日野晃博

登録日:2011/10/09 Sun 15:13:34
更新日:2023/12/02 Sat 00:58:22
所要時間:約 12 分で読めます





日野晃博(ひの あきひろ)とは、福岡に拠点を置きゲームの企画・開発を行っている企業『株式会社レベルファイブ』の創業者にして社長である。
福岡県大牟田市出身。

+ 目次

●概要


株式会社システムソフト、リバーヒルソフトにてゲーム開発のプログラムやディレクションを経験後、1998年に独立しレベルファイブを設立する。
当初はマイナーな会社であり他社からの委託でゲームの下請け開発などを行っていたが、2000年に発売したPS2用ソフト『ダーククラウド』の開発を担当したことで存在感を見せ始める。
そしてスクウェア・エニックスから『ドラゴンクエストⅧ』の開発を委託され、鳥山明デザインのキャラクターを見事に再現した美麗な3Dグラフィックがプレイヤー間でも話題となり、レベルファイブの知名度も飛躍的に向上した。*1

その後も『ドラクエⅨ』の開発を委託されシリーズの最高売上を更新したり、自社で企画・開発した『イナズマイレブン』『レイトン教授』などの大ヒットによって不動の人気を獲得。
日野は弱小メーカーだったレベルファイブを一気に押し上げた凄腕の経営者として知られるようになり、トップランナーにも出演した。

レベルファイブ作品はメディアミックスにも力を入れており、ゲームだけに留まらずアニメ・漫画・映画などの幅広い媒体で展開している。
また、コラボレーション企画にも積極的で、
  • スタジオジブリの制作協力を得て開発した『二ノ国
  • バンダイナムコ&サンライズと組み、日野が脚本を担当した『ガンダムAGE』
  • カプコンの人気シリーズ・逆転裁判とのコラボを実現した『レイトン教授』
などの大手他社とのコラボも多い。
その傍ら、手掛けた作品の多くでシナリオも担当する。(ただし日野の書くシナリオは批判意見も少なくない。詳細は後述。)

多数の人気シリーズを抱えている反面、ゲームの発売日が当初の発表より遅れることが常態化しており、数年単位で遅れることも。
数年でも待てる大人はともかく、多くの作品でレベルファイブが主要ターゲットにしている低年齢層の少年少女はその数年の間に別のコンテンツへ興味が移ってしまうこともあるので、この計画性のなさはレベルファイブの欠点と言えるかもしれない。


●主な作品


イナズマイレブン

「サッカーやろうぜ!」

“超次元サッカー”というコンセプトに恥じない、フツーじゃないサッカーゲーム。*2
ハードはDSで、2作目『驚異の侵略者』から『ファイア/ブリザード』の2バージョン体制で発売されるようになった。
3作目『世界への挑戦!!』では『スパーク/ボンバー』の後に、映画公開に合わせて完全版『ジ・オーガ』が発売されたことで、1作目から続いた円堂編は完結。
更にその後は3DSで移植作となる『1・2・3!! 円堂守伝説』が発売された。

特徴的なゲームシステムや魅力的なキャラクターから人気を博し、漫画化、アニメ化、カードゲーム化など様々な方面で展開され、主要ターゲットであった小学生男子はもちろん、「男の子の友情」に弱い一部のおねえさま方からも熱い支持を得た。
アニメ版は原作と比べて放送時間の都合によりセリフやシーンのカットがされることがあり、それによりキャラの印象がアニメとゲームで変わってしまうと指摘されることもある。
これについては、日野氏がイナズマイレブンのヒットにより多忙になり、円堂編1期以降はアニメのシナリオのチェックなどに割ける時間が減ったことが要因であるらしい。

2016年7月27日、『LEVEL 5 Vision 2016 -New Heroes-』にて新作「アレスの天秤」が発表された。
時間軸が1作目の大会優勝の後でエイリア学園が襲撃しない分岐展開を描くとのこと。
主人公は新たに稲森明日人と他2名(3人ともシリーズ初の男性声優起用で稲森役の村瀬歩はシリーズ初参加)で、円堂ではないようだ。
しかし順当に延期を繰り返して2021年時点での発売予定が2023年予定となっている。
アニメなどのタイアップ企画は2018年前後で一通り終わっているが…


イナズマイレブンGO

「サッカーは宇宙でやれ!」

イナズマイレブンの新シリーズ。
ハードが3DSへと移行したことでグラフィックも大幅に向上し、マップや試合もドットからCGになった。
2011年12月15日に出た1作目は『シャイン/ダーク』、2012年12月13日に出た2作目は『ネップウ/ライメイ』、2013年12月5日に出た3作目は『ビッグバン/スーパーノヴァ』で、それぞれ2バージョンが発売。
バージョンの違いはスカウトできるキャラや対戦相手チーム、サイドストーリーに登場する前作キャラ等。

また、タイトルに応じた雰囲気の差別化が図られている。
(例) シャイン→爽やか且つ温かなOP・明るくハジけたED・王道的ライバルのライバル・「イナズマイレブンGO!シャインッ☆」

ほとんどのキャストが前作から引き継がれており、EDを見ると見覚えのある名前だらけなどという事態もしばしば。

アニメ版はゲームに先んじて2011年5月4日から開始し、途中から『イナズマイレブンGO クロノ・ストーン』、『イナズマイレブンGOギャラクシー』と番組名を変え2014年3月19日まで放送されていた。


ダンボール戦機

「この中には希望と絶望の両方が入っている」

強化ダンボールという架空の新素材が存在する世界で、LBXと呼ばれる小型の人型ロボットを操り戦うRPG。
2009年に発売予定だったが延期に延期が重なり 2011年6月16日にやっと発売となった。
2012年10月18日に続編『ダンボール戦機W』、 2013年10月31日に現・最終作『ダンボール戦機WARS』が発売。
1作目と2作目はPSPで発売し、2作目はVITAマルチで後に2作とも3DSに後発発売、ダンボール戦機WARSは3DSのみで発売した。

かなり大規模なメディアミックスが行われ、アニメ化やプラモデル化・漫画化も同時に展開されていた。

豊富なパーツや良質なLBXデザイン、シンプルな操作のアクションと王道なストーリー、クリア後の豊富なやりこみ要素等の点が評価され、同時期に発売された『ゼルダの伝説 時のオカリナ3D』をも上回る売り上げを見せる。
2011年3月2日に同名でアニメが開始され、続編のダンボール戦機W、現・最終作のダンボール戦機WARSに番組名を変えつつ2013年12月25日まで放送されていた。

尺の都合でアニメ版では台詞をカットすることが多かったイナズマイレブンとは対照的に、こちらはアニメスタッフがゲーム版のシナリオで不明瞭だった点に補足を加えるということが多かった。

イナズマイレブンGOとダンボール戦機はコラボ映画も作られた。
元々日野氏はそれぞれを単独で映画化する予定だったが、LBXの販売促進をしたいというバンダイからの要望に応えるために両者をコラボさせることになったとか。


レイトン教授シリーズ

「英国紳士としてはね」

謎解きアドベンチャーゲーム。

本シリーズの一作目はレベルファイブが開発・製作のみならずパプリッシャーとして、日本国内での販売も手掛ける作品となった。
シリーズ累計販売本数では365万を越えており、中でも三作目はシリーズ屈指の作品と言われている。
欧米では脳トレの次の一本として受け取られている。

本作の謎解きのスタイル等は、日野本人が幼少の頃から影響を受けた多湖輝のベストセラー「頭の体操」を基準としており、多湖本人も本シリーズに参加している。
映画化もしており、こちらも中々評価が高かった。

逆転裁判』とのコラボ作品も発売され、カプコンのタクシューもシナリオを担当した。


機動戦士ガンダムAGE

「強いられているんだ!!」

賛否両論を巻き起こしたガンダムシリーズの一作。
レベルファイブが全面協力しており、他のガンダムシリーズと比べて異彩を放っている。
2011年から秋からアニメ版が1年間放送され、アニメ終了間際にゲーム版が発売された。*3
ガンダムの新作が批判の嵐にさらされるのはシリーズの恒例行事でもあるが、本作もアニメ放送前からよくも悪くも注目を集めていた。

アニメ版の監督は劇場版ケロロ軍曹などを手掛けた山口晋、そしてシリーズ構成(脚本)は日野氏が務める。
シナリオは『異星人と戦う親・子・孫の3世代の物語』というのがコンセプトで、“百年戦争”というキーワードの通り大河的なストーリーが特徴。

なおレベルファイブはあくまで「全面協力」であって、制作の主導や最終的なGOを出してるのはアニメ制作を担当するサンライズではあるが、シリーズ構成という重要な役職に日野氏が就いているため、彼個人の意見はアニメにも強く反映されている。

アニメ放送前は独特なキャラクター・メカデザインが主な批判の的であったが、放送が開始されると日野氏が担当したシナリオの方に批判が集中し、毎週のように彼のTwitterが炎上したため、日野氏は途中から本作に関するツイートを控えるようになった。

+ 商業的な苦戦と双方の主張
本作は元々、バンダイナムコの鵜之澤伸副社長が日野氏に「100万本売れるガンダムのゲームを制作して欲しい」と依頼した際、日野氏が「ゲーム単体では難しいが、アニメと同時展開させてくれれば可能性はある」と提案したのが始まりであると週刊プレイボーイのインタビュー( 外部リンク )で語られている。

実際のゲーム版の売り上げは“100万本”という高い目標に大きく届かず、PSPで発売された「機動戦士ガンダムAGE ユニバースアクセル/コズミックドライブ」は初週3万6000本、累計5万5000本に留まった。
また、アニメ版のDVD・Blu-rayの売上も苦戦し、各巻が万単位で売れる人気作だった前作『00』、前々作『SEED DESTINY』よりも大きく落として、第1巻の初週売上はわずか1991枚と厳しい結果となった。*4

日野氏側は「メカニックマガジン」のインタビューで「自分のアイデアには没になった物も多く、自由に制作できなかった」と主張している。
その一方でサンライズ側のスタッフは「モデルグラフィックス」誌のインタビュー等で「日野氏の意向は極力尊重している」「むしろ日野氏のアイデアに設定を付ける方向で制作していた」と真っ向から反する主張をしており、真相は判然としない。

例えば「ガンダムの戦闘データを元にAIが新武装を設計・開発する」という設定のAGEシステムについて、日野氏はタイムボカンシリーズのビックリドッキリメカ風にアニメで毎話異なる武器を登場させるという案を出しており、ゲーム版では実際に様々な武装が登場する。
しかしアニメ版のAGEシステムは出番がほとんどなく*5、日野氏が積極的に関わっていない『AGE-MSV』『MEMORY OF EDEN』などの派生作品において「ビックリドッキリメカ」のアイデアが積極的に導入されるなどのフォローを入れる形となっていた。

批判も多く商業的にも成功とは言い難い作品ではあるが、根強いファンもそれなりに獲得している。
また、本作に否定的なガンダムファンの中でも「三世代の大河ストーリー」という日野氏のプロットを評価する声は存在しており、2代目主人公のアセムを中心にTV版を再編集したOVA『MEMORY OF EDEN』は比較的好評であった。*6

余談だが各メディア間のストーリー統一をモットーとしてその意義を説く日野氏としては珍しく、コロコロ連載漫画のトレジャースターは本編の展開と異なる作品となっている。


妖怪ウォッチ

「ゲラゲラポー ゲラゲラポー ゲラゲラポッポ ゲラゲラポーゲラゲラポー♪」

3DSで発売したゲーム作品及びそのメディアミックス。
コロコロコミック2013年1月号から漫画が開始され、2013年7月11日にゲーム発売、翌年1月8日からテレビ東京でアニメが開始した。
初報が出た段階ではガンダムAGEが商業不振であったこと、コンセプトがポケモンの二番煎じではないかという見方があったが、何がどう転んだのかじわ売れを続けアニメ放送後にブーストしミリオン突破の大ヒット。
低迷するコンシューマー市場において珍しい大ブームが起こり、それを受け続編・映画化が早々に決定。
その後、続編は元祖、本家、真打の3バージョン合計で累計500万を超え、映画1作目の興業成績も75億を突破し、外伝作品の妖怪ウォッチバスターズは200万本を突破、2014年と2015年の2年連続で紅白へ登場を果たす。
AGEの失敗を取り返すどころか、かつてのポケモンに外伝作品の売り上げや映画興業の国内記録に於いては最高記録のミュウツーの逆襲を超えるなどの社会現象を引き起こした。

日野の立場は「ディレクション」となっており、シナリオを直接執筆する立場には無いと思われたが、その後のインタビューなどで妖怪ウォッチ誕生については日野氏のアイデアなどは重要な部分を占めていたことが明かされた。
また、アニメにて作中の登場人物の過去を説明する回は日野氏自らが脚本を書いている。
この作品が立ち上がった頃に『イナズマイレブン』『ダンボール戦機』シリーズが共に終了する形になった。(イナズマイレブンは後に再始動を発表したが)


●脚本について


日野氏は多くの自社作品でシナリオを担当しているが評判はあまり良くなく、レベルファイブのファンですら「日野シナリオ」として恐れている者もいる。
日野氏に対する批判意見のほぼ大半がこのシナリオ批判であり、しかも関わる作品が多いことから「日野休め」「経営に専念してほしい」「シナリオは本職の脚本家に書いてもらいたい」との声も多い。

+ 日野氏のシナリオで指摘された意見
世界を巻き込むような壮大な計画があっさり終息したり、キャラの行動動機や正体などが作品の後半に纏めて語られることが多く、後付くさく見えることがある点が主な弱点として指摘されている。
また、“シチュエーションとしての面白さ”を重視する一方、そのシーンに至るまでの細かい理屈や整合性が脇におかれがちとの意見も存在する。*7

  • ローグギャラクシー』をプレイした小説家の宮部みゆき*8は、「主人公とヒロイン双方の母親の行動・思想が(我が子の未来を想ってのものとはいえ)独善的で、かつ非効率的である」「そして、そのことを指摘するキャラクターが作中に存在していない」点を痛烈に批判した。( 外部リンク
  • 『機動戦士ガンダムAGE』は先述の通り批判が多く、作品にリアリティを求めるシリーズファンから、同作の描写・設定の詰めの甘さがたびたび指摘された。
    • 批判意見の多くは第一部のフリット編に集中しており、設定や描写の曖昧さもさることながら、フリット編のストーリーにベタな展開が多く、単純にエンターテイメントとしての盛り上がりや魅力に欠けているという意見も多い。フリット編で視聴を止めてしまった人も多かった。
    • 第二部以降は多少評価を盛り返したものの*9、後半においても「主人公たちと全く因縁のないキャラが突然出てきてラスボスになる」など無茶な展開がしばしば見られ、作品全体としての評価はやはり芳しくない。
  • 2019年に公開した映画『二ノ国』は、映画レビューサイト等でしばしば酷評されてしまった。
    • 脚本に関する主な批判意見は以下。
      • 「主人公が障がい者というデリケートな設定の割に、障がい者に対する配慮が欠けたシーンが散見される」
      • 「世界観やキャラの背景などの設定を台詞で淡々と語るシーンに終始しており、説得力を伴った映像表現ができていない」
      • 「キャラクターが思考を放棄して、ストーリーの都合で動いているように見える(特にダブル主人公の片割れであるハル)」
    • 同じくゲーム原作の映画として同時期に公開されていた『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』と比較されることもあるが、ストーリー終盤の展開で物議をかもし、論点が明白であるあちらと比べると、『二ノ国』は「どこが決定的にダメ、というより、脚本・作画・キャストの演技など全体的なクオリティが低い」と評されることが多く、日野氏の脚本だけが低評価の原因というわけではない。



シナリオ批判については本人も承知しているらしく、批判意見を目にして相当落ち込んだことをtwitter上で語った。

もちろんシナリオが評価されている作品も存在しており、特にアニメで1話完結の短編を書くとそれなりに評判が良い。
アニメ版妖怪ウォッチ25話「ジバニャンの秘密」や劇場版「イナズマイレブンGO 究極の絆 グリフォン」がその代表例であろう。
長編でも熱血王道スポ根を貫ききった初代イナズマイレブンや、伏線を残しつつも割と綺麗にまとまっていた『レイトン教授と奇跡の仮面』のような作品もある。

日野氏の作品に限った話ではないが、ネット上での批判意見に左右されず実際に自分の目で見てみるのが良いだろう。


●作詞について


日野氏は自社作品の主題歌等の作詞もしており、こちらは安定して評価が高い。

作詞を担当した楽曲リスト

  • 『白騎士物語』
    • 白騎士物語~旅人たち~
    • ときのカケラ~Chronicle Love~
    • 戦場に咲いた一輪の花
    • とべ青い鳥

  • 『レイトン教授と永遠の歌姫』
    • 永遠の歌姫
    • 思い出のレコード
    • この幸せよ永遠に
    • はかなき命の旅立ち

  • 『イナズマイレブン』
    • 純情青春ラブ
    • あいつは太陽ボーイ!

  • 『ダンボール戦機』
    • Little smile



●その他


  • 既婚者で、子供が二人いる。

  • twitterにて乳首でツイートしたことがある。*10

  • レベルファイブのゲームがマイクロソフトハードで出ないのは、マイクロソフトと共同開発していたゲームが中止となったことによる確執。

  • かつて小学館から出ていたゲーム誌の月刊PCエンジンの編集長がコロコロアニキ2020年春号で思い出話をしてくれたが、当時PCエンジン用CD-ROMドライブで動く雑誌付録を作る際にそのCD用ソフトを作るスタッフの中に当時リバーヒルソフト在籍だった日野もいたそうな。
    完成データを受け取るために熊本にスタッフを派遣するとちょうどその時に洪水が来ており「 今胸元まで水が来てます 」という電話が来たそうな。もっと早く逃げよ?というかよく電話できたな


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最終更新:2023年12月02日 00:58

*1 ドラクエには保守的なファンが多く、据置ゲームでドット絵が廃れ3Dポリゴンが主流になっていた当時、「ドラクエは絶対3Dにしないでください!」という手紙がスクエニに届くほどだったというが、ドラクエⅧのクオリティはそういったファンをも唸らせるレベルだった。

*2 「サッカーRPG(笑)」などと呼ばれるこのゲームだが、実はサッカーRPG自体は1998年、エニックスから発売された「日本代表チーム監督になろう! 世界初サッカーRPG」という前例がある。

*3 キャラゲーの製作はどうしても原作の後追いにならざるを得ないため、一般的にストーリーの再限度が低かったりダイジェストになったりすることも多いが、AGEの場合、元々「アニメとゲームの連動」が肝となる企画でレベルファイブがその両方に深く関わっているため、『アニメ最終話放映前にゲームが発売したのに、アニメの最終話も含めてストーリーをほぼ全て収録している』という珍しいパターンとなっている。

*4 この件についてアニメ側は「DVDからBlu-rayへの移行の過渡期にあったため買い控えが起こった」と主張しているが、どちらかといえば移行期による買い控えがあったのは前作の00である(あちらはDVD発売後、数ヵ月遅れてBlu-ray版が発売されたため、Blu-ray版を待ってDVD版を買わなかった層は一定数存在した)。円盤を買うようなコアなアニメファンは比較的Blu-rayへの移行が早かったとも言われており、AGE放送当時、アニメ業界では既にBlu-rayが主流であった。

*5 監督の山口氏はビックリドッキリメカ路線を見送った理由として「三世代の物語を約50話で描く必要があり、三人の主人公のドラマを描くには時間的なゆとりがない」「ほぼ毎話戦闘シーンがある本作でAGEビルダーが武装を生成するシーンを毎回挿入すると、たとえ1話1分程度でもトータルでは相当時間を浪費してしまう」旨をインタビューにて答えている。

*6 ただし『MEMORY OF EDEN』における日野氏の役職は“シリーズ構成・脚本”ではなく、“協力・監修”という現場から一歩退いた立場になっている。

*7 たとえばガンダムAGEにおいて、バンダイホビー事業部から「『スペースコロニー内に敵が現れる』という展開があるとき、日野さんはどこから・どうやって・何のために…といった敵側の事情をさほど重視せず、『ここで主人公が敵と会ったらピンチになって面白い』と状況の変化を起点に発想する」と指摘されている。また、声優の神谷浩史は、『敵対していた主人公とライバルが一時的に協力する』という展開について、シチュエーションの熱さには一定の理解を示しつつも、キャラの心情の変化が唐突で、ライバル役を演じる側として気持ちが乗らず、音響監督に相談して台詞のニュアンスを変えてもらった、というエピソードを明かした。

*8 RPGを好んでプレイする熱狂的なゲーマーとして知られており、本人もゲーム女を自称している。

*9 放送当時、日野氏は第一部と比べて第二部の方が視聴者からポジティブな反応が多かったことを明かしている。

*10 公式アカウントにて謎の文章がツイートされた際、日野本人が「服の中にパッドを入れていたため擦れて勝手に書かれた」と弁明した。