かり息を引き取る。



通常ルートでは、以降、ビジュと共に無色に寝返り、オルドレイクの走狗として働く。
ただでさえオルドレイクの登場によって窮地に立たされていた主人公に追い討ちをかけるように、イスラはもう一振りの封印の剣である『 紅の暴君 』を抜剣。『 碧の賢帝 』を抜剣した主人公と同等の力を見せ付ける。




進退窮まった主人公は止む無く『殺す覚悟』をもってイスラに挑むが、最後の最後で覚悟が足らず返り討ちに遭い、魔剣を砕かれてしまう。

その後、今度は奪還すべき魔剣を砕いたとしてオルドレイクから叱責を受けるも、開き直った上でオルドレイクに反旗を翻す。
このように裏切りに裏切りを重ね、その際に怒り狂ったオルドレイクの言葉によって、彼と共に無色に下ったはずのビジュはその巻き添えを食った形で命を落としたが、それにすら無頓着であった。





【彼の願ったこと】


無色が島から撤退した後、砕かれた『 碧の賢帝 』を改良した『 果てしなき蒼 』を新たに得た主人公と再戦。
新たな魔剣を手にした事を知らなかったイスラは惨敗し、魔剣も砕かれる一歩手前まで追い詰められるも、自分を殺そうとしない主人公に復讐を誓って逃げようとするが、実は島に残っていたオルドレイクによって『呪い』を解かれた事で吐血。
酷使し続けた身体は、魔剣と呪いの力無しではもう命を保てないほどにボロボロになっていたのだ。

自らの死期を悟ったイスラは、その命を弄ばれた事への怒りを口にしながらオルドレイクに特攻するも、逆に剣を完全に破壊され、死亡する。

「最後まで泣かせてごめんね」

ただ姉に、そう一言詫びながら……



彼が病弱だったというのは、彼の生まれ持った呪いが原因。
それは召喚呪詛と呼ばれる類の呪いで、その効果は 「死の苦しみを生まれた瞬間から味わいながら、生まれ持った寿命が尽きるまで死ねない」 というもの。

これを受けた者は常に絶息寸前の苦しみを味わいながら、その手前で息を吹き返してしまう。
その呪いは古い禁忌の呪法であり、治癒する術はなく、イスラはその生涯を闘病生活に費やす事を余儀なくされた。

しかし、姉が自分の代わりに軍人になった事で姉の人生を棒に振ったと思い込み、自分の世話をする使用人達が自分の死を願っていた事を知って絶望。
『いらない子供の自分』が周囲に迷惑をかけることに耐えられなくなったイスラは、これ以上周囲の迷惑にならないようにという思いから、死を渇望するようになる。
だが、毒を飲んでも、ナイフで胸を突き刺しても、苦しいだけで死ねない。

そんな彼の前に現れたのがオルドレイクであり、彼は無色への協力を誓うならば、呪いを緩和してやると囁き掛けてきたのだ。
そもそもイスラに呪いを掛けたのは無色。
イスラの父が無色の企てを阻止した事に対する報復として、彼に厄が及んだのである。
古き呪法を掛ける術を知るのが古き召喚師の組織なら、それを解くのもまた古き召喚師の組織にしか存在しない。
やむなくそれに乗ったイスラは、渇望していた『当たり前の幸福』を得るも、『自分の存在を認めてくれる人がいない』現実は変わらない。
やはり死を求めた彼は、魔剣の力で目的を達しようとしたが、魔剣の主になってしまった事で今度は魔剣が彼を死なせてくれない。
悩んだ彼は、もう1人に魔剣の主である主人公を煽る事で自分を殺させようとした。
本編での彼の行動は総てそれに起因する。

なお姉であるアズリアのことを憎んでいたと語っているが、実は憎んでなどおらず、むしろ家族として自分を愛し、心配してくれる姉を心から慕っていた。
自分の目的が達成した(死ねた)ときに姉を悲しませないように嫌われるようにしていたのである。


安息を求め、我武者羅に走り続けたイスラ。
やってきた事は決して許される事ではないけれど、今はどうか辛い思い出と共に、安らかにおやすみなさい。




そして新たな君に贈る


ハッピーバースデイ イスラ







追記修正は記憶喪失になってからお願いします。

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