ドラベース ドラえもん超野球外伝

登録日 :2012/05/22(火) 11:26:19
更新日 : 2017/03/05 Sun 17:37:37
所要時間 :約 6 分で読めます




『ドラベース ドラえもん超野球(スーパーベースボール)外伝』 とは、月刊コロコロコミックにて2000年9月号〜2011年10月号まで
連載されていた 超野球 漫画である。全23巻。
作者は藤子・F・不二雄の元アシのむぎわらしんたろう(萩原伸一)。
コロコロでは映画の時期に連載する大長編ドラえもんシリーズも氏の作画である事がほとんど。
なお、開始当初は単に『ドラベース』のタイトルだった。

世界観

本作は漫画『ドラえもん』の22世紀の世界を舞台にしている。
その為、どこでもドアなどのひみつ道具や、空を飛ぶ車などの現実にはまだ存在していない物が登場する。
また、主人公クロえもんのチーム「江戸川ドラーズ」のメンバーは大半がドラえもんと同じくロボットである。
そしてドラーズ以外のチームでも、ロボットが所属している所が有る。

作中の試合では、 試合開始前に指定された3つのひみつ道具を各1回ずつ使える 事になっている。
選手のズボンのポケットはそれぞれ空白の四次元ポケット(上記の三つのひみつ道具が試合開始直後に入れられる)になっており、
必要に応じて取り出して使用可能。
ただしWABC(後述)の間は、決勝戦以外では3つの中から1つだけしか使えなかった。


野球漫画としては、特殊能力めいた事を度々やっており、リアリティを追求するタイプの漫画では無い。
良くも悪くも一昔前の野球漫画の作風と言えるか。
ちなみにギャグは「キヨハラくん」「マツイくん」が、(比較的)普通の野球漫画は「ミラクルボール」が同時期に連載されていたので問題はない・・・はず。

【一例】

  • ジグザグに変化する魔球「Wボール」
  • 打球が空中で静止する超絶変化球「逆トンボール」
  • フルスイングでもピッチャー前ゴロになる超バックスピン魔球「ロイヤルストレートフラッシュ」
  • 空振りした風圧がマウンド上の投手の帽子まで届く
  • バットを回転させて空中に真空を作り出し強引にボールの軌道を変える「ブラックホール打ち」
  • 坂を転がり落ちる巨岩を一本足打法で吹っ飛ばす
  • ボールがペラペラの紙状になる「マジック打法・スペードのキング」
  • 180㎞/hストレートが第1巻でいきなり登場
  • 投球や打球で選手が一回転したり水平にぶっ飛ぶ
  • それどころか投球でアンパイアごと捕手を吹っ飛ばす
  • 天井に頭をぶつけるほどのハイジャンプ
  • 試合中にボールに火が点く
  • 超能力で無理矢理ボールの軌道を変える
  • 鼻の穴でボールを投げる
  • グラブ、バットの破損は日常茶飯事
  • バックネットや電光掲示板のオブジェを打球で粉砕
  • 先端に掠っただけのファウルチップがスタンド入り
  • 客席がファウル玉で貫通
  • 投球練習でコンクリートを破壊
  • 野球のボールをぶつけて釣鐘を鳴らす
  • 場外ホームランで家屋を粉砕
  • ファウルポールを駆け上る
  • ロボットなので手が伸びる
  • ロボットなので正面衝突して二者とも完全にバラバラに
  • 投手がボールを投げてから打者が打つまでの間に、投手と一塁手が会話


本作が他の野球漫画と一線を画すのは、 主人公たちのチームが草野球のチーム だという事である。
高校野球でも、プロ野球でも無い。
ただし、後述のように作品のラストや「コロコロアニキ」の続編読み切りでクロえもんが千葉ロッテマリーンズから、
シロえもんが北海道日本ハムファイターズからドラフト指名を受けて入団した(読み切りではクロが一軍初打席に立っている)など、
登場人物の何人かがプロ入りしているのでまったく関係ないわけではないが、基本的にはアマチュア野球が舞台である。
ちなみにドラベース世界では巨人と読売の他にもう一つ江戸川にチームがあり、新潟・長野・沖縄にもプロ球団が存在する。

その為、登場する野球選手は基本的に社会人(ロボット)。 あと(正真正銘の)タヌキや、コアラも居る
本作の序盤やオマケ短編などでは主人公チームのロボットが働いている描写も挿入されている。


繰り返すが、主人公たちはロボットである。また、本作の世界にはひみつ道具が有る。
その為、練習方法などの局所的な部分で他の野球漫画よりも多くの選択肢が有る。
そこも本作の魅力の一つと言える。

【一例】

事情によりグラウンドが使えなくなる

広い場所で練習できない

なら俺たちがガリバートンネルで小さくなれば、川原とかでも充分に練習出来るんじゃね?

※なおこの事例では、主人公が危うくカエルに食われかけた。

22世紀ってこんなところ

本作はドラえもんが20世紀に向かった西暦2125年以降が舞台であり、作品世界も「ドラえもん」で描かれた未来世界がベースである。
ひみつ道具は未来デパートで購入できるのだが、野放図に使っていいわけでもなく、例えばどこでもドアはWABC時には使用不可になっている。
ひろしの実家がエアカーによる宅配便を行っていることからもわかる通り、どこでもドアは存在しても既存の交通機関は存在しており、
エモルの実家であるエモルエアラインを始めとして航空会社は(上記のようなどこでもドア規制を反映して)未だに繁栄している。
ちなみにエアカーは水を燃料としており、小学生でも免許が取れるほど超オートマ仕様らしい。
トラックや消防車のエアカーも存在し、消防士は水球(ウォーターボール)というひみつ道具を投擲することにより火事を消し止める。

宇宙開発も進んでおり、ポコえもんによれば月には100万人が居住しており、月面基地の維持のために地球の自然を移植しているとのこと。
あと、未だに朝鮮半島は統一できてないっぽい

作中での情報媒体はこれでもかというほど3D化されており、TVは勿論 *1 、携帯電話のディスプレイすら立体映像が出てくる。
ドラえもん21巻に登場したSTG「立体インベーダー」は続編の「立体エイリアン」が出ている(入院中のひろしが使用している)。

ただし、医療技術はそれほど進歩していないようで、「タイム風呂敷でどうにかなりそうなんじゃね?」みたいな傷病も
「医者(ロボットの場合は技師?)はもう動かねえと言ってるんだぞ!」という描写がかなり散見される。
まあ、スポーツ漫画だから仕方ないね。


その他特徴

子ども向けの漫画の為、人間関係や話の作りは単純である。
ただ描写がしっかりしている為、読んでいて熱くなる漫画である。

また、作中でキャラを上手く動かしている。
一度は野球を止めた者が再びグラウンドに戻って来たり、主人公チームの不動の4番打者が一時的にとはいえ敵に回ったりと、盛り上がる展開も多い。
その一方で空気キャラも居るけど。

コロコロにしては 流血描写 が目立ち、またコロコロらしく 金的トイレ シーンも多い。 ロボットなのに


2作ほどゲーム化している。 
1作目はクソゲーだったが。


【主要人物たち】

江戸川ドラーズ
それぞれ当該項目参照。

  • シロえもん
クロえもんの幼馴染にしてライバルで、超一流の投手。
豪速球を投げる他、ジグザグに変化するW(ホワイト)ボールとその改良版の変化球を操る。
ロボット学校時代はクロと意気投合していたが、クロが「野球なんて気楽にやろう」と言われたときに怒りをあらわにし、決別する。

当初はクロを向上心のないダメロボットとして見下していたが、後にライバルとして認めるようになった。
左腕の故障によりスローボールしか投げられなくなった際は、
バットに当たる場所を調節することで守備のいる場所に正確に打たせるという離れ業を見せた。

数年後はプロ野球全球団の丁度半数から1位指名され、日ハムに入団。
ちなみにシロを1位指名しなかった残りの球団は全てクロえもんを1位指名していた。

<荒川ホワイターズ>
シロえもんの所属するチーム。後にシロえもんと平井(シロえもんとバッテリーを組む捕手)、二塁手の小松川がWABC日本代表に選出される。

  • ポコえもん
山寺ベアーズのエースの狸型ロボット(比喩ではない)。
性格は温厚で礼儀正しいが、催眠術や妖術を使いこなしたトリッキーな戦法は結構えげつない。
怒ると巨大な熊の姿に変身、力が強くなると共に口調も荒々しくなるが、体力の消耗も激しくなる。
クロえもんにWボール対策として自身の得意打法である「満月打ち」を伝授、「満月大根斬り」のベースとなった。
頭脳派に見えて意外と天然。狸ゆえか地味に金的の被害が多い。
WABC日本代表の一人。

  • ドラ一朗
房総タートルズに所属する打率10割の天才打者。
守備も上手く、投手の才能もある。ドランプからも「メジャーですぐに通用する」と言われるほどの才能の持ち主。
WABC日本代表に選ばれる。この時でも8割打者である。
モデルはご存知シアトルマリナーズのイチロー。
全日本縦断トーナメント後、チームメイトからの後押しもありメジャー挑戦したと思われる。

  • ドランプ
投打両面において作中1、2を争う実力の持ち主。悪知恵を働かせては悪質な手口でチームの強化を謀る。
性格も悪く、勧誘を蹴ったシロえもんを間接的に潰すためにわざと左腕に負担がかかるようなアドバイスをしている。
勝利のためなら恥を恥と思わない手段も辞さず、ポコえもんですら暴力に訴えようとしたほどの悪党だが、
その執念と悪意の裏にあったのはエゴでも野心でもなく、野球と巡り合せてくれた恩人にして同じ夢を誓い合った親友から、
意図せずに夢とチームそのものを奪ってしまったというトラウマだった…。

バットでボールを叩き潰して消えたように見せかける「スペードのキング」という打法と、
ループする魔球「Qボール」、球質を重くする魔球「ロイヤルストレートフラッシュ」を持つ。
ちなみに最後のRSFは空想科学読本でネタにされた。

<デビルキングス>
かつてドランプが野球選手になるきっかけとなった人物が作ったチーム。
その人物が去った後、残されたドランプが心の隙間を埋め尽くすかのように超一流クラスの選手達を、
チーム自体の評判が悪くなるのもお構いなしにあらゆる手段を講じてかき集め、アメリカを代表するチームにまで強化した。
後に数名がWABCでアメリカ代表として登場する。

  • 銅羅之輔監督
くぬぎ山バグズの監督。
性格は冷徹だが、赤トンボールの弱点を見抜くなど監督としては文句なしに名将である。
バグズがドラーズに負けたあとは二軍ドラーズを結成。
後に日本縦断大会にて二軍ドラーズを「グレートドラーズ」にパワーアップさせ、クロえもん達に立ちはだかる。
しかし、キング・サダハルを罵倒したり、どんな手を使ってでも勝てばいいと考えるなど性格はもはや外道になっている。
最終的にはグレートドラーズを見限った。

  • エモル
茜フライヤーズのエースにして主軸。
勝つ為には手段を選ばない、ドランプ並みに悪質な性格。
これはドラーズとの試合に負けたら野球を止める、という事を約束させられていた為でもある。
空中で一時停止する魔球、トンボールと、変化する強化版である赤トンボール、打球が止まる逆トンボール、
しまいには何度も停止するシオカラトンボールが必殺技。
ドラーズに敗れた後、彼の主人であるガニエから「もう一度戦って優勝旗を取り戻してみろ」と言われたことで
野球を続けることを許された。
それどころか数年後は阪神タイガースに入団した模様。航空会社はどうなった。
後にWABC日本代表のエースになる。

  • レツ
江戸川ボローズのキャプテン。ひろしと同じ学校に通っている。
バッティングセンターの息子で、非常に金にうるさい性格。
物心つく前からバットを振っていただけあり実力は高く、WABC日本代表に選ばれる。

  • もん太
山奥山寺のエース。
非常に喧嘩っ早く、審判の判定に不満を持ち暴力事件を起こしたため山奥山寺で反省させられていた。
最速181キロという驚異の球速を誇る一方、持ち球は実質これだけ(一球だけチェンジアップを投げているが)。
バックスタンドを破壊する程の打力も持ち合わせている。
だが、彼が起こした暴力事件の裏には悲しい過去が…


【作中で行われた大会】

  • 第31回ビックドーム杯
江戸川ドラーズが作中で初めて参加した大会。最初はドラーズのメンバーは「出ても負けるだけ」と消極的だった。
準決勝敗退

  • かぶと虫カップ
主催者がある目的の為に開いた大会。
ドラーズが初めて優勝した。

  • 第32回ビックドーム杯
色々あってまた参加する事にした。
3回戦で敗退。 しかも不戦勝→不戦勝→負けなので今回は実力による勝ちは一切無い。

  • WABC
ワールド・アマチュア・ベースボール・クラシックの略。
アマチュア野球での世界一を決める大会。
ドラーズからはアメリカ代表に1人、日本代表に3人(そのうち1人が大怪我で代表を辞退。代役がドラーズから選ばれたので、そういう意味では4人)が選出されている。
日本代表はアメリカ代表に決勝で負けた。

  • 草野球日本縦断トーナメント
ひみつ道具などで日本中を移動しながら、各地の球場で試合を行う。
優勝チームにはチーム専用の特製球場が贈られる。
ドラーズは敵チームの監督の策略により、5回戦で不戦敗になってしまった。
優勝チームは荒川ホワイターズ。



2012年8月号から球えもんを主人公とした新シリーズが連載している。
が、こちらは全4巻とコンパクトに収まった。

新ドラベースも終了してしばらく後、コロコロアニキで特別篇が掲載された。
時系列としてはクロ達のプロ入り後の話となっている。
当時ドラベースの読者だったプロ野球選手である西勇輝選手ともコラボした。





ひろし「いきなり追記・修正なんて無茶だ! まずは事前に単行本を買って読んで…」
クロ「アニヲタにそんなもん必要ねええ!! いっけぇ追記だァァ!!!」
 (翌日)
ひろし「コメント欄が大炎上したじゃねーかよ~!!」
クロ「おっかしーな…まあいいや。リザーバーは用意しておいた!」
ドランプ(オ、オレはこんなしょうもないことのためにわざわざ呼ばれたのか…)


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