『JINKI』シリーズ

登録日:2009/06/29(月) 15:08:04
更新日:2024/02/05 Mon 09:10:20
所要時間:約 7 分で読めます




ロボット(と強姦)をこよなく愛する漫画家、綱島志朗が描くロボット漫画シリーズ。初出は2000年。2005年にはテレビアニメ化された。

諸事情により度々掲載誌が変わっており、話の流れが複雑化している。

シリーズが進むに連れてやたらエロくなっており、ファンの間でも賛否両論。
そのあまりのエロさからか、一般漫画でありながら2010年に本当にエロゲ化。一般漫画がエロゲになるというのは、前例がほとんどない珍しい事態だが、アニメ化したほどの作品という条件では前代未聞である。
この事はファンの間では色々騒ぎを巻き起こしており、賛否両論飛び交っている。



【JINKI -人機-】

『ガンガンWING』(エニックス*1刊)で連載されたシリーズ最初の作品。連載期間は2000年〜2001年、およそ1年半。

この頃はおっさんキャラが多く、美少女だらけの続編よりこっちの方がいいと言うファンも多い。コミックスはガンガンWING版とコミックブレイド版があるが、前者は絶版となっている。

エニックスお家騒動により連載が中断され、グレー決着になってしまった。


《あらすじ》
ロボット大好きで、趣味がその手のプラモデルである少女、津崎青葉。
周りの女子と話が合わず、友達がいない彼女は、ある日突如現れた母を名乗る女装男に誘拐される。だが、誘拐された先では折り合いの悪い本物の母が待っていた。母を拒絶し飛び出した青葉は、そこで本物のロボットに出会う。
その名は、人機〈モリビト2号〉――。
南米ラ・グラン・サバナで津崎青葉の物語が始まる。


《単行本》
全4巻。
『ガンガンWING』版と『コミックブレイド』版、後述の時系列を再構成して纏めた完全版の三種。
最初の頃と今では絵がかなり違う。
ブレイド版とWING版で4巻巻末に収録されている読み切りが違う。



【JINKI:EXTEND】

エニックスお家騒動の後、『コミックブレイド』(マッグガーデン刊)創刊ラインナップとして始まったJINKIの続編。連載期間は2002年〜2006年、およそ4年強。

3年後の話で、舞台は日本。
ヒロインが一気に増えて一部の読者からは不評。また、ヒロインの一人がレイプ(未遂?)された事で有名であり、“JINKI=レイプ漫画”と印象付けた。
シリーズエロ化の始まりである。

方向転換したもののロボも大事にしている作者とあくまでキャラを大事にしている編集とで揉めたらしく、前作との空白の3年間を描く『ミッシングリンク編』の途中で打ち切られてしまう。

ちなみにヒロインが増えたりと作風に変化が出たのは、無印が売れなかったからと作者の同人誌でぶっちゃけている。
そのおかげで長続きしたのもたしかなのだが、ロボ漫画の需要について改めて考えさせられる話と言える。


《あらすじ》
記憶喪失の少女、柊赤緒は強い“血族”反応を持ち、勘違いから両兵に攻撃される。
なんとか誤解は晴れるものの、直後に近くで人機による破壊活動〈ロスト・ライフ現象〉が発生した。
人機が入ったコンテナを発見した両兵は、赤緒に「人を助けたいならコレに乗れ」と促す。
そして、赤緒を乗せてコンテナから現れた人機は、かつての青葉と両兵の愛機〈モリビト2号〉だった。


《単行本》
全9巻。
1〜5巻までがEXTEND本編。6〜9巻は前作ラストの続きから始まるミッシングリンク編。
2011年6月より完全版が発売。
6巻収録の短編が未収録になった代わりに書下ろしの新エピソードが収録された。



【JINKI GALS COLLECTION】

EXTENDが打ち切りになり『電撃大王』での復活が決定した際、復活までの数ヵ月間『電撃萌王』に連続掲載されたイラストコーナー。

これらのイラストは、後に真説(後述)の単行本を全巻購入して応募できる画集《JINKI GALS“SECRET”COLLECTION》に収録された。

エロい。
どう見ても赤緒がS○Xしているようにしか見えないイラストが掲載され、ファンの間で物議になった。この赤緒のイラストはそのままで十分過激だが、画集の方にはそれよりさらに過激な物(過激すぎてボツになったらしい)が載っている。



【JINKI -真説-】

『電撃大王』(アスキー・メディアワークス刊)で始まったシリーズ。連載期間は2008年限り、およそ半年。

途切れた『ミッシングリンク編』の続きから始まるが、EXTENDには戻らずに『JINKI』『ミッシングリンク編』と合わせて初代主人公“津崎青葉の物語”として完結した。
ややこしい。

EXTENDの過去にあたる訳だがEXTENDの設定と矛盾が生じている。

青葉と両平が○EXしており、雑誌掲載時にはカット。単行本(大判のみ)に収録された。さすがにアソコは映らないが、モロにSE○シーンを描いている。

単行本は初代、ミッシングリンク、真説を全て合わせ、カラーページを完全再現し、ピンナップ(やはりエロい)まで付いた大判コミック『JINKI -真説- COMPLET EDITION』(全5巻)と、真説として連載された分のみ収録した通常サイズコミック『JINKI -真説- FINAL EPISODE』(全1巻)がある。
大判コミックを全巻購入すると、上記の《JINKI GALS“SECRET”COLLECTION》の応募者全員サービスに応募できた。


《単行本》
大判は全5巻。
1,2巻は『JINKI -人機-』4巻を収録。
3,4巻は『JINKI:EXTEND』6〜9巻収録(ただし、6巻冒頭にある過去編導入部はなし)。
5巻は真説としての連載分。
また、大判5巻から○EXシーンを省いた通常サイズコミックが全1巻。従来のコミックスを持っているなら、通常サイズだけ買えば問題ない(エロシーン見れないけど)。
現在は電子書籍版も発売されている。


JINKI:EXTEND ~RELATION~

電撃大王から『ドラゴンエイジ』(富士見書房*2*3刊)に移動して始まったシリーズ。連載期間は2009年〜2012年、およそ3年。2012年5月号を最後に休載。

EXTENDの途切れた部分(ミッシングリンクに入る直前)から始まるのではなく、かなり話が飛んでいる。
EXTEND時にはなかった真説からの新設定(EXTENDとの矛盾)が入っており、地続きの続編なのかパラレル的な続編なのか明言されていなかったが、後半で続編だということが明言された。

主人公機は従来のモリビト2号ではなく、新型〈モリビト天号〉。

なんというか、案の定中断の憂き目にあっている。理由は現時点では不明。


《あらすじ》
女の子が大好きな柊蒼旗は、ある日地元で人機の戦闘に巻き込まれる。
その最中、人機の操主である青年が蒼旗を瓦礫の落下から助け、代わりに死んでしまう。しかしその青年――両兵は魂を切り離し、幽霊状態で生きて(?)いた。
両兵は蒼旗に自分の代わりに戦えと要求するが……。


《単行本》
現在5巻まで発売中。

《ドラマCD》
2010年12月8日発売。
キャストは後述のアニメ版とは異なる。


【人狼機ウィンヴルガ】

2016年から『チャンピオンRED』(秋田書店刊)で始まったシリーズ。
秋田の赤い核弾頭という異名を持つ雑誌連載というのも大きいと思われるが、シリーズの中でもエログロ度が最大級。
全編に渡ってメインサブモブ全ての女性キャラが(G方面でも)かなり酷い目に遭っている。成年マークが無いのが不思議なくらいに。
しかし、それらに耐え不屈の精神で乗り越え敵に反逆する展開も多く描かれているなど燃える展開も多い。ワンパターンと言ってはいけない
なお、これまでのシリーズとは異なり、世界観は一部の用語が共通しているくらいで独立化しているので、過去のジンキシリーズを知らなくても全く問題はない。
別の意味で新規が入り込みにくい作品と化しているが

上記のようにいろいろありつつも、約6年間・単行本11冊分にわたりチャンピオンREDとの蜜月が続いていた*4*5のだが、2022年半ばをもってREDでの連載を終了。
同年12月より同じ秋田書店のヤングチャンピオン烈に移籍し『人狼機ウィンヴルガ 叛逆篇』として再開することとなった。*6
ヤンチャンWebにてネット連載も行われている。

なお、この移籍はかねてよりRED担当編集から表現自主規制について
「ロリの裸、凌辱シーンの過激な描写は避けてください」
「絵として描ける範囲は、下半身は結合部含め女も男も見えない・画面には入らない程度になります」*7
という要求を受けていたが、それを真っ向から拒絶。作品の初代編集が在籍するヤンチャン烈への移籍を直訴したと綱島氏自身がTwitterにおいて発表している。*8
今までの移籍と異なり同じ出版社の別雑誌への移籍となるため円満と言える方かもしれない。

《単行本》
現在無印が10巻まで、叛逆篇が1巻まで発売中。



このように、ガンガンWING→コミックブレイド→電撃大王→ドラゴンエイジ→チャンピオンRED→ヤングチャンピオン烈と、計6誌(移転3回)に渡りシリーズを展開している珍しい作品である。
ここまで迷走しながらも続けるのは、やはり作者が本当にこの作品を愛しているからだろう。


JINKI:EXTEND(アニメ版)

『JINKI -人機-』と『JINKI:EXTEND』を元にしたアニメ作品。キャッチフレーズは「ロボットアニメの最高峰」「全てのロボットアニメは道を譲れ!」

……偉そうな肩書きだが、はっきり言って黒歴史。
12話という短さに『JINKI -人機-』4巻と『JINKI:EXTEND』6巻分を詰め込んでおり(EXTENDパートはほぼアニメオリジナルだが)、尺が足りずかなり駆け足展開。また過去(人機)と現代(EXTEND)の映像を切り替えながら話が進む『エクステンド方式』という演出を行うが、その説明がないため原作を知らない人は最悪最後まで時間の切り替えだという事に気付かない。
しかも切り替えの度に話が飛ぶので内容が繋がらない。

原作を知っていて何とか7〜8割ほど理解できるかどうか、というカオスな内容になっている。
おかげで「全てのロボットアニメは道を譲れ(笑)」とか「全てのロボットアニメは道を譲る(気の毒で)」とか散々な言われよう。

しかし今となっては原作の方が余計にグダグダ状態となってしまったので、オリジナル展開が再評価されているという皮肉な事態にもなっている…


【JINKI EXTEND Re:VISION】

JINKI初のゲーム作品。2010年11月発売。

ゲーム化発表の際にジャンルなど様々な憶測が飛び交ったが、なんとファンの予想の斜め上(下)をいく18禁PCゲームだった。
シリーズのエロ化もついに来るところまで来たということか……。

制作は戯画で、ジャンルはAVG。原画は作者の綱島志朗本人が担当するので、エロ化肯定派ファンにとってはまさに至高の一品になるだろう(エロ肯定派は戯画マインにならないことを祈ろう)。
だが、エロ反対派にとっては最悪の展開である。
後に似たようなロボモノの原画を書いている。

ストーリーは『JINKI:EXTEND』をベースにしてゲームオリジナル主人公“氷野顕”で展開する。ゲーム主人公だからか、従来の主人公(青葉、赤緒、蒼旗)とは違い名前に色が入っていない。
また、新キャラクターが2人ヒロインに追加される。

……コートの人無理なくね?


【JINKI RESURRECTION】

JINKI、2度目のゲーム作品。2020年3月27日発売。
前作から10年、まさかの再18禁ゲーム化となる。制作は前作同様戯画で、原画も綱島が担当。

こちらは『JINKI:EXTEND』完全版コミックスから2年後の話との事。リレイション無かった事にするのかと心配されてもいる。
メインのヒロインは3人。うち1人は本作初出となる完全新規ヒロイン。

概ね評価としては、作者自ら原画を描いたエロシーンは良いが、運ゲーが過ぎるシステム部分で大きく評価を下げている。

翌21年にはPlayStation4Nintendo Switchに移植もされた。こちらは全年齢作品。
システム部分が改善され遊びやすさの面ではかなり良くなっているものの、当然の事ながらエロシーンは全カット。パンツとかもしっかり隠されている。
一番の問題点が改善された一方で、一番の評価点が消えているという何とも言えない移植になっている。

【JINKI -Unlimited- / JINKI -Infinity-】

3度目のゲーム作品。『Unlimited』は2023年1月27日、『Infinity』は同年4月27日発売。
『Unlimited』は18禁ゲーム、『Infinity』はPS4・Switch向けの全年齢作品となっている。
今回も制作は戯画で、2023年3月31日をもって活動終了したため戯画の最終作品となった。



追記・修正よろしくお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 漫画
  • 綱島志朗
  • ロボット
  • メカ
  • JINKI
  • エロ
  • 15禁?
  • レイプ
  • 強姦
  • 複雑
  • ガンガンWING
  • コミックブレイド
  • 電撃
  • ドラゴンエイジ
  • 祝(?)エロゲ化
  • エロゲ化
  • PCゲーム
  • エロゲー
  • 18禁
  • 戯画マイン ←起爆
  • 迷走
  • 親子
  • 最高にハイアルファーだぜ!
  • 負けたら強姦 ←お約束 ←全年齢漫画だろうが18禁ゲームだろうが
  • 鉄串
  • 金棒
  • シリーズ項目
  • ゲーム
  • チャンピオンRED
  • ヤングチャンピオン烈
  • 電撃大王
  • ジンキ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月05日 09:10

*1 当時の表記。スクウェア・エニックスへの合併は本作の掲載終了後の2003年。

*2 当時の表記。事業再編によりKADOKAWA名義となったのは本作の掲載終了後の2013年。

*3 出版社は変わったものの、同じKADOKAWAブランド内を移動したのみとなった。

*4 RED連載終盤時点で、雑誌内では『絢爛たるグランドセーヌ』『DEAD Tube』に続く3番目の古株(長期休載作品を除く)となっていた。

*5 ここまでの連載は最長でも4年しか保たなかったので、本作が最長連載となった。

*6 当初は夏頃再開予定だったが、ゲームの原画や読み切り執筆などで多忙だったためか延期された。

*7 他作品の例を挙げると『少年エース』誌の『異世界迷宮でハーレムを』がこの表現基準を採用している。

*8 実際、叛逆篇では開始早々にロリの裸が描写されている。