ロックマンX6

登録日:2011/03/30(水) 03:31:29
更新日:2024/04/19 Fri 18:02:36
所要時間:約 7 分で読めます





ロックマンXシリーズの第6弾であり、2001年11月29日に発売されたPS用ソフト。


概要



本来は前作のX5でシリーズ完結を目指していた。
だが、不振の続くロックマンDASHシリーズと異なり、予算削減したはずの前作の売り上げが非常に好調だったために続編の制作が決定したという経緯がある。
…しかし前作でわざわざ今さら感のある新キャラを出した事や前作発売から僅か一年で発売など、少なからず続編制作の意図はあったと思われる。
ただ急だったのは変わりが無かったようで、ストーリーの強引さや作り込みの粗さが目立つ。*1



  • 本作のゲーム開始時点に一番近い前作のエックスEDでは、スペースコロニー落下から三年が経過している(本作は前作から三週間後)
  • ゼロがスペースコロニーにシャトルで突っ込み、コロニーの何割かの破壊に成功するが、結局コロニーはほとんど原型を留めたまま地上に落下しているにもかかわらずゼロが覚醒していない。
  • スペースコロニーが原型を留めたまま落下して地球全土が荒廃しているにもかかわらず、エックスはゼロの事を忘れていない(そのルートを通った場合、エックスはライト博士にゼロの記憶を封印されるため)

このように、前作のどのエンディングからも本作には繋がらない仕様となっている。
つまり本作はロックマンX5のパラレルワールドの未来となるのではないかと考えられる。
ちなみに「三週間」というのは公式の表記に従ったが、実際はOPデモ中に「一週間後」と出るため、実は四週間後である。



次にゲームとしての問題点を上げると、

  • ステージによっては特定のキャラ及びアーマー、武器を持っていなければ先に進めなくなる(その場合は残機を全て自滅させてステージセレクトからやり直す必要がある)
  • もはや理不尽なほど嫌らしい敵の配置や攻撃(特にハードモード)
  • 一部のステージギミックの難易度が極端に高い



そして急すぎる制作による雑な作りもまた目立つ。

  • 本作ではボスキャラのボイスが復活しているが、何故か音質が悪い。
  • 前作の展開とは裏腹に復活のハンターがあっさり復活している。
  • 復活のハンターの立ちグラフィックや攻撃モーションが新規で書き直されているが、その割に劣化している(しかも隙が大きい)
  • ボスのバランスがかなり大味。シリーズ最強を争う程強いボスが2体もいるのに、シリーズ最弱を争うボスが2体。極端にも程がある。
  • シリーズでも珍しくバグが目につきやすい(とはいえゲーム進行の妨げになるようなバグは無く、むしろプレイの助けになるような物が多い)。

しかし、それらの問題点もこれまでのファンが飲み下せない程でも無く、単なる駄作とは言い切れない。特に前述の高難易度がむしろクセになるというプレイヤーもちらほらおり、理不尽な難所もアーマーや武器を使えば割と何とかなったり、難易度「ふつう」までならプレイヤーの腕次第でどうとでもなったりすることが多い。
また、エイリアの通信がほぼ全て任意で聞けるようになった等前作から改善された点も多く、パーツシステムの拡張性が前作から格段に増したこともありやり込み甲斐がある。

その面白さは一度プレイしただけでは分からないが、やり込むほど面白さが分かり、ハマる人はハマるスルメゲーとしての側面がある。

ちなみに、エンディングがXシリーズで唯一鬱展開が無く後味のいい終わり方をする希少な作品でもある。
あと下を見ればわかるが声優陣が非常に豪華。




~プロローグ~
地球全土に蔓延したシグマウィルスと、スペースコロニー・ユーラシアの落下によって地上は荒廃し、数多くの人間やレプリロイドが犠牲となった。
そのスペースコロニー落下地点に、一人のレプリロイドが訪れ事故の悲惨さを嘆いていた。……だが、そのレプリロイドはそこで『ある物』を見付け、豹変してしまう。
――そして事故から三週間後。ゼロのセイバーを手にイレギュラー掃討に乗り出すエックスの姿があった。


【登場人物】
エックス
CV:森久保祥太郎
シグマとの死闘やゼロの死を乗り越え、災害復興とイレギュラーハントに尽力する、ハンター達のリーダー的存在。
ゼロのセイバーを片手にイレギュラー掃討に乗り出すも、その矢先に発生したナイトメア現象の原因がゼロだというアイゾックの演説を聞いて怒りを露にし、それを鵜呑みにしてアイゾックを支持するレプリロイド達に絶望。
ゼロの無実と名誉を守るため、ナイトメア調査に乗り出す。


復活のハンター
CV:置鮎龍太郎
前作で悲劇のを遂げたと思われていたハンター。
しかし、気が付けば身体が元通りになっていたらしく、ゼロナイトメアを倒すと仲間として使用可能となる。
セイバーをエックスが引き継いだためか、今回は今までと異なる先端の丸いセイバーを使用
彼でラスボスを倒した場合、ロックマンゼロへと繋がる…とファンの間では囁かれている。
※公式はロックマンゼロに繋がるとは明言していないので注意。


◆シグナス
CV:鈴置洋孝
ロックマンX界のブライト艦長。
世界最高レベルのCPUを持ち、イレギュラーハンターをまとめる総監だが、今作でハンター組織が事実上壊滅した今、総監として何の仕事をしているのか不明だったりする。
故・鈴置洋孝氏が声を演じているというだけで格好良く見えてしまう不思議。


エイリア
CV:笠原留美
イレギュラーハンターのオペレーター。
前作で彼女に相当ウザい思いをしたユーザーも多いだろうが、今回は彼女の通信を任意で受けられるようになるなど改善されている。
そして男にしか見えない顔と裏腹に声は可愛かったり、今回の黒幕との恋愛疑惑などヒロイン化に向けた動きが見られる。
なお、彼女と黒幕との過去は、ある条件を満たさなければ見れない隠しイベント扱い。


◆ダグラス
CV:高木渉
イレギュラーハンターの凄腕メカニック。
前作のエニグマやシャトルの整備、今作の装備の開発など、彼が手掛けたメカは多い。
しかし喋る機会が少なく、ボイス付きの会話イベントにはエンディングしか登場していない。
そしてまさかの続編でのリストラ。
代わりに入ってきたのがメカニックとオペレーターの両方をこなすロリで涙目である。


ゲイト
CV:藤原啓治
今回の黒幕。
レプリロイド工学に新しい風をもたらす程の天才だったが、天才であるが故に周りの理解が得られず孤立。(本人曰く「時代が僕に追いつかなかった」)
原因は、性格にかなり難があったため。しかしゲーム開始時点ではコロニー落下による被害者を悼むような発言をしているため、改善はしていた模様。
しかし、コロニー落下地点である物を見付けた時から性格が豹変してしまう。


ハイマックス
CV:若本規夫
エックスの前に現れ、攻撃を完全無効化した上で彼を圧倒した謎のレプリロイド。
ナイトメア調査員のリーダーを務める。
エックスやゼロを『オールドロボット』と呼び侮蔑、しかしゼロに対しては異常なまでの執念を見せる。


◆ゼロナイトメア
CV:置鮎龍太郎
ゼロの姿をした謎の存在。ナイトメア現象の原因と云われるが、最後まで正体が不明だった。
遭遇するステージによってセリフが変わり、ゼロを装ったり某悪の天才科学者を思わせるセリフを言ったりする。


◆アイゾック
CV:青野武
ナイトメア調査の主導者。
言葉巧みにレプリロイド達を操り、ナイトメア現象の起きているエリアへ誘導する。
実際にはゲイトの命令でナイトメア現象を監督しており、今回の黒幕の1人。
サーゲスと共通点が多く、復活のハンターの事を捜していたり、彼の事を『ワシが一番良く知っている』と発言するなど、彼の過去に関わる人物と思われる。
彼と出会った際には再会を約束して立ち去ったが、再会は果たされる事はなかった。


ダイナモ
CV:森久保祥太郎
前作でコロニーを落下させた実行犯。
ただしエックスたちはそれを知らないため、ミッションを妨害する邪魔者程度にしか思っていない。
今作ではパワーアップのためにナイトメアソウルを集めていたが、次回作以降はリストラされた。(リストラ以後はVAVAの仕業にされる)


◆謎の科学者
CV:高木渉
復活のハンターのエンディングに登場。
彼を102年間封印する役目を任されたが、後のシリーズに出演しないため素性は一切不明。


◆ナイトメアマザー
ゲイトの研究所に登場する、巨大なナイトメアウイルス。みんなのトラウマ。
二体一組で登場し、火炎や電撃、水弾など様々な飛び道具を組み合わせて回避不可能困難な攻撃を仕掛けてくる屈指の強敵。
しかもイエローデビルよろしく、攻撃時のみしかダメージを与えられない上にコアを破壊してもウィルス部分が消滅することはない。
運ゲー要素が極めて強く、ゴリ押しでないと撃破は困難。ノーダメージはほぼ不可能。とあるオワタ式プレイヤーも素縛りでの撃破は強化パーツを装備*2した上で3950回かかったそうな…

「調整不足」という本作最大の負の面を体現するボスであり、ファンからはシリーズ史上最強のボスとも言われている。


シグマ
CV:麦人
望まない復活を果たしたラスボス。
誤った手段で復活をしたためかゾンビのような姿で、言葉も満足に話せない。
なお、第二形態時のBGMはX1とX2における彼の第一形態時のBGMのリミックスアレンジとなっている。

ナイトメア調査員
本作に登場する8ボス。

格メンバーの詳細についてはリンク元を参照。

北極エリアブリザード・ヴォルファング
CV:石川英郎

アマゾンエリアコマンダー・ヤンマーク
CV:藤田圭宣(現:織田圭祐)

マグマエリアブレイズ・ヒートニックス
CV:三木眞一郎

リサイクル研究所メタルシャーク・プレイヤー
CV:麦人

セントラルミュージアムグランド・スカラビッチ
CV:青野武

イナミテンプルレイニー・タートロイド
CV:若本規夫

レーザー研究所シールドナー・シェルダン
CV:鈴置洋孝

兵器研究所インフィニティー・ミジニオン
CV:高木渉


エックスよ…平和はいつの日に訪れるのか?
せめてお前にだけは戦いの無い平和な世界で過ごしてほしかった…
しかし、この悪夢は終わらせなければならない…
アーマーを与えることしかできない無力な私を許しておくれ…

安全のために4つのプログラムを合体しないとアーマーが完成しない。
4つ全てのプログラムを集めてアーマーを完成させるのじゃ。


本作も前作と同じ3種+α、4つあるパーツプログラムを全て集めることで完成する形式。


ファルコンアーマー
前作から続投かつ初期装備。
前作で破損したものをエイリアが復元したものだが、所々が不完全。
オープニングステージでエイリアが「ダッシュとかが不完全だけど」と言うのだが、どう考えても不完全なのはダッシュ以外である。

以下前作からの変更点↓
ヘッド
特殊武器のエネルギー消費を軽減。

ボディ
被ダメージ半減。
ギガアタックも使用可能だが、ほとんどのボスに対してはダメージが与えられなくなった。
本作ではザコ敵の数が多いので、それらを殲滅するのに役立つ。

アーム
チャージショットは変わらず「スピアチャージショット」、ただし地形貫通効果が削除。
代わりに特殊武器のチャージが可能になった。
前作ではフリームーブにほとんどのエネルギーを充てていたために特殊武器のチャージが不可能だったが、本作はフリームーブが使えなくなったので可能に。

フット
フリームーブが使えなくなり、エアダッシュが使えるようになった。
エアダッシュは空中でダッシュorジャンプボタンで使用できるが、どちらを押したかでエアダッシュの速度・距離が変わる。


ブレードアーマー
ファルコンアーマーをベースにゼットセイバーとの連携を重視したアーマー。
ファルコンと比較して機動力・攻撃力のバランスが良い。

ヘッド
特殊武器のエネルギー消費を軽減。

ボディ
被ダメージが半減する。
また、前方に複数の斬撃を放つギガアタックが使用可能。当て方にもよるが攻撃力が高く、軌道が素直で扱いやすい。

アーム
チャージショットはヒット時に連続ダメージを与えるプラズマが1つだけ発生させる。
ただしある程度デカい相手にしかプラズマは発生しない上、そもそもチャージショット自体も連続ヒットする仕様で、当て方次第では火力がノーマルエックスのチャージショット以下という難点も抱えている。

また、チャージ後に方向キー↑を押しながら撃つとチャージセイバーで攻撃。チャージセイバーは空中で発動すると一瞬だが空中で静止する。こちらも多段ヒットする形だが、通常のチャージショットよりかは火力が出やすい。
一部の敵弾をかき消すこともできる。

ボス敵相手だと無敵時間の関係でチャージセイバーはおろか、チャージショットも前述の通り貧弱でありプラズマの追加ダメージがないので総じて使い辛い。

フット
上下左右の4方向へダッシュ移動ができるマッハダッシュが使用できる。
空中でダッシュorジャンプボタンを押すと空中で静止し、移動したい方向のキーを押しながらボタンを離すことで繰り出せる。
移動時に攻撃判定と無敵時間が発生。マッハというだけあって、通常のエアダッシュの2倍の距離を移動できる。
慣れるまでに少々時間がかかるものの、使いこなせれば上下左右へハイスピードで飛び回ったり、発動前の静止と発動時の無敵時間を利用した攻撃の回避に役立つ。


シャドーアーマー
ニンジャをモチーフにしたアーマー。
前作のガイアアーマー同様にトゲによる即死を無効化できるが特殊武器が使用できない。
ただし、こちらは機動力は低下しない上に強化パーツの装備が可能。

ヘッド
セイバーを振るモーションが早くなる。
隙が減るという利点はあるが、逆に多段ヒット数が減るという難点も抱える。
無敵時間があるボス戦では有効だがザコ敵相手には使い難くなる。
また、セイバーのジャンプ・ダッシュ・しゃがみキャンセルも不可能に。結果として隙が増えてんじゃねーかというツッコミはやめておこう

ボディ
例によって被ダメージ半減し、ギガアタックが使用可能になる。
シャドーのギガアタックは、三日月型の斬撃を自身の周囲で回転させるもの。こちらも破格の攻撃力を誇る。

アーム
ノーマルショットは前方3方向へのランダムショット。*3
チャージショットがショットではなく強化されたセイバーによる斬撃「円月輪」になる。
チャージセイバーはブレードアーマーにものと同様、一部の敵弾をかき消せる。
ザコ敵相手ならほぼ無双できるが、無敵時間のあるボスに対しては斬撃の先端部分を上手く当てないと効果が薄い。

フット
方向キー上を押しながらジャンプすると大ジャンプ、そのまま天井に張りつくことができる。
天井に張りついた状態ではショットが真下の3方向へ同時に攻撃できる。
ただし、強化パーツの「アルティメットバスター*4」を装備すると天井張りつき時にショットが撃てなくなるという落とし穴があるので注意。


アルティメットアーマー
毎度おなじみ公式チート。
本作では前作のように道中での入手が出来ず、隠しコマンドで使用可能になる。
カラーが黒を基調としたものになっており、性能はゼットセイバーが使えること以外は前作から据え置き。



【テーマ曲】
本作から再びOP・EDテーマ曲が復活。

●OPテーマ Moon Light/The Answer
作詞・作曲・編曲:井上日徳
歌:森久保祥太郎

歌唱はエックス役の人。
Moon LightはCMソングにも使用されている。


●EDテーマ I.D.E.A. ~僕は毎日、夢を見る~
作詞:横山武 作曲・編曲:樫原伸彦
歌:RoST(笠原留美、石川英郎、三木眞一郎)

歌唱は本作にも参加している3人。
北米版「MEGAMAN X6」でも日本語のこの歌が使用されている。








ついきしゅうせいさせてしまったようだな。
こうもくがかんぜんにかんせいするまで みをかくしていたんだ。

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最終更新:2024年04月19日 18:02

*1 実際、書籍「ロックマン&ロックマンXオフィシャルコンプリートワークス」にて、スケジュールがとにかく厳しかったと製作スタッフの一人が発言している。

*2 ジャンプ力アップの「ハイジャンプ」とダッシュ速度アップの「ハイパーダッシュ」の2つを装備。

*3 前作の特殊武器・クレッセントショットの通常版と同じ性能

*4 チャージ無しでチャージショットが撃てるようになるが、ノーマルショットと比べて発射間隔はかなり空く。