一ヶ尾 瑞陽(装甲悪鬼村正)

登録日 :2012/01/24(火) 03:40:14
更新日 : 2016/03/30 Wed 10:29:30
所要時間 :約 5 分で読めます





「力を尽くして、敗れる…………それが。
こういうものだとは、思いませんでした」



一ヶ尾瑞陽(いちがお みずひ)とは、装甲悪鬼村正の湊斗景明の過去にあたる第五編、宿星騎のメインキャラクターである。
CVは木村あやか


もと六波羅幕軍軍属であり、登場時は山賊団の女首領。
軍において横領が発覚し、夜逃げをする形で景明の住む町に辿り着き、「志士団」として略奪行為をするようになった。


容貌は山賊の首領という立場からは意外なほど清潔としており、六波羅の軍服を着崩している。
髪型がネコ耳っぽくて可愛い。また、露出が多い割りに男に肌を見せたことがない。


武者であり、流派は六波羅新陰流。
世襲で御館(家長)となったであろう彼女だが、実力は景明以上。
六波羅新陰流宗主、柳生常闇斎が師の一人であり、国内最高峰の剣術家である常闇斎をして「天稟あり」と言わしめている。
重心の完全制御を体得しており、女性の手足の短さを、「切落」のような返し技を持つことでむしろ長所として用いる。




装甲する劔冑は九〇式竜騎兵甲(キューマルドラコ)
本編中では一度も使われなかった。

人間としては力に過信し、底意地が悪く、高慢。
人を馬鹿にするとき「おーっほっほっ」と高らかに笑う。本編中五度この笑い方が見られ、「ほっ」の字数は277字。笑い過ぎ。
余りに長いため、笑っている間は部下は世間話などを始めたりする。
性格は余り宜しくない彼女だが、身魂は武士そのもの。
人間相手に劔冑を使うことは無く、横領事件も実際には彼女は関与していない。また、山賊を最下等の、しかし武士としての生き方としており、女を攫う、奴隷売買などは程度が過ぎるとして硬く禁じていた。
(山賊行為に彼女の意思が無かったとは言い難いが)
ちなみに彼女の一人称はアタシだが、特定の相手に対してだけ「私(アタクシ)」に変わる。

山賊団の退去を願い出た景明を彼女は一笑するが、勝負を持ちかけられ、態と素人臭く演技をした景明を侮り、一度敗れる。
勿論彼女が納得することは無く、弟に家督を譲るという形で略奪行為を続けた。
そして後日、彼女は二振りの刀を携え、陽も昇らぬ早暁に湊斗宅に侵入。
景明の寝首を掻こうとしたところに景明に発見され、二度目の勝負を行う。
互いに力を出し尽くし、彼女は再び負けることとなった。この闘いは実に奈良原臭い名勝負であり、一見の価値あり。

敗北後、彼女は景明によって刀傷の手当てを受け、介抱をされることとなる。彼女は敗北を受け入れ、不思議なほどに落ち着いていた。
女首領、デレ期の到来である。
包帯の取替えを景明がしてくれないことに残念な顔をし、
景明があーん、をしてくれることに嬉しそうな顔をするのである。
景明がふーふーしてくれないかなと、ちょっと期待したりするのである。
勿論相手は名だたるニトロヒロインが束になっても適わない悪鬼、湊斗景明である。
彼女の想いなど露とも気づきはしない。だが、だがしかし。
凡百のヒロインの安易なデレとは違う、奥ゆかしきデレがそこにある。
あーもう瑞陽殿は本当に武士可愛い。

彼女は敗北を認めたものの、山賊団の入植、という要求に是としなかった。
それは武士としての矜持であり、部下を思ってのことでもある。しかし彼女の根底にあるものは、景明の慈悲を受け入れることで、彼女が景明の心にとって塵芥、とるに足りないものになるのが嫌だ、という思いからだった。
世には迷惑な女がいたものだ、と考えながら、彼女は切腹を決意。しかし光の病気と景明の事情を偶然耳にしてしまい、武士を捨てることを決意する。

後日、彼女は約束を守ったものの、もともと武士であった部下たちの入植は上手く進まず、二週間足らずで部下の不満が爆発。弟に裏切られ劔冑を奪われ、敗北する。
かつての部下に強姦され、体中を膾切りにされながらも脱出。瀕死の身体で湊斗家に辿り着き、彼女は景明に部下の反乱を伝える。
流した涙は痛みでは無く、景明との約束を果たせなかった為にあった。

死の際に彼女は一つだけお願いをする。名前を呼んで、と。
景明は、彼女の名前さえ知らなかったのだ。
教えて貰った名前を呼ぶ。瑞陽殿、と。

 最後に。
 彼女は、それは嬉しそうに。
 微笑ったのだ。
 ――最後に。




本編終盤、魔王編にて再登場。
といっても、銀星号の卵に取り込まれた景明の精神の中での出会いであり、本人ではない。
自分の名前さえ思い出せない景明を、彼女はからかいながら優しく導いてくれる。
瑞陽は景明にとって、そんな存在だった。
出会いから別れまで数週間。まともに相対したのは数えるほど。
それでも、湊斗景明にとって一ヶ尾瑞陽は、塵芥などでは無かった。



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「過去に逃げてはだめ。どんなに辛くても
――未来を見て、現実を歩きなさい」
「湊斗景明。あなたは私に勝った男でしょう?」
「……一ヶ尾瑞陽……」
「いってらっしゃい」
そして女は、両手で優しく、あなたの背中を押した。
……あなたは振り返らず、山から去った。








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