江戸川ドラーズ

登録日:2010/02/01(月) 21:04:45
更新日:2024/03/20 Wed 13:04:18
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江戸川ドラーズとは、漫画『ドラベース ドラえもん超野球外伝』に登場する主人公チーム。

かつては連敗続きだったが、修行や強豪チームとの対戦を経て成長。
草野球日本一を決める大会で優勝候補と目される程になる。

草野球の世界大会である「WABC(ワールドアマチュアベースボールクラシック)」で、日本代表に4人、アメリカ代表に1人を輩出している。


◇所属選手
ひろし(後述)以外は全員、ドラえもんと同じお助けロボットである。

5番、三塁手。背番号5。右投右打。
詳しくは項目にて。


  • 藤本ひろし
9番、投手。背番号1。右投右打。
のび太を攻撃的にしたような見た目だが、こちらは学校に通いつつ家業を手伝うえらい子。年齢は不明だがおそらく小、中学生。
一人称は「オレ」になったり「ボク」になったりするが、マウンドに立っている時は100%「オレ」。
子どもの頃は、父親と度々キャッチボールをしていた模様。
長期連載に伴い年月が経過した(精々2,3年だろうが)ためか頭身が少し上がった。

幼い頃に父親を亡くし、新しく来た従業員のクロえもんと喧嘩ばかりしていたのだが、
二人とも日本一の名打者キング・サダハルに憧れていることを知り、二人でキングごっこをやるうちに大親友になった。

家業の宅配業で自然と鍛えられていた強肩によるストレートと、宅配の際に出来たマメから生み出されたフォークが武器。
このストレートは特殊合金のバットをへし折る、金網をぶち抜くなど、普通の人間から放たれたとは思えない球威を持つ。
また、クロえもんが初めてひろしの球を受けた時は、一球でグラブが破けた。
もっともクロえもんのグラブは内野用で、キャッチャーミットを破いた事は無い。
チーム1、2を争う人間離れした選手である。ドラーズの選手で唯一の人間キャラなのに。
このようなストレートを投げられる彼だが、作中では投手でも無いキャラに球速で負けている事を認めた。

今のところ、この2つの球種しか投げていない。
しかしそれでもプロ選手やプロ級のキャラクターから、実力を非常に高く評価されている。

キング・サダハルとの対決の末にWABC日本代表に追加で選ばれるが、クロえもんより先にアメリカ行きの飛行機が待つ空港に向かう途中交通事故に遭い入院。
右腕の骨が砕けて野球が出来なくなったことに絶望し自暴自棄となり、一時期は野球そのものを嫌悪するほどまでにふさぎ込んでしまうが、一回戦を突破したクロから日本代表の名簿にまだ名前が残っていることを知らされたことで、無謀にも壊れた肩で練習をしようとする。

しかし、未来から来た自分に制止され、彼から励まされた事で落ち着きを取り戻し、リハビリに励むべくスズえもんに後を託す形で日本代表を正式に辞退した。
その後はリハビリを経て完全復活を果たした。

数年後は高校に進学し、千葉県大会を制して甲子園に出場。
しかし数年前の時点で異常なまでの球威と急速を誇っていた彼すら、
県大会で苦戦していた辺り、
やはりこの世界の人間は色々と非常識な身体能力を有していることがうかがえる。


  • ヒョロえもん
6番、一塁手。背番号3。左投左打。痩身。
喜怒哀楽の激しい熱血漢で、人一倍情に脆い。半ば怒るのが仕事にもなっている。
だがこのようなキャラ付けがなされたのはビッグドーム杯編あたりからで、初期の頃は「草野球は気楽にやればいい」という趣旨の発言をしたこともある。
彼もまたクロえもんの熱さに感化された漢と言えよう。
鮮魚店で働いているからか魚臭い。

物語序盤に守備の特訓(サザエキャッチ)をしたりもしたが、選手としての活躍はあまり目立たない。
しかしクロえもんと共にドラーズを精神的に引っ張る存在であり、チームに欠かせない選手の一人である。
そんなムードメーカーとしての資質を買われ、WABCの日本代表に選出された。
日本縦断トーナメントでは店長の急病により一時期ドラーズを引退していたが、復帰に伴いドラーズに戻った。

金的、出血が多い本作における主な被害者でもある。
続編である「2」では江戸川ドラーズの監督になり、選手を鍛え上げている。


  • エーモンド
4番、左翼手。背番号7。左投左打。アメリカ出身。
第1巻で既に180㎞/hの球を打つほど直球に強いが、変化球は苦手。
ただし、工夫を用いる事で変化球に対応したケースも有る。
ドランプ率いるデビルキングス戦では、バットで地面を叩く事でバットを曲げ、カーブを打つ事に成功した。
常にサングラスをかけているが、外すと視力が良くなるらしい。毎回そうすればいいのに(作中でも指摘されている)。
日本では稲妻さんなるどこかで見たような外見のおっさんの家に下宿している。
アメリカから日本のプロテストを受けに来日するが、走塁やバントなどを重視する日本の野球に失望し、その後クロえもんのホームランに衝撃を受けて試合に乱入して、何故かクロえもんとホームラン争いをしたことがキッカケでドラーズに加入した。

必殺技はあまりの弾速のため大気摩擦で打球が炎を纏う「炎ノ打撃(ふぁいやあいんぱくと)」
その威力は場外ホームランで家屋を丸ごと破壊するほど。ミサイルかよ。
ゴロだと地面を焼き焦がす「超炎ノ打撃(ばあべきゅういんぱくと)」になる。
総合的な打力は高く、主人公のクロえもんを差し置いて4番に座るのも妥当と言える。

また、守備でもファインプレーでチームの危機を度々救っている。打球同様、投げたボールも燃え上がるという大迷惑な牽制球を投げる。
WABCではアメリカ代表として出場、一転してクロえもんたち日本代表の脅威となった。
ひろしが事故に遭った件についても、今は敵同士であるのをいいことに「アイツノふぉーくハ、ヤッカイダッタカラナ……。イナクナッテ助カッタゼ!」とドライに対応し、ヒョロえもんから反感を買った*1
何気に「決勝で会おう」と言っておきながら敗北フラグをぶち壊した数少ないキャラクターでもある。


  • ピョコえもん
8番、二塁手。背番号4。右投右打。常に目が互い違い(ボローズ編では事実上の主役のため、普通の目になっている)。
全身にバネが仕込まれており、左腕を伸ばす事でホームラン性の打球をも取る事が出来る。
それどころか両手両足を伸ばしてトリプルプレーを行ったこともあり、巻末オマケ漫画では手足を伸ばして宅配便屋(ひろしの家業)を手伝っていた。
ただしそのプレーの後で左腕が絡まってしまうなど、頻繁に壊れる。
そのくせロボット修理工場に勤務している。

試合中に使えるひみつ道具でタケコプターが選出されたら、それはピョコえもんの活躍フラグである。

守備以外での活躍はまるで無く、ある意味このチームの真の空気。デビルキングス戦では実況から名指しでザコ呼ばわりされていた。
一応チビえもんが加入するまでは2番打者だったのだが…。


  • パクえもん
7番、捕手。背番号は2。右投右打。
普段は幼稚園で園児の世話をしている。名前通り大食いで巨デブ。
一日に何食も食べるため、1粒食べれば1食分強制的に抜かれる「ヤセール」を瓶一杯飲んだらものの数時間で別人のようにスリムアップした。
気は優しいのだが、KY発言が目立つ。しかしWABC開始直前のひろしの怪我で意気消沈するクロを「ひろしがこんなときだからこそ…、クロが活躍しないとダメなんだよ!!」と一喝する熱い一面もある。高い記憶力を持つ…らしいが、作中で発揮されるシーンはほとんどない。
ごく初期に一打席のみ活躍したが、その後数年単位で出番が無かった。下位打線でありながら体格相応のパワーはあるため「当たれば」飛び、バットを弾くほどの剛球を餅つきロボットの杵で強引に打ち砕く一幕も。
見ての通りの鈍足だが転がると速い。


  • トラえもん
1番、中堅手。背番号8。右投右打(ただし初期は両打ち)。
釣り舟屋で働いており、魚が大好き。穏やかで優しい性格だが、試合外では時たま不用意な発言でメンバーを意気消沈させる場面が見受けられる。
普段は糸目だがビックリすると目を見開く。
川で溺れていた所をヒョロえもんに助けられ、強引にドラーズに入れられクジで1番打者になった。
チーム1の俊足だったが、一時期チビえもんに抜かれる。しかし特訓の末再びチビえもんを上回った。
ブラジル最強のストライカー・ロナえもんの大ファンであり、その健脚を活かして一度サッカーに浮気しかけたが、野球とよりを戻した。


  • グリえもん
8番、右翼手。背番号9。右投右打。
野球の腕前自体はチーム最弱だが分析能力に長け、サインの解読などに力を発揮した。
科学者となるという夢を持っており大学試験に合格をしたことをキッカケにドラーズを脱退。背番号9は永久欠番となった。

後にエモルの策略で北海スノーフォックスの捕手としてドラーズの前に立ちはだかる。
この時は研究成果により、一時的に肉体が強化されていた。お前ロボットだろ。
初期はナルトメガネだったが、再登場時には普通のメガネになっている。その素顔はなかなかのイケメンであった。

また、ヒョロえもんが一時離脱した際には、代役として試合に出場した。知的なプレイスタイルで相手を翻弄する。


  • チビえもん
2番、右翼手。背番号0。右投右打。
グリえもん脱退後、選手が8人になってしまい、マネージャーのみかちゃんへの練習の最中に川で流されていた所を助けられ、半ば穴埋め的にドラーズに入る。
幼い故かチームメイトにイタズラをするが、大抵(過剰な)お仕置きが待っている。
なぜかゴキブリが大好き。

野球初心者の為に技術は未熟だが、足の速さはトラえもん並みで、
ファウルポールを駆け上ってホームランを捕球するという離れ業を見せたことも。
基本的に何も考えておらず、ひみつ道具を勝手に使用する事も有るが、それが吉と出たり完璧に使いこなしたファインプレーを見せる事も多い。言うなればドラーズにおけるジョーカー。
自作した、木製の(過剰に)長いバットを愛用する。長いバットにしたは自身が小さい体格であるから。

また、技術も激闘を通じて成長したようで、
ボローズ戦で100km/hクラスの直球が投げられた時は
「打ちやすい球」と称してあっさりヒットを飛ばすなど、
年齢を考えるとかなりの実力を持つようになっている。


  • ミケえもん
補欠。背番号12。右投右打。
元々は茜フライヤーズのスパイとしてドラーズに入団。
しかし正体がバレてしまったためにエモルに捨てられ、ドラーズに拾われる。

ずるがしこい性格で野球の実力も低いが努力家で、野球に対する情熱は本物。
隠し球や牽制球などが得意だが、頭の固いヒョロえもんからは不評だった。
決まったポジションは持たず、チームメイトの負傷等で空いてしまったポジションに補充要員として参加する。
ヒョロえもんとは何だかんだ仲が良いが、魚と間違えられて丸ボーズにされたことがある。

  • スズえもん
3番、遊撃手。背番号6。右投左打。ドラミちゃん型の外見。
ひろしの代理としてWABCの日本代表に加わる程の実力者だが、影が薄い。しかし、終盤は影が薄すぎて逆に目立(ry
富豪の屋敷で大切にされて暮らしている勝ち組。


◇二軍所属選手
以下に挙げる選手は全員右投右打である。

  • ブブ太
投手。背番号11。
ブタ型ロボット3兄弟の一人。
ずっと野球をやりたがっていたが、ブタ型ロボットであることを理由に相手にされなかった。
銅羅之輔に拾われ、二軍ドラーズの一員となる。
ブタの蹄の形状が変化球に向いているらしく、カーブやスライダー、フォークなどの多彩でキレの良い変化球を操る。
速球型で変化球はフォークのみのひろしとは対照的なタイプ。
終盤ではあるサプライズ球を一球だけ投げた。

  • ベベ太
捕手。背番号22。
ブタ型ロボット3兄弟の一人。
外見は地味だが、金属バットを素手でへし折るという怪力を持つ。
投球練習では170km/hの豪速球を見せたが、一球投げただけで力尽きた。

  • ボボ太
一塁手。背番号33。
ブタ型ロボット3兄弟の一人でやたらでかく、ブタというよりはイノシシというべき風貌。
蹄にヒビが入ったブブ太に代わってマウンドに立ち、鼻からボールを投げるという斬新過ぎる投法でホワイターズを苦しめた。
ちなみに右穴から豪速球、左穴から変化球を投げられる。
変化球の正体はボールに付着したハナ○ソ。ちなみにこれは現実の野球では「スピットボール」の一種でれっきとした不正投球である。

  • まっくろえもん
三塁手。背番号15。
クロえもんそっくりの後姿を持つが、顔は真っ黒。
不吉な黒猫で、横切られると不幸なことが起きるとされるが、シロえもん曰く「幸運の黒猫」。
二軍メンバーの仲で唯一江戸川ラリーに残り、一軍の座を勝ち取った。

彼が対戦相手に挨拶した結果、相手チームが相次いで腹を下し、2戦連続不戦勝となってしまう。
運勢に敏感な性質を持つためか勘が非常に鋭い。


他にも犬型ロボットのポチえもん、ラッコ型ロボットのラッ太、人間3人が所属していた。
なお、以上の二軍メンバーは後にドラーズと戦いたくなったために脱退。
別球団「グレートドラーズ」を立ち上げた。


◇マネージャー
  • みかちゃん
ひろしの幼なじみで、江戸川ドラーズのマネージャー。記憶力に優れている。
補欠として試合に出場した事もあり、特にエモル戦ではチビえもんが魔球トンボールの対策の練習中に偶然編み出した「必殺にんじんピーマンねぎごぼうきゅうりトマトなすキャベツ斬り」の言葉がトンボールの球が再び動くタイミングとぴったり一致してたことで、ドラーズの他のメンバーが打法の言葉を覚えようとするが、肝心のチビえもんが言葉を忘れたため絶望的となるが、みかちゃんが打法の言葉を真っ先に完璧に記憶して、ドラーズのメンバーが決勝の球場に前乗りして徹夜漬けでその言葉を覚えようとするが誰も記憶が出来なかったことで、急遽1番で出場しトンボールを打ち破り三塁打を放った。右投右打。
この漫画におけるヒロインだが、野球がメインの漫画ゆえに表立った出番は少ない。チーム内も実務的な役割を果たすことが多い。
と思ったら、中盤で服を破られて裸を披露してしまうというヒロインの本分をきっちり果たした。

◇ゲスト出演
投手。背番号10。
おなじみ青狸。クロえもんとは友人。
投手としてはお世辞にも優秀ではないらしく、第1話のモンガーズ戦では21失点もしていた。
チーム解散を賭けた試合にも協力するつもりだったが、のび太の世話でそれどころではなくなり、
それがきっかけで代わりにひろしがピッチャーとして入ることとなった。
第1話での登場以降まともに登場せず、読者はもちろん多分ドラーズの全員からも忘れられていると思われた…
が、終盤の回想シーンで久々に登場。ドラーズの名付け親だった事が判明する。

  • アカえもん
投手。背番号119。左投左打。職業は消防士。ドラーズのストッパー。
得意球は抜群のキレを持つ「ウォータースライダー」で、本業の消火活動にもその特技は生かされている。
ただし本業が忙しすぎるためにほとんど試合には出られない。
ゲームオリジナルキャラだが、単行本おまけ漫画に逆輸入された。

  • ポコえもん
  • シロえもん
いずれも本来ドラーズの選手ではないが、負傷したひろしをカバーすべくデビルキングス戦にて助っ人として登板した。




追記修正よろしくお願いするニャ。

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最終更新:2024年03月20日 13:04

*1 クロえもんはヒョロえもん程感情的にはならず、むしろヒョロえもんを諫めていた。