ジャイアン(剛田武)

登録日:2012/02/08 Wed 05:45:54
更新日:2024/04/18 Thu 00:10:19
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友だちに助けを求められて、知らん顔していられるか!!



ジャイアン(剛田武)とは、漫画『ドラえもん』に登場するガキ大将である。

●目次

【演者】

声優

肝付兼太(日テレ版)/たてかべ和也(大山版)/木村昴(わさドラ版)/カイジ・タン(アメリカ版)

俳優

脇知弘(舞台「のび太とアニマル惑星」)/小川直也(トヨタ自動車CM)/八村塁(ソフトバンクCM・未来版)

意外にも大山版スネ夫を務めた肝付兼太氏が日テレ版で担当している。
声優としても、つくづくスネ夫と縁があるようだ。
現在声優を担当している木村昴氏は今のドラえもんレギュラー陣の中で最年少であり、唯一の平成(1990年)生まれ。
わさドラ開始当時は、「新しいジャイアン役が14歳」と大きな話題になった。


【人物】

野比のび太のクラスのガキ大将。骨川スネ夫とつるんで、よくのび太をいじめている。のび太の眼鏡が何回壊されたかは既に定かではない。
横暴が服を着て歩いているような性格。
スネ夫は舎弟に近い友人であり、彼の新しいおもちゃを強引に借りては壊す事も多数。
その被害総額は、子供のお小遣いじゃ払えないような相当な額になっているものと思われる。

「おまえのものはおれのもの おれのものもおれのもの」というセリフはあまりにも有名で、「ジャイアニズム」という言葉まで生まれるほど。
平然と他人の物(主に漫画)を奪っては未来永劫返そうともしない。
子供だからまだ母ちゃんにこっぴどく叱られる程度で済んでいるものの、大人が同じ事をやれば窃盗罪・強盗罪で牢屋にぶちこまれるべきレベルの事をやっている。
また、「ムシャクシャしてるから殴らせろ」「新しいバットを買ったから殴り心地を試させろ」等というセリフも結構有名。
…予めちゃんと宣言してくれるのは、彼なりの優しさだろうか。いずれにせよ理不尽極まりないので、到底許せるような代物ではないのだが。
一度無表情&無言で手招きして、無警戒に近寄ってきたのび太をいきなり「俺は今ムシャクシャしてるんだ!」と殴りかかる不意打ちを見せた。普段と逆のパターンなので見事ひっかかった。

その他にも、軽く殺人未遂のようなことをした事も。
原作ではスネ夫に対して「殺してやる!」とも言っていた。

また「さからうものは死けい!」「アハハ。いい気持ちだ。」等独裁者全開な暴言を吐いたこともある。
時には相手が女の子でも容赦ないところを見せる時もあり、静香に絵のモデルになってくれないかと頼みこんで断られた時にはすごみを聞かせた顔で睨みつけながら迫ったり、
彼女に自分の落ち度を指摘された時には激怒しながら「生意気言うと女でも殴るぞ」などと横暴の度が過ぎた発言を言い放ってすらいる*1

こいつ完全にいじめっ子ってレベルじゃない。
なにせこいつ草野球で負けたことをのび太のせいにしたりすることを始め、なにもかもをのび太の責任にするのだから。

いじめる相手をしつこく追いかける他、人の話に勝手に入ってくる図々しい一面もうかがえる。
作中のキングオブトラブルメーカー。逆に言うとジャイアンがいないと、だいたいの話が始まらないのも皮肉である

ただ、初期の場合は怒ったら怖い程度で描かれることが多くのび太をいじめるシーンは少なかった。さらに言えば最初期ではかなりパッとしない表情をしており、当初はボーッとした所謂「独活の大木」的なキャラであったことが分かる。
ただしいじめのシーンがないわけではなく、有名な「新しいバットを買ったから~」はスネ夫に向けられた言葉。
また近年のわさドラ版では、世間の世相に合わせたのか、いじめや暴力描写は少なくなっている。

なお、「一生に一度は百点を…」のシーンに「ほしいものは手に入れるのがおれのやりかたさ」という如何にもな台詞があるのだが、
その方法は偽物のコンピューターペンシルを作るという、現在のジャイアンからは考えられない方法をとった。

しかし、上記のように暴君のように振る舞う反面、実はお人形遊びが大好きという隠れた趣味があったり、
ホンワカキャップで酔っぱらった際にはオネェ言葉でサメザメ泣き出したりと女性願望をうかがわせる一面もあったりする。
ちなみに(ドラえもんの道具でリリースした)初シングルレコードは「乙女の夢」という破壊力のあるタイトルとステンドグラスをバックに花を一輪持ったジャイアンがうっとりと微笑むというこれまた破壊力抜群なジャケットが並んでいる。パンクロック風の衣装を着る割に、ロックは嫌いで歌謡曲を好むことから、芸能界で言えば美輪明宏や美川憲一をイメージしたのだろうか。

友情に厚い兄貴分らしい一面も持っており、普段はいじめているのび太が危険に晒されている時は、どんな危険も顧みず助けに行く。
「ドラえもんに休日を!!」ではのび太が見せた根性に感銘を受け、不良に襲われているのび太の危機を救うべくスネ夫と共に戦うという男前な行動も見せている。
他にも、友達の間に何か問題があると自分に関係のない事でも親身になって相談に乗るなど、横暴さばかりが目立つが、非常に友達想いでもある。
この現象は劇場版になると特に顕著に表れ、ドラえもん一行のリーダーシップを取る事が多い。
一つだけ例外も存在するが、俗にいう「映画のジャイアンはいつにも増して良い奴」というジンクスである。この法則は『銀魂』でも登場人物の台詞で語られる。
ただし劇場版補正と言う訳ではなく、原作においてものび太が風邪を引いたと知ると風邪薬を持ってこようとしたり、
本当は自身の日頃の行いの悪さを自覚しているが、それを素直に打ち明けられなかったりと、普段の乱暴者な性格の彼とは違う一面を見せている。


また、のび太に助けられた時には彼に「心の友よ~!」といって縋り付くのも超有名である。


一見怖いもの知らずなように見えるが、目上の者には弱い。
特に母親にだけはどうやっても抗えないようだ。
横暴な態度の結果、被害者の兄貴として中高校生等が出てくると手も足も出ないなんて事もあるし、
また、神成さんの家にラジコンやボールを突っ込ませてガラスを割って逃げるのもよくある話。
担任の先生にも敬意があるのか普段反抗したりせず、叱られることを恐れている。
また、大勢から責められたり、自分に非があると自覚していた場合は弱腰になったりと小心な面もある。

運動能力は高く、草野球チーム「ジャイアンズ」のキャプテンを務める。
しかしその反面、勉強の方はのび太と大して変わらない。辛うじてのび太よりは上だが、普段の点数は10〜15点で、0点を取っている描写も少なくなく、のび太に点数で負けた回も多い。
ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021年リメイク版のノベライズでは勉学には発揮されないが、頭脳面においては明晰な観察力と判断力を備えており、其れが故にガキ大将としてリーダーシップを振える上に周囲も従っていると明記されている。

趣味は歌で、いつか紅白に出るのが夢。
ただし、そのジャイアンが音痴なのもあまりにも有名である。
どれくらい音痴かというと、擬音にすると歌詞が「ボエー」「ホゲー」としか表現できなくなるほど。
またその威力は圧倒的であり、人間はおろか害虫やサメ、はては魔界の悪魔さえも苦しめるほどであり、長編エピソードではこれを逆手に武器として使用することもしばしば。
しかも定期的に同級生達を集めて、リサイタルを開催するため被害はとてつもない。

寝込んで熱を出したヤツがいたり、その歌声を放送したテレビが爆発したりするなど二次災害も半端ではなく、
夜に電波ジャックして行ったリサイタルでは先生がウッカリ聞いてしまい、TVの電源を落とすより早く落ちて翌日学校を休んだ。
2003年の映画『のび太とふしぎ風使い』では悪霊・ウランダーに憑依されたスネ夫を元に戻すために歌い、この際、ドラえもんは音痴ぶりに耳をふさいでいた。
ちなみに、この歌を「素晴らしい」とホメたのはひみつ道具「ヤメラレン」で中毒になったドラえもん&のび太と、
のび太の南海大冒険』に登場する女海賊のベティの3人ぐらいである。
打算込みで褒めた例としては音楽教室の先生も。よほど下手な歌を聞きなれているのだろうか。
また、わさドラ「新曲発表!ジャイアンにボエボエ?」に登場したゲストキャラクター・たか子もジャイアンの歌を絶賛していたが、
その理由は「昔飼っていた犬の鳴き声に似ている」というものだった。その犬もガラスとか割ってたんだろうか
本人は自分の歌を聞いても苦しむどころか「素晴らしい」と目に涙を浮かべるほど(ドラえもん曰く「フグが自分の毒で死ぬか!?」)だが、
さすがに寝起きでいきなり聞かされた際には「誰だ! 夜中にこんなへたくそな歌を!!」と跳ね起きていた。
詳しくはジャイアンリサイタルを参照。

また、料理も趣味にしようとしているが、一度作ってみたシチューの味も酷いものである。
詳しくはジャイアンシチューを参照。
硬貨のコレクションが趣味と言う一面もある。
わさドラ版では作品内で登場する特撮ヒーロー「かめライダー」のファンという設定があり、「カメライダー02」や「かめライダーセイヤー」グッズを集めているシーンが登場する。
なお、ゼロツーはのちに本家にも登場し、それどころか中の人が本物の仮面ライダーに抜擢されることに。

意外な特技として、絵が上手い(絵の上手いスネ夫に劣らぬキャラクター原案を書いたり、絵の専門家から「いい色を出してる」と褒められたことがある*2)。また、作詞のセンスは全くない一方で、作曲のセンスはある。
まあは漫画描いてるわけだし、ジャイアンにも芸術センスがあったとしてもおかしくはないか。
ちなみにステージ衣装も恐らく自作であり、がさつにみえてこの手の細かな作業は得意なのかもしれない。歌手より作曲家やプロデューサーを目指したほうがいいのかもしれない。
また、そろばん教室に通っている模様(プラス6巻「うつしぼくろ」より)。

身体的特徴に出べそがあり、そのサイズは3.5センチで当人はかなりコンプレックスに思っている模様。

映画では土木担当等の力仕事を買って出る事が多く、住み心地が良い住居を作ったり、治水工事を成功させたりと意外と計画性も実務能力も高かったりする。
「環境破壊だ」と非難されて土木工事を止められた際には相当に気落ちしていた。

ジャイアンのモデルは作者である藤子・F・不二雄先生の少年時代のガキ大将であるが、作中本編のジャイアンのキャラとは対照的に「弱い者を助けるガキ大将」であったという。
そういう意味では大長編シリーズのジャイアンはモデルとなった当時の少年のキャラに近い。

【関わりの深い人物】

  • 家族
家族は剛田商店を営んでいる。
ただし何の店かというのは作品によってコロコロ変わり、実際のところ何屋なのかは不明。
商品は缶詰だったり卵だったりトイレットペーパーだったり様々。ただ、ジャイアン曰く「乾物屋」らしい。日テレ版では「正直屋」、大山版では「剛田雑貨店」*3の名称となっている。
昔の日用品を一通り取り扱う個人商店の類とみるのが妥当かもしれない。
八百屋と言うイメージを持つ人は恐らくブタゴリラと混同している(作者も混同しており、よく野菜や果物も並んでいる)。
ジャイアン曰く「ボロ屋」であり、家のトイレは昔のボットン便所である。

店舗は木造の2階建て。わさドラ版では看板建築*4の様式となっている。
木造とはいえ非常に堅牢な作りをしており、わさドラ版アニオリ回『ジャイアンの家を大改造』では、22世紀のひみつ道具である職人ロボットから「柱や梁に1ミリの歪みもなく、大事に使えば100年はもつ」と最上級の賞賛の言葉が送られている。

小学生なのに母から店番や配達などの仕事を任されるあたり、店番をするくらいのセンスはあるようだ。
劇中ではいつも何らかの理由で店番をサボり、母ちゃんに叱られるのがお決まりのパターンとなっているが
「超大作特撮映画「宇宙大魔神」では自ら店番をしないといけないと焦っている事から責任感はある模様。
食事シーンが描かれるときにはいつも必ず家族のうちの誰かが欠けている(=店番か配達している?)描写がみられる。

家族は両親と妹の4人家族。
しかし日テレ版では母ちゃんは 既 に 死 ん で い た 。更にジャイ子も出てこなかった。
また、ペットに犬のムクがいる。(エピソードによって名前はデカだったりする)

CVは大山版/わさドラ版の順で、日テレ版は唯一登場する父親役の声優が不明のため本項では記載しない。

  • 母ちゃん
た  け  し  !


CV:青木和代/竹内都子
ジャイアンの天敵にして最大の弱点というべき存在。
他のレギュラーの母親と比べ、「下町の母ちゃん」的キャラクターが強調されている。
大山版アニメでは原作と異なるお団子ヘアが特徴で、わさドラ版は原作に近いビジュアルとなっている。
衣装は薄緑色のセーターと茶色のスカートを着用していることが多い。

ジャイアンは怒鳴り声を聞く、あるいはビジュアルを見ただけでも震え上がるほど恐れており、他のメンバーからはジャイアンを抑止する最終兵器と位置づけられている。
様々な状況から手に負えなくなったジャイアン相手に他メンバーが母ちゃんを召喚してお仕置きさせるほか、ドラえもんやのび太がひみつ道具で母ちゃんに変身してジャイアンを懲らしめることもある。

腕っぷしも非常に強く、柔道経験があるのかジャイアンを投げ飛ばす描写も多い。
主に使われるお仕置きはお尻ペンペンだが、往復ビンタも得意としているらしく、ジャイアンも必殺技として使用する場面もある。
また、大山版アニメの末期では美容室でセットした直後の髪の毛をジャイアンに滅茶苦茶にされた際にスーパーサイヤ人のごとくオーラを発し、ぶちキレて空き地に大爆発を起こすという人間離れした業を成し遂げている。
尤も、ジャイアン自身もまあまあ棒で同様の大爆発を起こしているので、遺伝なのかもしれない。

母ちゃんにはどうやっても頭が上がらないが、「俺は母ちゃんの奴隷じゃないっつーの!」と反論をすることもある。
が、結局母ちゃんには勝てないようで、だいたいオチでフルボッコにされるのがお約束。上記の反論に対しては「そんなセリフは奴隷みたいに働いてから言う事よ!」と即座に厳しく叱責している。
息子の悪事にはいつも悩んでいるが、心の底から愛しており、ジャイアンがスネた際には「どんなに乱暴でも、あんたはアタシの大事な息子だよ」と言ったことがある。
ジャイアンも何だかんだで母ちゃんのことはとても慕っており、ピンチの時には「母ちゃん、助けて!」等とスネ夫ばりにマザコンな一面も見せている。

なお、周囲の人たちからもその怖さは承知で、わさドラ2回目の「ママをとりかえっこ」では、
親を取り替えるさいドラえもんに「ジャイアンの家ともとりかえられるけど」と言われたらのび太、しずかちゃん、スネ夫が全力で拒否した。

わさドラ版では前述した人間離れした能力が更にパワーアップして描かれる傾向があり、ひみつ道具による呪縛を気合で無効化したり、未来の凶悪犯罪者を大根でノックアウトさせるほどの超人ぶりを見せつけた。
魔剣ダイコンブレードの使い手…?

なお、ジャイ子同様料理が得意で、彼女が作ったカレーをのび太が食べたときは「おいしい」と感激したほか、
町内マラソン大会の際におでんを作った時には、そのおでんはドラえもんのひみつ道具「なべ奉行」が作ったおでんより好評だった。
これは「汗をかくとしょっぱい物が食べたくなるから、あえて濃くしてるんだよ」とマラソンランナーの体調を配慮したことが本人の口から明かされたほか、同行したスタッフは「剛田さんは『鍋将軍』と呼ばれている」と補足し、名実ともになべ奉行を完敗に追い込んだ。

以上のスキルと性格から、名実ともに作中最強キャラとの呼び声も高い。
劇場版の大抵の敵は一撃で倒せるのではないのだろうか

  • 父ちゃん
cv:加藤正之、島香裕、郷里大輔/辻親八
非常に影が薄いが、ちゃんと登場する。
「バカでもいいから不正はするな!」という江戸っ子気質の性格のようだ。
短気で時には説教もするが、母ちゃんが輪をかけて短気なため、
小遣いをやろうとしたり映画に連れて行ってくれたり仕事帰りに鯛焼きを買ってきたりと、妻に比べると息子には割と甘い描写が多い。
後述する叔父と同じく柔道をやっており、ジャイアンに教えていたらしいが、ジャイアンはケンカにばかり使っている。
その腕前は大きな木の板を真っ二つにするほど。
日テレ版では「小助」という名前があり、ジャイアンと同じ髪型で体格はジャイアンよりも小柄で息子思いの父親として描かれており、ジャイアンも彼のことを大切に思っている(具体的なエピソードとしては物体瞬間移動機がある)。また、妻を供養している描写もある。

CV:太田淑子→青木和代/山崎バニラ、山田ふしぎ(2012~13年の代役)
読んで字の如くジャイアンの妹。ただし「ジャイ子」はあだ名であり、本名は生前の藤子先生の意向もあって明かされていない。
見た目はジャイアンそっくりで、性格も初期の設定が固まっていなかった頃は兄そっくりの「女ジャイアン」だったが、
「漫画家志望」という設定が追加された頃には優しく穏やかな性格となり、現在までその設定・性格が引き継がれている。
ジャイアンは妹のジャイ子を溺愛しており、妹の願いならどんな無茶な事でも叶えようとする他、妹の悪口は絶対に許さない。
映画『がんばれ!ジャイアン!!』の回想シーンから小さいころからジャイ子のことを思っており、
ジャイ子のクレヨンとスケッチブックを滅茶苦茶にしたいじめっ子を追い払い、のび太のクレヨンを奪って渡そうとして、
おそらくそのことが原因で母ちゃんに雪が降る中、物置にお仕置きとして閉じ込められた。
当のジャイ子も、あまりに過保護すぎることに時折嫌気が差しているような描写もあるが、自分を全力で応援してくれる兄を信頼している。

  • ムク
CV:玄田哲章、青木和代、たてかべ和也/高戸靖広
飼い犬。小さい頃、捨てられていた所をジャイアンに拾われた。
今ではすっかりバカ犬に成り果て、人の家の靴やおもちゃを盗んでうめたり、ゴミをあさったり、スネ夫の愛猫のチルチルに吠えられて逃げたり、
ジャイアンが気になっていた美少女の愛犬に喧嘩を吹っかけてボコボコに叩きのめしたりと醜態をさらしている。
しかしジャイアンは煮干しの頭ばかり餌に与え、ニャーと鳴けだの臍踊りやれだの無茶ばっかり言っているようで、
こういった情けない行為もひとえにムクのせいとも言い難い。(散歩等の世話もジャイ子に押し付けているらしく、ジャイアンが連れて行ったときには雪が降ると思っていたほど*5
一度ジャイアンから愛想を尽かされてのび太のペットになった時には
「でもおれ、あいつ(ジャイアン)が好きさ。小さい頃から可愛がってくれたしな」と涙ながらに訴え、
ジャイアンがライオンに襲われそうになった時には身を挺して庇い、仲直りした。

  • 親戚
親族関係もまあ全員予想の付く顔立ちをしている。
叔父は寺の住職をやっている人(未登場)と柔道十段の髭もじゃ男がいる。
後者はもっと喧嘩に強くなりたいと教えを乞うたジャイアンを叱咤し、
「君の考えている強さはただのケダモノだ。弱い者を護るものが本当に強いんだ」と武の心を教えた大物である。
大学生の従兄もおり、カワイイ彼女がいる。性格はジャイアンそのもの。

また、母ちゃんの妹(叔母)も登場している。
姉と同じくジャイアンも苦手にするほど気が強く、のび太からサル呼ばわりされた際には殴り掛からんばかりに激怒していたが、弱い者いじめをしていたジャイアンをしかりつけるなど正義感に強いおばちゃんなようだ。
ちなみにこのサル顔の叔母さんは、洋服キジを持って可愛いイヌ(わさドラではムク)と一緒に鬼のジャイアンを懲らしめていた。


【伝説的なエピソード】

きれいなジャイアン
秘密道具「きこりの泉」で登場した人物。
顔と性格、言葉使いだけが妙にきれいになったジャイアンである。
1度しか出てきてないキャラなのにインパクトは抜群で、フィギュア化されたりオブジェ化されたり、異常な人気を誇る。
しかし、特筆すべきはオリジナルのジャイアンの末路。
泉の女神に頭を抑え込まれ、沈められそうになっている。
どうやって助かったのか、気になるところである。
因みに、原作ではシャツをつかまれているだけ。

がんばれ!ジャイアン!!
ジャイアンの主演映画。
ジャイ子の初恋を応援するジャイアンの兄としての奮闘を描く。
ジャイアン達が良かれと思った行為が逆にジャイ子を傷つけてしまい、ジャイ子は「漫画もお兄ちゃんも大嫌い!!」とまで言ってしまう。
その際ジャイアンが発した、
「お兄ちゃんの事はいくら嫌いになってもいい!でも…漫画は嫌いになるな!!」
は前述の妹愛に溢れた名言。
風で飛散した漫画の原稿用紙をボロボロになりながらも集めるジャイアンの姿に観客は感動したとかしないとか。

因みに2002年の「早春!ドラえもんスペシャル」でこの映画が放送された際、新規に制作されたパートでスネ夫は
「良いよねぇ、ジャイアンは映画作ってもらえて…。
僕の映画なんて、何時になることやら…去年がジャイアンだったから『今年は絶対僕だ!』と思ってたら、またのび太の映画だしさ…。」

涙混じりにぼやいていた。
余談だがこの年の4月にはスネ夫を主人公に置いたアニメオリジナルエピソードが制作されたが、上述のやり取りが制作のきっかけになったとも言われている。


【余談】

何を考えたのか、カラオケUGAのイメージキャラクターを務めたことがある。
音痴がここまで上手くなった、という意味では間違いではないが…違和感はバリバリである。

作中の男子キャラクターとしては珍しく一貫して長ズボンをはいており、のび太やスネ夫のような半ズボン姿で登場することは滅多にない。前述の通り小学生ながら店番を行っているため、半ズボン姿ではお客さんに失礼になるからだろうか。
なお、わさドラ版では一時期夏場限定でハーフパンツ姿になったこともあるが、現在は原作や大山版に近いデザインに戻されている。
わさドラ版では当初原作に準じたキャラクターデザインだったが、2017年頃から修正が行われ、大山版に近い白目の入ったものとなった。

2012年に放送されたトヨタのCM「20年後のドラえもん」では、プロレスラーの小川直也氏がジャイアンを演じている。
アニメに比べてかなりスマートではあるものの、強面な表情はよく似ている。
しかしジャイ子役が前田敦子であるのを見て、「ジャイアンの妹がこんなに可愛いわけがない!」と思った人も多いだろう。
そのネタは令和のメイドロボット漫画に引き継がれることに
なお、小川は後年NHKで放送された「ドラえもん、母になる〜大山のぶ代物語〜」でもジャイアンの声を担当したたてかべ和也役を演じている。

ジャイアンの名前の由来は諸説ある。
単にジャイアントの略だったり、ジャイ子の兄(あん)ちゃんだからジャイアンだったり…
ドラえもん同様、設定が固まっていないと言える。
周りからジャイアンと呼ばれているためか、自身もテストの名前欄に「ジャイアン」、「剛田剛」、リサイタルの看板にも「剛田猛」と誤表記がある。
初期には作者の藤子ですら間違えている*6
えびはら武司作「藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道」によると「たけし」の名は自身の名より、誕生日6月15日もやはり自身の誕生日6月5日からとある。同著によれば、藤子は当初「ジャイアンの本名を決めると同じ名前の子がいじめられないか」を心配していたが、本名を教えてほしいというファンレターの数の多さから遂に折れ、「身近な人からとったと言えば愛される対象になるのではないか」とアシスタントのえびはらの名前を使ったという。

1993年放送の『ドラえもん15周年記念SP』では、たてかべ和也氏はよくジャイアンの声で結婚式のスピーチを頼まれると明かし、
大抵はバカ受けするものの、間違えて変なことを言ったりすると「今のすべてジャイアンでーす」とジャイアンのせいにしているといい、
アニメのジャイアンが「ひどいよ~」と困る場面が見られた。

2005年からは主要キャラの声優陣総入れ替えに伴い、木村昴氏がそのたてかべ氏からジャイアン役を引き継いでいるが、
新声優陣では役柄上リーダー・ボスポジションのジャイアン役を務める木村氏が年齢的に一番若いという状況になっており、
木村氏の明るい性格もあって、新しく静香役となったかかずゆみ氏などにしばしばSNS等でイジられている。
生前のたてかべ氏とは、氏の厚意もあって親しかったといい、木村氏が成人した際には新・旧ジャイアンで盃を交わしたという。

なお、木村氏は「記念受験程度のつもりで軽い気持ちで臨んだら本当に受かってしまった」と語っており、
声優経験もなかったため、合格後は新スネ夫役の関智一氏の演技指導を受けつつ、猛練習したという。特に木村氏はドイツ人とのハーフかつドイツ育ちのため、どうしてもドイツ語の訛りが抜けず、「のび太!」を「ノヴィタ!」と言ってしまうなどの苦労も多かった。
また、両親ともに音楽家であり、その指導を受けていたこともあって音楽については造詣が深く、歌唱力も高いのだが、
ジャイアンが歌うシーンでは却ってそれが災いし、「下手くそ(音痴)に歌う」ことに苦労したとか。



【以下、名言・迷言】

「お前のものはおれのもの、おれのものはおれのもの……な!」

「おれがいつ返さないと言った!? えいきゅうにかりておくだけだぞ!!」

「おれがこの手で皮を剥いでやる」

「フンガァ!」

「お前は今日からおれの奴隷だ」

「冗談じゃねぇっつーの! 毎日店番やら配達やら草むしりやら、子どもにも人権はあるっつーの! おれは母ちゃんの奴隷じゃねぇっつーの!」

「心の友よ!」

「欲しいものは手に入れるのが、おれのやりかたさ」

「見逃してくれたら、あとで一万円やるぜ」

「ようし! そういうことなら、ゴウモンにかけてもききだしてやる」

「のみみたいにつぶしてやろうか」

「うれしいわ、のび太さん」 

「こうなれば、ただじゃおかねえ。腕の二、三本へし折ってやる!」

「のび太はおれのえものだ。」


「友達に助けを求められて、知らん顔していられるか!!」

「あいつにあんな根性があったとはな……。スネ夫、やるか!?」
ス「よ、よし!!」
「のび太! 力を貸すぜ!」

「エラーなんかしたやつは、ころしてやるから」

「とったんじゃない。かりたんだぞ。いつ返すかきめてないだけだ。ドロボーみたいにいうなっ」

「スイスイスーダララ、ギッチョンチョンノパーイパイ」

「ばかめ、足あとをのこしていった。これをつけて行けば
 ・・・ ぎゃあ。大男だ」

「一時間以内につれてこい。こないとおまえがすごうく不幸になるぞ」


以下、歌詞の一例
  • オーレはジャイアーン! ガーキ大将!(キャラソン『おれはジャイアンさまだ!』)
  • おいらのォ~~心の愛は~~♪ お空の月の~~星のなみだよォ~~オ~~♪
  • おいらの~ハ~トの心は~~~♪ きみの~~ひとみのまなこに~~~♪
  • おいらの~~胸の心のせつなさよ~~~♪ 雨が~降れば~~~胸の心の頭も濡れるよ~~♪
  • おいらの~~胸の心はよ~~星に流れて~~夜ぎりの~~むせぶよ~~~♪ お~~~~あの子は~二度と帰るぞ~~~♪
  • オレはジャイアン~男だぜ~~!!
  • 歌こそ命~~~我が命よオ~~~オ~~~♪


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最終更新:2024年04月18日 00:10

*1 彼の乱暴ぶりには静香ですら「私たちを守ってくれる正義の味方はいないものかしら。」と嘆くほどである。

*2 ただし、初期では設定が固まってなかったせいか、スネ夫から「むちゃくちゃ」と評されたこともあった

*3 現在も藤子・F・不二雄ミュージアムグッズのブランド名として使用されている。

*4 大正~昭和初期に関東地区に登場した、外観のみを洋風にした建築のこと。原作漫画連載初期の1970年代には東京の下町に比較的多数残存していた。

*5 そういうセリフがある一方実は原作においてジャイ子とムクが散歩するシーンは描かれていないのだが、わさドラ版ではこの設定を反映させてジャイ子が散歩を務めている場面がある

*6 7巻で「郷田武」と書かれたことがある。