現代都市妖鬼考 霊媒師いずな ~the spiritual medium~

登録日:2011/03/02 Wed 00:34:40
更新日:2023/08/29 Tue 03:19:00
所要時間:約 5 分で読めます




スーパージャンプで連載されていた、『地獄先生ぬ~べ~』のスピンオフ作品。
昔は増刊のoh!スーパージャンプに連載されていたが、人気の高さから本誌に引っ越した。

原作担当の真倉翔いわく「現代社会では子供たちよりも、日々ストレスに苛まれる大人の方が妖怪と遭遇する機会が多いのでは?」との思いで書きはじめたという。

掲載誌が成年誌ということで、ゲストキャラの乳首や本番行為などが解禁されており、
かつて心躍らせトラウマを抱き何かに目覚めた『ぬ~べ~』世代の読者の股間のクダ狐をみなぎらせている。
単行本は全10巻で発売中。

スーパージャンプの休刊後は連載誌をグランドジャンプに移籍して第2部の「霊媒師いずな Ascension」を連載。
グランドジャンプPREMIUMにて『地獄先生ぬ~べ~NEO』の連載が始まった後、ぬ~べ~と入れ替わる形でPREMIUMへと移籍した。単行本は全10巻で発売中。単行本未収録エピソード3話分はJコミックテラスから電子書籍で配信。



【登場人物】


【人間】

イタコの孫娘の高校2年生の少女。年齢は17歳。霊や妖怪に苦しめられる人々を夜毎管狐で自身のもとに導き、報酬と引き換えに解決する。
特殊な結界を用いているようで、一度JSの部屋の押し入れとつながって呼び寄せたことがある。
夜の顔はメイクと服装から大人びて見えるが、昼間は普通の高校生であり、依頼者との打ち合わせ時にもセーラー服姿で現れ、よく誤解を招く。

中学生から高校生になっており、未熟な霊能力で騒ぎを起こしていた中学時代に比べ、
霊や妖怪の恐ろしさを熟知して決して軽んじず、的確な除霊の手際を見せている
無印ぬ~べ~本編時代のトラブルメーカー兼ギャグ担当的な三枚目の一面は鳴りを潜め、
依頼者にも真面目に向き合うなど、霊能者として、1人の人間としても一皮むけた一面をうかがわせている。

かつて住んでいたマンションから既に出ており、現在はホームレスとネカフェ難民を行ったり来たりしている。
その為依頼料はそのまま彼女の生活費であり、依頼者がよけいなことをして除霊を妨げると追加料金を請求するなど金に厳しい点は変わっていない。
故郷の秋田から祖母・尾古女(通称オババ)が来たことがある。
両親は離婚しており母が亡くなったためにおばばに引き取られた。
実父は霊能とは無縁の仕事人間であり故に家庭崩壊を招いたためにいずなは彼を嫌い父と認めなかった。
しかし上京してすぐに巻き込まれた事件で、ある妖怪に父が襲われ、いずなは事件を通して父の人柄と愛情を知り和解。
直後、父を救うために戦うも未熟故に妖怪を倒すに適わず、逆に父に庇われて死別する。
そのためか「仕事を頑張る人間」に優しく「家庭を顧みない人間」には厳しい。

悪人に対しては懲らしめて制裁こそするものの、たとえ同情の余地が無い相手であろうと絶対に人は殺さない主義であり*1、故に千佳羅と対立する事が多い。
もっとも、彼女もまだ10代の少女ゆえに心身両面ではまだまだで、彼女自身の正義も良くも悪くも未熟なところがあり、
結果として物事の真贋を見抜けずに最悪の事態を招いてしまった事も少なくなかった。

最近ではルナの店にもよく通い、一緒に旅行に行くほどの仲になっているほか、押しかけ弟子の幼女まであらわれた。

いろいろ解禁されてる今作だが、主人公のためか彼女は常にギリギリ寸止めで一線を越えない。
まあピンチになると必ずといっていいほど剥かれるし、触手責めとかぶっかけとかされるし、単行本の次巻予告でも色魔に憑かれた作者の犠牲になったりしてるけど。

『ぬ~べ~』時代は声がプルプルプル~だったが、今作のVOMICでは静御前が声をあてている。


  • ルナ
雰囲気のある飲み屋を経営している若い女性。年齢は30歳。
店は小さいが、座敷童子が滞在しているため繁盛している。
この座敷童子と『ぬ~べ~』レギュラーだった座敷童子はそっくり同じ見た目だが、関係は不明。


  • 新井刑事
新軸署の若い男性刑事。妹・ゆかりが悪徳霊媒師の詐欺により命を落としたことから、当初はいずなを詐欺扱いしていたが、
本物の霊やいずなの力を目の当たりにして考えを改め、以降は警察では解決できない心霊絡みの事件の際にいずなに協力を求めるようになる。
後にルナと恋人関係になった。


  • 尾古女
イタコの老女でいずなの祖母。通称オババ。 


  • 沙聖(さき)
普段はシスターだが、教会に相談しに来る人によってはエクソシストの仕事をする少女。
可愛い
明るく優しい性格の天然少女でいずなの商売敵。だが本人はいずなを友人だと思って懐いている。
最近では天然故の百合展開も(いずなはガチで嫌がるが)。

いずなとは対の存在として描かれていて除霊は必ず無償で行い、損得を気にせず他人や霊のために行動する。

サービスの割合はいずなと同じくらい。しかし、ぶっかけられたのはゲロだった。


  • 中岡栄史
いずなの父親。娘が中学1年生の頃に妖怪・駄業鬼に殺された。


  • リン
いずなの弟子の中学1年生の少女。年齢は13歳。霊感は強いようで、霊の姿を見ることができる。天真爛漫な性格。
母親はネグレクト(育児放棄者)で、ゴミのような扱いを受けていた所をいずなが保護。一人前の霊媒師に育て上げることにした。
パートナーは管狐の「ラン」。
当初は未熟な面も見られるも、やがて師匠以上に物事の本質に向き合うことができる器へと成長してゆくが……


  • 令子
リンの母親。娘を育児放棄してる。


  • 千佳羅
表向きは密教をベースにした霊媒師だが、その正体は呪いを使い人を殺す呪殺師の少女。いずなのライバルといえる人物。
殺すときは容赦はしないが、普段の姿はごく普通の少女。
殺したいほどの人物が居るらしいが、どうやらその人物には呪いがきかないらしい。
当初はいずなの敵対者というポジションに過ぎなかったが、物語の進展に伴い「もう一人の主人公」とも言えるポジションへと変化してゆく。


【妖怪】

  • 駄業鬼
虚無地獄から這い上がって来た鬼。


医者に化けてる妖狐。年齢は403歳。
童守町で医者を続けており、心霊探偵を続けるいずなのことを陰ながら見守っている。

  • 座敷童子
和服姿でおかっぱ長髪の妖怪少女。無印本編で登場した座敷童子と容姿は同一だが、本人かどうかは不明。
マスコットキャラ的におチビで子供っぽいデザインだったそちらとはちがい、若干だが背が伸び、
猫のような糸目だった顔の描き方も微妙に変わり、穏やかで柔らかみある表情に変わっていて大人びた雰囲気になっている。

ルナが経営するバー「House Fairy」に住み着いており、彼女の歌に合わせて幸運の妖気を振りまくことで
客を幸福な気持ちにさせて店を繁盛させている。




追記・修正は、口先だけでなく他人の痛みと悲しみに心から向き合える方がお願いします。

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最終更新:2023年08月29日 03:19

*1 もっともあくまで禁じているのは「自ら手を下すこと」に限っており、話によっては自分と依頼者を殺害しようと目論んだ悪党を事実上見殺しにした事もある。