ロサンゼルスBB連続殺人事件

登録日:2010/06/10 Thu 19:24:15
更新日:2024/02/28 Wed 18:43:46
所要時間:約 5 分で読めます




DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』とは、漫画『DEATH NOTE』の外伝小説である。著者は西尾維新
時系はキラ事件より数年前。語り手はメロだが、物語の進行は主に南空ナオミの三人称視点で描かれる。

西尾らしさが出過ぎてデスノの雰囲気を壊したと西尾作風についていけなかった人も多いという。また月もノートも登場しないためデスノートらしさが薄いからか、原作好きには評価は悪く、控え目に評して賛否両論。
やはり例に漏れず言葉遊びや叙述、複雑なトリックがふんだんに使われている。最後も余韻を残すような締め方である。
また、「Lの伝説(ノート)」を謳う宣伝がされたにもかかわらず、作中の主な展開は南空ナオミの視点で描かれる。
事件解決までLは直接登場しない?ため、原作より扱いが悪いとさえ言える。

登場人物の欄に、犯人が犯人として記載されている為、初見の人は驚くことだろう。
また、小畑健の挿絵も目を見張るものがある。

後に刊行された、同名実写映画のノベライズ『L change the WorLd』(著:M)でも本作の設定が一部拾われる場面がある。


あらすじ


諸事情によりFBIを休職していた南空ナオミの元に、突如メールが届く。差出人はL。内容は、事件解決の為に協力を要請するものであった。
内心嫌々ながらも承諾したナオミ。彼女が現場調査に向かうと、極度に猫背で不審な男がベッドの下から出て来て…?

「竜崎と呼んで下さい」


ロサンゼルスBB連続殺人事件


作中で進行中のイニシャルB・Bの人物を標的とした無差別?連続殺人。
Lが捜査を始めた時すでに三人目の被害者までが死亡している。
作中の時点では事件名は命名されておらず、単に「ロサンゼルス連続殺人事件」や後述の特徴から「藁人形殺人事件」と呼ばれている。
事件の特徴は犯行現場が室内かつ密室であること、死体が激しく損壊されていること、そして現場の壁に藁人形が打ち付けられており、また最初は四個だったそれの数が一つずつ減っていること。

メロにとっては「僕たちの育ったワイミーズハウスの絡む事件」「Lが初めて竜崎と名乗った事件」と言うこともあり印象深い様子。

Lは警察に届いていたクロスワードパズルを記載した手紙が、第一の事件を予告する内容であった事を発見しており、それぞれの事件現場にも次の殺人を予告するパズルのようなものがあると推理。ナオミに調査をさせる。


登場人物


L────────────────名探偵
言わずとしれた名探偵。多忙なため南空には電話ごしで指示を出す。「B」を犯人と目す。
竜崎について「格好良かったですか」と尋ねるなど興味を見せるが…?
また被害者が抵抗した痕跡が一切ない事に疑問を抱いていたが、これについては解決編の後も分からないままであった。

南空ナオミ───────────FBI捜査官
DEATH NOTE本編で悲惨な最後を迎えた女性。この頃はまだFBIに属していた。割と勝ち気な面があるのか、Lに従うものの言いなりに動くことに抵抗を感じている。一方で休職のきっかけは仕事でのミスらしく、思い悩む様子も見せる。

ビヨンド・バースデイ──────犯人
各章の頭にモノローグが入る。Lと同じくワイミーズハウスで育った人間でニア、メロの先輩。「B」の名を持つ。
Lのバックアップ、コピーとして育てられる内、彼を越えなければという妄執じみた思いに取り憑かれ、Lとの勝負としてLから逃げ切ればBの勝ち、捕まれば負けというマイルールで犯行に及ぶ。
現場に残されたパズルはLへの挑戦状である。

レイ・ペンバー─────────FBI捜査官
デスノート事件においてキラの犠牲となった捜査官。この話には積極的に関わりを持たないが、ナオミに頼まれ竜崎の調査をする。

ビリーヴ・ブライズメイド────第一の被害者
胸を切り刻まれた死体として発見される。

クオーター・クイーン──────第二の被害者
両目を潰された死体。
彼女のイニシャルはQ·Qだが、これは全員がB・Bだと簡単すぎると思った犯人によるパズルの一環で、彼女もある変換をするとB・Bである。

バックヤード・ボトムスラッシュ─第三の被害者
片腕片足を切り取られた死体。壁にぬいぐるみを並べた自室で殺される。

竜崎ルエ
探偵。私立探偵ではなく無私の精神で働く無私立探偵(本人談)。要するに非合法。竜崎という名も偽名のもよう。
事件の全てを見透かすような様子と、コーヒーに甘い泥と形容されるほど砂糖を入れる、椅子の上に足を抱えて座る、事件現場を四つん這いで這い回るなどの奇行を見せる。
名刺によるとイニシャルがL・Lらしい。
原作読者からすると正体を隠す気ゼロである

メロ
語り手。というかこの小説はメロがノート(デスノートではない)に思い出を書き留めたものという体。
この行動から分かるように自分の死を予見しており、自身を「犬死のベストドレッサー」「旧世界のかませ犬」などと自虐的に形容している。死後に、自身のみが聞かされたLの功績が失われることを恐れ、これを読む者がニアかキラであればいいと思いながらこんな遺書じみた文を書いていた。

Lには他に二つの事件についての武勇伝を聞かされたが、残りページの都合でそれについてはノートを改めて書くつもりとのこと。


















以下重大なネタバレ





























「竜崎ルエ」はLではない
原作のLを知っている人ほど引っかかるトリックであった。
彼こそが「B」、ビヨンド・バースデイその人である。
この事件の密室トリックは藁人形二つを必要とするものであり、彼が最後の事件の被害者として人形が一つしかない密室で自死することで事件の解決を不可能にし*1、Lは生涯敗北感とBの影を感じながら生きていく、というのがBの狙いであった。
しかしその自殺は南空ナオミに阻止され、瀕死ながらも逮捕された。

また彼は誕生の前から(ビヨンド・バースデイ)「死神の目」を持ち合わせており、イニシャルB・Bの人間を探せたのも彼らを容易く殺せたのも名前と寿命を見たから。
しかし、死神の目で自身の寿命は見えないため、最後に自分を殺すことだけは失敗した。



なおビヨンド・バースデイは収監されて数年の後原因不明の心臓麻痺で死亡した。






































ロサンゼルスBB連続殺人事件

L.A.B.B.

L is After Beyond Birthday.


僕は旧世界のwiki籠り、追記・修正のベストドレッサー、ミハエル・ケール。

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最終更新:2024年02月28日 18:43

*1 死後本名は判明するだろうが、ニア、メロ同様「B」の本名がビヨンド・バースデイであることは誰も知らないため、自分の正体は不明のままでイニシャルB・Bの一人としか扱われないという算段である